(ボールを打つ音)
(三浦)はい。
20秒休憩。
(丸尾栄一郎)ハァハァハァ…。
今ので40秒。
無酸素運動で40秒動き続けるのはプロでも苦しい。
40秒無酸素で動いてテニスのポイント間の20秒休憩。
練習はこのテンポで続くからな。
心の声そういう事か。
(三浦)さあ20秒たったぞ。
はい。
ん!
(ボールを打つ音)
(三浦)よ〜し20秒休憩。
ハァハァハァ…。
今ので2回これを15回まで続けるからな。
15…回?これはおよそ2ゲーム分のポイント数という計算だ。
その後90秒休憩。
これはコートチェンジの休憩時間だな。
まずはこれを3セット。
3…?つまり6ゲーム分やってみよう。
心の声ちょっと待って!?15回を3セットって45回!2回でもこんなに苦しいのに…。
20秒たった!いくぞ!40秒スタート。
(ボールを打つ音)ハァ!ハァ…ハァ…。
(三浦)よし20秒休憩。
心の声20秒じゃ回復できない…。
おいどうした?まだこれからだぞ。
す…すいません。
身体がいう事…きかなくて…。
ハァ…少しだけペースを…落としてもらって…いいですか。
だったら身体に言い聞かせてやってくれないか。
「俺はテニスで生きていくんだ」って。
「もう16歳プロになるには最初で最後の挑戦なんだ」ってな。
あっ!
(三浦)練習内容を変えればキミはプロを諦めた事になるがそれでいいか?う…。
ん…ううっ…ハァ…。
心の声覚悟はしてたはずだ…。
でも明日もあさっても…ごく僅かの休みでこれが2か月…もつのか…俺の身体。
(三浦)3セット目始めるぞ。
心の声頼むからもってくれ。
う…はっあっ!ハァハァ…。
どうした?まだまだ先は長いぞ。
すすいません。
(ボールを打つ音)
(三浦)よし!20秒休憩。
ぶはっ。
ハァハァ…。
1か月後は全日本選抜の関東予選だ。
キミはおそらく関東の強豪32名に選抜される。
はっ!
(三浦)この大会は各都県のトップレベルが勢ぞろいする!今度は関東中の奴らをノーシードからあっと言わせてやれ!ハイ!
(オープニングテーマ「Believeinyourself」)
(三浦)丸尾君諭吉ナツ明子やっと届いたぞ。
全日本ジュニア選抜室内関東予選のドローだ。
ジュニアテニス界において全日本ジュニアが夏の甲子園なら全日本ジュニア選抜室内は春のセンバツにあたる。
都道府県予選はなく各地のジュニアランキング上位32名が地区予選に選抜される。
この地区からは予定どおり君たち全員選抜されたぞ。
(明子)ナツは第1シードだね。
(鷹崎奈津)エヘヘ〜やったあ。
(深沢)アニキもSTCカップ優勝が大きかったですね。
きっとランキングもかなりアップしてますよ。
なんとかスレスレでも出られただけでよかったよ。
この大会は2回勝てば全国に行けるからチャンスなんだよ。
えっ?ナツそれはシードがつく全国区の人だけが言える事よ。
え〜?
(三浦)関東地区予選からはベスト8進出者に全日本ジュニア選抜室内本戦への出場権が与えられるからな。
心の声俺の1回戦の相手は…。
心の声ん〜!?な難波江君…。
あちゃ〜。
いきなり第1シード。
(三浦)いずれはどこかで戦わなきゃならない相手だ。
ラッキーだと思え。
ハイ。
僕もアニキもギリギリ選抜されたクチですからね。
この位置はしかたないです。
僕だってホラ1回戦から第2シードの岡田君です。
心の声荒谷君は第3シード宮川君はノーシード。
シード上位は全日本ジュニアに出てた人か…。
あれ?そういえば何でタクマさんが第2シードじゃないの?タクマはもうジュニアの大会には出てないよ。
え?タクマは1コ上だから今はフューチャーズとかチャレンジャーっていうプロが出る大会に出てる。
来年卒業したらプロになるんじゃないかな。
そうなんだ…。
心の声じゃあもうプロにならないと公式戦では当たらないのか。
(三浦)これを観ておくといい。
全日本ジュニア男子決勝江川逞対難波江優戦。
参考にはなるはずだ。
難波江君の試合は1回戦でも観ました。
心の声効率的に相手の弱点を突く無駄のないテニス。
そうか。
でもその試合もあくまで参考程度に考えておくべきだろうな。
どういう事ですか?まあ観れば分かるさ。
(DVDプレーヤーの操作音)心の声あれ?1回戦ではこんな強いショット打ってなかったのに。
ち違う…。
全然違う。
1回戦はこんな攻撃的なスタイルじゃなかった。
もっと相手のミスを誘う身体より頭を使うテニスだったのに…。
とにかく先手を取るのが最優先の組み立て…。
自分からフォアでチャンスを作って多少リスクがあっても強引に前へ。
そして攻撃的なフィニッシュ。
あの冷静な難波江君らしくないテニス。
まるで人が変わったみたいだ。
回想ふだんは危ない人なんかじゃないよ。
試合の時だけなんだけど。
あっ!そうだこれ池君のテニスに似てる!私もそう思うよ。
技術的にも身体的にも池には及んじゃいないがスタイル全体特に強引なアプローチなんかはよく似ている。
これが本当の難波江君のプレースタイル?だったら何で最初からそれで戦わないんだ…?ん?…まさか。
(三浦)相手がタクマだから池のプレースタイルで戦っているのかもしれん。
池に大敗した経験のあるタクマを揺さぶるためにね。
今年は技術的にも体力的にもタクマに分があったと思う。
だが感覚的に苦手と感じてしまう池のスタイルに苦戦を強いられた。
当然タクマも池の事は乗り越えていたからなんとかセカンドセットは取り返したがファイナルセットはセカンドの無理がたたりタクマの疲労は見え見えだった。
(三浦)私に言わせれば敗因は1年間ブラブラしとったあいつの練習不足だが今のタクマを倒す難波江君の戦い方には恐れ入ったよ。
心の声どこまでが計算なんだろう。
(三浦)タクマは身体能力とボールタッチを生かしたサーブ&ボレーというスタイルに強いこだわりを持っているんだ。
だが難波江君は相手次第でスタイルを変えてくる。
変化できるという強さを持っているんだ。
これは普通の選手が簡単にできる事じゃない。
ありとあらゆる事が得意といえるレベルでできて初めて多彩な手札を持っているという事になる。
更にそこから徹底したデータ収集があって初めてどの手札を使うかが選択できる。
不得意が少なくてデータ重視という点では丸尾君に似たタイプかもしれんな。
心の声オールAを目指しながら相手に合わせて変化する難波江君のテニス…。
だったら俺は…どう戦えばいい?回想
(難波江)僕はそのオールAを目指してるんだ。
まだまだ先は長いけどね。
心の声難波江君は自分に何がまだ足りないと思ってるんだろう。
(江川)こんなもん観んな。
え?あ!タクマさん!コラ!勝手な事をするな!他でやってくれよ!気分悪い。
そうだ。
タクマさんはもうジュニアの大会には出ないんですよね。
ああ。
ここからは日本ランキング上げていかなきゃなんねぇからな。
(江川)結局ジュニアじゃ1度も当たらなかったな。
あの…。
(足音)俺と試合をしてくれませんか?タクマさんのジュニア時代最後の試合を公式戦のつもりで俺と…本気で…。
ヤダよ。
な〜っ!面倒くせえ。
何でですか〜っ!いいじゃないですか1試合くらい!本気でやりますよ!俺前より頑張れますから!あ〜何か気分的に盛り上がらん。
またいつかだな。
あれ?ちょちょっと…。
心の声何でだよ…。
今まではやってくれたのに…。
…ん。
よし丸尾君!そろそろ練習始めるぞ。
今日も最後に40分振り回しだからな。
ハイ。
おっと。
あぁ…。
頑張ってね。
うん。
心の声
(難波江)いきなり当たったな。
心の声
(難波江)いろいろ話したけど何か試合に生かせる事あったかな。
心の声何かないか…。
弱点でもクセでも何でもいい…何か…。
あ…。
(操作音)心の声やっぱりそうだ。
タクマさん相手だから池君のスタイルで強引に攻めてるけど逆にタクマさんが豪快にエースを決めるとその直後だけ攻撃がトーンダウンする…。
弱気になった?いやそうも見えない。
一度冷静になって立て直してるとか?特にタクマさんらしい強烈なサーブやボレーの直後だけ…。
心の声これは覚えておいた方がいいかも…。
て言っても俺がタクマさんみたいにできるわけじゃないけど。
(アナウンス)「まもなく9時になります。
選手は指定のコートに入って練習を開始して下さい」。
心の声いよいよ難波江君と試合…。
(深沢)さすが第1シードの試合注目度が違いますね。
(佐々木)ねね「第1シード」って?
(影山)エーちゃんの対戦相手全国ナンバーワンなんだってさ。
え〜?
(深沢)第3シードの荒谷も来てる。
あれは第4シードの井出義明です。
その隣が第2シードの岡田隆行。
難波江はプレースタイルが多彩で意外性があるから何度も観たくなる選手なんですよ。
だったら彼らは更に意外なモノを観る事になるかもしれんな。
え?久しぶり。
8月以来だね。
うん。
まさか初戦で当たるとはね。
少しでも丸尾君とえ?話せてよかったよ。
知ってる人の方がやりやすいからさ。
(2人)お願いします!
(審判)ザベストオブ3セットマッチ難波江サービスプレー!心の声相手が誰だろうと同じ。
来年は全日本ジュニアに勝ってプロを目指す…。
今ここで1回戦負けなんて許されない。
俺にそんな時間的猶予はないんだ!絶対勝つ!う…ふ!心の声
(難波江)はっ。
心の声よし浅い!だっ。
(審判)0−15。
ススゴイじゃないですかアニキ!
(井出)あれ?
(岡田)まだ分かんねえだろ。
(観客A)おいおいノーシードも結構うめえぞ。
STCカップから更に1か月今度は肉体改造のピークを初戦に合わせた。
このくらいでなきゃこの試合は話にならんよ。
心の声全国ナンバーワンとラリーはできてる…。
でもまだまだここから!心の声
(難波江)動きの良さはどこからきてる…?読み…脚…反応…。
う。
ん!ん。
(観客A)難波江が詰めた!ふんっ!
(審判)0−30。
よしっ!お〜攻めよし守りよしときた。
やるな。
心の声まだまだ…。
難波江君には俺のデータがほぼ無い状態。
ポイントが取れてるのは単に難波江君が想定する以上のテニスをしてるってだけ。
今俺のデータが1ポイントずつ難波江君に蓄積されていくのは避けられない。
だから少しでも早く1ポイントでも多く行けるところまで行かなきゃ。
ん。
心の声
(難波江)あ!反応早い!心の声ドンピシャ!うっ!
(観客A)リターンダッシュ!う。
ん!
(審判)0−40。
(観客A)やっぱりあいつスゴイよな。
(観客B)ねえあれ誰?
(観客C)やられてる方が難波江だよね。
(深沢)もうアニキのブレイクポイント。
丸尾君は運動選手としてすばらしい目を持っていたが…ただいかんせん運動経験がなかったから身体がついていかなかったんだ。
でもあの目に身体がついてくれば…。
どうやらホンモノではあるみたいだね。
まあその方が面白れえ。
心の声まだいける…。
早いうちに取れるだけ取っておかなきゃ。
ん。
心の声
(難波江)やっぱり反応が早い。
目がいいんだ。
ふっ!
(観客A)またリターンダッシュ!心の声
(難波江)このパターンやっかいだな。
ボレーもできる…。
でもチャンスじゃなきゃ狙ってこない。
堅実で安定指向のオールラウンダー。
これは?くっ!うんっ!
(歓声)
(審判)ゲーム丸尾1−0。
よしっ!
(観客A)難波江のサービスゲームをノーシードがブレイクしたぞ!いいぞ〜!アニキ〜!
(観客B)マジかよ。
内容的にも丸尾が押してるぞ。
(審判)チェンジコート。
心の声
(難波江)上は思い切り打ってくるんだ。
心の声早い決着でポイントできてる…。
ここまでは順調…。
心の声サーブゲームも…早い決着狙いで!うっ!
(観客A)サービスダッシュ!あっ!っ…!
(審判)0−15。
(どよめき)それは許さないよね。
これで簡単には前に出られない。
うまいけん制球みたいなもんだ。
心の声サーブだけで前に出るのはリスクがある…。
今はサーブの主導権があるんだからそこまでリスクを負うべきじゃない。
うっ!ん。
心の声深い!ここまで深いと反撃できない。
フラット。
スピン。
いろんな球種で深く…それでいて不用意には攻めてこない。
クソッ!こっちのデータがどんどん取られていく!だからって焦れば主導権を奪われかねない。
回想だが難波江君は相手次第でスタイルを変えてくる。
変化できるという強さを持っているんだ。
更にそこから徹底したデータ収集があって初めてどの手札を使うかが選択できる。
心の声難波江君の強さは変化できる事。
もし焦りがバレたらきっとすぐそこに的を絞って攻めてくる。
弱みを見せちゃダメなんだ。
技術的にも精神的にも体力的にも。
出た〜。
エーちゃんの試合名物長いラリー。
(荒谷)レベル上がったな。
心の声少し浅い!行けっ!ん。
くっ!く。
ん!くっ!
(審判)アウト!15−15。
よしっ!
(観客A)難波江おしいぞ!
(観客B)いい攻めだな丸尾も。
1球しかないチャンス逃さなかったよ。
このままやっつけてくんないかな〜。
それは無理だろ。
希望だよ希望。
心の声
(難波江)これだけのラリーをして呼吸の乱れはなし。
変に高ぶる様子もなし。
技術的にも特に苦手はなし。
「プロ志望」だけはありそうだ。
心の声
(三浦)必死とはいえ全国の覇者難波江君にここまで弱みを見せずにやれているのはひとえに肉体改造の成果だ。
お互いがサーブの主導権を守る展開…。
最初にブレイクした丸尾君がリードしたまま2−1か。
うまくいっているな。
丸尾君がここまで奮闘するとは誰も予想できなかっただろう。
心の声ここまでの難波江君はどちらかと言えばディフェンシブ…。
タクマさんの時とは全然違う。
多分ミスが出にくい長いプレーで俺のデータを集めてる。
手始めの有効で簡単な戦略…。
問題はここからどうなっていくかだ…。
難波江君は俺をどう分析してるんだろう…。
俺は良くも悪くも基本に忠実…。
得意も苦手も特にない。
意識してるわけじゃないけどそういうテニス。
そう考えたらオールAを目指す難波江君のテニスって俺の理想型でもあるよな。
となると…俺は難波江君に勝る何かがないと勝てない気がする…。
俺が…難波江君に勝てるものって何だ?心の声
(難波江)大体分かった。
心の声
(難波江)あの時の感覚が確信になった。
回想心の声
(難波江)ノート?同類かな。
心の声
(難波江)キミは僕と…似ている。
心の声
(難波江)今まであまり出会った事なかったよ。
でもそれなら話は早い。
(審判)タイム!心の声
(難波江)丸尾君は僕には勝てない。
(エンディングテーマ「ベイビーステップ」)2015/02/28(土) 10:30〜10:56
NHKEテレ1大阪
アニメ ベイビーステップ「堅実と変化」[字][デ]
学校の成績は優秀でも体力に自信が無く、テニスも初心者というハンディを背負った栄一郎が、ライバルたちと切さたく磨しながらプロテニスプレイヤーを目指すテニスアニメ。
詳細情報
番組内容
栄一郎(えいいちろう)の次の試合は、全日本ジュニア選抜室内関東地区予選。1回戦で戦う相手は、今大会第1シード、そして、大阪の全日本ジュニアで逞(たくま)を破り優勝した難波江優(なばえゆう)。いきなり強敵とあたり思考が停止する栄一郎だが、気を取り直し逞対難波江の試合の映像を見て研究を始める。しかし、栄一郎がみた試合では守備的だったのに対し、逞と戦う難波江のスタイルは一変して攻撃的なものだった。
出演者
【声】村田太志,寿美菜子,浪川大輔,寺島拓篤,下野紘,柿原徹也,前野智昭,羽多野渉,瀬戸麻沙美,櫻井孝宏
原作・脚本
【原作】勝木光,【脚本】千葉克彦,武上純希,高橋ナツコ
キーワード1
テニス
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
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