石巻の郊外を走る…4年前津波で自宅を失い仮設住宅に独りで暮らしています。
ようやく復興住宅への入居が決まりました。
引っ越す先は大規模な集合住宅です。
東日本大震災から4年。
被災地では復興住宅の建設が急ピッチで進んでいます。
宮城県石巻市では4,500戸が整備されます。
仮住まいを強いられてきた人たちは新しい生活に期待を膨らませています。
一方既に入居した人たちの中からは不安や戸惑いの声が上がっています。
仮の暮らしから日常へ。
被災地の人たちはどんな思いで過ごしているのか。
始まったばかりの暮らしの復興を見つめます。
宮城県石巻市の仮設住宅。
月に1度仮設住宅と近所の人たちが一緒に体操しています。
仮設で独り暮らしをしている…去年の冬雪道で転び足を痛めました。
それをきっかけに門馬さんのリハビリを兼ねた体操教室が開かれるようになりました。
この集まりを支えている人がいます。
石巻市の地域福祉コーディネーターです。
それまであまり人づきあいのなかった門馬さん。
この体操教室をきっかけによく話すようになりました。
今では近所の人と一緒に出かける事もあります。
ねえ門馬さん!やっとなじんだ生活を離れる事への不安。
小松さんはその気持ちに寄り添います。
その前向きが大事ですよね。
一緒に考えましょう!頑張ろう!小松さんは石巻市社会福祉協議会に所属しています。
地域福祉コーディネーターが目指すのは震災で失われた地域のつながりを取り戻す事。
市内10の区域に1人ずつ配置されそれぞれの地域に合わせた町づくりに取り組んでいます。
石巻市では今仮設から復興住宅への本格的な移住が始まっています。
整備される復興住宅は100か所以上。
入居は抽せんで決まるため新たな土地で再び生活を立て直さなければなりません。
石巻最大の復興住宅計画地蛇田地区。
ショッピングセンターの近くに1,000戸近くが整備されます。
仮設で独り暮らしをしている門馬さんもここに移る予定です。
今回その一人の門馬さんの…。
地域福祉コーディネーターたちは門馬さんがどうしたら新しいつながりを作れるか考えていました。
ある意味門馬さんが…違う。
仮設から復興住宅へ。
地域福祉コーディネーターとしてどこまで支援すべきか試行錯誤しています。
ここは1年前に完成した復興住宅です。
子どものいる家族独り暮らしの高齢者など48世帯が暮らしています。
この地区を担当する地域福祉コーディネーター谷さんは町内会の挨拶回りに同行。
復興住宅に移り住んだ人の声を直接聞く事にしました。
谷さん?はい。
よろしくお願い致します。
隣同士話ができないとはどういう事か詳しく聞かせてもらいました。
仮設住宅では隣近所で助け合ってきたというご夫婦。
ここに移って1年たっても親しくつきあえる人はいないといいます。
こちらもこちらもでしょ。
久しぶりの来客に話は尽きません。
絶対おとうさん笑わせようとしてますよね?
(笑い声)外に出かけて人と触れ合いたいと新しい杖も用意しましたがなかなかきっかけがつかめないでいました。
名字しか言われた事ないんですよどんな人でも。
(谷)そうじゃないのに…。
このままでは復興住宅へ移っても孤立してしまう。
谷さんは危機感を抱いています。
つながりを求めているのは復興住宅の人だけではありません。
受け入れる地域にとっても課題です。
おととしこの地域に復興住宅が出来ました。
町がにぎやかになると住民も期待していました。
犬だけだな喜ぶの。
この雪で喜ぶのは犬だけ。
「どうも〜」って。
町内会では積極的に交流の場を設けています。
この日は新年会。
谷さんも手伝っていました。
復興住宅の人にも参加を呼びかけました。
ところが…。
復興住宅からの参加者は一人もいませんでした。
(拍手)東日本大震災より3年10か月が過ぎました。
中里地区におきましてはこれまで以上に隣近所に挨拶をしたり話し合ったりそして困っている人がいれば…困っている人がいれば助けてほしい。
新しい仲間を迎え一緒に楽しもうとしていた町内会の思いは届きませんでした。
参加していた一人の男性が突然谷さんに話を始めました。
あの私は…。
こっちで…。
この男性は震災の被害が少なく復興住宅の人たちにすまないという思いを抱いていました。
そのためどう声をかけたらいいか悩んでいたのです。
町内会の思いを復興住宅の人に届けたい。
男性の声が谷さんを動かしました。
同じ町内会にある復興住宅を訪ねます。
石巻社会福祉協議会の谷と申します。
すみません。
突然お邪魔して。
石巻市の沿岸部で被災。
家族5人でここに引っ越してきました。
谷さんは新年会の事を切り出しました。
新年会の事は回覧板で知っていた齊藤さん。
しかし顔見知りもいないため欠席したといいます。
齊藤さんは近所づきあいはしたいと考えていました。
震災でつながりの大切さを実感したからでした。
私たち車がなかったもので…本当に一度会っただけの方で。
隣の人に助けられた経験は今も忘れる事はないといいます。
復興住宅の人も町内会の人もお互い知り合いたいと思っている事を谷さんは確認しました。
石巻の郊外。
仮設住宅で独り暮らしをしている…門馬さんが移り住む予定の…復興住宅のほか集団移転の住宅も建てられ新しく大きな町が生まれます。
2人の地域福祉コーディネーターがこの地区を訪ねました。
地元のキーマンの一人…門馬さんを見守ってきた小松さんとこの地区の担当浜崎さん。
復興住宅をどう考えているのか聞きました。
あの方がこの方が今度来るらしいという事は…情報がないという大橋さんに小松さんは移ってくる人の思いを伝えます。
希望を持って来てくれる住民がいる。
大橋さんは町づくりへの思いを伝えました。
10日後蛇田地区を担当する浜崎さんは大橋さんと待ち合わせをしていました。
ある提案をするためです。
老人会や民生委員にも声をかけました。
それが役に立つの。
あら〜。
浜崎さんが持ち出したのは地図。
新しく移ってくる人が早く地域になじめるように地元の情報を載せた地図を作ろうというのです。
どんな情報を載せたら喜んでもらえるのか作戦会議です。
これは伊達家からの…。
へえ〜すごいなこれ。
歴史から生活情報までこの地で何十年と暮らしてきた人たちの知恵が盛り込まれました。
地図に載せるポイントを実際に歩いて確認する事になりました。
凍てつく寒さの中出発。
地域福祉コーディネーター時には体も張ります。
はいお待たせしました。
最初に案内されたのは?あっあれ!道沿いにある小さな小屋でした。
中にはコインロッカーが。
100円と200円だけだから。
春から夏にかけてはキュウリやタマネギなどが買える無人の販売機でした。
今何年?う〜ん20年ぐらいになるかね。
作っている女性にも会えました。
ここで取れた葉物野菜も販売しています。
市場に出してるんだけど。
(浜崎)昔からこの辺?うんそう。
前もって連絡あれば私が取っておくんだけどあんまり農薬なんか使ってないから。
いい情報ですねそれね。
まあ高くはないです。
顔写真も地図に載せます。
(浜崎)おっ一面雪景色だ。
自分たちも見過ごしてきた地域の魅力を改めて発見していきます。
最後に訪れたのは地元の人が大切に守ってきた神社です。
復興住宅は目と鼻の先。
とっておきの楽しみ方がありました。
毎年春に盛大なお花見が催されます。
復興住宅の人たちとの交流の場になりそうです。
4月には入居が始まります。
新しい町づくりに期待が膨らみ始めました。
同じ頃谷さんの地域では…。
町内会の女性たちが谷さんの案内で復興住宅を訪ねていました。
同じ地域で暮らす女性同士気兼ねなく話せる交流会を開く事にしたのです。
新年会を欠席した齊藤さんのお宅です。
谷さんが作った招待状。
町内会の思いです。
こんにちは。
おはようございま〜す。
あっこんにちは!復興住宅と町内会の人が初めて顔を合わせました。
よろしくお願いします。
いえいえこちらこそすいません。
一軒一軒招待状を渡します。
もらったの!よかったね〜。
ありがとう。
あ〜!はい。
「ありがとう」って言ってたよ。
すごい!交流会当日です。
町内の女性たちが集まってきました。
齊藤さん親子の姿もありました。
万歳は?万歳!そうそうそうそう!じゃあママにこれに入れてもらって。
貸してあげるからね。
はいありがとうございます。
この日集まったのは総勢26人。
復興住宅からは4家族が参加しました。
皆さんこんにちは!
(一同)こんにちは。
こんなにも女性の方集まったのは初めてでございます。
復興住宅の方ともう少し距離を縮めていきたいなそう思っています。
そのためにはいろいろあるんですけどもやっぱり女子の力が大事かな。
齊藤恵美と申します。
私は子ども3人いて8歳6歳4歳の子どもが…。
地元で暮らしてきた人が新しく来た人に不便はないか気遣います。
復興住宅の人と地元の人それぞれが抱いていた不安や遠慮は薄れていきました。
会の終わり。
谷さんのアイデアで自分たちの町への思いを短冊に込める事にしました。
震災で家を失いこの町に移ってきた人。
迎え入れた人。
それぞれの思いが一つにつづられました。
震災で失われたつながりを再び結び直す。
住民一人一人が歩み始めています。
2015/03/03(火) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV 被災地の福祉はいま(1)仮設から復興住宅へ 宮城・石巻[解][字]
東日本大震災から4年。いま仮設住宅から復興公営住宅へ移転した時の住民の孤立が懸念されている。移住者と受け入れ住民とのつながり作りを目指す宮城県石巻市を見つめる。
詳細情報
番組内容
東日本大震災から4年が経った被災地の今を伝えるシリーズ。1日目の舞台は宮城県石巻市。仮設住宅から復興公営住宅への移転が進む中、移転先での住民の孤立が懸念されている。石巻市は独自に「地域福祉コーディネーター」を配置、住民の課題を掘り起こし必要な支援に結びつけようとしている。移住者と受け入れ住民との間に新たなつながりを作れるのか。地域福祉コーディネータ−の活動を通じ被災地の現状と、抱える課題を描く。
ジャンル :
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 障害者
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日本語
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