(安浦刑事)エリー。
朝飯できたよー。
(安浦ユカ)昨夜遅くまで在庫整理してたみたいよ。
先食べよ。
眠い眠いって毎日のことだろ。
しようがないなあ!エリ起きろよ!お父さんは前の晩どんなに遅くなったって朝飯はみんなと一緒に食ってたぞ!・
(安浦エリ)うるさいなあもう…いつ食べようと勝手でしょ!あの言いぐさだ。
いいから放っておけば?いや放っておけないんだよ!これは人間社会のルールだ!エリッ!お父さん前から一度お前に言おうと思ってたんだ!おーい!いくら独立したからってな…。
私もハッキリ言わせていただきます!私は自立したの!お父さんの指図は受けません!
(里見恵子)待ちなさい祐介!ほらちゃんとゴミ持って行きなさい!
(里見祐介)なんで俺がやんなきゃいけないんだよ!
(里見刑事)祐介ゴミ捨てはお前の役目やろ?ほかの中学生は誰もこんなことやってないよ!ほかの人がやってないからってやったらあかんのか?うるさいんだよいちいち!
(里見)祐介!コラ待てっ!コラ祐介!…アーッ!気をつけてよ!腰悪いんだからダーリン…。
もう朝からヘトヘトですわ。
それでゴミは処理させたのか?当然ですわ!息子なんかにナメられてたまりますか!男の子はそれで済むけどなあ娘となるとそうはいかんのだよ。
エリちゃんも一緒ですよ!ガーンと言うてやればいいんですよ!ガーンとなあ…。
(少年課の刑事)まったく毎週毎週…何度やったら気が済むんだ?こんな物持ってちゃダメだろう!どうしたんや?そこの公園で寝てたんですよ。
渋谷で遊んだあげく電車がなくなったそうで。
あれ…?また君か。
なんだ知ってるのか?3回目ですわ。
高校生のくせに毎晩毎晩遊び歩いて…。
何べん言うたらわかんねん!?今日という今日は勘弁できん!親呼んでくれますか?それが本間あゆみの母親は来られないそうなんですよ。
(里見)なんでや?
(本間あゆみ)パートがあるの。
(里見)お父さんは?
(あゆみ)そんなもんいないよ。
(里見)どうして?
(あゆみ)3年前ポックリ…。
だから母親が来るのはムリ。
1人で働いてるから。
そうか亡くなったんか…。
わかった俺が送ってやる!いやそれはちょっと…。
(里見)大丈夫大丈夫!この子の家埼玉なんですよ?埼玉なんてすぐ近くだ。
送ってやれ。
はい!…行くぞ!
(五十嵐刑事)これって刑事課の仕事じゃないんじゃないですか?わかってへんな〜。
青少年をしっかり育てることが引いては日本の未来を明るくするんや!
(本間宏子)すみません!ご迷惑をおかけしてしまって…!あゆみちゃんのお母さんですか?はい申し訳ありませんでした。
…あゆみ!!あゆみ!!すみません…どうしようもない子で…。
お母さんねこっちに謝るより子供を叱るのが先決でしょ?
(宏子)はいすみません…。
(五十嵐)それにお子さんを引き取りに来てくださらないと。
申し訳ありません…どうしてもパート休むわけにいきませんで…。
家のローンがまだ残ってるんで主人の給料だけじゃ…。
あの…ご主人いらっしゃるんですか?ええ?…あああのここにはおりませんけど。
東京でタクシーの運転手をしてるんです。
ここから通うのは大変なんでアパートを借りて1人で…。
(田崎刑事)じゃ家のローンを払うため家族がバラバラに?父親は浦和の工務店に勤めていたそうですが3年前に倒産して近くで仕事探したらしいんですがなかなか無くて…。
(高木刑事)バブルのときに手に入れた家を今手放すとなるとかなりの売り損だな…。
(今井刑事)それよりも問題はだなんでちゃんと娘を叱らなかったのかな?そうですよ!自分が親だったら絶対あんな娘は許しません!
(林刑事)でも最近の子は親の言うことなんか聞かないでしょう。
親が叱らなんだら誰が叱るんや!?そんなこと言うてるから子供はどんどんあかんようになるんや!里見さん…そうなんだけどあなたがここで興奮しても血圧上がるだけだから!ねっ?
(里見)…すみません。
(川辺課長)里見が余計なことをしまして…。
少年課の課長から聞いたときは冷や汗が出ました。
(横溝署長)安さんが許可したんだよな?そうなんです!何かをしでかしたという状況にもないのに…。
しでかしてからじゃもう遅いと思うんですがね?しかし少年課を差し置いてだよ?刑事課には刑事課の仕事がある!大事な子供たちの将来がかかってるんですから少年課も刑事課もないと思うんですがね。
たしかにそうだよな。
署長…!子供たちのことは山手中央署全体で目を配る。
大事なことだと思うよ。
はあ…。
(ノックの音)はい。
失礼します。
本町7丁目の商店街で傷害事件です。
被害者は中年の男性。
少年グループに襲われて意識不明の重体です。
晴ちゃん被害者を頼む。
はい!おう。
(高木)ご苦労さまです。
小銭が落っこってました。
この自販機で何かを買おうとしたときに殴られたんじゃないでしょうか?安浦さんこちらの酒屋のご主人と通報者の方です。
こちらの方あそこのラーメン屋のおかみさんです。
どんな状況だったか話していただけますか。
(福田久仁恵)店を片づけてたら外で怒鳴り声がしたんで出てみたらそこに男の人が倒れてたんですよ!
(里見)逃げていく少年たちを見たそうです。
あっちのほうへ3人走って行きました!どんな服装か覚えてますか?さあそこまではちょっと…。
ご主人も争うような声をお聞きになりましたか?
(荒井)気づきませんでした。
テレビ見てたから…。
救急車のサイレンの音にビックリしちゃってもう…。
(高木)安浦さん林と五十嵐くんは近所の聞き込みに当たってます。
あのー…さっき救急車で運ばれた人ときどきうちの自販機でカップ酒買ってる人だと思うんですが…。
名前わかりませんか?それはわかんないですけどねこの先のアパートに住んでる人だと思いますよ。
一度ねそこから出てくるのを見たことあるんですよ。
(大家)本当にうちのアパートの人なの?心当たりないですかね?40代後半で背の高い男性。
ときどき荒井酒店の自動販売機でカップ酒を買ってるそうです。
たぶん本間さんだ!なママ?
(奥さん)そうかもね。
本間さん?うちはみんなあと学生ばっかりだから。
…部屋さ行ってみる?ええ。
いたら本人じゃないってことだべさ。
ま話は簡単だ。
ママ鍵!こっちですよぉ。
足元気をつけてねー。
あどうも。
本間さーん。
…本間さーん?やっぱり本間さんかもしれないねぇ。
あやっぱりいねえなあ。
大家さん…本間さんはここで1人で暮らしてるわけですか?そ奥さんと娘さんを埼玉に残してタクシーの運転手やってるんです。
被害者に間違いないですわ。
あれ?安浦さん…被害者は本間あゆみの父親じゃ…?ん?ちょっと奥さんに連絡します。
ああ。
タクシー会社のほうは俺から連絡する。
(上司)本間です…間違いありません。
(同僚)だけどなんでこんな目に…?客とトラブルを起こしたこともない人なんですよ?やったのは少年だと言いましたね。
一体どんな奴らなんです?必ず捜し出します。
ちょっと聞き込みに行ってきます。
あ奥さん!あの主人は…!?まだ意識が戻りません。
前頭部にかなりの内出血があるそうなんです。
…助かりますよね!?大丈夫ですよね!?とにかく先生のところへ。
手術の同意書が要るそうなんで。
お願いします。
奥さまでいらっしゃいますか?山手中央署の安浦といいます。
田崎です。
あ…はあ。
お嬢さんは?それが…。
今夜も帰ってきてないの!?
(宏子)もうすぐ来ると思います。
携帯にメールしておいたんで。
…すみません!すみませんって…あなた…!まったく…どういう親子なのぉ!?本間さんも困り果ててましたよ。
一度本間さんに聞いたことがあるんですよ。
(同僚)どうぞ。
(本間昭二)サンキュ。
だけど…なんで奥さんと別居しなきゃならないんですか?埼玉なら通えないこともないでしょ。
2年前まではそうしてたんだよ。
だけど疲れちまってね。
やっぱり体が大変ですか?娘だよ。
毎晩遊び歩くのを見てられなくて…顔を合わせりゃケンカだ。
放っときゃいいじゃないですか。
それができない性分でね。
もっとうまく言えればいいんだがつい怒鳴っちまう…我ながら情けないよ。
聞いててこっちまでつらくなっちゃって…。
子供つくるの考えちゃいましたよ。
「はい安浦。
おお五十嵐くんか」本間さんのアパートの2階に住んでいる大学生なんですが昨日の夜の7時ごろアパートの表に高校生ぐらいの子たちがたむろしてたって言うんです。
7時っていうと…犯行の2時間前だな。
ええ。
もしかしたらその子たち最初っから本間さんを狙って待ち伏せしてたのかもしれません。
うん…で子供たちの特徴わかるかね?今林くんが訊いてます。
じゃ似顔絵を作成してだなラーメン屋のおかみさんに確認してみてくれ。
(林)1人はですね白っぽいパーカーにジーンズ。
もう1人は黒のトレーナーに黒い帽子です。
そうこんな野球帽。
服装もこんな感じだった。
間違いありませんか?ええ…私が見たのは絶対この子たちよ!女の子以外はおかみさんが見た少年たちにそっくりだそうです。
あの3人に似てますよね?
(川辺)“あの3人”って誰だ?
(林)本間あゆみとその友人の清水俊哉上田茂樹です。
本間あゆみって…ガイシャの娘だろう!?まさか娘が父親を襲撃したって言うんじゃないだろうな!?学校に連絡を取ってみましたが3人とも欠席しているそうです。
おい安さん…。
ちょっと待ってくださいよ!ラーメン屋のおかみさんは少年3人だと言ってるんですよ?夜ですしそれぐらいの見間違いはあると思います。
いやいやしかしだな…男の子と女の子を見間違えて黒い野球帽だけ見えたってのはおかしいでしょう。
そういうことだってあるだろう。
いや確かめる必要がありますね。
仮にですよアパートにいたのが本間あゆみとそのグループだとしても父親を襲うっていうのは…。
本間さんって口うるさかったんですよね?そんな父親いなくなればいい…そう思うことはあり得ます。
思うことと何かやるのは別だろ。
今はしちゃう時代なんです。
嫌なものは排除する…ゲーム感覚なんですよ。
あー…。
安さん…そろそろ我々も覚悟決めんといかんな。
そういう時代に合わせないと捜査の方向を見誤る。
里見はまだあてもなく少年グループを追いかけてるのか?すく呼び戻せ。
全員で本間あゆみを捜すんだ。
2人の友達も一緒のはずだ。
(携帯電話)はい里見ですが?えっ?…えーっ!?そんなアホな…。
怒鳴ったぐらいで娘に襲われたらたまりませんわ!俺もそう思うんだ。
本間あゆみと話してみてくれないか?けどどこにいるか…。
家行ってみてくれよ。
父親のことはメールで知ってると思うんだ。
ブラブラ遊び歩いてるとは思えんからな。
わかりました。
おう。
相手は女子高生だからな里見1人じゃマズイと思うんだ。
そうですね。
ちょっと行ってくれないか?わかりました。
奥さん…サンドイッチとコーヒーどうぞ。
すみません…あの…。
今刑事さんが見えたんです。
林と五十嵐ですか?あゆみの友達の住所を教えて欲しいと言われました。
どういうことなんでしょうか?あゆみが何か…?その前にちょっとお訊きしたいことが…よろしいですか?ご主人が東京でアパートをお借りになったのは本当に仕事のためだけなんですかね?ご主人がおっしゃってたそうなんですよ。
娘さんとこう…うまく話ができないと…。
私にももういい歳の娘が2人いるんですがね小さいときに母親を亡くしたものですからつい甘やかして育ててしまって…最近はそれじゃいかんと思ってときどき怒鳴ったりするんですがね…。
…刑事さんも娘さんのこと怒鳴ったりするんですか?まあたまにですよ。
その代わり倍になって返ってきますがね。
うちも…。
主人娘のこと放っておけない性分なんで…。
それでも工務店に勤めてたころはまだ良かったんです。
仕事仕事で主人ほとんど家にいませんでしたし。
それがタクシーの仕事を始めるようになって…非番の日は一日中家にいますでしょ。
いろいろ摩擦が起きてしまって…。
(あゆみ)ただいま。
あゆみ?…ちょっとこっち来なさい。
なによ?これはどういうことだ?私の部屋入ったの…!?いいから答えなさい!これはお前が吸ったのか!?なんで人の部屋黙って入るのよ!?親が子供の部屋に入っちゃいけないのか!?子供にだってプライバシーがあるんだからね!そんなのはちゃんとした子の言うことだ!私のどこがちゃんとしてないのよ!?あなた…!?なんでお父さんが家にいるのよ…?お父さんのおかげで私の生活メチャクチャ!なに…?私息が詰まりそう…!お父さんなんかいないほうが良かった…!!それが親に向かって言うことか!?
(宏子)あなたやめてっ!!お前は親を何だと思ってるんだっ!?それからあの子…主人がいるときは外で遊び歩くようになってしまって…。
たまに顔を合わせれば主人と怒鳴り合って…。
パートに出てても気が気じゃありませんでした…。
主人と別居してるのはローンのせいじゃありません。
私が主人に頼んだんです…別れて暮らしてほしいって!ひどい妻だと思います。
でもそれしかなかったんですよ…!主人が家にいなければ娘だって落ち着いていられるんです…!そうでしょうか?じゃなぜあゆみさんは今でも渋谷の繁華街を遊び歩いているのか…。
あゆみさんは悲しかったんでしょう。
父親は自分から逃げて行き…母親は何も言わない。
あゆみさんは2人に見捨てられたと思ったんでしょう。
私はそんなつもりで…!いやそう思ってるに違いない。
私はそう思うんですよ。
(メール着信音)あれ…?安浦さんに頼まれたの。
女子高生に話を聞くのに里見さん1人じゃマズイでしょ?そうですよね。
けどおるかどうかね…。
そんなの行ってみなきゃわかんないじゃなーい!・
(玄関のチャイム)良かった〜!いててくれたんや!
(ウグイスの鳴き声)アパート…?そう昨夜の7時ごろお父さんのアパートに行かなかった?行くはずないじゃん。
そしたらその時間どこにおったか教えてくれるか?なんでそんなこと言わなきゃいけないのよ?昨日の夕方お父さんのアパートの前で高校生らしい連中を見たという人がおるんや。
その子たちの服装がねお父さんを襲った少年たちの服装に似てたって言うの。
1人は白っぽいパーカーで1人は黒のトレーナーに黒の野球帽。
私たちが親父をやったって言うの?そうじゃないと思いたいから訊いてるの!お父さんのアパート行ったやろ?…なんで何も言えんのや?話してくれないとあんたたちを疑わなきゃならなくなるのよ!…勝手に疑えば?疑われることには慣れてるもん。
(里見)あのなあ…。
あいつも…タバコ見つければ私が吸ってると思い込んで…。
先生に見つかりそうになった子の預かってただけなのに…!だったらそう言えばいいじゃない?それで親が信じると思ってんの?嘘つくなって怒鳴るだけだよ。
説明の仕方が悪かったんとちゃうか?怒鳴られたら説明できないだろ!?
(里見)親かて怒鳴りたないよ!けどついカーッとなって…。
(あゆみ)なんでカッとなんのよ!?子供にバカなことされると自分が困るからだろ!親が怒るのは子供のためじゃなく自分のためなんだ!それでどうにもならなくなると最後には逃げ出すんだっ!お父さんがいつ逃げ出した!?逃げたじゃない…!!…私のことお母さんに押しつけて1人で楽しく暮らしてるじゃない。
そんなワケないでしょう。
あるわよ!ローンのためとか言って本当はせいせいしてたのよ!お父さんの暮らし…見たことあるんか?ないわよ。
でも…。
よし今から見に行こう!
(あゆみ)なんでよ…?見んことには何もわからんやろ!
(片桐由美)安浦さん…どうしたのこんな時間に?急にさママの顔見たくなって。
…何かあったのね?別にそういうワケじゃないんだけどさ…。
ウソ。
でなきゃこんな時間に来るはずないもの。
まだ仕事中でしょ?ウーロン茶にしておくわね。
(詩織)あいらっしゃいませ。
ママみりん買ってきまーす!何があったの?うん…。
いや俺もさすっかりヤキが回ったよ。
仕事じゃ偉そうなこと言うくせに自分の娘にはサッパリだ。
エリちゃんと何かあったの?その“何か”なんだよ…。
何かがおっかないから自分の娘には何も言えない。
そのくせ人には子供はもっと叱るべきだと言っちまった…。
みんなそうよ。
私だって詩織ちゃんには言ってるもの。
…結ばれない恋はしないこと。
自分のことは棚に上げて。
自分がダメだからこそ人には一生懸命言いたくなる。
それでいいんじゃないかしら。
ま“結ばれない恋”はともかく。
…まいったな。
(岡田)ただいま。
(由美)ご苦労さま。
安浦さん早いですね。
お邪魔しております。
刑事さん!…犯人の目星はついたんですか?いやそれがまだなんですよ。
野球帽買ってきましたけど?ちょっとかぶれよ。
え…?いいからかぶれよ。
はい…。
よし…じゃ2人であっち向いて全速力でダッシュだ。
え…ちょっと…一体何なんですか?いいから走れよ。
(2人)はい…!刑事さん…?あどうも。
いらっしゃい!…あ刑事さん。
どうも。
もう一度確認させてもらおうと思いましてね。
昨日逃げてった子供たちの1人は野球帽をかぶってたんですよね?そうですけど…それが何か?直接確認したかったものですから。
はい…。
あの…今の方は?息子です。
じゃこのお店は息子さんと2人で?ええ。
お父ちゃんもう死んじゃったものですから息子だけが頼りで…。
そりゃ大変ですな。
昨夜はお店にいらっしゃらなかったんですよね?…熱出して寝てたんです。
ほう…せっかくですからラーメンでもいただこうかな。
あどうぞどうぞ。
何がよろしいですか?そうですね…ネギラーメンいただけますか?じゃ餃子もサービスで。
あどうも。
これからまた捜査ですか?ええ。
怖いですよね今の子は…何するかわかんないですもんね。
敦ー!刑事さんにお水ー!
(大きな音)もうちょっと静かにお願いできないかな?あ…すみません。
もうあんたいいから…。
申し訳ございません…今日は虫の居所が悪くて…。
どこ行ったんだ…?あっ安浦さん!どういうことですか!?
(携帯電話)ちょっと待ってくれ…。
携帯安浦。
…おお晴ちゃんか。
本間あゆみどうなった?おおそうか…じゃ頼むよ。
彼女見つかったんですか?ああ里見と父親のアパートにいるそうだ。
じゃあ私たちも一緒に。
いいやいいんだ。
君たちこれから俺が言うことを課長に伝えてくれないか。
(2人)…はい。
こんな部屋想像してたか?風呂なしの部屋トイレは共同…お父さんがここでどんな生活をしてたか俺にはようわかるんや。
うちの女房もなタクシーの運転手をやってるんや。
話したろか?乗務がある日は朝5時に起きて営業所へ行く。
それから翌朝の8時まで走って営業所に戻って車の洗車。
それはもうクタクタや…。
それだけ働いてもまあせいぜい月に20万ぐらい。
その中から家のローン払って君らの生活費送ってんのや。
お父さんの楽しみいうたらなあの事件のあった酒屋の自動販売機でカップ酒買うことぐらいやで。
そうよ。
こんな殺風景なわびしい部屋でたった1人っきりよ?お父さんどんなに帰りたかったことか…。
でも帰ればあんたとケンカになるでしょう。
そしたらまたお母さんが苦労するでしょ。
そう思ってねお父さんはどんなに寂しくてもつらくてもここで頑張ってたんじゃない!これなお父さんの免許証や。
中見てごらん。
お父さんの気持ちわかるよね?
(あゆみ)やっぱりそうなんだ…。
お父さんいい子だったころの私しか好きじゃないんだ!あんたはどうしてそういう風にしかとれないの!?じゃあどうして今の写真じゃないのよ!?どうしてこんな写真なのよ!?
(田崎)それは…!ごめんねあゆみ…お母さん自分が楽になりたくてあんたとお父さんのこと引き離したの…。
逃げ出したのはお父さんじゃなくお母さんなの!どっちだって同じだよ!2人で私を見捨てたんだ…!あゆみ…!そうじゃないだろ!見捨てたんなら今ごろこんな写真持ってやしないさ。
お父さんがこの写真を持ってたのはね昔の君が…小さかったころの君がかわいかっただけじゃない。
お父さん自身がそのころの自分に戻りたかったんだよ。
君が悪さをしたら尻を叩いて甘えてきたら思いっきり抱きしめてやれる…そんな自分に戻りたかったんだ。
だったら抱きしめてくれればいいじゃない…!私だって戻りたいよ!お父さんに甘えられたころに戻りたいよ!あゆみ…!戻ればいいじゃないか。
素直に甘えればいいじゃないか。
今さらそんな…できると思ってんの?そうか…だったらそうしなさい。
お父さんはここで暮らして君は毎晩渋谷で遊び歩く。
それでいいじゃないか。
そんな言い方せんでも…。
だってしようがないだろう。
親の金で遊び歩いてそれでも自分は親に見捨てられたと思っている。
そんな娘にこれしか言いようがないじゃないか。
…帰るぞ。
私が何で俊哉たちとアパートの前うろついてたと思ってんのよ!?お父さんのことが心配だったからじゃないか!お父さんに会いたかったからじゃないか!あゆみ…。
それで会えたのかね?会えるはずないだろ…どんな顔して会うんだよ。
だけど…ちょっとだけ見たよ。
(上田茂樹)いつまでいるんだよ?・
(ドアが開く音)
(清水俊哉)あゆみ行って来いよ。
なんだよ?そのために来たんだろ?いいよ…もういい。
どうして声をかけなかったんだね?お父さん疲れた顔してた…。
またケンカになったらかわいそうじゃん。
(泣き声)あゆみ…!ごめんね…ごめんね…!安浦さん…ホンマ良かったですねえ。
良かないよ問題はこれからだ。
そうですよねぇ。
あいらっしゃい!ご注文は?えっと味噌ラーメン。
(俊哉)俺チャーシュー。
(茂樹)俺も。
じゃ味噌とチャーシュー2つね。
…いらっしゃい!刑事さん…また食べに来てくれたんですね…。
それより何か気がつきませんか?…は?この子たちなんです。
本間さんのアパートの前うろついてたのは。
おとといの夜この子供たちを見たんですよね?服装もそのときと一緒ですわ。
奥さん何か気がつきませんか?服装までは…。
似顔絵見たときそんな感じやって言いましたよね?それと同じ格好を見たら普通はギョッとしますな。
この子たちが入ってきたときから奥さんをずっと見てましたけど何の反応もありませんでしたよね。
(久仁恵)だから服装までは…。
じゃあこの野球帽はどうですか?それは見たわよ!だってこんなの誰だってかぶってるじゃない!こんなんじゃ驚かないわよ!それはちょっとおかしいな…。
実はこの野球帽をかぶせらてうちの署の者を走らせたんです。
自動販売機の前からあなたが言う子供たちが逃げて行った方向へ。
野球帽は闇に紛れて見えませんでした。
私には見えたのよ!そうよこれと同じマークよ!後ろから帽子のマークが見えたんですか?あなたは犯人を見ていないんだ。
なのにアパートをうろついてた子供たちの話を聞いてそれに話を合わせてしまった。
あなたは本当の犯人を隠すために子供たちに罪を着せようとした。
私はただ…。
(敦)うわわ…!うわわ…!
(久仁恵)敦ーっ!!敦ーっ!!違うんだよ…!!あの親父が悪いんだよっ!!あの親父が…!!やかましい!!自分がやったことを正直に話したらどうやっ!?ちょっと待ちなさいよ!「お待ちどうさま」ぐらい言ったらどうだ?ラーメンひとつで偉そうなこと言うんじゃねえよ。
敦…!申し訳ありません!まだ慣れてないものですから…。
そういう問題じゃないでしょ!…子供じゃあるまいし客にどんな態度をとればいいかぐらいわかるはずだろ!それともそんなこともわからないのか?お前俺をバカにしてんのか…!?敦やめなさい!
(本間)私はお客に頭を下げて稼いだ金でここに来てるんだ!こういう店に金を払う気はない!あの野郎…!!ブッ殺してやるっ!!敦やめなさい!!敦ーっ!!アアーッ!!
(久仁恵)敦なんてことを…!?
(敦)こいつが悪いんだ…!!こいつがっ!!敦戻んなさい!!早くっ!!私が全部悪いんです…!私が甘やかして育てたから…!あの子のせいじゃないんです…!そう思われるのならちゃんと罪を償わせることです。
あの子刑務所に入るんですか?そういう風にあなたが育てたんですよ。
やっていいことと悪いことの区別がつかない人間にあなたがしてしまったんです。
それが子供にとってどれだけ不幸なことかあなた気がつかなかったんですか?お母さん…あなたも同罪です。
いや〜ご苦労さん!
(鼻歌)あ俺。
今日早く帰れそうだから隣の伊藤さんを呼んでホームパーティーホームパーティー!例のほら…鯛しゃぶ!あの魚屋安いんだよ夕方!おい。
…ははいっ!終わったか?はいっ!あの…すぐこちらに連行してくるそうです…はい。
しかし…人ごとじゃないかもしれんな。
はっ?我々もしっかり親父やらなきゃいかんってことだ。
あ…あの…おっしゃるとおり…。
来たのか…。
ああゆみ。
来てたの?ダメだろ病院に香水は。
(あゆみ)いいじゃんこれくらい。
落としてきなさい。
ほかの患者さんに迷惑だろう。
いってきなさい。
どやった?全然変わってない。
ホント疲れる。
大変やな。
けど里見さんも大変だよね。
なんで?あの安浦って人おっかないもん。
正直…ビビッた。
…じゃあね!なにがおかしいんだ?世間話ですわ。
…ヘヘッ。
安浦さんどうも!あー奥さんお久しぶりですね。
あれ…どうしたんや?ウフフッ…祐介がね2人でデートしてこいって!え〜!デートゆうたってまだ仕事中やねん。
いいから行ってこいよ。
しかし…。
いいよ。
課長には俺がうまく言っておくから。
そうですか?ほならお言葉に甘えまして。
すみませーん!
(里見)じゃ失礼します。
あ…さっきあゆみちゃんが言ってたこと教えますわ。
なんだ?安浦さんの説教にシビレた…って言うてましたよ。
えっ?…おう。
ほな行かしてもらいます。
そうだ…エリにもやってみるか。
お姉ちゃんお父さんから電話。
(エリ)何だって?なんか話があるみたいよ。
(エリ)もう〜!もしもし?今仕事中なの!くだらない電話してこないで!そういう言い方ないだろう〜!たまにさ外で飯でも食おうよ。
ご飯〜!?うん…わかった。
…ちょっと聞いておいて。
もしもし?うん…うん…えっどこ?エリ。
ありがと。
久しぶりに3人で寿司食うんだからさ遠慮しないで好きなものどんどんいけよ!かんぴょう巻きしそ巻きかっぱ巻きなんでもいけーっ!お父さん今日はワリカンでいいから。
ワリカン?私も自立したしね。
ワリカンか…うれしいねえ…。
その心遣いがさ…お父さん最高にうれしいよ。
なぁーにがワリカンよぉ!親なら払うのが当たり前でしょぉ!?ケチケチすんなよ!ちょっと大トロつまみで熱燗2本!もう1本にしとけよ…。
だからなんでケチケチすんのよ!?エリこいつ前からこんな酒飲みだったか?知らないわよ〜!ほら危ないから!ただいまー!酒グセ悪いなあいつ!2015/02/26(木) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
はぐれ刑事純情派16[再][字]
「わが子を叱れない!殺意の家族写真」
詳細情報
◇出演者
藤田まこと、眞野あずさ、梅宮辰夫 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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