(テーマ音楽)
(波が打ちつける音)
(波が打ちつける音)
荒波打ちつける北の海
北海道石狩湾は大荒れの日が続きます
寒さも厳しいこの時期にぎわう港があります。
札幌から北に40キロ石狩市厚田
ニシンです。
半世紀にわたってほとんど水揚げがなかったニシンが再び浜に戻ってきているのです
ニシン漁が行われるのは1月から3月にかけて。
厚田の人たちの冬の暮らしを支えます
1月下旬厚田の浜を訪ねました
波も穏やかでほっと一息つけますね。
これみんなニシン船なのかな。
休んでるような感じで。
大きな船ですね。
これもニシンなのかな。
こんにちは!こんにちは!今日も漁に出てらしたんですか?うん。
今やっと終わったばっかりだね。
今年はニシンは取れてますか?今年まずあれだね。
1月としては取れた方だでね。
4代続くニシン漁師の中井健二さん。
10年ほど前から本格的に漁を再開しました
午前6時
中井さんの船。
漁の準備は雪かきから始まります
しけの合間僅かな時間を縫って沖へ
産卵のため岸に近づくニシンの群れをねらいます
浅瀬に入れた網を引き揚げると…
まるまると太ったニシンが掛かっていました
この日の水揚げはおよそ3トン。
大漁でした
よかったよかったよかった。
よかったよ。
ハハハハ…。
かつて網を入れる度に千両万両にもなったというニシン漁
やん衆と呼ばれる季節雇いの漁師が各地から集まり浜は大いににぎわいました
しかし海の環境の変化やニシンの取り過ぎなどにより昭和29年を最後に群れはほとんど現れなくなります
漁師の多くは厚田を離れ残った者も冬場は出稼ぎでしのぐしかありませんでした
「厚田に再びニシンのにぎわいを」。
20年前から漁師たちによって稚魚の放流が行われる中少しずつニシンが戻ってきたのです
港に帰ると慌ただしく水揚げ
ニシンは港のそばの番屋で一匹一匹網から外していきます
一日に何度も沖に出るニシン漁。
網は次の漁でも使うため作業は時間との闘いです
妻の寿美子さんが中心になって浜の仕事を担います
番屋の中で昼御飯の支度
取れたてのニシンで手早く作ります
刺身に…
煮つけや竜田揚げ
この時期ならではの楽しみです
は〜い御飯だよ!・はい!いただきます。
は〜い刺身大好きでしょ。
アハハハ…刺身食え!はい!こういう時期はやっぱり危険を伴うのでいろいろと気遣いますよ。
コミュニケーションよくやらないとね。
そうですね。
まずはね若い衆の命を預かってますからね。
それが第一ですよね。
奥さんが寿美子さんだっていう辺りも。
(笑い声)解体してるか。
(健二)もう既にいないさ。
ニシン戻り活気づく浜で漁にいそしむ中井さんです
やっぱり大漁になってわいわい騒いでやるのが一番楽しいよ。
つらいながらも寒いながらもつらいながらも大量に釣れたらそれだけのやっぱり…つらいけどもやっぱり笑いながら仕事できる事が一番いいと思うよ。
ずっと取れてほしいよ。
それなりにやっぱりね。
ずっと取れてほしいよ。
沖行けるうちは。
中井さんの番屋を訪ねる人がいました
この2つもらっていいんだな。
有田さんこれ2つ8キロのやつね。
OK!
取れたてのニシンを積み込み移動販売車で売り歩きます
今日はどんなニシンが入りました?今日はね春ニシン。
大きいですよ。
結構いいあれですけどね。
ツヤツヤしてますね。
(有田)そうですね。
生きのいい。
「厚田漁港直送くまさん」?はい。
「魚や・くまさん」で。
見てのとおりくまなんで。
アハハハ!
地元では「くまさん」の愛称で親しまれる人気の魚屋さんです
この日回るのはスーパーや魚屋がない山あいの集落です
おはようございます。
ニシン刺身して食べるから2本ぐらいちょうだい。
OK!いいニシンだね。
いいニシンだよ。
・すごくいいニシン。
(笑い声)
有田さんが運んでくるニシン。
集落の人たちは心待ちにしています
助かるよね。
ちょうどね会ったら「ニシン食べたい」って言ってたから「来るよ」って言ってね。
よかったよねいろいろ…。
行商をしていた母親を見て育った有田さん。
9年前勤めていた役場を辞めこの仕事を始めました
母親が歩いた道を車でたどります
ばあちゃん寒いのに待ってたの?出たり入ったり。
ほんとに?ごめんね。
91歳の1人暮らしの女性。
母親の代からもう70年のつきあいです
よしいい。
持っていってあげる。
すいません。
ばあちゃんそしたら作っていってあげるから煮つけ用に作るよ。
昔からのお客さんのため魚をさばいてあげる事もあります
ほら生きいいからうろこが。
今浜はすごいんですよ取れて。
昔に帰ってきた…。
そうだけどね。
有田さんみたいに来る人いないもの。
生持ってこないもん。
助かるね。
やっぱりあの違うもんね。
お魚の味がね。
楽しみにして待ってるよ。
雪道を越え一軒一軒ニシンの恵みをお裾分けです
待っててくれますからね。
そして届けた時の喜んでくれる顔見るとねまあ休めないなという感じはありますよね。
伝統のニシン漁を受け継ごうという若者もいます
厚田で一番若い漁師…
札幌の大学に通っていた3年前ニシン漁をしていた祖父が脳梗塞で倒れ急遽後を継ぎました
まだ経験の浅い相原さん
ニシンの群れの動きがうまく読めず思うような水揚げにならない事もしばしばです
この日先輩の漁師から一本の電話がありました
あの先輩です。
苦戦する相原さんを見かねてニシンが多く掛かっている場所を教えてくれたのです
連絡を受け移動した相原さん。
次々にニシンが掛かります。
水揚げは2トン。
大漁です
(相原)やっぱ他の人取れて自分取れないと悔しいしそれまだ未熟だからかなわない部分ありますけど今はもうがむしゃらにみんなにくっついていく事しかできないですけどね。
しけの日
網の手入れをしていた相原さんのもとに先輩の漁師が訪ねてきました
真面目にやってるのか?真面目にやってるのか?
佐藤満さん。
相原さんの祖父のもとで漁を学びました
ニシンの群れをとらえるため他の船の動きにも気を付けるようアドバイスします
何か船いなくなったなと思ったらすぐ電話しなきゃ駄目よ。
「満さん何かあったの?」って。
俺分かるからすぐ。
先輩から後輩へニシン漁を伝えていくのがこの浜の流儀です。
相原さんいつかは自分の力でニシンの大群をとらえたいと考えています
まだ漁師歴も浅いしその中で自分でやってるわけだから心配されて当然というのはあると思うんですけど。
やっぱり一番取りたいですよね。
うん。
いつかは取ってねその辺胸張って歩きたいですよね。
1月26日。
厚田の海は4キロにわたって白く濁っていました
「群来」です。
産卵のためニシンの大群が押し寄せたのです。
海面はオスの出す精子によって白くなっていました。
これだけ大規模な群来が見られるようになったのはここ数年の事です
漁師たちは一斉に沖へ向かいます
ニシンの恵みいつまでも
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/02/28(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「ニシン待つ浜〜北海道 石狩市〜」[字]
かつてニシン漁で栄えた、北海道石狩市厚田。一時は、ほとんど取れなくなったニシンが、近年少しずつ戻り始め、町がにぎわいを見せている。極寒の海、ニシンの浜の物語。
詳細情報
番組内容
古くからニシン漁で栄えた、北海道石狩市厚田。江戸時代にニシン漁は始まり、村はヤン衆と呼ばれる出稼ぎ労働者でにぎわいました。一時は、ほとんど取れなくなりましたが、近年ニシンが少しずつ戻り始め、浜にはかつての繁栄をしのばせる情景が広がります。「あい風」という冷たい北風が吹くなか、一家でニシン漁を営む漁師。ニシンを移動販売車で行商する男性や新たに漁を始めた若者など、厚田の浜に生きる人々の思いを訪ねます。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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