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俺の彼女は世界遺産(集英社)

 世の中、擬人化に溢れている! 軍艦を擬人化した『艦隊これくしょん‐艦これ‐』を筆頭に、もはや擬人化されていないものはないと思っていました……。

 しかし、まだまだこんな手があったとは!

 ダッシュエックス文庫のライトノベル『俺の彼女は世界遺産』(集英社/摩周まろ)。ペンネームがダジャレになっていて、ひと昔前のエロマンガ家的な芸が細かい作者の摩周氏。そんな彼の生み出した新ジャンル……それが世界遺産の擬人化です。

 ただし、正確には擬人化ではありません。本作のヒロインたちは、なぜか世界遺産と魂がつながってしまった少女たちなのです!!

 物語の主人公・和久三太郎、ラノベの主人公なのに“三太郎”という平凡な名前も、妙にセンスよく感じます。そんな三太郎と恋するメインヒロインは、桜田・F・ミリア。なんの世界遺産か、すぐにわかりますよね?

 小学校時代の二人の出会いから始まる本作。メインの舞台は、東京湾の人工島に作られた学園都市です。世界遺産のヒロインたちは、力の暴走を避ける云々といった理由で、ここに集められています。

 また、ある理由から三太郎は学園でただ一人の男子生徒という美味しい設定。その学園にて、三太郎とミリアは七年ぶりに再会します。暴走気味に三太郎ラブなミリアなど、妙にご都合主義的な展開ですが、摩周氏のペンの力なのか、読んでいる時には疑問を挟む余地がありません。

 前半、本作の設定が明かされた後には、異能力バトルが展開するという、これまたわかりやすい構成。遺産少女と呼ばれる各ヒロインは、世界遺産に由来する固有の能力を使って戦います。グリニッジ(世界標準時の天文台)は情報収集能力に長けていたり、ヴァールベリは警棒みたいなスタンガンみたいな武器を使ったり。ヴァールベリというのは、スウェーデンにある「ヴァールベリの無線局」という世界遺産が元ネタです。ともあれ、能力までもが強引な設定過ぎて、思わず次は何の世界遺産が出てくるのか? と面白くなってしまいます。

 そして、メインヒロインの桜田・F・ミリアは、戦いのため、鎧を纏った女騎士のような姿に変身します。「サクラダファミリアは教会のはずでは……?」とも思いますが、スペインといえばドン・キホーテの国だから、とのこと。

 ちなみに、世界遺産の観光客が多く有名だと、彼女たち自身の能力も強くなるんだとか! こんな強引な設定をちゃんと商業レベルの作品に仕上げるなんて……摩周氏の筆力が一番スゴいと感じます。

 この設定のため、登場人物のセリフはときにシュール。世界遺産であるヒロイン同士のバトルもあり、ミリアとのデート中に襲撃を受けた三太郎はこう叫びます。

「逃げようミリア!相手はサンピエトロ大聖堂だ!」

 この一言で、続編を期待したいな、と心から思いました。
(文/大居候)

俺の彼女は世界遺産 (ダッシュエックス文庫)

俺の彼女は世界遺産 (ダッシュエックス文庫)

ダッシュエックスはこの路線でいくのだろうか…

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