(最終回)おみやさん7 2015.03.02


(パトカーのサイレン)
(鳥居勘三郎)
15年前鴨川で男性の絞殺死体が発見されその爪から犯人のものと思われる皮膚片が採取された
捜査の指揮を執ったのは京都府警の寺山洋一郎警部
(寺山洋一郎)なお一層の努力を頼む!
だが浮かび上がった容疑者全員には確固たるアリバイがあり…
犯行場所と特定された神社でも犯人につながる情報は得られず捜査が進展しないまま事件は迷宮入りした
そして…
(七尾洋子)よぉ〜!
(洋子・鳥居)ジャンケンポイ!
(2人)あいこでしょ!あいこでしょ!勝ったー!ランチのデザート今日もおみやさんのおごり〜!なんで5連敗するの?
(吉川新平)いたいた!おみやさんちょっといいすかちょっと。
(村井信治)「無能な警察の諸君へ」「十五年前北見茂樹を殺したのは私だ」
(村井)「事件が時効を迎える晩同じ神社で再び人を殺す」「止められるものなら止めてみろ」…?
(兵藤兵吾)市内の新聞社3社にも同じ内容の手紙が届いてます。
(茅野太一)いずれも洛東郵便局の消印で投函されたのは昨日ですね。
(会沢桂子)手紙から前歴者の指紋は検出されませんでした。
この北見茂樹の事件ってのは本当に存在するのかね?
(星野康夫)あはい。
95年の4月23日です。
という事は時効まで1週間ですねぇ。
(村井)またかよ。
ああ僕が呼びました。
今回ばかりは資料課の協力が必要かなぁって。
(村井)余計な事するなって!まだこれを送ってきた奴がホシとは決まっとらんだろ!イタズラの可能性極めて低いですね。
なぜそう言いきれるんだね?ホシしか知らない事実が書かれてます。
(一同)えっ!?あっああ…。
15年前…北見茂樹さんの遺体が鴨川で発見された。
その後の司法解剖の結果首を絞められた事による窒息死と判明。
どこか他で殺されて川に投げ込まれたってわけかね?でその後の調べで事件前夜ガイシャは左京区の南川神社に向かった事がわかってる。
あっ!「同じ神社で再び人を殺す」…。
(高岡俊介)あっ…これって南川神社の事ですね。
そう。
だけど現場が神社だという事はマスコミに公表されてない。
(一同)えっ!?事実を知るのはホシだけか…。
(吉川)こりゃただのイタズラじゃありませんねぇ。
なんかホシにつながる手掛かりなんかは?ガイシャの爪の中にホシのものと思われる皮膚片が残ってた。
分析の結果血液型はA。
よしあっちへ行って資料の整理だ!ここはホコリくさくて頭が働かない。
おい!再捜査開始ね。
私たちも参加しましょう。
よーしうどん食べに行こう。
はあ?なんでこんな時に?会いたい人がいるの。
あ〜うどん!うどんうどん!いってきます。
うどん!15年前捜査本部の指揮を執ったのは京都府警の寺山洋一郎警部。
まあ警部はホシはガイシャの知人の中にいると動機のある人間を洗ったんだが…。
全員にアリバイがあった?そう。
対人関係に戦力を投じたために犯行現場が割れたのは犯行発覚から3日。
その前日雨が降ってね。
ああ現場の物証が流されちゃった…?それがお宮入りにつながった…そういう声もあった。
寺山警部責任を感じたんだろうね。
以来彼の捜査は強引になり始末書沙汰も度々。
2年後警察を辞めた。
う〜ん…。
私生活にもトラブル抱えてたんだろうね。
退職後悪い噂が流れた。
悪い噂?度々職を変えギャンブルにおぼれ自暴自棄の生活を送ってるって。
ああなんだか会いに行くのが不安だなぁ。
(寺山房子)主人でしたら今日はリハビリセンターのほうに。
おケガでもされたんですか?いいえボランティアなんですよ。
施設の掃除とか利用者の案内とか結構楽しんでやってるみたいなんです。
そこの通りからバスが出てるんですよ。
ありがとうございます。
ちょっと行ってみます。
あっあの…お急ぎじゃなければ庭のバラ見ていっていただけません?主人の自信作。
へぇ…ガーデニングがご趣味なんですか?ええ。
ガーデニングにテニスに最近ではお料理教室まで。
昔の鬼刑事が笑っちゃうでしょ?
(房子の笑い声)
(森清文)たまには京野菜でも植えたらどないや?すいませんね。
女性陣のリクエスト優先ですから。
かなわんなぁ。
なんの種や?それ。
ジャーマンカモミールですよ。
この花はね近くに生えてる植物を元気にする働きがあるんです。
鳥居さん…。
お久しぶりです。
手紙を送ってきたのはおそらくホシではありません。
私は今でもあの事件のホシはガイシャの知人の誰かだと思っています。
動機は個人的なトラブルだと…。
決して…通り魔的な犯行ではない。
自己顕示欲による凶行でもない。
つまり犯行予告を送ってきた人間は15年前の犯人像と結びつかないって事ですか?ええ。
神社について書かれていたのは気になりますが偶然としか思えません。
偶然?まあ私もデカを辞めてもう長いですからね。
とうに勘は鈍っている。
あまり信用しないでください。
偶然か…。
だけど寺山さん噂とは大違いでしたね。
自暴自棄だなんてとんでもない。
夫婦円満で幸せいっぱいって感じ。
(すず)坊ちゃま失礼いたします。
(すず)たまおば様から絵ハガキでございますよ。
「坊ちゃますずさんお元気ですか」「たまは元気に世界遺産巡りを楽しんでいます」「ギリシャからローママルセイユと回り今はロンドンでございます」バッキンガム宮殿の近くで女王様に間違えられたそうでございますよ。
誰が間違えるわけ?「すずさんたまには坊ちゃまにアップルパイを作ってさしあげてください」「ついでに」…。
ん?ついでになんです?「ついでに」…。
「ついでにあのアバズレのしつけも怠りなく」怠っておりました。
反省しなければ。
反省しないでよ!
(茅野)課長!
(村井)おう。
捜査資料をもとに当時の事件関係者に当たっていますがこれといった進展はありませんねぇ。
関係者の中には連絡が取れない人も数名います。
何しろ15年経ってますからね。
時効成立まであと12時間。
(吉川)課長!
(村井)ああ。
南川神社周辺の地図です。
(村井)よし張り込みの分担を決めるぞ。
兵さん!この郵便ポストの横な。
(兵藤)はい!ああいよいよ今夜か…。
緊張するなぁ。
おみやさん私たちも神社に張り込みましょう。
刑事課が総出で張り込むんだ。
出る幕ないよ。
だけどこのままじっとしてられませんよ!それが動機かもしれないな。
えっ?動機って?じっとしてられなかった…。
そういう事かもしれない。
なんの話です?15年前の事件現場を知ってたのはホシと捜査本部だけじゃなかった。
もう1人いた。
えっ?誰?被害者遺族…北見茂樹さんの娘さん。
あっ…!行ってくる。
あ…ああこれこれ。
サンキュー。
見覚えありませんか?
(北見梨枝子)警察って大変ですよね。
毎日どこかで必ず事件が起きるんですから。
昔の事件にいつまでも時間を割いてるなんてとても無理。
わかります。
もうすぐ時効は廃止になるっていいますけれど父の事件は法律が変わる前に時効を迎えてしまう。
世間に忘れられてまるでなかった事みたいに…。
私それが耐えられなくて…。
それでこの犯行予告を?警察を動かすために…。
もう一度お父さんの事件を大々的に調べさせるために…。
ごめんなさい。
私が…。
詳しい話署で聞かせてもらえますか?何!?遺族の狂言だった?ええ。
本人を連れてきて別室に待機させています。
すぐに事情を聞け!
(星野・高岡)はい!いやでも本物の犯行予告じゃなくて何よりでしたね。
(村井)バカバカしくて話にならん。
張り込みに行った連中をすぐに呼び戻せ!いや課長愉快犯が出る可能性…。
ありえない!引き揚げさせろ!
(兵藤)おみやさん寺山さんが来ましたよ。
寺山元警部です。
張り込みのデカに声をかけていました。
手紙はおそらくイタズラだろうけど万が一の事を考えて気を抜くなって。
内心はホシに現れてほしかったのかもしれない。
かもしれませんね。
何しろ昔自分が指揮を執った捜査ですから。

(足音)寺山さん…。
最後まで追うべきでした…。
私一人でも最後までホシを追うべきでした。
遺族はきっと逃げたと思ったでしょう。
陣頭で指揮を執っていた男がさっさと警察を去っていったんですから。
一杯だけ飲みませんか?すいませんね遅い時間に。
(福島重夫)いえいえ気ぃ使わんといてください。
若竹煮です。
(小池仁美)旬なんです。
どうぞごゆっくりなさってください。
ああ…。
あ…タバコおやめになった?ええ。
昔と別人みたいですね。
一度死にましたからね。
え?15年前…私は初動捜査のミスでホシに逃げられその直後妻にも逃げられた。
当然です。
それまで一度も家庭を顧みてこなかったんですから。
出世の望みも家族も失い私の仕事は荒れました。
上司の指示には背き暴言を吐く被疑者には手を上げ始末書三昧の毎日…。
そしてあなたは警察をお辞めになった。
ええ。
すべてが悪いほう悪いほうへと転がるようでした。
(寺山の声)新しい仕事はどれも長続きせずやがて人と会うのも億劫になり…。
私の心はみるみる荒んでいき…。
(寺山の声)そんなある日ふと魔が差したんです。
(寺山の声)自分の人生に一体なんの意味があるのか…。
これ以上生きていても醜態をさらすだけだ。
そう思って…。
(寺山の声)だがその時でした…。
寺山さん!寺山さーん!あっ寺山さん。
郵便です。
(寺山の声)ドナーの候補になった…そういう連絡でした。
ドナー?ええ。
骨髄バンクってご存じですか?血液疾患の患者さんに骨髄液を提供するシステムです。
提供者に選ばれはったんですか?はい。
すっかり忘れていましたが昔妻と一緒に登録していたんです。
(寺山の声)見えない手に自殺を止められたような気がしました。
(寺山の声)もう私一人の体ではない。
この国のどこかに私を待つ人がいる。
その思いが私を変えました。
(寺山の声)人間とはたわいないものです。
たった一人に必要とされるだけで世界が違って見えるんですから。
そして私は気づきました。
房子…。
簡単な事じゃないわよ。
骨に針刺すんだから。
4日も入院しなきゃならないんだし。
わかってる…。
お夕飯作るわ。
お前…。
あなたのためじゃないわよ。
(寺山の声)やっと気づいたんです。
すべてを悪いほうに転がしていたのが実は自分自身だった事に…。
提供は無事に終わり私はいつの間にか自分の生活を取り戻していました。
あの日見知らぬ誰かに必要とされていなかったら私は今頃この世にいません。
命…もらったわけですね。
まさしく…。

(パトカーのサイレン)
(ため息)なんてこった…。
(兵藤)死因は脳挫傷です。
何者かに突き落とされて頭を石に打ちつけたようです。
死亡推定時刻は昨夜の11時から1時。
現場からはもみ合った痕跡が出てます。
これは明らかに殺しです。
あの犯行予告は遺族の狂言じゃなかったのか?間違いなく狂言です。
本人も認めています。
それじゃどうして予告どおり事件が起きるんだ?愉快犯の仕業ですかね。
ですけど15年前の犯行場所は誰も知らないはずなんです!資料課が余計な首を突っ込むからこういう結果になるんだよ!ひどい…!私たちのせいにして。
だけど本当にどうして?あの予告は偽物だったのに。
犯行予告はマスコミによって報道された。
え?15年前のホシがもしそれを見てたとしたら…。
昔のホシが見知らぬ誰かが書いた予告どおりにヤマを起こしたっていうんですか?なんの目的で?
(桂子)課長!ガイシャじゃないほうのゲソ痕から足のサイズは28センチと判明しました。
(兵藤)28センチ?ホシは男か?ゲソ痕から微細証拠も採取されています。
(村井)「コンクリート粉末カモミールの種」…?カモミールはハーブの一種です。
種はパウダー状。
ちょうど今がまき時期です。
コンクリとハーブの種。
妙な組み合わせですね。
桂子さん!カモミールどんな種類?ジャーマンカモミールです。
答えなくていいって!ジャーマンカモミール…?あっおみやさん!この間のリハビリセンター…。
寺山さんがまいたのはジャーマンカモミールの種。
職員通用口の付近整備工事やってた。
あの道通ったらカモミールの種とコンクリートの粉末が両方靴に付いてもおかしくない。
って事はホシは施設の関係者?
(寺山)信じられません。
まさか遺族の狂言どおりに殺しが起きてしまうとは…。
今回のホシと15年前が同一人物だとしたら…。
手掛かりは3つですね?はい。
性別は男血液型はA足のサイズは28センチです。
職員通用口を通る全員についてその3点確認したいんですけど。
わかりました。
ボランティアの血液型は万一の事故に備えて事務所が把握しています。
職員と出入りの業者についてはすぐには調べられませんが…。
ああ…工事関係者にも話を聞く必要がありますね。
まずはボランティアの血液型を確認してご連絡いたします。
どうして他人が書いた予告どおりに人を殺す必要があるわけ?まあそれが一番の謎だよね。
あっ…!?あ…。
で男が出てきたのは0時過ぎで間違いありませんか?
(片山クミ)ええ。
なんか慌ててる感じでしたよ。
ほう。
顔は?見えませんでした?
(クミ)ああ…暗かったからなぁ。
なんか特徴なかった?えっ?あっおみやさん。
渋い!タイプかも…。
あの…太ってたとかやせてたとかは?背が高かったです。
180はありましたね。
180…!?他には何か?ごめんなさい。
ゆうべは酔っ払ってたから。
コンパだったんですよ。
イケメンぞろいでテンション上がっちゃって。
いやそういう時は男に送ってもらわなくちゃダメでしょ。
やだ。
襲っちゃいますよ私。
そりゃもっとダメでしょう。
えぇ?ん?先ほどの件なんですがボランティアの中にA型の男性は4人いました。
えっ?180センチ以上?となると全員違うな…。
センターの職員ではどうです?あっ1人いますね。
ありがとうございます。
身長が合うのは山田さんっていう職員。
足のサイズと血液型確認しましょう。
(山田和範)山田です。
あどうぞ。
山田さん…足が28センチで血液型がAだそうですね。
(山田)まあそうですけど。
いややな。
人殺しなんかやってませんよ。
念のためにお聞きしますけども。
ゆうべ11時から1時の間どこにいらっしゃいました?居酒屋で飲んでました。
あっ…そういやレシートが…。
あこれです。
会計は1時過ぎですね。
お一人でしたか?いや元同僚の佐古って奴と一緒でした。
佐古が朝早い言うて先に帰ったんでそのあと店長相手に飲んでました。
店に入ったの何時ぐらいですか?9時頃やったかな…。
佐古に聞いてください。
ここから店まで一緒に行ったんで。
その方も昨日こちらへ?辞めてちょうど1年経つんで挨拶に来たんです。
(佐古新介)確かにゆうべ山田と一緒に飲みに行きましたよ。
店に入ったのは9時頃です。
あなたもあのリハビリセンターに行かれたんですね?昨日。
ええ。
所長にたまには顔を見せに来いって言われて。
あの背が高そうですよね。
180センチくらいあるんじゃ?それが何か?すいません。
あの…足のサイズと血液型を教えていただけますか。
足は28センチです。
血液型はOですけど。
O型…。
証明が必要やったら確か会社の健康手帳に…。
(佐古)どうぞ。
間違いなくO型ですね。
ええ。
結局誰も該当しませんでしたねぇ。
(高岡)課長!ガイシャの身元判明しました!土本雪絵住所は大阪。
アクセサリーの通信販売事業を行ってました。
土本雪絵…。
大阪の女がどうして夜中にあの神社にいたんだ?その点に関しては不明なんですけれどもどうも通り魔的犯行ではなさそうです。
ひょっとして15年前のヤマの関係者?いや容疑者の1人。
土本雪絵土本雪絵…。
土本雪絵。
殺された北見さんの学生時代の友達で15年前土本雪絵が起業する時に資金の一部を出している。
それが…。
トラブルになっていた!だけど疑いすぐ晴れた。
血液型違った上アリバイがあった。
でもこれきっと偶然じゃありませんよ。
(梨枝子)土本雪絵が殺された?覚えてらっしゃるんですね?彼女の事を。
覚えてるも何も…。
母はずっとあの女が犯人だと信じてました。
死ぬ直前まで刑事さんに訴えてましたから。
あの女の詐欺まがいの商売にかかわったせいで父は殺されたんだって。
その刑事さんの名前覚えてますか?寺山って人です。
京都府警の。
北見さんの遺族は土本雪絵をホシだと信じていた。
でも彼女にはアリバイがあり血液型も不一致だった。
当時気になってた事が1つある。
ん…?
(すず)お坊ちゃま失礼いたします。
坊ちゃま〜!たまおば様から絵ハガキでございます。
また〜?今度はどこにいるって?フィンランドだそうです。
ついでに北極大陸まで足を延ばすと書いてあります。
北極って…北極に大陸はないんじゃない?あら大変!国際電話で教えないと。
15年前の事件当日土本雪絵知人に絵ハガキ出してる。
北海道から。
北海道!?事件の日北海道にいたの?ホテルに確認取ったが本人に間違いなかった。
はぁ…そりゃ鉄壁のアリバイだわ。
鉄壁すぎる…そう思ったのを覚えてる。
まるでアリバイを作りに行ったようだって。
どういう意味?もしかしたら土本雪絵は直接手を下さなかっただけなのかもしれない。
北見さんを殺害した実行犯は別にいて…。
殺しの計画をしたのが土本雪絵で実際に手を下したのが…。
別人だった。
そう考えるとあの犯行予告が意味を持ってくる。
ニュースを見た土本雪絵は犯行予告の主に見当がついた。
なぜなら犯行現場が神社だという事を知ってるのは…。
自分と自分の共犯者だけ。
その共犯者が時効寸前になって新聞社に怪文書を送りつけた。
その真意は一体なんなのか。
不安になった彼女がその真相を確かめるために神社に行ったと考えても不思議じゃない。
そこで彼女は誰かと遭遇した。
問題はその「誰か」の正体だが…。
まさか寺山さんじゃ…。
彼なら賭けていたかもしれませんよ!あの場所にホシが現れるほんのわずかな可能性に。
それに彼身長も180近いしリハビリセンターにも出入りしている。
彼女ともめる理由もある。
ええ…。
彼女を自首させようとしてトラブルになっていたとしたら…。
(山田)ホンマいい人ですよ。
去年4月からボランティア始めてずーっと週3で通ってくれてはるんです。
1円にもならへんっていうのに。
寺山さんおとといいつまでここに?4時頃かなぁ…。
あそういや約束があるって言うてました。
約束?相手が誰かわかりませんか?わしや!寺山はんおとといの晩はわしの家に来る約束してましたんや。
失礼ですけどお宅は…?西陣ですわ。
あの人11時半頃までおったかなぁ…?寺山さんが署に現れたのは0時…。
南川神社に寄るのは不可能ですね。
あの晩はずーっと2人して俳句をひねっとりましてな。
気ぃついたら夜中でしたわ。
俳句ですか?ええ。
わし俳句の同人誌を作っとるんですわ。
医者に余命半年って言われましてなこう…生きた証しっちゅうもんなんか残したろ思うて始めました。
今年で創刊5周年になりますねや。
…5周年!?この人余命半年言われてもう5年!「夏草やどっこい生きとるわが身かな」っちゅうてね。
ハハハ…!
(一同の笑い声)寺山さんホシ説はアウトか…。
またふりだしですね。
おみやさん?さっきの職員言ってたよね。
寺山さんがボランティア始めたの去年の4月からだって。
ええ。
それが?昨日会った佐古っていう人。
彼が職員辞めたのも去年の4月。
偶然だろうか…。
それとも2人の間に何かあったのかなぁ?そうだとしてもヤマには関係ないんじゃないですか。
なんか引っかかってる…。
おみやさん。
佐古新介前科がありました。
傷害が2回です。
一度目は金銭トラブルのもつれ。
ニ度目は居酒屋店員への暴行。
気になるなぁ…。
度々人に暴力をふるってた男がなんかのきっかけで人を助けるリハビリセンターの職員か…。
そして寺山さんとの出会いがきっかけで職場を離れた…。
あれ〜?考えてみたらあの2人似てません?すさんだ生活の末に一度は自殺さえ考えそこから立ち直った寺山さん。
佐古新介もまた暴力まみれの日々からある時立ち直った…。
佐古新介もうちょっと調べてみるか…。
(足立)よう覚えてますわ。
佐古新介。
夜中に叩き起こされていや〜「治療せんと建物に火つけたる」言われて…。
どんなケガでした?こめかみに3針ですわ。
「店の兄ちゃんの態度が気に入らん」言うて灰皿で殴りかかったんやて。
それで自分もケガしよって。
自業自得や。
…はい出た。
出ましたね。
12年前のカルテも一発や。
コンピューター様様やな。
洋子ちょっと…!佐古新介の血液型…A型。
そんな…!会社の健康手帳にはO型って…!そういう事か…。
佐古新介さんあなたは1年前まで理学療法士としてリハビリセンターで働く患者さんの話をよく聞く熱心なスタッフだった…。
そう聞いてます。
どうしてお辞めになったんですか?もっと自分に合う仕事が見つかったもので。
そうでしょうか。
本当の理由は寺山さんに会ったから。
…じゃないんですか?あなたは彼の前から姿消したかった。
なぜなら知ってしまったんです。
15年前北見茂樹さん殺人事件を追ってた彼が…刑事だという事を。
そして彼に骨髄移植のドナー経験がある事も。
10年前あなた血液疾患を患い骨髄液の提供を受けた。
血液は骨髄で作られる。
そのために移植完了後ドナーの血液型に変わる事があります。
あなたの血液型は骨髄移植を境に…AからOに変わった。
変わったのは血液型だけじゃありません。
そう。
病と向き合った経験があなたの内面をも変えた。
それまでのあなたはわずかな金で平気で罪を犯す人間だった。
15年前北見茂樹さん殺害したの…あなたでしょ?土本雪絵に依頼を受けてまるで面識のなかった北見さんを絞殺した。
そして今回土本雪絵…。
15年前行きつけの酒場であの女と知り合いました。
(土本雪絵)30万でどうや?うちが男を南川神社へ呼び出す。
あんたはそいつを殺して鴨川にでも放り込んでくれたらええ。
あんたは男と面識がない。
警察は絶対あんたにたどり着けへん。
うちは自分のアリバイを作っとく。
お互い安全っちゅうわけや。
30じゃ割に合わへんな。
ほな50出すわ。
50万…。
(佐古の声)50万…たった50万で引き受けたんです。
報酬を受け取って姿を消した。
(佐古)ちょろいもんやと思いましたよ。
罪悪感なんか少しも感じひんかった。
それからもロクな生活を送ってませんでした。
女のヒモになってみたり詐欺商法に手を出してみたり。
事件から5年後あなたは病になった。
(有馬)再生不良性貧血は今や不治の病ではありません。
幸い骨髄バンクのドナーの中にHLAの型が一致する人物が存在しました。
今すぐ患者登録を行えば…。
なあ先生…。
もし…もしな自分の患者が殺人犯やと知ったらあんたどうする?は?わずかな金のために殺人を犯した奴やとわかったら…。
治療します。
同じように。
(有馬)何も変わりません。
そしてあなた骨髄移植を受け治療は成功。
病院の花壇にね花が咲いてたんですよ。
花?小さな白い花です。
(佐古の声)退院の日にその花に気づいて…。
(佐古の声)なぜか急に思い出したんですよ。
自分が殺した男の事を…。
あの男の体温を…。
僕に抵抗した時の必死の表情を…。
怖いような心が裂かれるような…。
今まで感じた事のない気持ちでした。
それが罪悪感です。
あなたの中で初めて目覚めた。
でも勇気は目覚めへんかった。
自首する事が出来ひんまま僕は資格を取ってリハビリセンターで働き始めました。
自分と同じように病気を克服した人の役に立てれば楽になれると思った。
自分が楽になりたい…それだけでした。
そんな時に1人の男がボランティアとしてセンターを訪れた。
最初は運命やと思いました。
ずっと会いたいと思ってましたから。
僕を助けてくれた人に。
僕を変えてくれた人に…。
寺山さんはなんでボランティアをしようと思いはったんですか?恩返しですよ。
恩返し?昔ある人に助けてもらいましてね。
事情があってその人と会うすべがない。
それでこうやって感謝の気持ちを他に向けてるんですよ。
僕も昔助けられた事があります。
誰の人生にも恩人ってのはいるもんですね。
聞かせてもらえませんか?寺山さんが助けられた時の話。
いいですよ。
そして彼は骨髄移植のドナーになった経験を話した。
(佐古)骨髄液を抜くのは寝てる間に済んだ。
尿道カテーテルのほうが痛かった。
あの人そう言うて笑ってました。
もしかしたら…。
もしかしたら彼かもしれない。
自分のドナーは…。
そう思ったんですよね?でも本人に確認するのはタブーです。
僕は心の中でだけあの人にお礼を言い続けてました。
(佐古の声)せやけどある時…。
あっ…寺山さん今度は何を植える気やろ?ヒマワリやそうですよ。
患者さんのリクエストで。
(森)ああしはると鬼刑事やった人には見えへんな。
は?知らんか?あの人な元府警の警察官やったんやて。
たまに昔の話しはるわ。
14年前鴨川でサラリーマンが殺されてな。
それを解決でけへんかったのが心残りや言うてな。
(佐古の声)僕のドナーかもしれない人が刑事やったなんて…。
しかもあの事件を担当してたなんて…。
あなたはリハビリセンターを辞めて寺山さんの前から姿を消した。
それから1年。
時効まで1週間と迫った時あの犯行予告が新聞をにぎわせた。
15年前の事件現場…それが南川神社のここやと知ってるのはあの女しかいません。
あの女が僕を呼び出してる…そう思いました。
土本雪絵も同じ事を思ったんでしょう。
あの事件の事はもう思い出したくなかった。
でもここに来ずにはいられへんかった。
あんたが呼び出したん違たん?
(佐古)僕もあんたやと思ってた。
アホらし。
誰かのイタズラか…。
来て損したわ。
でもなんで神社やと…?僕らしか知らんはずやのに。
(雪絵)ただの偶然やろ。
それより…時効成立や!せっかく再会したんや祝杯でも上げへんか?相談したい事もあるし。
相談…?出資金がらみでガッタガタうるさい奴がおってな。
いざとなったらまた頼みたいねんあんたに。
今度は300万出すで。
300万。
どうえ?
(佐古)あんた少しも変わってないな…。
当たり前やん。
お肌もボディーラインもキープえ!フフフ…。
でどっちなん?乗んの?乗らへんの?
(雪絵)あんたホンマ真面目になって。
かまへんわ。
引き受けたい奴山ほどいるさかい。
待ってくれ…!
(雪絵)ああっ…!なんえ?もう誰の命も奪わんといてくれ!はぁ?命?アハハ…!アホな!人間っちゅうのはな自分の命だけ大事にしたらええんや。
幸いうちは病気知らずやさかい150まで生きたるわ!
(雪絵)あちょっと…!キャーちょっと何すんの!?ちょっと…放して!放して…ああー!病を経験してあなた自分の命と向き合った。
本当は奪った命とも向き合わなければならなかったんです。
そして償わなければならなかった。
(佐古)ええ…。
僕は償いませんでした。
チャンスはあったのに…。
何度もあったのに。
あの花を見た時寺山さんに出会った時彼の過去を知った時…。
そして今!あなた今生きてる。
その事自体が大きなチャンスなんじゃないんですか?寺山さん…!君のドナーは私ではない。
え…?寺山さんの骨髄提供の相手は女性だそうです。
当時10代の女性だったそうです。
(寺山)移植後もらった手紙には音楽の勉強をしていると書いてあった。
バイオリニストを目指しているとね。
君は勘違いをしていたんだ。
同じ事ですよ。
だってあなただったかもしれないんですから。
僕のドナーはもしかしたらあなただったかもしれない。
寺山さん彼かもしれない。
自暴自棄になってたあなたを唯一必要としたのは。
そうですね…。
(寺山)君だったかもしれない。
償うんだ…今度こそ。

(クミ)刑事さん…!やっぱりこの間の渋い刑事さん!ああ…!先日どうも。
事件解決したってニュースで見ましたよ。
おめでとうございます!ありがとう。
あなたの証言もとても役立ちました。
どういたしまして。
それじゃ失礼します。
どうも。

(バイオリン)来週コンクールなんです。
ウィーンで。

(バイオリン)
(寺山の声)「あなたに手紙を送るすべはない」「だが私は時々手紙を書かずにはいられなくなる」「あなたに宛てた出せない手紙を書かずにはいられなくなる」「あなたは夢にも思わないだろう」「自分がかつて1人の男を救ったなどと…」「自暴自棄になっていた人間を自殺のふちから引き戻したなどと夢にも思わないだろう」「あなたは私に教えてくれた」「人は誰しも人生を取り戻す事が出来るのだと」「絶望さえしなければ必ず前に進めると」「この空の下であなたが夢をかなえていると信じている」「ありがとう」「そして良い人生を…お互いに」
(2人)ジャンケンポイ!あいこでしょ!あいこでしょ!やった〜!今日もおみやさんのおごり〜!6連敗…。
なんでそんな強いの?実力ですよ実力!ジャンケンに実力なんかあるのかな?それにねおみやさんは必ずグーチョキパーって順番に出すんです。
…え?言っちゃった…。
言っちゃった言っちゃった…!逃げろ逃げろ逃げろ!2015/03/02(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
[終]おみやさん7[再][字]

「最後の時効捜査!!血液型トリック15年後の真実」

詳細情報
◇番組内容
京都鴨川東署資料課勤務の鳥居勘三郎は、過去の迷宮入り事件の資料を元に、現在起きた難事件を解決に導いていくことから、「おみやさん」と呼ばれている。豪華ゲストを迎え、長い歳月を超えた深い人間ドラマが織り成す極上のミステリーを、京都の情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
渡瀬恒彦、櫻井淳子、林泰文、不破万作、片桐竜次、小野寺丈、一條俊、鷲尾真知子 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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