今年も春の足音とともにひな祭りの季節が近づいてきました。
おめでたいのたい。
幸福を招く福助。
長寿の象徴のえび。
心躍るモチーフの…島根県松江に伝わる郷土のひな菓子です。
意味合いを込めて作ってるんです。
女の子の幸せを願って親子で手作りする花もち。
春色のおもちに込められた優しい気持ちを一緒に味わってみませんか?光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
おひな様が右でしょ。
え〜ぼんぼりが…。
・「今日はたのしいひな祭り」こっちで…OKかな?・「ひな祭り」ちょっとかまどうるさい!ひな飾りだから何か歌歌ってさしあげたのに何?ちょっと…。
いやちょっと桃の節句も近いし姉ちゃんに頼まれたの。
姉ちゃんもひな祭りを待ち遠しいみたいで…見て!あっひな祭りって何のお祭りか知ってますか?女の子のお祭りでしょ?でしょ!今年はちょっとひな菓子にもこだわりたいんだよね。
教えて!分かった。
じゃあ今日はかまどが日本中探して見つけ出したすてきなひな菓子を教えてあげる。
おっ!どんなお菓子かな〜?これです。
…という事で今宵ひもとくのは松江の花もち。
京都金沢に並ぶ三大菓子処の一つとして知られています。
和菓子はとても身近。
皆さん町の和菓子屋さんに気軽に立ち寄ります。
小さな子も一緒に家族ぐるみで抹茶とお菓子を楽しんだりするんです。
ひな祭りには菓子処松江ならではのお菓子があるといいます。
こちらが松江の花もちです。
なんと華やか!花もちはこのカラフルな色合いが特徴のもち菓子。
更に形にもご注目。
おめでたい意味のあるモチーフがかたどってあるんです。
こちらは亀。
「亀は万年」というように長寿を表します。
そして桃。
古代中国で不老長寿の果物とされていました。
この花もちの作り方を町の人々に伝える会があると聞いてお邪魔しました。
会を始めたのは地元主婦の皆さん。
6年前から活動しています。
結構変わった形…。
こちらの女の子は小学2年生。
初めて花もち作りに挑戦。
お父さんも一緒に楽しそうですね。
そもそも花もちは家族で手作りするお菓子なんです。
代表の石川百子さんにどうして会を始めたのか伺いました。
子どもの頃花もち作りがとても楽しみだったという石川さん。
昭和初期の古い型も大切に保管しています。
米農家に育った石川さんにとって春の農閑期の花もち作りは家族みんなでできる数少ない行事でした。
子どもの頃は。
家族みんなで手作りした花もちで祝う桃の節句。
とても幸せな思い出だったんですね。
へえ〜。
花もちか。
初めて知ったね!初めて知ったね〜。
初めて知った。
でも何かその土地ならではのひな菓子があるって羨ましいね。
そうよ。
いいわよ〜。
おばあちゃんが作ってくれたりお母さんが作ってくれたりとかしてどんどん伝わっていってるお菓子なんだね。
そうだね。
何か温かいよね。
僕はかまど姉ちゃんのために一生懸命作ります!はい。
じゃあ味わいのキメテをお願いします!見た目も味も幸せを目指します。
はいはいじゃあじゃあまずは生地作りいきますよ。
そこに上新粉もち粉があります。
これ2種類の粉を使うの?そうなんですよ。
もち粉が8上新粉2の割合でブレンドしていきますけれどももち粉は伸びのある滑らかさを出してくれて上新粉は歯触りが出ます。
歯触りがいい。
そして泡立て器で混ぜて下さい。
そしたらそこにぬるま湯を入れて下さい。
後で蒸しますからその時火が通りやすくなります。
あっそうなんだね。
ちょうどいい硬さっていうのが耳たぶぐらいの軟らかさになったらいいですよ。
滑らかくなってきた?うん。
滑らかくっていうのか?あの…。
きめ細かくなってきた?はい。
そしたらそれ耳たぶぐらいの軟らかさになってくるって事?なってます。
何で目つぶらなきゃいけないの?そしたらその生地を分割していきます。
分かりました。
じゃあここでオキテお願いします!はい!どういう事?これは。
あんこを偏らないように包むには生地を満遍なくのばす必要があるから指で押すと何て言うか…。
凸凹…。
そうなんです。
凸凹なっちゃうでしょ。
ムラが出来ちゃうね。
だから「手の平でサンド!」。
そのままです。
手の平で…。
だからこういう事でしょ?うん。
手の指4本分くらいの幅まで…分かる?このぐらいの大きさでいいですか?はい。
載せます。
手で包むぐらいの自分の一番包みやすい所に置いてくるむ。
手で…。
そう。
右手も使ってもいいよ。
手で…。
何でこんなに…。
マリオネットみたいになってますけど大丈夫?手で…。
右手の人さし指であんこをちょっと押さえて下さい。
そして同時に回す。
あ〜悔しい!何だ〜?出来た出来た。
いや〜難しい…。
出来た出来た。
上手上手。
出来た!花もち作りに欠かせないものといえば陶器で出来た型。
扇えびちょうなど一つ一つが愛きょうたっぷり。
意味ありげな図柄です。
明治から昭和初期にかけて盛んに型を作っていたという窯元を訪ねました。
この繊細な型は手作業で作っていたのだとか。
時間置いてこれを外すと取れますから…。
こちらはもうおなじみ亀のモチーフ。
こちらはかぶ。
株券にかけて商売繁盛の願いを込めています。
こちらの窯元では型を長く使い続けてもらうため型の手入れも引き受けていました。
しかし昭和に入ると昔ながらの陶器作りは採算がとれなくなっていきます。
花もちを手作りする家庭も減り型の生産は途絶えてしまいました。
もう一度手作りのための型が手に入るようにと奮闘した人たちがいました。
22年前から再び型を店頭に並べています。
商売繁盛の願いが込められたえびすさんや富士山などお客さんのリクエストに応え10種類以上がそろいました。
型の販売を再開すると思いがけずうれしい事がありました。
お客さんが作った花もちの写真や出来たての花もちを届けてくれたのです。
型の復活をきっかけに生まれた新しい縁。
手作りのぬくもりは人と人をつなぐものなんですね。
へえ〜。
型を焼き直しして使うんだね。
すごいね〜。
何かそういうのはいいですね。
一時無くなってた型作りがまた復活してまたその手作りも復活した。
いいじゃないですか。
受け継がれていってるんだね。
ねえ。
はい。
じゃあちょっと両手出してもらおうかな。
両手を?両手をピュッと前に出して。
こうですか?いきますよ。
う〜ん陶器!陶器!あれ?もう疲れた今。
これかまどあれじゃないですか。
何何?えびと亀。
来たでしょほら。
これ特別に窯元から…。
お借りしてきたんですか?借りてきましたよ〜。
ものすごくきれいですよこれ。
はいではここでオキテお願いします!はい!そうかたくり粉です。
今から型の内側にかたくり粉をはたいていくんだけどそれはなぜかというと理由は型から出しやすいって事ですね。
そのためにかたくり粉を使います。
これ全部入れていいんですか?かたくり粉パサッと入れて…。
そしててるてる坊主みたいにしてほしいの。
そっからポンポンできるのよこれ。
そうなんですか?これ満遍なく型に…。
本当だ!粉がまぶせるの。
うん。
ほら。
そうなの。
はいいいですよ。
じゃあまず亀の甲羅の所?これいきます!甲羅の所に…。
この緑を…。
このくらいかな?これをこういう感じでいいっていう事ですね。
はい。
それでちょっと押すようにして。
入れます。
入れました。
入れました。
そしてその緑入れたやつと合体させますから…。
押していいんですか?これ。
ちょっと…。
うん押すんだけどあんまり強く押し過ぎないようにして。
カモン亀!来た。
うわっ!かわいい。
出来てる。
あっでも…。
ちゃんとすごく甲羅になってるね。
これをつばきの葉っぱに…。
分かってくれたね。
載せますよ。
じゃあ次。
えびです。
いいんじゃないですかね。
その上に…お団子ですよ。
出てくるかな?入れましたよ。
おっ!あっ早かった。
あっ…いいじゃないか。
でもかまど型がない場合はどうしたらいいの?型がないね。
松江にいない限り。
そうですよ。
だからちょっと見てほしいんだけど目の前に…。
これおちょこですね。
おちょこね。
それを型にします。
これで桃の花と手まりを作っちゃおうかなと思って。
はいじゃあまず桃の花からいきますか。
いきましょう!黄色でまず中心を…。
おちょこの場合はさっきのやり方とちょっと違うのね。
そのお団子の上に飾りたい黄色ちゃんをポコッと置いちゃって。
はい黄色はOKですよ。
次花びら。
花びらはじゃあピンクでいきましょう。
でかかったかな?いいんじゃないの。
きれいに出来てる。
きれいよね?で?まずかたくり粉。
あっポンポンですね。
ポンポンしてほしい。
どちらにもね。
おちょこにもだしお団子にもだしポンポンして…。
こういう事ですか?はいはいはいはい。
で?そしてひっくり返す。
こうですね。
そして軽押し。
えっこれで?じゃあ次は…。
次は?手まり。
手まり。
黄色の生地を糸状に細く…細長く…。
それ半分しようか。
これ半分に?うん。
はい!十文字にクロスさせてちょうだい。
こうですね。
十文字。
後は赤を…つけるだけですね。
さあさあさあさあさあ。
おちょこの役割はちょっと押さえて接着してくれます。
怖〜っ!糸の色とお団子の白い色がなじむためにちょっとギュギュギュッと…。
・「タララ〜」出しますか?はい。
・「タララ〜」・「タララ〜タラララタラ〜」あ〜っ!こっちにくっついちゃいましたね。
あのね型に満遍なくかたくり粉をつけないとくっついちゃうのよね〜本当。
ふ〜ん。
ちょっと一息TeaBreak!バラエティー豊かなひな菓子をご覧あれ〜。
まずはこちら。
京都代表のひちぎり。
名前の由来はこの形。
もちを丸める暇もなく引きちぎってたくさんの客へお出ししたんですって。
平安時代の宮中で年中行事に用いられたという由緒あるお菓子なのよ!お次は長崎から桃カステラ!ポルトガルから伝わったカステラと中国の縁起物桃をこんなふうに融合しちゃったのよ。
古くから海外と交流のあった長崎ならではよね。
続いて岐阜のからすみ!…といってもほんのり甘〜いもち菓子なんです!山あいの岐阜では貴重だった海の珍味からすみ。
子孫繁栄のいわれにあやかってそっくりなお菓子を作ったのが由来なの〜。
皆さんの近くにはどんなひな菓子があるかしら〜?花もち蒸し上がったかな?うん。
そろそろいいんじゃないでしょうか。
OK?じゃあ開けるよ。
じゃん!どう?おお!これかまど…。
フフフッ…。
蒸す前の色と全然違いますよ。
ツヤッツヤで色も鮮やかに…。
ピカピカ。
(チャイム)姉ちゃん帰ってきた!またいいタイミング。
春色のおもち出来てるよ!桃の節句を祝う松江伝統の花もち。
ふんわりやさしい色合いがひな祭りにぴったり。
ユーモラスな緑色の亀。
ツヤツヤカラフル。
かわいらしい姿に心が弾みます。
大切な人の幸せを願って召し上がれ。
花もち保存会の石川さん。
毎年桃の節句には欠かさずひな人形を飾っています。
はいこんな感じで出来ました。
このひな飾りは27年前一人娘のまりなさんが生まれた時に手に入れたもの。
今ではまりなさんも巣立ち自分の家庭を持っています。
それでも石川さんは離れて暮らすまりなさんの幸せを願いそっと1人でひな祭りをあげているんです。
(石川)思いを感じながら…。
東京で暮らすまりなさんに石川さん手作りの花もちを届けました。
ありがとうございます。
(まりな)あ〜。
(取材者)どうでしょう?きれいですね。
まりなさんが東京の自宅で花もちを食べるのは初めての事。
結構今母も私の息子をかわいがってくれてるので…。
なかなか春に帰るの難しいですけど…今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?松江の花もち。
いや〜難しかったですけど出来上がりを想像しながら作るのはワクワクしました。
誰かの幸せを願ってお菓子を作るのはすてきな事なんだなと改めて感じましたね。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
頂きます。
じゃあこの…。
頂いて。
この亀いきます!いって。
おいしそうだね〜。
うん!このつばきの葉の香りがふわって来ますしね。
ほら来た。
これ糖分入ってないじゃないですか。
あんこのこの甘さがマッチングしてますね。
いや食べてる時の姉ちゃんの顔が本当に幸せそうでしたよ。
あ〜「幸せにしてほしい」ってお姉ちゃん言ってたから。
ちゃんとしてあげられたね。
いや本当よかったなと思って。
ちなみにかまどは自分のひな祭りの時は覚えてますか?いや〜覚えてるよ。
何度も何度もやったもん。
何百回と…。
・「あかりをつけましょ」・「かまどの中に」あ〜ちょっと違うんだね。
・「お花をあげましょかまどの中に」やっぱりかまど界は歌も違うのよちょびっとだけね。
あっそうなんだね。
そうそうそうそう…。
2015/02/26(木) 12:25〜12:50
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「桃の節句 松江の花もち」[字][デ][再]
菓子どころ松江に伝わる、ひな菓子「花もち」。亀やエビ、桃などの縁起物をかたどった、カラフルなもち菓子です。春色のおもちに託された、心和む物語に迫ります。
詳細情報
番組内容
京都や金沢と並ぶ菓子どころ、松江。庶民にも気楽にお茶とお菓子を楽しむ習慣が根づいています。この町ならではのひな祭りのお菓子が「花もち」。ピンクや黄緑の華やかな彩りと、亀、エビ、桃といった縁起物のモチーフが特徴の、かわいらしい餅菓子です。古くからは、子どもの成長を願って家庭で親子一緒に手作りされていた花もち。道具や方法を若い世代に伝える地元の人たちの物語に迫ります。ヘンゼルも、心こめて作ります!
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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