おはようございます。
今年7月一つのプロジェクトがスタートしました。
仕掛け人はこの人…「YAWARA!」「20世紀少年」「MASTERKEATON」。
漫画史に残る作品を次々と生み出すヒットメーカーです。
ペンと自らの頭脳。
それだけを頼りに白い紙の上で壮大なドラマを紡いできました。
そんな浦沢さんが立ち上げたプロジェクト。
それは漫画家のペン先を映像に残す計画です。
これまで漫画家たちのペン先から数々の名作が生まれ漫画は日本を代表する文化となりました。
漫画家はストーリーはもちろんキャラクターの表情演技情景などドラマの全てを小さなペン先を頼りに生み出します。
その作業はとても繊細。
そのため執筆を密着撮影する事はこれまでほとんどできませんでした。
表札のないマンションの鍵はいつも本人だけが持っています
漫画家が絶対に踏み荒らされたくない作業場という聖域。
浦沢さんがそこにあえて踏み込もうとしているのは昔見たこの番組が記憶にあったからです。
そこからあとはもう…。
漫画の神様手治虫。
その制作現場に密着したドキュメンタリーです。
当時手さんは57歳。
亡くなる3年前でした。
撮影に協力し技術を後世に残そうとしていたのです。
ほかの漫画家に撮影を依頼するにあたり撮影システムの開発に取り組みました。
漫画家にストレスを与えないためにはどのように撮影すればいいか。
選んだのは最新の小型無人カメラです。
自ら実験台となり執筆してみる事にしました。
はい回しま〜す。
もう作業始めちゃってます。
まず下書きを始めます。
ネームと呼ばれるストーリーのあらすじを土台に白い紙へコマ割りと絵を入れます。
へえ〜こんなふうに描くんだ。
浦沢さんのペン先。
前後のコマを行ったり来たりするんですね。
結構あるんですよね。
うわっ確かに違いますね!下書きが終わるとインクを使って本番の絵を入れるペン入れ作業です。
浦沢さんのペン先から世界がどんどんと生み出されていきますね!やっぱり一番のあれは…本当だ。
背中から何か伝わるものありますね。
このページいいっすね。
こうなっててこここう…。
仕上げに背景やスクリーントーンなどの特殊効果をアシスタントと分担して入れます。
これだけの工程を経てようやく1ページが完成するんですね。
大変だ!撮影システムもどうやら問題ないようです。
この日撮った映像をほかの漫画家さんに見せて撮影のお願いをする事にしました。
浦沢さんのムチャな呼びかけに応えてくれた漫画家さんがいました。
ヤッター!なんと…代表作は…原子力潜水艦が独立国家を名乗り世界のパワーバランスと対峙していくSF大作です。
そんなスケールの大きな人間ドラマをそのペン先からいくつも生み出しています。
今回は現在連載中の作品の執筆に…撮影の2週間後その映像を2人で見ながら話をする事にしました。
場所はかわぐちさんの母校明治大学。
かわぐち漫画スタートの聖地です。
さてさて日本を代表する漫画家同士のお二人。
一体どんな話が飛び出すんでしょうか。
全然この辺のなかった。
かわぐちさんは当時漫画研究会に所属し腕を磨きました。
真っただ中ですもんね。
ここだ。
ああ…お〜。
思い出しました?これすごく片づけてんな。
何かこれらしからぬ整理整頓じゃないですか。
こんなにきれいなの?もっとひどかったような感じ。
これが「MORE」。
「MORE」これね。
うまい。
隠しちゃった。
世界中でヒットしてきたかわぐち作品。
その誕生の瞬間がいよいよ明らかになります。
カメラちょっと最初のうち嫌でした?あんまり関係ないですよね。
よかった。
撮影方法はクリアー!下書きはHB駄目なんですか?源氏と平氏の戦いをリアルな心理描写と共に描いた歴史大作です。
ストーリーは世の流れが平氏から源氏へ動き出す転換期を迎えています。
おはようございます。
原君ねこれ。
渡辺ねこれ。
五木ねこれ。
両方に屋根が…。
追い詰めてないからそこまで。
難しいよね。
「〜ぽく」っていうのが駄目ってそしたらどうやって人に伝えたらいいんだろう?本当に大変なお仕事なんですね。
今描いているのは平清盛が次々と襲う逆境に立ち向かおうと決意を新たにする重要なページです。
かわぐちさんは正面画今…ない。
問題だよね。
鼻一つでそんな事になるんだ。
緊張するよね。
どっからいくんだろうっていうのが…。
かわぐちかいじさんは昭和23年現在の広島県尾道市に生まれました。
小学生の頃は双子の弟さんと一緒に少年漫画に夢中になりました。
中学1年の時黒澤明監督の「用心棒」を見て映画製作に憧れます。
リアルな描写と印象的なキャラクター表現に圧倒されたのです。
一方そのころ少年漫画に代わり大人向けのドラマをリアルに描写する劇画が一世を風靡し始めます。
衝撃を受けたかわぐちさんは映画のような世界を漫画で描きたいと思うようになりました。
映画が出発点だった影響が表れているのがこの紙。
漫画のストーリーを考える時かわぐちさんが一番最初に作るのがこれなんです。
せりふがないと。
分量的に。
こういうの好きなんだよね多分ね。
やってる時に画面を想像してる瞬間みたいな。
かわぐちさんは大学在学中の21歳でプロデビューします。
僕これ見た時に…忠男さんの方。
永島さんとか山上さんのポップな感じから…ああはいはい。
あれ僕ら読者で見てて…デビュー後かわぐちさんは人間の葛藤や不安感を生々しいタッチで描いていきます。
しかしヒットには恵まれませんでした。
そんなかわぐちさんをブレークに導いたのが目を使った感情表現でした。
かわぐちさんは新境地のSF作品「沈黙の艦隊」でも追求してきたテーマを貫きます。
世界が抱える巨大な葛藤と不安を身につけたポップな画風で表現した時作品は大ヒットとなりました。
はいはい外国人の顔をね。
おっしゃるみたいにやっぱり…ああ迫力出てきてる。
え〜何か驚き。
日本を代表する漫画家さんが日本を代表する漫画家の手法に驚いてる。
今度はかわぐちさんから浦沢さんに。
そんなの夫婦で話してるんですか?へぇ〜!そんな事があったんだ。
自分ではね。
あそうなんですか。
でもやっちゃうんだけど。
決め打ちで。
決め打ちでピッといきたいんだけどね。
武骨でかつ繊細なペンタッチと力強い目の表現で清盛の葛藤する心情が描かれました。
かわぐち作品の真骨頂といえるページが完成しました。
こっちは負けるもんかとかそういう信念があるけどこっちは不安が目に…。
この裏側の顔の作り方がこれThisisかわぐちかいじって感じですよ。
漫画家同士いつまでも話は尽きないみたいですね。
なんと今回もう一人漫画家さんのペン先を撮影する事に成功しました。
その方は少女漫画からキャリアをスタートし青年誌で花開いた異色の漫画家…代表作は連載開始から26年目を迎えた「天才柳沢教授の生活」。
極端に規則正しい生活を送るちょっと変わった大学教授が日々新たな発見をしていく作品です。
山下さんは深い人間観察を基にしたストーリーを少女漫画のやわらかいタッチで描いてきました。
こちらかな?浦沢さんどこにでも行くんですね。
フットワーク軽〜い!熱狂的なファンが多い山下さん。
やはりこれまで執筆を撮影された事はほとんどありません。
お邪魔します。
うわ〜すてきな…。
山下さんは3年前全面数寄屋造りの仕事場を建てました。
うわ〜すてきな…。
あれ自分の掛け軸なんだ。
自分で…あれいいな。
好きだな〜こういうの。
あっそうですか?うわ〜いいな。
こんな感じです。
やあ。
「何しに来たんだよ」って。
同級生という年齢だけにあれですね。
相当考えてる事とかやってる事とかが似たとこありますね。
なんとなく分かる。
今回は山下さんの仕事場に3日間にわたって密着しました。
苦しみながら1ページを生み出す息をのむ映像をお楽しみ下さい。
作品は連載が始まったばかりの「ランド」第7話です。
とりあえず猫ちゃん。
わ〜すごい。
描いてる音ってこんな感じなんだ。
こうかこうか。
えっ!?もったいな!ふってすると逃げちゃっていなくなっちゃうじゃないですか。
もったいな〜い!えっあの顔すごいよかったのに。
いいじゃないですか。
「ランド」。
1話完結の作品でヒット作を連発してきた山下さんが新境地に挑む長編ストーリーです。
舞台は四方を山に囲まれその向こうをあの世と信じる閉ざされた村。
主人公の少女杏は徐々に外の世界へ興味を抱いていきます。
これから描くのは杏が山の向こうから現れた謎の子どもと衝撃の再会を果たすシーン。
ここから物語が動き始めます。
山下さんは編集者と何度も打ち合わせを重ねる事でネームをブラッシュアップしていきます。
山下さんは一度描いた内容にこだわらず柔軟に作り直します。
試行錯誤が作品を面白くするんですね。
山下さんが今描いているのは杏がイノシシの皮をかぶった謎の子どもと再会する幻想的なシーンです。
えっまた?あ〜駄目だ煮詰まった。
分かる。
よしよしはいいらっしゃ〜い。
はいいらっしゃ〜い。
そうそうそうそう。
それでちょっと…。
ですか?はい。
ちょっとどいてくれる?はいじゃあバイバイ。
えっそうですか?うん。
このね…僕らからすると…あのころを傾倒しているイメージだと。
そうですね。
あっ!って事は…そうです。
あ〜ありますよね。
位置とか。
じゃあそうですね。
そうそうそうそう。
大友さんのペン先是非見てみたいですね。
浦沢さんレッツトライ!耐水性があるって事?そうなんですよ。
あっそう!いい事聞いた。
それに気が付いて。
あっそうなんだ。
そうなんですよ。
すがすがしい感じがしていいですね。
山下和美さんは昭和34年北海道小樽市に4姉妹の末っ子として生まれました。
子どもの頃上の姉2人が漫画家としてデビュー。
その影響で自然と漫画を描くようになりました。
ずっと置きっ放しなんですけどねここに。
中学の時に描いた。
みんな中学の頃ですねここら辺のは。
うまい!中1。
これなんか有吉京子先生っぽいっていう。
山下さんは大学在学中の二十歳でプロデビュー。
少女誌に恋愛漫画を次々と発表します。
しかし大ヒットは生まれませんでした。
デビューから9年。
山下さんに青年誌の仕事が舞い込みます。
そしてお父さんをモデルにヒット作「天才柳沢教授の生活」を生み出しました。
こうして山下さんの才能は青年漫画で花開いたのです。
そうそうそうそう。
う〜ん…。
思い描いていたイメージのとおりにペン先が進まず苦しんでいるようです。
えっ?え…山下さん?また絵を一から描き直し!?ああ塗っていくのね。
最初に塗って…。
大変ですよ。
うわ〜!どう思います?面白い?どう?「しまった!」と思って。
さっき描いた上の2コマをなくして和紙の絵を一枚で見せるって事ですよね?でもそしたらあの2コマが!あんな苦労して描いた2コマが〜!イノシシの皮を羽織る動きは前のページの最後に入れる事にしました。
5時間半かけてようやく完成。
和紙に筆と墨で描くというチャレンジ。
最後の最後まで試行錯誤を重ねるしぶとさ。
山下漫画の神髄がこのページに込められています。
どうですか?44年たってみて。
2015/02/28(土) 02:35〜03:35
NHK総合1・神戸
浦沢直樹の漫勉[字][再]
漫画家たちの、リアルな作画現場に潜入・密着撮影し、世界の漫画ファンに届ける番組。プレゼンターは、“鬼才”浦沢直樹がつとめる。ゲスト:かわぐちかいじ/山下和美
詳細情報
番組内容
漫画家たちの、リアルな作画現場に潜入・密着撮影し、世界の漫画ファンに届ける番組。プレゼンターは、“鬼才”浦沢直樹がつとめる。撮影を行ったのは、「沈黙の艦隊」などの大ヒット作を持つ、かわぐちかいじ。そして、「天才柳沢教授の生活」などで知られ、これまでメディアにはほぼ登場してこなかった山下和美。1ページを生み出すために全身全霊で苦闘する、漫画制作の息づまる映像をお届けする。
出演者
【出演】漫画家…浦沢直樹,漫画家…かわぐちかいじ,漫画家…山下和美,【語り】平愛梨
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
趣味/教育 – その他
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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