(タカトシ)その思いをタカアンドトシがかなえます!今回の依頼品は…大学の卒業証書です。
依頼人が…働いて学費を払いながら大学に通いようやく手にした努力の証しです。
共に戦う仲間みたいな。
しかしうっかり水にぬらしてしまい大事な卒業証書に表紙の紫色が染み込んでしまいました。
(千代美)もしなんとか元に戻るんだったら本当にかぎりなく近い状態でもいいのでなんとか元に戻して頂けたらうれしいなとは思いますけど。
そんな思いに立ち上がったのは古文書や重要文化財など数々の傷んだ紙を修復してきたスペシャリスト。
熟練のマイスターも驚くほど……を使った除去作業。
しかし…。
紙のシミを取るという難題。
さあ始まりました「感涙!よみがえりマイスター」。
この番組は…今回のように大切なものを汚してしまったり壊してしまった経験はございますか?歴代のやつ?中学校3年生で初めて持ったんで今7〜8台ほどあるんですが充電器の差す所が壊れちゃってそれで換えてるんで…
(タカ)見たいの?見たいじゃないですかやっぱ。
アイドルになってからそういうの駄目だよって言われて。
言われるじゃないですか。
まあね。
彼氏とかつくれないんです。
最後の高校1年生の時の写真が今もう充電器差しても差さらないつかないんでそれをよみがえらせたいですね。
見たいんだ。
見たい。
自分でひっそり見て…。
見たいもんなんだね。
見たいですよ!だって…ほんとのアイドルそんな事言わないからね。
元彼の写真が見たいなんて言わないから。
(JOY)偽物でしょ?違う。
今回の依頼は汚れてしまった卒業証書という事ですけどJOYさんはどうですか?卒業証書大切にとってますか?ちょっとごめんなさい分からない存じないんですけど。
筒が金の線とか入っててわりとカッケーやつだったんですよ。
ああそうなんですか。
金の線…。
(JOY)だから卒業証書を抜いて筒だけ大事に置いてて。
いや知らないですよ。
知らない。
失いましたね。
それでは今回の依頼にまいりましょう。
依頼人がよみがえらせたい卒業証書には一体どんな思いが込められているのでしょうか?依頼人は奈良市に住む女性。
(取材者)こんにちは。
いらっしゃいませ。
お待ちしておりましたどうぞ。
夫は大学教授を務め研究のためシンガポールに単身赴任中。
千代美さんは奈良とシンガポールを行き来する生活を送っています。
そんな千代美さんの心にずっと引っかかっていたのが今回の依頼品。
実はこれなんですけれど…。
こんな事になっちゃっていまして大変な事になってしまって…。
紙の下からまるで根が伸びるように紫色のシミが広がっています。
一体なぜこんな事になってしまったのでしょうか?
(JOY)そういう時にかぎってだよね。
雨に気付いて窓の事を思い出し急いで帰宅したものの学位記は雨でぬれていました。
そしてぬれた表紙の紫色が卒業証書へと色移りしてしまったのです。
もうなんか情けない。
そんな大事なものをと…。
取り返しのつかない事をしてしまったなと思いますけど。
もしなんとか元に戻るんだったら本当にかぎりなく元に戻るに近い状態でもいいのでなんとか元に戻して頂けたらうれしいなとは思いますけど。
大学の卒業証書学位記をこれほどまでに大事にしているのには理由がありました。
決して裕福ではない家庭で育ったという千代美さん。
家庭環境もうまくいかず両親は離婚。
16歳の時から…経済的に苦しく…身の回りのお金を工面する生活を送ったといいます。
高校時代には朝4時に起き市場でアルバイトをしてから学校に通った時期もありました。
大学に行く事など夢のまた夢でした。
そんな千代美さんをずっと応援し続けてくれた人がいます。
まいどこんにちは。
いらっしゃいませ。
近所で食堂を経営している森さんご夫婦。
高校の3年間千代美さんがアルバイトをしていたお店です。
はいすみません。
高校卒業後も悩んだり落ち込んだりした時には必ずここを訪れ大将の作ってくれる料理と女将さんの笑顔に元気をもらったといいます。
もう長くお店してるとこの人ぐらいの年代の彼女たちが何人かいてはるわけ。
高校卒業後に目指したのは…アルバイトをしながら資格を取得しました。
千代美さんは歯科衛生士として実績を上げ…経済的にも安定し旅行や趣味も楽しめるようになったといいます。
大学への思いが芽生えたのはこのころでした。
…と自分の中で思うようになりました。
休まず走り続けてきた千代美さんだからこその決意でした。
新聞でたまたま「社会人入学制度」の文字を見つけすぐに応募しました。
しかし……は決して簡単な事ではありませんでした。
仕事から帰ったあと睡眠時間を削っての猛勉強。
当時の一日の睡眠時間は3時間もなかったといいます。
そして迎えた入学試験。
努力が実り見事…その時35歳。
悔しい思いもしました。
そんな事があって。
早ければ息子娘が大学に行くっていうようなお母さん方と年代が近いわけですよね。
そんな私が本当に女子大生になったわけですから…歯科衛生士の仕事をしながらの大学生活。
ついていくために再び寝る間を惜しんで勉強する日々が続きました。
年が一回り以上離れた同級生たちがキャンパスライフを楽しむ一方で…黒板に近い一番前の席が千代美さんの指定席。
しかし何度も挫折しかけたといいます。
支えてくれたのは…勉強はもちろん身の回りの事までさまざまな面で助けてくれました。
そして2001年3月千代美さんは見事4年で卒業。
30を過ぎて改めて学ぶ事の喜びを知った千代美さんの選択でした。
多くの人に学ぶ楽しさを知ってほしいと考えたのです。
苦労と努力の証しの学位記。
大学を卒業後これを見ると勇気が出たといいます。
だからこそしまい込まずに窓辺に置いていたのです。
やっとの思いで手にした大学卒業の証し。
大切なものを汚してしまった後悔の気持ちを拭い去る事ができずにいました。
千代美さんの人生と思いが詰まったこの卒業証書。
果たしてよみがえらせる事はできるのでしょうか?さあという事でございましたが。
何でしょうね…すごいなって。
何でも前向きに取り組んで努力をしていくっていうそのパワーというか…子供の頃ご苦労されたって話ですけどだからこそっていってもなかなかできるもんじゃない。
ほんともう…自分の事を考えると35歳…こんなに一生懸命努力する事やってたっけなって思っちゃうと非常にすごいなって。
(菊地)それはひど〜い!友近いかがでしたか?はい。
私も高校大学と行ってやっと学校の勉強から解放されるって思ってたのに大人になってまた自らその難しい受験勉強に挑むっていうのが私にしたら考えられなくて。
でも人生勉強も兼ねてそういう事をやられてるのはほんとに尊敬できるなと思います。
(JOY)非常に難しい事にはなってますね。
すみません専門家の方じゃないですよね?
(笑い声)紙の…。
消すのはちょっと難しい…。
それでは依頼人に登場して頂きましょう。
どうぞ!
(拍手)
(首藤)依頼人の河崎千代美さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
35歳で大学受験を決めたという事だった…。
やっぱり相当な覚悟が必要じゃないですか。
大学受験をその年齢でやろうと思うのは。
そうですね…なんというか…
(千代美)不純な話なんですが。
それで挑戦してみるのもいいかなという冗談話みたいなところから。
でも歯科衛生士をしていてやはり何というかもっと何か違うサイドから歯とか健康とかそういう事を見つめ直せるためというか見つめ直してみたいなって思って。
受験勉強…どのぐらい大変だったっていうか。
ちんぷんかんぷんで。
何からやっていいか分からなくて。
そうですよね。
最初何から取り組んでいいか…。
(JOY)勉強のしかたも分からないですよね。
何というか歯以外の事の勉強を何十年としていなかったので全く分からなかった。
入学してから学費を払うのも大変じゃないですか?そうなんですよ。
まさか通ると思わなくて。
で最初にこの日に通知が届いた人は合格通知が入っていますって言われてて。
その日に通知が届かなかったのでやっぱり通らなかったんだなと思って次の日に届いたんです。
あっこれは不合格通知だと思って開けたら「合格」って書いてあったんでまずどうしようって思って。
受験したのに受かったらどうしようってなったんですね。
どうしたものかと。
(JOY)そこから回したんだ。
生命保険を解約して。
とりあえずそれを…。
(野々村)結構ためてたんじゃないんですか?歯科衛生士をやってた頃の…。
もちろんそれもありましたが…それご主人が?そのころ一人だったので。
(野々村)そのころは一人か!一人で家買っちゃってた…?すごいっすね!早めに拠点を作ろうと。
すごいな!計画がしっかりしてるんだよね。
すごいですね。
でもそれだけめっちゃ大事にしてたわけじゃないですか。
その学位記を。
何で窓際に置いちゃいました?あのすぐ取れる所に置いておきたかった…。
(JOY)そういう事か。
すぐ見返せるように。
でも自分で色とかを…。
私も思いました。
やろうかなと。
シミみたいな感じで。
だけど…印鑑も消えちゃうかもしれないですもんね。
(JOY)怖いっすもんね。
下手に何か…。
これは是非よみがえってほしいですよね。
学位記よみがえったらどうしますか?そうですね…もうあまり近くに置いておく事もないので今度は箱にでも入れて大事にしておくか玄関にでも飾っておくか…。
それでは河崎さんの努力の証しでございます学位記をよみがえらせるために一体どんなよみがえりマイスターが力を貸してくれたんでしょうか?39年間苦労と努力を重ねようやく手にした大学の卒業証書。
汚れてしまった…この依頼を受けて番組が頼んだマイスターは紙の事ならこの人というスペシャリスト。
岡山県吉備国際大学の…重要文化財や古文書などさまざまな紙の修復を手がけてきた専門家。
番組2度目の登場です。
以前鈴木さんが手がけたのは70年前戦地の父から家族に送られた遺書。
すごかったなこれ。
便せんが張り付いた箇所があり文字が隠れてしまっていました。
マイスターは熟練のはがしの技で見事手紙の文章をよみがえらせたのです。
(菊地)すごい!70年前ですよ。
(取材者)こちらが今回お願いしたい卒業証書になります。
じゃあ拝見します。
今回は紙についたシミを取り除いてほしいという依頼。
そうですね…思ったよりも…確かに鮮明ですからねシミが。
紫のシミは紙の表面にとどまらずかなり根深く浸透しているといいます。
千代美さんの卒業証書を一目見ただけでシミの強さを指摘したマイスター。
更に…。
(鈴木)この部分は実は…
(取材者)表と裏は同じシミじゃないんですね。
紙をライトテーブルに載せ裏から光を当ててみると…。
表のシミとシミの間に別のシミが浮かび上がりました。
(JOY)更に難しい。
紙の表と裏から紫色が染み込んでいた事が分かったのです。
ここからマイスターはどのように色移りしたのか見抜きました。
(鈴木)これは紙がぬれた事によって伸びたんですね。
伸びたけどもこれ以上伸びる事ができないのでひずみになって紙に凹凸が出来たんですね。
紙は繊維を編んで作られています。
この卒業証書も雨にぬれた事で繊維が伸びました。
その際四隅をホルダーで留められていたため横には広がらず波形にゆがみます。
その結果ぬれたカバーに接した部分に紫色が移ったというのです。
(鈴木)論理的に考えていってこれがどうしてこういう状態になったとか何が原因でそういうふうになったという事を推測していくのが修復をやる上での一番重要なところですかね。
紙を見ただけでシミの状態や色移りした状況を瞬時に指摘。
まさに紙のプロです。
しかし…。
(鈴木)学位記というのは書き直してもらう事ができない。
再発行もできない。
換える事ができないもの。
それを扱うというのは実は…いよいよよみがえりチャレンジスタートです!数日後作業を開始しました。
今回紙のシミを抜くためにマイスターが考えたのは水性処理と呼ばれる方法。
マイスターは3種類の薬品を用意していました。
薬品で漂白する事を考えたのです。
液体を使う作業を行うためまず重要になるのは…いくらシミを取り除けても文字まで消えてしまっては元も子もありません。
この卒業証書文章など学生全員に共通の部分は印刷インク。
赤い印鑑は朱肉。
そして名前は墨汁。
つまり墨で書かれていました。
更によく見ると文字や朱肉は水にぬれたにもかかわらずにじんでいない事が分かりました。
耐水性が高ければ文字を消す事なくシミだけを取り除ける可能性があります。
そして次は紫のシミにはどの薬品が有効なのかテストを始めました。
水を浸した綿棒をシミの原因となった学位記のカバーの裏地にこすりつけ紫色を採取します。
(鈴木)比べると分かるようにこの色が移ったという事ですね。
これが消す事ができればここも消す事ができるという事なので。
何種類かの漂白剤でどのくらい効果があるかって事を調べて一番効果がありなおかつ影響を与えにくいものそれを選択して処理をする。
用意した3種類の薬品は左のものほど漂白効果が高いものの紙に与えるダメージも大きくリスクがあります。
薬品の選択を間違えばこの世に一つしかない卒業証書を台なしにしてしまいます。
マイスターはすぐには漂白作業に入らず綿棒に採取した色のサンプルで効き目を調べようというのです。
3種類の薬品を紫色を採取した綿棒に付けていきます。
(鈴木)過酸化水素の方はあまり変化はないですね。
こちらの方はだいぶ薄くなっていますね。
3種類のテスト結果がこちら。
水に近い過酸化水素水ではほとんど紫色が落ちない事が分かりました。
一方左の次亜塩素酸ナトリウムではほぼ色が分からないほどに落ちました。
しかしマイスターは3つとも実際の漂白作業には使えないといいます。
1つは漂白効果が低すぎ他の2つは逆に高すぎて文字のインクや墨更には紙自体をひどく傷つけてしまうと判断したのです。
テストの結果次に選んだのは…漂白効果は若干低いのですが紙への負担が少ない薬品です。
早速試してみました。
漂白効果よりも紙への安全性を優先させたマイスター。
大事な卒業証書だからこそ慎重になります。
同じ時にたくさんの学生はもらってるかもしれないけどご本人にとってはこれは唯一掛けがえのないものですよね。
更に数日後。
この日も漂白作業に入る前に別のテストを行います。
マイスターは卒業証書を手に取ると特殊な機械へ。
これはマイスターの秘密兵器。
サクションテーブルというシミ抜きに使う装置です。
ドーム状の蓋がついたこの装置。
横にはポンプがありつながったホースを通して装置内の空気を吸引します。
作業台の上には無数の小さな穴が開いていますがこれは台の上に置いた…通常紙に液体を垂らすと周囲に広がってしまいます。
しかし下から空気で吸引しながら紙に漂白剤を付ける事でシミの成分を素早く抜き取る事ができるのです。
(野々村)すごい機械。
(機械の作動音)まずは紙の端のごく一部分で漂白テストを行います。
マイスターが選んだ次亜塩素酸カルシウムを1滴垂らすと…。
どんどん下に吸われていきます。
(菊地)薄くなってるのかなこれ。
見て頂くと分かると思いますけど…
(鈴木)今この部分です。
漂白剤を垂らした部分は確かにシミが薄くなりました。
しかしマイスターは…。
こんな感じですね。
(野々村)まだ残っているんだ。
肉眼では薄くなったように見えた箇所も斑点のように色の濃い部分が数多く残っていました。
(JOY)あれ消せる?紙の繊維が交差した部分に浸透したシミは落ちづらく残ってしまっていたのです。
次亜塩素酸カルシウム1回の漂白では完全にシミが取れない事が分かりました。
しかし紙へのダメージを考えると漂白の回数を増やす事も薬品を強くする事もできません。
そこでマイスター本格的な漂白作業の前に水を使ってシミをできるだけ落とす事を考えました。
その洗浄作業もサクションテーブルを使って行います。
まずろ紙を敷きその上に卒業証書を載せます。
そして水でぬらし空気で吸引する事で…蒸留水を浸したはけでシミが出来た部分を丁寧になぞります。
(菊地)うわ〜怖い!
(JOY)怖いね。
紙の状態を確認しながら繰り返し行い少しずつシミを下に敷いたろ紙に移していくのです。
(野々村)印鑑は大丈夫なのかね?
(野々村)うわすごい…。
15分ほど表側の洗浄をしたところで裏返しにし裏からも洗浄します。
シミが両面から浸透しているため交互に作業しなくてはならず時間も倍かかります。
(菊地)取れてるかも。
(野々村)取れてはきてるけどね。
この作業を数回繰り返しました。
(取材者)どうして分かるんですか?さっきの処理したところだいぶ点が消えてるように見えるんです。
1時間ほど洗浄作業をしたところで一旦紙を装置の外へ。
卒業証書の紙とろ紙を並べてみると…。
下に敷いていたろ紙にうっすらとですが紫色が同じ形で移っていました。
ぬれた卒業証書は別のろ紙で挟んで水分を吸い取り乾燥させ更に板で挟んで重しを載せて紙のゆがみも矯正します。
1回洗浄するごとに乾燥させ紙の状態を落ち着かせます。
水といえどもあまりに長時間ぬらしてしまうと紙が傷んでしまうからです。
マイスターは紙を傷めるリスクが低い水での洗浄を繰り返しシミを最大限抜き取る事にしました。
洗浄から乾燥まで一連の作業にかかる時間はおよそ2時間。
もし紙に異常が出ればすぐに中止しなければなりません。
休むどころか片ときも目を離す事ができない作業です。
(取材者)地道な作業ですね。
(鈴木)そうですね。
(鈴木)これを繰り返していく事によって可能性がある…。
洗浄作業を繰り返したマイスター。
この日は合計3回。
それでも落とせたシミはほんの僅か。
(菊地)でもこう見たら…。
紙についたシミを取り除くという極めて困難で途方もなく思える作業。
果たして依頼人千代美さんの思いのこもった卒業証書はきれいによみがえるのでしょうか?さあという事でマイスターもかなり苦戦していましたが河崎さんVTR見ていかがですか?ほんとに申し訳ないなと思って。
ちょっとした失敗でこんな大変な事になってしまって。
これ紙の性質とか全部考えてやらなくちゃいけないんですね。
いろんな種類がありますからね。
それに合った液も探さなあかんし何回も何回もああやって移し替えてっていう…。
かかるか!誰もいねえわそんなかかるの。
ぐらい大変。
消しゴムとかでシャーペンの文字とかガーッて消す時あったじゃないですか昔。
そういう時すごい紙傷みませんでした?ああそうですね。
(菊地)ダメージあるから…いやしないです。
(JOY)する話出てなかったでしょ。
見てました?あの地道な作業。
同じ事繰り返しやると人間って最後の方雑になってくるから。
マイスターだから大丈夫ですよ。
プロフェッショナル職人ですから。
真さんいかがですか?根気が要りますね。
地道に地道にしかもやる事が繊細な作業だから洗い落とすみたいな事ですよね。
俺も一応家では皿洗いとかしてるけどそういう事とは全く違うぐらいな繊細な大変な作業という。
いや〜それで本当にどれぐらい白くなるんだろうと思いますね。
ほんとに徐々に徐々にですもんね。
白くなるのかね。
水による洗浄作業を始めて3日目。
この日も朝早くからマイスターは一人作業をしていました。
昨日に引き続きまだ水でシミが取れるはずだと洗浄を繰り返します。
連日にわたる長時間の作業。
マイスターの顔にも疲れの色が。
そして迎えた8回目の洗浄。
卒業証書を取り出し下に敷いたろ紙を見てみると…。
(取材者)どうですか?1回目のろ紙と比べると色移りがだいぶ薄くなりました。
(野々村)ここまで落としたんだ。
水でできる洗浄はここまでと判断。
いよいよ薬品による漂白作業に入ります。
(野々村)ここから薬品なんだ。
使うのは漂白効果が弱めの…水での洗浄を繰り返しシミの成分を減らした事で残りは弱めの薬品次亜塩素酸カルシウムでも漂白できるのではないかとマイスターは考えていました。
しかし弱いといっても漂白剤は紙を傷めます。
長時間使うと確実に劣化するためここからはスピードの勝負です。
(菊地)怖〜いこれ。
まずは水での洗浄と同じ要領でシミが広がっている箇所に薬品を染み込ませていきます。
(鈴木)わざと全体をやらずにこのラインだけやったんですけどこことここではっきりと変わってきてますよね色が。
開始して5分もたたないうちにシミがはっきりと薄くなってきました。
最初にテストした時の印象よりはだいぶ漂白の効果が早いような気がしますね。
(取材者)明らかに効果ありますね。
(鈴木)そうですね。
これだけ色が違うんです。
地色も漂白されている。
漂白剤を使った事でシミの紫色だけでなく紙の地色まで色が落ち始めてしまったのです。
もともとの黄色がかった色が落ち白っぽくなってきています。
(JOY)これはどうしようもないでしょ。
漂白された紙の地色。
大丈夫なのでしょうか?一体何が?普通の開くやつなかったっけ?何だ?何だ?何が起きてるんだ?ルーペで何かを見入るマイスター。
(取材者)どうされたんですか?僅かですが墨で書かれた千代美さんの名前の字の一部が薄くなってしまっていました。
(菊地)しょうがないこれは。
(取材者)あと一息ってところなんですよね。
そうですね。
もうちょっとなんだけどね。
このまま続ければシミは落ちるものの名前の墨が更に薄くなってしまう危険性が。
そこでマイスターは決断しました。
漂白作業を中断し次の手を考える事にしたのです。
しかし一旦付けてしまった薬品を取り除かないと紙の劣化は進んでしまいます。
(JOY)そうだよね。
取れないんじゃない?薬品の付いた卒業証書を急いである液体の中へ。
うわわわ全部つけちゃうの?
(菊地)ウソでしょ。
酢酸の水溶液です。
今回漂白に使用した次亜塩素酸カルシウムはアルカリ性の薬品。
それを中和させるために酸性の酢酸水溶液に浸したのです。
更に蒸留水に浸し時間をかけて流水洗浄し紙に染み込んだ次亜塩素酸カルシウムを全て除去。
そしてこのあと改めて漂白作業に挑みました。
紙を相手にした困難なシミ抜き作業。
マイスターは千代美さんの卒業証書をよみがえらせる事はできたのでしょうか?さあまた新たな問題がどんどん出てきましたけども。
河崎さんいかがですか?紫がなくなって白っぽくなりすぎてるような気もしましたけれど。
地色がちょっとなくなってきたと。
あのシミがとにかくなくなればと。
予想外の展開になったなと思ったんですけど。
紫色はねほとんど薄くなってきたんですけど。
そりゃ強いですよもちろん。
(友近)毎日毎日遅い時間までそして早朝からやってるわけでしょほとんど寝ず。
そうですね。
ですから多分…いやしないですよ。
するかいマイスターが!最後までやるよ。
さあそれではマイスターに登場して頂きましょう。
どうぞ!
(拍手)
(首藤)それでは河崎さんもこちらにお越し下さい。
さあそれではタカさんよろしくお願いいたします。
よみがえりマイスターよみがえりましたか〜!?
(どよめき)ここまでよみがえりマイスター!すご〜い!
(拍手)
(JOY)すげえ!きれい!さあさあ河崎さんよくご覧になって下さい。
何もなかったみたいに…。
ねえ!よみがえってますね。
(野々村)間違いなくご自分のですか?そうですね…。
よく見えません。
(首藤)涙が…。
(友近)涙出ちゃうわこれは。
(JOY)こんなきれいになるんだ。
うれしい…。
うれしいです。
ありがとうございました。
どういたしまして。
すごい。
是非手にとって見て頂いて。
ちょっとめくってもいいですか?はい。
うわ!すごい真っ白け。
(菊地)きれ〜い!
(野々村)うわ真っ白。
(JOY)全く残ってないんじゃない?
(菊地)何で?いやうれしいです。
本当に。
シミになってから開けて見るのがつらくって。
ほんとに見た事がなかったんですけど。
きれいになってほんとよかった。
ありがとうございました。
ほんとにありがとうございます。
うれしいです。
ますますお大事に。
はい。
大事にします。
そうですね…本当に一日の24時間が足らなかったぐらいの生活をずっとしていたのでこれを頂いた時にはやっと終わってまた新しい何かが待ってるんじゃないかっていうそういうワクワク感とかとともに手にしたのを思い出しました。
どうですか?正直河崎さんもこのVTRを見て途中今回無理かなっていう諦めた感じもありました?そうですね。
かなりきれいになったでしょって言われた時にいやほとんど紫色が取れてないじゃないのとなるシーンを思いましたけれど。
困るなみたいなね。
(笑い声)確かにありますよ。
最後のVTR見てた時ねちょっとピンチだったじゃないですか。
逃げ出しちゃうんじゃないかと。
逃げずにちゃんとやって俺たちの想像してたよみがえりの更に向こう側っていうか想像してないレベルまでよみがえらせてくれたんで。
皆さんがとっても不思議がっている学位記なんですがマイスターは熟練の技を駆使してシミを取るだけではなくて紙全体を元の色によみがえらせました。
そちらの様子をご覧下さい。
名前の墨が落ちないようにマイスターが考えた作戦とは?
(鈴木)難しいかな?墨の色が薄くなってきた部分とサクションテーブルの間にフィルムを挟み墨が下に吸引されないようにしました。
(JOY)あ〜なるほどね。
このような状態にした上で細心の注意を払って漂白作業を再開したのです。
文字に薬品が付かないように細かな作業を続けるマイスター。
気を抜く事はできません。
紙の状態を見ながらギリギリまで漂白を続けるマイスター。
経験に裏打ちされた勘だけが頼りです。
そして紫のシミはほとんど消えました。
ところが紙自体も白くなってしまいました。
真っ白。
マイスターは紙の色が抜ける事はある程度予想していました。
そこで漂白作業前の卒業証書を参考にして染料を作ってありました。
均等に染めるため卒業証書の紙全体を一旦全て漂白します。
(野々村)真っ白にしちゃうんだ。
手つかずだった上の部分に漂白剤を薄くのばすとあっという間に黄色がかった色が抜け紙全体が白くなっていきます。
こうして地色は真っ白に。
ここから紙を元の色に染め直すのです。
あらかじめ作っておいた染料を大きめのはけで均一に塗っていきます。
染料は薄めの色に作っておき繰り返し塗って元の色に近づけます。
裏が終わるとすぐにひっくり返し表もムラが出ないように注意しながら塗っていきます。
すげえ。
塗り直してた色だったんだ。
元の色とほぼ同じ色に仕上がりました。
気付かなかったこれ。
すごいな。
こうして千代美さんが苦労と努力の末に手にした大学の卒業証書学位記はよみがえったのです。
(拍手)すごいですね!こういう技術があったんですけども。
さあ河崎さんいかがですか?今のをご覧になって。
ああやって一回全部色を抜かれてたとは思わなかったですね。
全部一度真っ白にして染め直して頂いてたんですね。
今回の作業は一番どこが大変でしたか?漂白はやっぱり紙にも色材インクとかにも大きな影響を与えるんで耐えられるかどうかですね。
まず染料をできるだけ取ろうと。
実は漂白されていて色がなくなっているんですけど色のなくなった染料はそこにまだ残ってる可能性があるんです。
ですから…そうするとこれから後の影響も少なくなるという事で…あそこの作業が大事だったんですね。
ほんとに全編通して見て実力を遺憾なくマイスターが発揮しましたので…ないですよそういうの。
やってないですよ。
キングオブマイスターとかないです。
ないんですか。
それではマイスターに今回のよみがえり度を発表して頂きたいと思います。
今回のよみがえり度は何%ですか?90%。
90%!
(拍手)100%じゃない?
(野々村)厳しいですね。
100ですけどね。
我々から見ると。
なぜ90%なんですか?
(JOY)これで傷んでるんですか?すごいきれいに見えるけど。
(鈴木)今後保管とかそういう事を丁寧にして頂ければずっともつと思うんですけど。
やはり何もしなかったつまり漂白しなかった状態に比べれば…マイスター今後どのように保管すれば傷みが少なく…。
やはり光に当たると紙自体もそうなんですけど今回染めた元へ戻した色に使った染料もそれほど耐久性というか耐光性が高いものではないので…はい。
それでは河崎さん今回頑張って頂きましたマイスターにひと言お願いいたします。
私は30代になってから大学に行きましたけれど大学に行って初めて勉強するという楽しさとか面白さを知ったんですね。
で今いろんな生活状況でなかなか勉強を集中してする事ができない人たちもたくさんいますけど頑張ったらねきっとこういうふうにすばらしいゴールが見えてるのでいろんな人にも頑張ってほしいなと思います。
私にとってはこれは本当に戦友であり最高のご褒美だと思っていますので本当にきれいにして頂いてありがとうございました。
(拍手)見事に学位記をよみがえらせた紙修復のマイスター鈴木さんに…
(首藤)皆さんも経験があるかと思うんですけれども本を水でぬらしてしまうとこのように…。
(野々村)ビヨビヨになる。
(首藤)これを元どおりにするテクニックを鈴木さんに教えて頂きます。
元どおりになるかどうかは難しいと思います。
この本の状態とかにもよりますね。
ぬれ方とかね。
ただこういう依頼はたまにありまして。
自由に乾燥させたんでこういうふうになってったんです。
紙がなりたいようになってしまったのでこれはキッチンペーパーですね。
これ普通のお水…。
(鈴木)紙は伸びます。
伸びたところで…。
更にその上にもキッチンペーパー。
しわが出来ないように気を付けます。
(首藤)キッチンペーパーも平らに。
(鈴木)そうですね。
(鈴木)そうなんです。
えっ!残念ながら。
それができると私たちも喜んでこの作業を引き受けるんですけど実はとても時間がかかる作業なのでできれば引き受けたくないなっていう仕事ですね。
ですからやる事はこれだけで…
(鈴木)もう少し重い方がいいかもしれないですけど。
鉄アレイを。
もし下敷き…プラスチックの下敷きのようなものがあれば一番下ぬらし始めたところと一番上のところに平らなプラスチックの下敷きのようなものを入れておいてこうしてやるとある程度ですね平らにする事はできます。
という事で…紙にコーヒーのシミとかついちゃう時あるじゃないですか。
あれって取れないんですか?結構大事な書類とかで。
一度こぼして乾いてしまったシミは取るのはとても難しいんですね。
専門家でも難しいと思います。
(菊地)そうなんだ!ですからできるだけ早く拭いてしまう。
拭く時もこすらない。
ティッシュペーパーでいいんですが当てて吸い取らせる。
子供がね似顔絵をパパの事大好きでね描いてくれるんですよ。
その時に似顔絵なんかの保存のしかたというか…。
クレヨンなんかで描いたり。
紙自体はいろんな紙がありますから紙の劣化はやはり空気というか空気の中の酸素なんですがそういうものにさらさない。
ですから箱のようなものに入れて保管するとか。
これは紙の箱の方が安全です。
金属の方が密閉性は高いんですけど例えば部屋に置いて温度変化が起こると中の湿度が大きく変化する可能性があるので。
僕は子供の似顔絵を見て頑張ろうと思うんですけどそれはしまっておかなきゃ駄目なんですか?額か。
額に入れて頂きましょう。
というわけでマイスターの鈴木さん今回はありがとうございました。
(拍手)諦めていたのでこれからほんと大事にします。
数日後奈良に帰った千代美さんから写真が届きました。
マイスターからのアドバイスを受け保管場所に選んだのは玄関。
毎日必ず通るこの場所に置いて自らを奮い立たせているそうです。
2015/03/03(火) 01:25〜02:24
NHK総合1・神戸
感涙!よみがえりマイスター「苦労と努力の結晶 卒業証書のシミは取れるか」[字]
苦学の末に39歳で手にした大学の卒業証書。戦友のように大事にしていたが、うっかり水にぬらしてしまい紫色のシミが!紙のシミを取るという難題に紙修復のプロが挑む。
詳細情報
番組内容
依頼人の女性が39歳の時に手にした大学の卒業証書。それは苦労と努力の結晶だった。大学卒業後も戦友のように大事にしていたが、ある日部屋に吹き込んだ雨でぬれ、表紙の紫色が色移りしてシミができてしまった。大切な卒業証書についたシミを取ることはできないか。番組に寄せられたそんな依頼に、古文書や重要文化財など数々の傷んだ紙を修復してきたスペシャリストが挑む。紙のシミを取るという難題に驚きの技でこたえる!
出演者
【司会】タカアンドトシ,首藤奈知子,【声】桐谷蝶々,川下大洋
ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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