キングと呼ばれる男。
15歳でブラジルに渡りプロ契約を獲得。
Jリーグの草創期を支え日本人選手で初めてイタリア1部リーグでプレー。
歩んできた道のりは日本サッカーの歴史そのもの。
レジェンドと呼ばれる男。
10代の頃から挑み続けてきたオリンピック。
抱えてきたのは金メダルメンバーから外れた長野の屈辱。
7回目の挑戦でつかんだ個人での銀メダル。
しかしその情熱はいまだ冷める事はない。
キングとレジェンド。
初めて出会った2人。
あ〜ありがとうございます。
フ〜!共鳴した思いがあった。
はあ〜かっこいいな。
2つの魂が今交わる。
傷だらけです。
ラジオ番組で実現した今回の対談。
葛西選手は5歳年上の三浦選手の存在に刺激を受けてきた。
葛西さんが考えるレジェンドの筆頭に三浦知良選手っていう名前を出されたという事についてはどういうふうに思いますか?いやもうそれはもう光栄すぎるというかもう…。
特にスキーのジャンプの世界でもう30代でも本当に世界で活躍していける選手って本当に少ないって聞いてますしまして40代になって世界のトップでメダルを争う位置にいる。
…で実際取る。
これもう本当にそのレジェンドにご指名を頂くというのはちょっと恐縮でですね…。
僕よりも年上のクルム伊達公子さんだとかカズさんだとかそういうのをテレビでずっと見てきていて非常に刺激があるというか与えられて…もらってるので僕もまだ頑張ってっていう気になって同じ…何て言うんですかね競技は違うけどライバルみたいな感じもしてますし。
そうですね。
はい。
そのやっぱ励まされると同時にやっぱり負けたくないっていうこの…アスリートというかね毎回勝負してるところに身を置いてる選手としてはやっぱりね…うん。
自分もやっぱ負けたくないいい結果出そうっていう。
お互いさまですよね。
…でいてやっぱ何て言うんですか妙なこの…気持ちも分かったりしてね何か大変さというかうん。
でも逆に達成した時の喜びも何か分かるようなっていうね。
通じ合うものってやっぱありますよね。
まあカズさんっていうとレジェンドというよりはむしろやっぱりキングとしての呼び名の方がしっくりくるという感じではありますけれども。
まあ最初はやっぱりその…違和感もありましたし自分自身の中でやっぱりキングといったらもうペレですからそんな…。
まあでも時間とともに自分も30代を過ぎ40代も過ぎそうやってみんなからこう親しみを込めてキングと呼ばれる事に関しては人間的なもので早くそういう…何て言うんですかキングって呼ばれるぐらいのやっぱ大きな人間に成長したいなっていう気持ちで受け止めてますけどねはい。
多分同じような…あれですね境遇というか…。
やっぱりレジェンドとして呼ばれるのはうれしいんですけどまだまだ…はい。
その名に恥じないようにやっていく頑張っていくという気持ちは持ってるのは一緒だなと今感じました。
共に10代の頃から活躍してきた2人。
今かつての自分と同じ年頃の若者たちと競い合い共に戦う日々を送っている。
サッカーのチームで言えば高校を出たばかりのまあ言ってみれば18歳ぐらいの選手と一緒にプレーをする事もあるのではないかと。
そう考えると年齢差30歳ですね。
そうですね。
不思議と自分の子どもに対しては僕長男17なんですけど…。
あっじゃあほぼ同じくらいですね。
「子ども」って思うんですけどチームメートでやっぱ高卒の1年目の選手今いるんですけど18歳なんですけど不思議と思わないですね。
もう同僚という感じですね。
同僚っていうかまあライバルというか同じプロ選手だっていう…。
グラウンドの中に年齢はないですね。
全く感じないですね。
さすがにチームメートもカズさんには気を遣って話しかけたりするんですよね?でもみんなカズって言いますよ。
えっ!?呼び捨てですか?呼び捨てですよもちろん。
僕それがすごく好きで。
その社会が。
あっそうなんですか。
はい。
同じです。
あっそうですか。
今の話聞いてたら…若い選手来ても「若い」とは思わず同じ気持ちでやってますね。
ライバルとして。
…で若いやつができる練習自分もやれないと頭にきますもんね。
そうですね。
負けたくないと。
負けたくない。
負けたくない。
一緒の事をやろうとしてる。
キングとレジェンド。
その道のりにあったのは栄光だけではない。
2人の心に忘れられない傷が刻まれた年1998。
2月に行われた長野オリンピック。
(実況)きれいな飛型で来た!伸ばしてくる!伸ばしてきた〜!金メダルを獲得しました日本!栄光のスキージャンプ団体金メダル。
それは葛西選手にとっては屈辱の記憶。
試合前日に出場メンバーから外され金メダルを手にする事ができなかった。
同じ年の6月。
三浦選手が目指していたのは日本が初出場を決めたワールドカップフランス大会。
サッカー人生最大の目標だった。
しかしその直前合宿で…。
幼い頃から追い求めてきた夢が目前で断たれた。
あまりにも残酷な2つの挫折。
まず葛西さんにお伺いしたいんですけど。
はい。
当時のカズさんについては見て覚えてらっしゃいますか?そうですね。
見て覚えてます。
まあ同じ悔しさを味わったんじゃないかという事でちょっと本音を聞きたいかなと思っているんですけれども。
僕も本当に悔しい思いをして僕もまたカズさんのあとに本音を言いたいなって思ってますけど。
どうだったんですかね?そうですね。
本当あの時スイスでちょうどキャンプしてましてワールドカップ行く前に最後の合宿で。
前の日に練習試合がありまして朝に岡田さんに僕部屋に呼ばれたんですけど。
本当に僕自分って全く思ってなくて。
まあ外すメンバーが…岡田さん決めて僕らに…僕を呼んで「この連中を外すから」って僕は言われるんのかなと思ったんです。
相談されるんのかなと。
相談というか…「けど頼むぞ」みたいな事言われると思ったら自分でしたね。
いや本当に。
うわもう…。
まあその前のドーハの悲劇も当然ありましたしその時にパッて頭に浮かんだのはワールドカップというものには自分は縁がないのかなというのをまずパッて思いましたね。
ただ本音ってよく言われるんですけど本当にそれ以上のものもうないんですね。
その悔しさとか…当然ワールドカップに日本を…導くというかね生意気かもしれませんけど日本に帰ってきた時に「ワールドカップ日本連れてくぞ」って言って号令かけた自分がいたんですね。
まあもう90年に…。
それでいろんな事ありながらたどりついたとこじゃないですか。
自分は中心でやってきたっていう自負もありましたし。
まあでもその…実際言われた時はもう本当に自分の力が足りなかったっていうふうに正直思いましたね。
足りないから外されたって思いたかったですしそういうふうに正直思いましたね。
悔しさはありましたし何とも言えないその…感情はありましたけどその…変に憎むとか恨むとかそういうのは正直なかったですねはい。
あとからやっぱりいろんなこう…時間がたってあの時北澤もね一緒に外れたんですけど北澤にも言ったんですけどこれ今帰りの飛行機の中で「多分今よりも1年2年5年10年たってからの方が悔しいかもしれないぞ」っていう事を言って。
やっぱり今でもワールドカップある度にあの時の事思い出しますしやっぱり悔しい思いっていうのは本音で言うと今でも…何ですか…ワールドカップがある度に…思いますしね。
日本代表見ててもそういうの思いますしね。
でも…誰かのせいにはしたくないですから。
自分がやっぱり足りなかったっていうやっぱりそこにいつもたどりつきますから。
でもいつも考えますよそういう事は。
あの時の事は今でも。
これは多分人生ずっと僕はずっと抱えて生きてくんだろうなというふうに思いますしでもそれが逆に自分の活力というかね生きてく原動力にもなってますから。
はい。
いやもう同じあれですね…。
その…98年…悔しい思いをしてきて僕もまあ長野オリンピック…自国で開催されるオリンピックがこれ一度…僕のジャンプ人生ではこれは一度だと思って意気込んでましたしやっぱりメダルを取りたい。
団体戦のメンバーに選ばれるためにやってましたけどまあ残念ながら金メダルメンバーには選ばれず。
その選考のしかたもしっかりその前の日の…試合の前の日のジャンプ3本でいいジャンプ3本飛んだ人をメンバーにするというちゃんとした決め方だったのでその決め方には納得いってましたけどやっぱり選ばれなかったっていう悔しさが…。
まあ当時その試合を見てて自分の気持ちの中では「落ちろ」なんていう事も言ってましたし「金メダル取るな」っていう気持ちで見てたのであの中での感動した長野ってなってますけど僕は本当悔し涙を流して帰ったっていう記憶しかないですし。
本当にまあカズさんが言ったように自分に力がなかった運がなかったそういうふうに今思えばそういう事だし。
本当にこの長野オリンピックが僕も今でもこのソチで2つメダル取った今でもこの長野の悔しさをまだ持ち続けていてこれが一番のモチベーションになってる事は間違いないので。
長野の金メダリスト4人が非常にどこ行くにも大人気でしてその表彰される金メダルメンバーの後ろに必ずいなきゃならない。
どこ行っても僕一人なんですね。
まあ片や金メダリストはこうワ〜ッ…盛り上がる。
僕一人だけ後ろでこう黙って…。
あの気持ちがもう何とも言えないつらい…つらい感じでしたね。
やっぱり金メダリストが目立ってるっていうのが悔しくてですね自分も目立ちたいという思いを込めて金髪にしちゃいました。
はあ〜。
あとまあ金を取りたいという事とそれに掛けて金髪にしたんですね。
いやもう…胸が痛かったと思いますね。
ハハハッ…。
痛いっていうかもう…泣いてますよね心の中ね。
泣いてましたねもう。
笑顔すら泣いているような感じなんじゃないかなって思いますね。
笑ってても心の中では泣いてるというかその気持ちは…まあ分かるって言ったら失礼かもしれないですけど本当に分かりますよはい。
まあ僕ら悔しいという気持ちがもうなくなったら多分競技を続けられないと思うんですね。
そこでやっぱり…でも2つあると思うんですね。
もういいやと思う人といや俺は頑張るぞ。
そうやって頑張ってきたから今があると思うんでね。
その気持ちが本当に支えになってると思うし。
何か同じ悔しさを味わったんだなっていう事が今聞いた中でも…何か逆にうれしいですね。
カズさんと同じだなっていうのが。
ではここで一曲。
カズさんのリクエスト曲をお届けしたいと思います。
え〜…「横浜ホンキートンク・ブルース」。
・「ひとり飲む酒悲しくて」・「映るグラスはブルースの色」・「たとえばTボーンなんて聴きたい夜は」・「横浜ホンキートンク・ブルース」ゆったりとした所で。
(笑い声)ではここからはレジェンドに聞きたいという事で…まずはカズさん。
はい。
兵庫県34歳の女性ほかの方から。
「サッカー女子の日本代表なでしこジャパンのメンバーにバラを贈るなどどうしてそんなにかっこいい事がパッとできるのか秘けつを知りたい」。
(笑い声)葛西さんにはこの質問が多かったです。
ラージヒルよりも大きい台フライングという200メートル以上飛べるジャンプ台が世界に5台あって…。
伝説の道はまだ続いている。
42歳の葛西選手は今シーズンもワールドカップで最年長優勝記録を更新。
うお〜!やった〜!いまだ果たせぬ夢オリンピックの金メダルを追いかける。
おととしJリーグの最年長得点記録を更新した三浦選手。
しかしそれ以来ゴールはなく昨シーズンの出場は僅か2試合。
それでも48歳になる今年迷わず現役続行を決めた。
お二人ともそれぞれの競技で今最年長でいらして要するにこの先の事を知ってる人は誰もいない訳ですよね。
その中で続けなければならないっていう。
そのご自身の可能性についてはカズさんどう見てますか?可能性はまだあると思ってますし。
ただ本当に今おっしゃったようにデータがないですからね。
ここまでやってきた人がいないから。
作ってる最中なんで僕らにも…僕らっていうか僕には分かんないです。
本当に。
今までずっと…大体ジャンプ選手30越えたぐらいからもう引退という形があったんですね。
僕はまだまだここまで来て…そのカズさんと同じくあっまだできる。
30越えてもまだできる。
35越えてもできる。
40も…。
大体40来たら「そろそろじゃねえか」みたいなそういう雰囲気も出す人もいるんですけど40越えても「何でこんなに落ちないんだろう?」みたいな。
もう全然できるじゃないかって思ってるので。
まあ本当データがないので僕らがどんどんどんどんその歴史というか伝説を作っていく事になると思いますよね。
この先ですけども葛西さんにとってスキージャンプ界で求められる役割って自分では何だというふうに思ってらっしゃいますか?う〜ん…。
まあジャンプあまりメジャーじゃない競技。
まあ今回こうしてソチでメダル取れて少しは全国の方たちに知れたかなと思っているんですけれどももうちょっとメジャーにしたいイコール若手を育てていかなきゃならない。
監督として全日本のコーチっていうのもやってみたいなとも思いますし何だったら違う国のコーチも経験したいなという事も考えています。
でもそれは遠い将来ですよね?そうですね。
ね?はい。
まだやめようとは全然思ってないです。
日本のスキーのねジャンプの発展とか若手の成長とかそれはもう多分葛西さんが現役で勝っていく事が一番近道だと思いますね。
はい。
今後の日本サッカー界にじゃあカズさんはどういうふうに貢献していこうと考えてらっしゃいますか?自分でも本当に分からないです。
ねえ…。
あの…ノーアイデアで。
(笑い声)今日はねこれで終わりますけど明日どういう練習してどういうプレーをしようかという事しか考えてなくて。
…で週末に来る試合に出たい。
そこで活躍したい。
それだけで毎日繰り返し繰り返し繰り返し来てるんでじゃあどういうふうに日本のサッカーにこれから貢献してどういう立場で関わってくかとか申し訳ないですけど考えてないというか考えられないというか分からないですねええ。
これでいいのかと思う時もあるんですけどまあでも…自分の可能性というかまだ僕自身の事で言わせてもらえば可能性があると思ってますしまだみんなに見せられるものがあるって信じてますんでね…。
もう本当に明日頑張りたいと思います。
キングとレジェンド戦いはまだ終わらない。
2015/02/28(土) 09:30〜09:55
NHK総合1・神戸
サンデースポーツpremium Two Souls「三浦知良×葛西紀明」[字]
「キング」こと三浦知良選手と「レジェンド」葛西紀明選手が初めて対談!40代となってなお前進を続ける思いや、忘れられない屈辱について語り合う。渋くて深いビッグ対談
詳細情報
番組内容
「キング」三浦知良選手と「レジェンド」葛西紀明選手が初めて対談!互いをリスペクトする2人が本音で語り合う25分。40代を越えてなお挑戦を続ける思いとは?三浦選手がW杯代表から外され、葛西選手が長野五輪で金メダルメンバーに入れなかった「1998年の屈辱」とは。年輪を重ねた男たちの魂がシンクロする。
出演者
【出演】プロサッカー選手/横浜FC…三浦知良,スキージャンプ選手…葛西紀明
ジャンル :
スポーツ – サッカー
スポーツ – オリンピック・国際大会
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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