円形脱毛症といいますとコインほどの大きさの脱毛と思われがちですが状態はさまざまで眉毛をはじめ全身の毛が抜けてしまう事もあります。
しかし早めに適切な治療を始める事で早期の回復が期待できます。
今日は円形脱毛症の治療についてお伝えします
(テーマ音楽)「きょうの健康」です。
円形脱毛症はある日突然髪の毛が抜けてしまうという病気で自然に治る事もありますが脱毛が止まらない範囲が広くなるといった場合には治療が必要になります。
今日は詳しくお伺いしていきましょう。
専門家をご紹介致します。
皮膚科で特に円形脱毛症を含めた毛髪疾患の診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
円形脱毛症いろいろなタイプがあるんですね。
ここに挙げましたように1か所だけ出来るタイプもあれば非常に広範囲に及んでくるタイプもあります。
我々からしてみては狭い範囲だと思っても患者さん自身は非常に不安に思っている悲壮感を漂ってる場合があります。
そしてそれが社会生活や学校生活に大きな影響を与えているという事があります。
そもそもこの円形脱毛症どういう病気なんでしょうか?免疫機能をつかさどっているTリンパ球これが毛根を異物と見なして攻撃をしてしまいます。
それによって結果的に毛根の周りに炎症が起きてそして毛が抜けたり切れたりといった事が起きてきます。
これは現在のところ免疫機能に異常が起きた自己免疫疾患の一つだと考えられています。
自分の免疫が自分の体である毛根のところを攻撃してしまうという事なんですね。
よくストレスでなるという事も聞くんですが関係あるんですか?ストレスも一つのきっかけだと思いますが円形脱毛症の病態というのはなりやすい体質そしてストレスも含めたさまざまなきっかけこれが合わさる事によって自己免疫反応が起きてその結果髪の毛が抜けるという事が考えられています。
では円形脱毛症になりやすい体質というのはどういう事なんでしょうか?例えばアトピー性皮膚炎がある。
花粉症がある。
ぜんそくといったこういったアレルギー体質。
それからほかの自己免疫疾患である膠原病や橋本病といった病気を持っている方。
それからもともと遺伝的に円形脱毛症を起こしやすいという方。
そういった方が体質として考えられます。
家族にそうした円形脱毛症の方がいますとその発症率が上がるという話もあります。
そしてきっかけとなるものはどのようなものですか?例えばインフルエンザなどそういった高熱を起こすようなウイルス感染。
それから疲れとかストレスといったもの。
そして原因が全く分からないというきっかけが全く分からないという方もいらっしゃいます。
では円形脱毛症の治療ですがどのように進めていくんでしょうか?円形脱毛症が発症したらなるべく早く専門医を受診するという事が勧められます。
2010年に日本皮膚科学会から円形脱毛症の診療ガイドラインというものが出ました。
これは化学的根拠があるという治療を検証して適切な治療を推奨するためのものです。
どんな治療法があるのでしょうか?具体的には自然に治ってしまう方もいらっしゃいますがしばらく様子を見て治らないという場合には薬物療法や物理化学療法こういったものが選択されます。
これはやはり脱毛の状態などによっても選択というのは変わってくるのでしょうか?年齢や脱毛の面積そういったものを考慮します。
そして脱毛がまさに今進行している。
それからもう症状が固定している。
こういった病気の状態によって治療の選択が変わってきます。
この進行期というのは…?もう少し詳しく教えて頂けますか?どのような状態でしょう?進行期というのは毛根の周りに先ほど言った異常なTリンパ球が集まってきて炎症を起こしてそして毛が抜けている状態です。
しかしそれが時間がたってきますと炎症が減ってきまして症状もあまり変わらない固定された状態になるという事です。
進行期か固定期かという事によっても治療というのは変わってくると考えていい訳ですね。
では治療法のうち薬を使った治療薬物療法から教えて頂けますか?はい。
薬物療法ですがこちら16歳以上の方のものを挙げておりますが抗アレルギー薬ステロイドが中心となってきますが25%を超えない軽症の方それ以上の重症な方こういった方に対しては抗アレルギー薬やステロイドの塗り薬が選択されます。
またステロイドののみ薬などは重症な方にも選択されますしステロイドの局所注射に関しては軽症の固定期の方に選択されてきます。
16歳以上とありますが16歳未満の方はどうするんですか?そういった方には上の2つ抗アレルギー薬や塗り薬が選択されますがステロイドの全身投与すなわちのみ薬やパルス療法というのはあまり選択されません。
では今ご紹介頂いた治療の中の局所注射ですね。
ステロイドの…。
これはどのようなものなんでしょうか?局所注射ですがこういった脱毛してる場所にステロイドを細い注射針を使って月にいっぺん程度の頻度で注射していきます。
そうしますと約8割程度の頻度でこのようにきれいに治ってきます。
随分生えてきましたよね。
非常に経過がいいと思います。
効果としては80%ぐらいの方に効果があるという事なんでしょうか?はい。
副作用は何かありますか?局所にステロイドを投与してるだけですので全身にはステロイドは回りません。
ですからほとんど全身的な重篤な副作用は考えられません。
では続いて先ほどの表ですが重症の方に行われるステロイドのパルス療法ですね。
これはどのようなものですか?これは短期間3日間にわたって大量のステロイドを点滴で入れる方法です。
これは入院が必要になります。
発症から6か月以内早期の方に対してはよい効果を示します。
これは副作用についてはどうですか?不眠や動悸頭痛微熱といった副作用が出ますが非常に短期的なもので長期にステロイドをのむ時のような副作用は出ません。
では続いて物理化学療法とありますがこちらはどんな治療ですか?これは頭皮に人工的な刺激を与える事によって毛根の自己免疫反応を抑えようという方法です。
この治療はどんな場合に行われるものなんでしょうか?先ほど挙げたような初期治療すなわちステロイドの塗り薬そういったものが効果があまりあがらない時に選択するといったものです。
では今度は物理化学療法詳しく見ていきましょう。
こちら。
この2つ今挙がっていますが局所免疫療法というのはどのようなものですか?これはここに書いてありますように軽いかぶれを起こして治すというものです。
皮膚に軽いかぶれを起こす事によって起きた炎症が毛根に起きている自己免疫反応を抑えていくと。
そういった方法になります。
わざとかぶれを起こすという事なんでしょうか?我々皮膚科医がわざと患者さんにかぶれを起こすと。
そういった方法です。
そういう事でここで起きている異常な免疫反応といったものを抑えていくという事なんですね。
具体的にはどのように行っていくのですか?このように脱毛してる部位に薬を1週間から2週間の間隔で塗っていくんです。
これはかぶれを起こす薬という事ですか?そういう事です。
半年ぐらいやってこのように効果が出てくれば継続しますし全然効果が出ないという場合にはほかの治療を考慮します。
効果がある場合には長期で続けていくと考えていいんでしょうか?長期に続けた方が再発を抑えられるというものです。
ではその効果の写真を見てみましょう。
このようにこの方2か所ありましたが6か月後には非常に速やかにきれいに治ったという感じです。
全体的にしっかりと生えているという感じですが副作用としてはどんな事が考えられますか?副作用としてはここのところに強い皮膚炎が起きてしまうという事があります。
またリンパ節が腫れたり体に発疹が出たりとそういった事があります。
そして次の物理化学療法としてこちらPUVA療法と…。
こちらもありますね。
このPUVA療法ですがここに書いてありますように16歳以上の方に行う事が勧められています。
これはソラレンをつけたりのんだりする事によって体が紫外線に過敏な状態になります。
その上で紫外線をあてる事によって直接的に毛根の自己免疫反応を抑えるといった方法です。
ではこちらも写真を見てみましょう。
この方紫外線療法をやりまして3か月後に非常に発毛してきて経過が良好だと考えます。
こちらのPUVA療法の副作用としてはいかがですか?PUVA療法の副作用としては軽度のかゆみや日焼けのような赤みが出る事がありますがやめる事によって改善してきます。
さまざまな治療法があるという事を見てきましたがそのほかに日常生活の中で注意が必要な事というのは何かあるでしょうか?私たちがよく質問を受けるのは食べ物とかシャンプーそういったものをよく質問を受けます。
食べ物に関してはこれをよく食べると円形脱毛症がよくなると。
そういった食事はないんですが鉄分や亜鉛が少なくなりますと髪の毛の伸びが弱くなる抜けやすくなるという事でそういったものを意識してとるという事があります。
鉄分や亜鉛は意識してとった方がよいという事ですね。
それからシャンプーに関してですがこのシャンプーを使うと円形脱毛がよくなるという化学的な根拠を持ったものはないんですが円形脱毛症の方の髪の毛というのはゴワゴワして切れやすいという事があります。
ですから髪の毛をしっとりさせるようなシャンプーがよいかなと思っています。
しっとりさせる保湿のようなシャンプーを使っていくとよいという事ですね。
ほかには何かありますか?ここに挙げましたようにきっかけとしてこういうウイルス感染などがあります。
ですからこういった風邪をひかないような規則正しい生活疲れを残さないような生活。
特に自己免疫反応自己免疫疾患というのはこうした疲れがあまりいい方向に働きませんのでそういった事を考えた方がいいと思います。
ウイルスなどの感染もきっかけになるという事ですからやはりそういったものを防いでいくという事も大切なんですね。
そうですね。
インフルエンザがはやってる時期などには事前に予防接種をしておくといった事もいいかなと思ってます。
それからストレスも原因になるという事ですのでストレスをためないような生活というのも大事なんですね。
ストレスがあると不眠につながったり疲れにつながります。
ですからそういった事が少ない生活がよいと思っています。
円形脱毛症に関してはなかなか治療を行っても効果が出ないという場合もあるのでしょうか?実際に私の科には10年以上通ってるという方もいます。
そういった方は家族本人非常に深い悩みを抱えてらっしゃる。
脱毛が治らないという事で…。
そういった心のケアが大事なんですが患者さんの会というのもあります。
ですからそういったところでいろいろな相談日常生活の相談をされる。
かつらなどの相談そういったものもよいと思っています。
悩みなどを相談するところがあると心強いかもしれませんね。
それからかつらですがこれは使った方がよいのでしょうか?使う使わないは患者さんの気持ちにもよりますがかつらを使う事によって円形脱毛症の治療もしくは病気そのものに特に影響はないです。
分かりました。
では円形脱毛症自然治癒もあるという事ですがどんな場合に治療が必要なのかもう一度教えて頂けますか?はい。
脱毛が止まらない。
それから脱毛の箇所が増えてきた。
それから何度も繰り返す。
そうした方には皮膚科専門医また脱毛症外来の受診をお勧めしたいと思っています。
やはり脱毛症を診た経験のあるところに受診するという事が大切なんでしょうか?はい。
分かりました。
今日は円形脱毛症について詳しくお伝えしてまいりました。
どうもありがとうございました。
2015/03/03(火) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「円形脱毛症の治療」[解][字]
突然髪の毛が抜ける円形脱毛症。早めに治療を開始することで回復が期待できるケースがある。放置せず専門医を受診することが大切だ。円形脱毛症治療の最新情報を伝える。
詳細情報
番組内容
突然髪の毛が抜ける「円形脱毛症」。脱毛が1〜2か所だけの場合や頭全体に及ぶ場合など、さまざまなタイプがある。脱毛の程度にかかわらず、患者さんにとっては深刻な悩みとなり、生活に大きな影響を与える場合がある。早めに治療を開始することで回復が期待できるため、脱毛が止まらなかったり、脱毛範囲が広がったりするときは、放置せずに専門医を受診し、治療を検討することが大切だ。円形脱毛症の治療について詳しく伝える。
出演者
【講師】浜松医科大学講師…伊藤泰介,【キャスター】久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:15130(0x3B1A)