デザインの梅干 第2回「仕組みのデザイン」 2015.02.26


グラフィックデザイナーの佐藤卓です。
今日もデザインを学びに来ました清水富美加です。
佐藤さんの助手を務めますアンガールズの田中卓志です。
よろしくお願いします。
今日はこの番組第2回目ですけれどもこの間受けてどうだったでしょうか?まだ「朝ドラ」の撮影中でして今。
あ〜「朝ドラ」に出るんですね?出るんです。
セットの中にある小物とかも全部デザインとか考えるようになりました。
どうしてこうなんだろうっていうのを…。
注目してやってる?ちゃんと。
やってますよ。
まだまだ一般的にはね特別なっていう印象があるんですよね。
そうじゃない日常当たり前にあるものが実はさまざまないろんな工夫で出来てる。
それに気付く事によって生活を豊かにするっていう事にもつながるという。
デザインマインドを育んでもらう番組ですね。
この番組は…
講師を務めるのは日本を代表するグラフィックデザイナー佐藤卓さん。
奇抜ではないけれど長く愛される。
そのデザインは業界の垣根を越えて称賛されています
バーバーサインを入り口に目印を解剖
私はその横を通る時に列の長さで大体時間を把握する。
生活の中に潜む目印を発見しその役割について考えました
実は勝手に目印化しているっていう。
そうやって生活を営んでいる訳ですよね。
佐藤さんの考えるデザインとは人の暮らしの中で生み出されたものや工夫です

デザインを知る事は日常に潜む当たり前が当たり前ではない事に気付く事なのです

という訳で今日も梅干のように五感を刺激するデザインマインドのエクササイズを始めます
3つのステップを通して生活を豊かにするデザインで考える力を活性化していきましょう。
スタジオにはさまざまなジャンルで活躍する若者たちにも集まってもらいました。
佐藤さんの生徒としてエクササイズに参加してもらいます。
それでは佐藤さん今日考えるデザインのテーマは何でしょうか?
今日は「仕組み」です。
(2人)仕組み?何の仕組みでしょうか?お米。
お米!ますます分からないですけど仕組みでお米?仕組みとお米がちょっと結び付かないです。
英語にするとRiceって訳されますけれども。
でも日本の米作りっていうのは単純に食べるためのRiceっていう意味ではなくて文化とつながってきてる訳ですね。
「米」をテーマに考えていくと世の中の仕組みっていうのもデザインなんだっていう事がだんだん見えてくるんじゃないかと思うんですね。
…で!で!で!そこからいくとまあちょっと難しいので今日の入り口はおにぎりにします。
おにぎり…。
やった〜!おにぎり大好きですよ!一番好きですね絵文字の中で。
絵文字!?一日50個ぐらいおにぎり使ってますもん。
関係ないとこで使ってるでしょ?「おはようおにぎり」とか。
そうですよ。
そうですそうです。
いや駄目だよそれ。
あれは私の中では句読点とかの代わりなんですよ。
そのぐらい…。
おむすび握り飯ともいわれます。
今日はおにぎりを入り口にお米にまつわる仕組みのデザインを考えていきます
最初は…
デザインの解剖とはデザインのメスを使ってものを改めて見つめ直す佐藤さんのプロジェクトです。
医学解剖のように表面から内側へとアプローチしどんなデザインが潜んでいるのか分析していきます
スタジオに用意されたのはコンビニエンスストアで販売されているおにぎり。
毎年100種類以上ものおにぎりが開発され店頭に並ぶそうです
皆さんよく食べますか?
(一同)はい。
ちなみにどれが好きとかありますか?私はそのサーモンの…。
これ?サーモンマヨ?普通おにぎりって具が真ん中しかないんですけど魚がず〜っとある…。
なるほど!おいしい。
オムすびとかね。
あっこれいいですよね!「オム」がカタカナ。
そうですね。
これ買っちゃうんだよなあ…。
オムライスむすびという事ですね。
あとこういう直火焼きソーセージとかのソーセージって言わないで直火焼きって言うとより何かこう炭火の匂いまでしてくるっていうか。
あ〜。
おなかすいてきた。
コンビニのおにぎりの特徴といえばこのフィルムパッケージ。
パリパリの海苔を巻いたおにぎりを手軽に食べる事ができる画期的なデザインです。
長野県のお惣菜屋さんのアイデアが発展し全国に広まっていったそうです
スポ〜ンでしょ?ねえほら!よく出来てるよね。
速いよね。
ね?さあもうですよもう!
更にデザインの視点に立つと細かな工夫も見えてきます
大体透明のものが多いですよね。
確かに。
中が見える。
これもねみんな当たり前に食べてんだけど透明だから中が見えてさっきサーモンマヨで言ったみたいにね見ておいしそう。
あ〜!唾液が出るっていう。
実は唾液とつながってる訳ですね。
もうそそられちゃってますよね。
それからね手前は透明なんだけど後ろ側に白が敷いてあるのがあるでしょ?本当だ。
何で敷いてるのか。
え〜?白いの。
白?何でだと思う?背景?ハハハハハッ!…え?えっ正解?いい視点です。
透明だと何て言うか後ろの景色がおにぎりの周辺まで全部見えちゃう訳ですよ。
そうするとおにぎりがあんまりおいしそうに見えない場合がある。
一回白を敷いてあげると白のキャンバスの上におにぎりが載ってるっていう状態で少しでもおにぎりがおいしそうに見えるっていう。
なるほど!そういう事ってやっぱり考えてるんですよね。
コンビニでの販売を中心に今や市場規模数千億円ともいわれるおにぎり。
その歴史はかなり古いようです
この三角形の石のようなもの。
実は2,000年前のおにぎりの化石です。
石川県にある弥生時代の遺跡から発掘されました。
形が崩れていない事から神様へのささげ物だったと考えられています
信仰の対象である山の形をかたどって神様との結び付きを求めたのです
食用としては屯食と呼ばれるもち米の握り飯が平安時代に登場。
ただし宴会の時にだけ振る舞われる貴重なものでした。
現在のような携帯食として庶民に広まったのは江戸時代以降の事。
おにぎりをぐるっと包める板海苔もこのころ開発されます
ちょっと神聖なものだったんですね。
今でこそパクパク手に取って食べちゃう手軽な感じありますけど。
僕の家も毎日夜にお仏壇にお米を。
チンしてきてってよく言われるんです。
お米を置いてチンしてみんなでごはんを食べるというのが絶対あって。
すごいお米って宝物というか掛けがえのないものなのかなと。
信仰と今の当たり前に存在する形みたいなもの…いわゆるデザインがねつながってる訳ですよね。
だから日本の食文化というのは結び付きがあるものというのが多くて。
鏡餅なんていうのもねまあそういう事ですし。
更に解剖していきます
ここで質問
クイズ大好き。
大体まあ…。
大きさにもよると思うんですけどもおにぎりの重さは110gぐらい。
大体コンビニで売ってるおにぎりのサイズ。
5,000粒?5,000!はいはい。
1万ぐらい。
1万?1万はないよ!面白いね。
何粒ぐらいだと思いますか?私はえっと…238ぐらい。
それは少なすぎる!大体ねスタッフさんが調べたやつですよ。
大体2,500粒!え〜ウソ!そんなにあるんですか?少なすぎるって。
ぐらいの…。
まあお茶わん1杯が大体3,000粒ぐらいなんでちょっと少ないぐらいなんですね。
日本でおにぎりに使われているのはジャポニカ種のうるち米。
世界の8割で食されているインディカ種にはない独特の弾力と粘りけを持つのが特徴です。
冷めても味が劣化しにくい事から携帯食にも向いていました
ここで佐藤さん一枚のグラフィックを机の上に広げました。
「品種の道」。
一つのお米が生まれるまでの掛け合わせの歴史をビジュアル化したものです
稲穂の形になぞらえてデザインされています
これはどう見ていくのかな。
あそこから?ゆめぴりかっていうお米。
ああ知ってますよ。
それはこんなにいろんな米を掛け合わせてず〜っと来てここに来てるんですね。
え〜ウソでしょ!だからこのぐらい実は人の手がかかりながら今当たり前にある米がね作られてきてるって事ですよね。
だから品種改良っていうのは人間がね米と米を合わせてそれで新しい米を作ったりとか。
だから自然の力をうま〜く引き出しながらある意味でデザインしてるという事が言える訳ですよ。
ほったらかしで育てたものじゃない訳ですよね。
お米は人が生み出してきたデザインの一つ。
現在日本には600種類以上の品種が存在するそうです
この辺にコシヒカリとかありますね。
コシヒカリなんかも入っていったりする訳ですね。
意外と名前もすごく…かわいらしい名前がいっぱい出てきます。
ひめほなみ。
ひめほなみ…。
かわいい。
ささほなみ…。
何と何を掛け合わせたらいいんだろうかっていうのを考える人がいる訳ですよね。
それで掛け合わせて多分どんな味になるんだろうというのはやってみないと分かんない事とか当然ある訳ですよね。
しかもこれ一年に1回しかできないじゃないですか。
だからすごい年月が重ねられてる。
いい事言うね!あのね米作りのねお話聞いたんだけどさ「僕らはね一生でね50回しか作れないんですよ」とかって言う訳。
50回ぐらいしか。
ね?50回ぐらいですよ。
その中でいろんな試行錯誤とそれから例えば天気は変わるしね雨が降らない時もあれば。
いろんなさ思うようにはならない訳。
自然と共にあるから。
だから米作りっていうのは実は自然と寄り添いながら暮らしてきたっていう。
その中にデザインがあるっていうのはこれねとてもね日本のすばらしいとこでもある訳ですよね。
日本の風土の中で脈々と築き上げてきた米作り。
お米一粒一粒にその歴史が込められています
おにぎりと日本社会というものが全然規模が違うんですけどそれが結び付いてて何か不思議っていうのもあるし。
ちょっと食べる感覚も変わってきそうですね。
例えば米がお金の代わりだったりするじゃないですか。
米で税金を納めたりとかしてました。
世の中の仕組みという事と密接につながってる。
実はデザインっていうのは間でつなぐ事とも言えると思うんですね。
間でつなぐ。
経済とか文化とかね人の知恵とかね。
まあ仕組みとしてのねデザインっていうものがおにぎりを入り口に見えてきたりする訳ですね。
続いては更に五感をフル活用するデザインマインドのエクササイズです
まずは生徒のフィールドワークを基にデザインを考えます。
こちらは生徒たちに撮ってきてもらった写真。
テーマは「昨日のごはん」です。
現在食事のスタイルは多様化しています。
生徒の皆さんもお米がある食事とない食事およそ半々でした。
日本人の1人当たりのお米の年間消費量は昭和37年の118kgをピークに年々下降。
平成25年には56.9kgまで減りこの50年でおよそ半分になりました。
そこで皆さんに質問です。
昨日食べたお米の味…
これ食べられた子?はい。
お米の味としては何か覚えてる事ありますか?お米の味ってお米の味ですよね。
同意します。
ちょっと食レポしてみて。
食レポ?食レポ…。
うん昨日のお米。
記憶がなければないで素直に。
ほぼない?ない。
ない!これは?味までは覚えてないんですけどちょっと固かった記憶があります。
箸で取っても崩れないとか?何か味覚的な事は分からないですよね?お米って正直…。
お米ってねいろんなものと食べれるっていうね懐の広さっていうのがありますよね。
だからこそ米の味っていうのをあんまり意識しなくてどっちかっていうとおかずの方の味でごはんと共に食べる。
でも実はねよくかんで食べると米の味ってね甘みがしたりとか違いがねさまざま実はあるっていう。
日本人がデザインしてきたお米の味。
なのにみんなほとんど覚えていません。
という訳でこれからお米の味を体感するワークショップを行います。
スタジオには3つの品種のお米を用意しました。
食べ比べをしてその味を言葉にしてもらいます
え〜コシヒカリ以外食べた事ない!え!?えっここでちょっと失笑…。
なかなか全部食べてる人もいないんじゃないですか。
それでは食べ比べ用のお米を選んで頂いた方を紹介します。
五ツ星お米マイスターの小池理雄さんです。
どうぞ。
(拍手)こんにちは。
お米マイスター?
(一同)よろしくお願いします。
お米マイスターとは米業者にのみ認定される専門資格です。
品種や味の違い炊き方などあらゆるお米の知識を学びそのすばらしさを伝える活動を行っています
今回選んだお米どういう基準で選んだんですか?まず食べ慣れてるものという事でコシヒカリを選びました。
それとの比較という事で食感が両極端に違うもの。
一つはササニシキ一つはゆめぴりかですね。
お米ってそんな味違います?違うんです。
そうなんだ。
ちなみに米の味の表現として例えばこういうふうに言うんだよという例ちょっと言ってもらっていいですか。
すっきりした甘さ澄み切った甘さとかですねありますし非常に味の濃い甘さですと僕はえげつない甘さって言うんですね。
お米に対して!?はい。
お米が自分に対して攻め込んでくるっていう。
そういう甘さだなと。
うわっ攻め込んで…。
お米の味を評価するポイントは次の6つの項目です
これらを意識するだけで味が変わってくるそうです
匂いであればちょっとぬか臭いかどうかとかですね。
口の中まで甘くなるぐらいの匂いなのかどうかとかですね。
そういう事が考えられますし。
そんなあったけな?粘りは食べて奥歯で感じる歯の離れ具合というんですかね。
そういったところを意識して頂ければと思いますし。
最初に味わうのはコシヒカリ。
全国生産量の33%を占める品種です
あ〜いい匂い!いい匂いですね。
お米は一般的な炊飯器で炊いたもの。
水の分量など条件は全て一緒です
この湯気の匂いはそんな変わらないですか?いや変わりますね。
やっぱりお米によって変わります。
今香りを嗅いで頂いた方がいいですねよそった直後の。
後で言ってもらいますからね。
しっかりさっきのポイントを。
頂きま〜す。
(一同)頂きます!いい匂い!あ〜いい匂い!黙っちゃうな。
黙っちゃう。
だって6項目も感覚をさ研ぎ澄まさなきゃいけないから。
確かに一口食べて全部判断しようとすると難しいので1口目で甘さ1口目で粘りとかそんな感じの方がいいと思いますね。
足りなかったら言って下さい。
多分足りないと思いますこれ。
米だからなこれが最高に甘いのか中ぐらいなのか分かんないな。
比べてみないと…。
とにかくまあ甘みとか食感は一応覚えとこうまず最初だから。
さあ続いては宮城県産のササニシキです。
昭和38年生まれ。
こちらもコシヒカリと共に知名度の高い品種です
ササニシキって意外に食べてないな。
うわっ全然違う!ウソだね。
本当!全然違う。
びっくりした!あれ〜!?あれ〜こんなに違うの!?びっくりびっくり!こんなに違うもの食べてたんだ。
違う違う違う!え〜全然違う!いや本当本当本当!あ!一回何かカレーの匂いしません?あっ俺それ思った!それカレーに使うごはんの匂い。
あ〜!持った時のねこの何か…。
ほぐれ具合…。
あ〜全然違うじゃん。
何これ〜!サラッとしてるかもしんない。
全然違う!
そして最後は北海道産ゆめぴりか。
2008年に登場した比較的新しい品種です
どう?また違うなこれ。
何だこれ?ちょっと待って。
何か今ちょっと危険な感じになっちゃった。
うんうんうん。
うん!うわ〜!水加減とかも全部一緒なんですよね?同じ条件で。
炊飯器も同じです。
ゆめぴりかというのは成分的にもち米に近い成分なんですね。
ですからちょっとモッチリしていますし粘りがあるのでその分甘みもね徐々に徐々に来るのかなと。
せり上がり系ね。
せり上がり系…。
せり上がり。
昔はね北海道のお米というのはあまり高く評価されてなかったんですけれども最近非常に評価が高くてお米の生産量とか生産額で言いますともう新潟か北海道かというところで毎年1位2位を争ってる。
そうなんですね。
コシヒカリササニシキゆめぴりか。
これから3つのお米の違いを言葉にします。
生徒の皆さんは味を感じ取れたのでしょうか
この米の食感そして味を言葉化して下さい。
既にしてると思いますけれどもよろしいですか?固さと粘りが近いコメントになってるんですけどもコシヒカリはどっちも私程よいにしててスタンダードな感じなのかなあと思っていて。
それに比べるとササニシキはサラッとしているというかほぐれやすいというか。
ササニシキは一粒一粒が結構パラパラしてる。
バラバラになる感じがあるんですけどゆめぴりかは取った時に全部一体になる感じ。
口に入れても一体になってる感じ。
そのまま一体となって入っていくみたいな感じが…。
いいと思います。
こんな違うんだと思って…。
私もいろいろ食べてやっぱり粒で味わうお米と固まりで味わうお米って結構分かれますから。
お〜そうなのか!やるね!
メモにそれぞれの違いが細かく書き込まれています。
昨日のごはんとは違ってお米をよく味わえたみたいです
一方こちらは清水さんのメモ。
数字ばかり書いてありますがお米の味は分かったのでしょうか
数字からのこの統計的なあれで言うと溶ける甘さ去る甘さとどまる甘さ。
ああいいですね。
いやゆめぴりかは本当にすごくてかんでる時の甘みもすごいんですけど飲み込んだあとにさっき蒸気が来てウソだろうと思ってたんですけど本当に飲み込んだあともフワ〜ッて甘さが残ってて…。
しかも口の中の上顎まで甘くてずっとなめてられる。
何もないのに。
上顎をなめてられる。
じゃあ谷口さん。
はい。
匂いについて。
コシヒカリはやっぱ甘いなって最初に思って。
スッて抜けるんじゃなくてふんわり立ちこめるような匂いが。
すごい!すごいぞ!確かにこんな感じだったわ。
いいですね。
ササニシキは草をイメージさせるなと。
草原の感じで…。
ゆめぴりかはコシヒカリとササニシキに比べるとササニシキにちょと近いかなって感じだったんですけど麦みたいないい匂いや感じがしました。
(小池)なるほどね。
これどうですか?
(小池)いやいいと思いますよ。
情景で捉えるっていうのは面白いですし僕も勉強になります。
今ちっちゃい声で「あ〜なるほど」って…。
メモってましたね心の中で。
たった一回の食べ比べ。
お米の味を言葉にするというきっかけ一つで五感が研ぎ澄まされたようです
米を味わいながら言葉化して自分が持ってる感覚の豊かさに気が付くって事も重要ですよね。
ふだんすごく鈍感になっちゃってんだけどだんだん分かってくるとどんどんこう何て言うかな言葉がねそこについてきてすごく豊かな事ですよね。
味わいがね強いか弱いかと言ったら弱い。
その弱さの中のいろいろなバリエーションによってさまざまなまたおかずがねそれとこうあって口の中でねいろんな豊かな味わいを感じる事ができるっていうか。
その食材をまた豊かにするっていう事にもつながっているんでしょうね。
おっしゃるとおりですね。
それぞれの時代食卓でお米を中心に築かれてきた日本の味。
弱いけれど懐の深いお米の味に合わせさまざまなおかずが食卓を彩ってきました。
今もなお続く仕組みのデザインの一つです
佐藤さんが選ぶグッドデザインを紹介します。
米俵。
わらじ。
しめ縄。
今回の梅干なデザインはこの全てに使われている素材藁です。
日本人はお米の収穫後残った稲を乾燥させ藁を作り多くの副産物を得てきました
藁葺き屋根や畳の藁床。
付着した菌で大豆を発酵させ納豆に加工もできます。
そしてこれらを作る事で仕事を得る事ができました
お米と共に優れた生活の仕組みを生み出してきた藁。
これが今回の梅干なデザインでした
それでは最後のエクササイズ
皆さんのデザインマインドに更に刺激を与えてくれる梅干な人にお話を伺います
今回の梅干な人は文化人類学者の竹村真一先生です。
(拍手)
(2人)お願いします。
どうもこんにちは。
よろしくお願いします。
地球時代という視点から独自の環境活動を行う文化人類学者です。
竹村さんは佐藤さんと共に今回の授業のもとになったコメ展を2013年に企画しました。
今日はお二人が展示会を通して表現してきたお米の仕組みとそのデザインについてお話を伺います
お米って一粒から何粒できるかご存じですか?一粒から?ファサーって出てますよね…。
25!いや少ないだろ!もっとあったよあそこ。
漫才みたいになっちゃう!常に少ない!200〜300ぐらいはあったと思う。
そうですね。
あれ実は1房で200〜300かもしんないけど一粒から株分かれしていっぱい出るんで結局一粒から2,000粒からほっといたら3,000粒。
そんなに!?すごい!つまり毎年2,000倍に増える魔法という事なんです米はね。
という事は大体小さめのお茶わんで2,000粒入ってるとするとそのごはん1杯の元手は一粒って事ね。
どうやってそんだけ増えてるかというと太陽エネルギー。
太陽エネルギーをつかまえてその太陽エネルギーの力で炭素と水素と酸素っていうこの世界にありふれたレゴブロックを集めて炭水化物っていうお米僕らが食べて元気になれるお米を作ってて。
僕らはそこにパッケージされた太陽エネルギーを食べて体の中で燃やしてこうやって元気になる。
という事は僕らはお米がためてくれた太陽エネルギーを後から燃やして元気に走ってるという事ですから。
お米って太陽電池だって考えた事あります?ない!ないですね。
でもどんなソーラーパネルよりもすごいいい。
しかも僕らはおなかもいっぱいになってなおかつ僕らがこうやって頑張って走れる。
毎年2,000倍に増えるすごい太陽エネルギーをためる仕組み。
太陽電池だってあんまり考えた事ないと思うんですけどお米ってまずそういう仕組みなんですよね。
その辺びっくりしましたよね最初知った時はね。
いや〜もう一粒がね太陽の光と水と大地とねそれだけで。
それだけで。
当たり前に米食ってるけど考えてみればびっくりなんですよね。
すごく性能がいい。
性能がいい太陽電池っていう事です。
それから仕組みでしょ?今日はね仕組みとしてのデザイン。
仕組みっていう事で言うとねやっぱりお米を食べるお米を中心とした食生活は人を良くする仕組み。
「食」ってほら人を良くするって書く。
あっ本当だ!あんま考えた事ないよね。
一汁三菜ってお米を中心にしておみそ汁があったりちょっとした健康的な野菜とかねそういうものがあってそれに注目したのはなんと40年も前にアメリカ議会が何でアメリカはこんなに成人病が多いんだ。
心臓病とかガンが多いんだ。
調べてみたらアメリカ人の食生活はそういう病気になりやすい食事だ。
じゃあその逆は何といったら日本食だったという事が分かった。
これはPFCバランスって…だからお米とそれから脂肪分とたんぱく質の肉とか魚とかねそういうもののバランスが一番いいのが日本食だと。
和食だと。
今再びお米を中心にした日本の食文化が世界から注目を集めています
そして3つ目は田んぼ。
この美しい景観が日本独自の自然を生み出しました
日本ってね水が豊かな国って言われるでしょ。
あれ半分ウソだっていうのをWater展でもやったんですよね。
豊かじゃない?実際降る雨は多いけど火山国で地形が急しゅんなんで洪水ばっかりですよね。
人間が困るだけじゃなくて魚も昆虫も卵を産んだってあっという間に流されちゃう。
という事は雨は多いけど使える水も少ないしあんまり住むのに適してなかった。
それを変えたのは何か。
人間が田んぼを作って水田を作って。
田んぼというのはあっという間に流されちゃう水をそこでためてくれる訳です。
ダムみたいなものですよね。
そこでスローなゆっくりした水になってそれでその結果治水。
つまり洪水も防げるしそれから周りの環境もよくなるしそれから生き物が増えた。
だって卵流されなくて済むからみんな繁殖できて…。
田んぼを水がゆっくりと流れる事で育まれた生態系。
日本の自然は人の営みと共にある事で豊かになったといいます
日本の生物多様で水が豊かな国は最初からあった訳じゃなくて人間が自然とコラボレーションして共同してつくってきた。
人間の営みでつくってきたものなんですね。
という意味でマイナスをプラスに転じる。
つまり洪水が起こるね…災いを恵みに転じてきたっていう。
お米の歴史ってねそうやって日本人は米を作る事で日本の国とか日本の風景あの美しい風景をつくってきた。
人の手が入った自然。
それによってすばらしい循環のシステムを人の営みと共に探ってきたんですよね。
だから米作りっていうのはこういう我々を取り巻く環境とそれから人が生きていかなければいけないという現実的な事をうま〜くバランスをとりながらだんだん育まれてきた優れた仕組みのデザインと言えますよね。
しかも日本人は米を作る事を通じて地球もよくしてきた。
より生物がたくさんいて水もゆっくり流れるマイルドな気候の地球をつくってきたっていう意味で地球をよくしながらお米を作る食料を作るっていう事が可能なのかもしれないっていう事。
うん。
だって18世紀には世界最大の都市が江戸だった。
世界で唯一の100万都市が江戸だった。
そうなんですか!という事はそんだけたくさんのお米を作ってたくさんの人が食える国をつくってた訳です。
しかもそうやって今度食べたあとみんなうんちをしてそれをちゃんと田畑に還元して今はやりの言葉で言うとリサイクルしてサステナブルな社会をつくってた。
お米作りってね連作障害っていうのはないんですよ。
つまりしばらく作物作ってたらその土地が痩せてきてそこの必要な栄養分がなくなるんで肥料をやらなきゃいけないんだけどお米作りっていうのはそういう循環型なんで連作障害っていうのがないんですよね。
そういう意味でもサステナブルな。
地球時代に一番見直されなきゃいけない農業。
しかもこれすごいですよ。
1,500年ぐらい前からこういう米作りのシステムを作ってきた訳ですよ。
という事は1,500年間の時間のテストに耐えてる。
うんうんうん。
へえ〜。
そういうデザインの勘どころデザインの梅干が分かんなくなっちゃってるから。
そうですね。
その仕組みのデザインが分かってないと次の世代にそれを引き継いでいけないかもしれないという事でもう一回ちゃんとお米のバトンを握り直さなきゃいけない。
ちょうどお米を中心とした和食が世界無形文化遺産に登録されてそれをチャンスにもう一回米は過去であるだけじゃなくて未来ですと。
日本をつくってきたものであるだけじゃなくてこれから地球をつくる地球の未来をつくる仕組みだ…いう感じでもう一回米を見直してみるっていうね。
大切な事っていうのはやっぱり順繰り順繰りにある時間が来たらやんないといけないんですね。
やっぱり世代も変わっていくので。
今日の梅干な人は竹村真一さんでした。
ありがとうございました。
どうも。
(拍手)食べる時に頂きますって言うじゃないですか。
「頂きますって命を頂きますっていう事」っていう事は聞いてたんですけど命っていうもの米一粒の背景にどれだけの命があるかって事がだからどれだけのものに対して頂きますを言ってるのかという事が分かったんで重みがちょっとこれから変わってくるなと思いました。
すばらしい。
花柄のシャツでね。
着てるのに。
頂きますの重みを分かってらっしゃる。
ああいう花柄のシャツの人がそういう事言ってるの初めて見たね。
将来教師を目指している者として食育っていう言葉があると思うんですが今日学んだ事を伝えたいと思いましたし学ぶ側から伝えられる側にもっと成長できるようになりたいなと今日改めて思いました。
農業の方の勉強をしていて農家さんのお手伝いとか行ったりとかあとは自分らで畑やったりとかしてたりとかしてる中で農家さんの話ではお米がみんな食べなくなってるからどんどんどんどんお米の値段も下がっちゃうしとかいう話を聞くと食べるっていうだけじゃなくて物と人をつなげるそういう役割もあるっていいのかな…。
自分もたまに直売とかの活動もやってる一面も…そういう活動もしててそういうところにつなげる時に前面に押し出すそういうツールとしてデザインっていうのがすごい前に出していけるんじゃないかなというふうにすごい思いましたね。
つまり物事を見る時に関係で見ていかないといけないんですよね。
そこだけを見てもやっぱり見えてこなくて実はいろいろなものとの関係で全ての物事が成り立ってるので何と何をつないでるんだろうかって見ていくとデザインというものがねちょっと見えてきたりするっていう。
そうするともうちょっとこうしておいてあげるともっと快適になるなとかね。
(2人)あ〜。
デザインって優しいですよね。
…って考えると。
気遣いみたいですね。
お!もう今ツボに入りました!あ〜来ましたか。
気遣いそのものですね。
デザインっていうのはね。
先回りをしてこれから先の事を考えて今何をやっといてあげるとこれからみんなのためになるだろうと思って施すものはデザインな訳ですよね。
だからね気遣いそのものなんですよね。
じゃあもう佐藤卓さんってデザイナーさんもうめちゃくちゃ優しい人って事ですよね。
気遣いのねモンスターですよ。
それには身近な人たちが相当反論があるかもしれない。
違うぜみたいなねあるかもしれませんけど。
でもまあそれがねどうしても問われちゃいますよね。
皆さんどうも今日はありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
2015/02/26(木) 23:00〜23:45
NHKEテレ1大阪
デザインの梅干 第2回「仕組みのデザイン」[字]

身近なテーマを題材として「デザインで考える力」をエクササイズする番組。五感を研ぎ澄まして、デザインマインドを活性化すれば、何の変哲も無い日常生活が楽しく変わる!

詳細情報
番組内容
「おにぎり」を入り口として、米が日本の自然・文化・社会にもたらした「仕組み」のデザインを解剖。体感エクササイズは「お米の食べ比べ」。ふだん何気なく食べているお米を、改めて言葉で表現。五つ星お米マイスターから「味わいポイント6項目」を伝授してもらってから、3種類のお米を食べ比べてみると…驚きの発見が!五感を研ぎ澄まして、じっくりお米を味わう。それだけの超シンプル体験に、参加者一同が楽しく盛り上がる。
出演者
【ゲスト】文化人類学者…竹村真一,【講師】グラフィックデザイナー…佐藤卓,【出演】田中卓志,清水富美加,【語り】BIKKE

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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