(榊マリコ)あの夜ここで何かが起きた…。
何が起きたのか明らかにしないわけにはいかない。
それができるのは私たちしかいないの。
(久崎英子)人には命にかえても隠しておきたい事だってある。
(荻野辰巳)彼女は今後24時間府警本部内で監視下に置かれます。
(土門薫)疑わしければ徹底的に調べる。
…それが俺のやり方だ。
(乾健児)ひょっとしてヤバい事に首を突っ込んだんじゃ。
(榊伊知郎)科学に最も必要なのはあらゆる視点から物事を見ようとする意思だ!えっ…!?久崎刑事が脱走!?私は彼女を救いたいの…。
私にしかできない私のやり方で。
反応は…なし。
こいつも…シロっと。
乾君次。
はーい…。
出たわ…!やった〜!ん〜よ〜し!これで事件は解決。
は〜結局徹夜になっちゃいましたね。
え…?何で開いてるの…?
(物を動かす音)泥棒!!何だ何だ。
いきなり朝帰りか?え…?父さん!?まぁ説教なんて野暮な事をする気はないから。
バツイチの40女なんだから男のひとりもいて貰わないと困る。
37…まだ37!それとあいにくだけど仕事!殺人事件を1つ解決してきたところ。
意外性のない回答だな。
あぁこれ朝刊。
取っといたから。
ていうより何でここにいるわけ?泊めて貰おうと思ってさしばらく。
聞いてないわよ!今言った。
お前聞いたね?勝手に話進めないで!大体来るなら来るで電話の1つもできないわけ?母さんは何て言ってるの?う…うん…。
あ!朝飯食べてないんだよ。
何かあるか?うわ〜何もないなぁ…!賞味期限…お〜20世紀だし!ちょっと!勝手に開けないの!オイひとりでこんなの食べてんのか?ひとりで。
ひとりを2回もつけないで!か〜寂しいなぁ…。
寂しくない!
(携帯電話)はい榊。
桂で不審死体発見…わかりましたすぐ向かいます!話の続きは帰ってからするから勝手にあちこち開けたりしないでね!わかった気をつけてな!
(ため息)それと!この家では絶対禁煙ですからね!ご苦労様。
(谷口朝男)名前は川添公太この真上5階の部屋の住人です。
頭部に骨折が見られるわね…。
かなりの衝撃で墜落したと見て間違いないわ。
窓のサッシは開いたまま電気もついていて遺書はなかったそうです。
注射痕ね…。
部屋に注射器もありました。
麻薬の常習者だと…。
これだけではそうは言い切れないわ。
念のため血中濃度を調べる必要があるわね。
落ちたのはこの辺りから…。
不審な傷などは見当たらないわ…。
目撃者はいないようです。
相当ギャンブルにハマってたみたいですねぇ…。
(サイレン)ずいぶん前の写真ね…。
(谷口)87年って事は…18年前?うん…。
クラブファルマチーア…Pに…S…?Pはパケ。
袋に小分けした覚醒剤の単位。
Sはショット。
MDMAなどの合成麻薬の錠剤。
…あなたは?北嵯峨署生活安全課の久崎です。
生活安全課…。
川添公太はウチの署が麻薬売買の容疑でずっと内偵中だったの。
これはこちらで預からせていただくわ。
ちょっと困ります…!僕達が先に見つけたんですから。
取り引きに関連する証拠なら一刻も早く調べる必要があるの。
けど…こっちだって…。
相変わらずだな久崎。
土門さん…!ここはひとまずこいつに渡してやってくれ。
え…はぁ…。
ウチはあくまで変死の捜査だ。
ずっと追ってたホシに死なれて手ぶらで帰ったら課長に怒鳴られるだけじゃすまないだろう?お心遣い感謝します。
オイ戻るぞ。
…はい。
キレイな人だったわね。
あぁ?さっきの久崎って刑事さん知り合いだったんだ。
別に。
ただの後輩だ。
(米倉太)ただのってわざわざつける時はかえって怪しいなぁ。
先生まで…。
ただの後輩にせっかく見つけたお手柄まで渡しちゃうなんてずいぶん後輩思いなのね。
あいつは俺が四条署にいた時強行犯に新任で来て一緒に組まされた。
ただのそれだけだ。
何か見つかりました?ん〜別に不審な点はないなぁ…。
誰かと揉め合うた痕跡も防御創もないし…血中の覚醒剤の濃度から見て相当ラリってたみたいやから幻覚症状で飛び降りたんとちゃうか?毛髪の沈殿も調べた方がいいです。
うん。
あ…あのなそれはなこっちでやっとくから榊君はもう帰ったらどうや?昨夜も徹夜だったんやろ?助かります。
だったら…。
警察車両をタクシー代わりに使うな。
土門さんさっき無線で言ってた明日の合同捜査会議って何なんです?組対部の仕切りで北嵯峨署も合同って事は間違いないな…麻薬絡みで何か出たんだ。
忙しくなるぞ。
(谷口)はい。
おそらくそっちにも出動要請が…。
オイ…。
(佐久間誠)昨日死亡した川添公太は仲間の薬師寺実と組み多量の禁止薬物を売り捌こうとしていた事が判明した。
取引相手は鷹羽重房…取り引きは本夕10時。
場所は中京区桜小路のクラブファルマチーア。
ここに一斉摘発をかける。
突入班の指揮は組対部課長補佐の角田警部にとって貰う。
…説明を。
はい。
…あ。
(無線の声)「薬師寺現れました」
(英語で挨拶)
(無線の声)「マルヒ確認。
店に入りました」
(バーテン)おかわりお持ちしましょうか?そうね同じ物を。
はい。
薬師寺入店確認。
(薬師寺実)ビール。
(バーテン)はい。
…どうぞ。
目を離すな。
(角田道弘)総員拳銃の確認。
発砲許可があるまでは安全装置は装填のまま…いいな。
「後方支援C班は待機」
(谷口)了解!!…しました。
早く食わないと延びちまうぞ。
(宮前守)よしっ…これで完璧っと。
麻薬取り引きの一斉摘発に何だって俺らまで付き合わなきゃならないんです?ん?最近の禁止薬物は種類も多様化してるの。
見つかった薬物をすぐに分析するためにはこうでもしないと…!
(日野和正)1つ200キロカロリーだとして3個だと…。
あ〜絶対摂りすぎだよな…。
たらこはコレステロールが高いからな…。
(久崎)「鷹羽現れました」薬師寺と鷹羽は必ず接触する。
見逃すな。
(久崎)「薬師寺が動きます」取り引きが確認され次第突入のサインを出す。
薬師寺と鷹羽を一網打尽にするんだ。
いよいよか…。
現金確認。
突入。
(角田)動くなー!京都府警だ!全員その場を動くなー!
(客の悲鳴)
(角田)誰か早く明かりをつけろ!
(怒鳴り声)
(バーテン)おぉ!電気消したのはお前だな?
(2発の銃声)銃声…!?あ…ちょっと榊君!うわ〜!!薬師寺だ!確保!はい!待てー!!谷口!オイ!?クソ…!薬師寺が逃げた…緊急配備!
(捜査員)全員その場から動くな!!
(怒鳴り声)オイ角田警部は!?いや…!銃声はどこから!?あ…。
か…角田警部が撃たれました!大至急救急車を!!えっ…?これ…覚醒剤じゃないな…。
どうやら全部本物だね…あるとこにはあるんだ…。
乾君ちょっと持ち上げて。
はい…。
被弾は2か所どちらも貫通銃創ね。
じゃあ銃弾がどこかに…。
谷口君!洛北医大に搬送の手続きお願い。
はい!ここね…乾君ノギス。
(乾)はい。
9ミリ…スミス&ウエッソンの口径と一致するわ。
刑事が所持している銃ですよね?という事は…逃げた薬師寺が撃ったのはこっち…。
乾君。
7.62ミリ…30口径…。
薬師寺が所持していたのはトカレフでした。
トカレフなら30口径…。
銃弾の痕跡から見る限り1発は被害者のほぼ正面からもう1発は背後から貫通したようね。
じゃあ…前と後ろから撃たれたって事ですか?銃弾の回収お願い。
それと線条痕の照合もね。
はい。
私は検視に立ち会ってくる。
2つの銃創に生活反応の違いはありませんか?えっ?ここ…見てください。
銃創の大きさから判断して薬師寺は被害者を正面から久崎刑事は背後から撃ったとみて間違いありません。
う〜んそれで?正面から被弾した場合被害者の多くはとっさに銃創に手をやります。
あぁ手当て反射っちゅうやつや。
銃創に手を当てれば当然血液が付着します。
なのに被害者は…両手ともキレイなままなんです。
あれ…っちゅう事はまさか背中から先に撃たれたっちゅうんか?その可能性が否定できません。
あ〜けど生活反応から割り出すのはムリやなぁ…。
死因は失血性のショック死やから2発目が当たった時にはまだ息があったやろうしな…。
…そうですね。
よいしょ…おかしいわねぇ…?確かここにあるはずなんだけど…。
(乾)も〜!光子さんがいないだけでどうしてこんなぐしゃぐしゃに…なるんすかねぇ…!それにしたって産休とは驚きだよね。
高齢出産もいいとこでしょ。
(土門美貴)光子さんがいなくて人手が足りないなら私ここに出向させてくださいよ!ね?お願いしま〜す!!私にそう言われてもねぇ…。
あ〜ちょうど良かった。
実は重大な発表があってね。
何です?改まって。
いやみんなにも心して聞いて欲しいんだけど…。
署長!一斉摘発の際店内の様子を撮影した映像と音声のビデオテープがなくなってます。
えっ!?
(乾)なくなったって!?摘発の後コピーがここに届いたって記録には残ってるわ。
でもそれが見当たりません。
(佐久間)正式な処分が出るまで自宅謹慎を命じる。
わかってると思うが…この件に関して君は今後一切何も語るな。
いいな。
…わかりました。
ダメねマザーテープもなくなってる…。
こっちも…って事は誰かが持ち去った…っていう事ですかね?科捜研もここも外部の人間は出入りできないはず。
だとすると…。
(ドアの開く音)余計な真似をする暇があったら他にやるべき事があるんじゃないのかね?佐久間部長…。
テープには確実に銃声が残っています。
発砲時の詳しい状況を調べるには何としても必要なんです!わかった…。
ビデオが消えた件は私が預からせて貰う。
無論他言無用だ。
ですが…!そういう事だ。
ひょっとしてヤバい事に首をつっこんだんじゃ…?どうだ?薬師寺の携帯に反応はあったか?いいえ…。
電源を切ってるみたいでまるで。
そうか…張り込みと一緒だ。
気長にやればいい。
はい…。
鷹羽ってバイヤー釈放されたってマジですか?現場から覚醒剤が見つからなかったんだ。
大金を持っていただけじゃ逮捕の理由にはならないからな。
それにしたって…!とにかく一刻も早く薬師寺を見つけ出す。
それしかないだろう?はい…!何なのこの荷物!?父さんのに決まってるだろう。
ボサッと立ってないで荷ほどき手伝ってくれ。
何でこんな物がここにあるわけ?だからここに住むんだよ。
ハサミないか?住むって誰が!?父さんが。
お前のパパが。
は…泊めてくれってそういう事だったの!?心配しなくていいぞ。
こっちで新しい仕事をちゃ〜んと見つけたんだから。
心配してないけどよく雇ってくれる大学があったわねぇ…。
はぁ…こりゃ大変だな…。
一休みするか…喉も渇いたしな。
ちょっと…!ちょっとちょっと!母さんは承知してるの?いや…実はその事なんだが…父さんもこの歳になっていろいろ考えた。
自分の事母さんの事マリコの事自分の事を…。
自分の事だけ2回考えてるし。
結論から言うと人はひとりでは生きていけない。
何の話?ひとりで生きてくってのは寂しいぞ。
お前見てるとよ〜くわかる。
うん寂しい。
見てるも何もずっと私の事も母さんの事もほったらかしだったじゃない。
あ…!ひょっとして母さんが父さんの老後の面倒見るの嫌っていいだしたんだ!アハハ!熟年離婚の大きな要因だそうだ。
他人事みたく言わないの。
そこでだ。
マリコも再婚の予定なさそうだし。
決めないで!父さんが一緒に暮らしてやる。
何でそんな結論になるわけ!?
(携帯電話)はい榊。
ごめんなさい今ちょっと取り込んでて…。
え…?記者発表?いいから早くテレビをつけろ。
(佐久間)「え〜昨夜中京区桜小路で行われた禁止薬物取締の一斉摘発の際当府警本部の警察官1名が殉職いたしました。
氏名は角田道弘階級は警部」「殺害の被疑者は京都市南区大国町4−15無職薬師寺実33歳。
犯行直後現場より逃走」「現在府内一帯に指名手配」「なお角田警部が被疑者から発砲を受けた際捜査員1名が援護のため所持した短銃を発砲」「本捜査における捜査員の発砲はこの一件のみとなります」「この場をお借りして亡くなった捜査員のご冥福を祈らせていただきます」まだ検視報告だって出てないのにどうしてこんなに早く記者発表なんか…?どうやらこの事件には何か裏がありそうだな…。
足跡銃創銃弾の発見位置から推測される弾道は…。
(乾)という事はここから…。
被害者に貫通後方向を変えて壁に命中…。
薬師寺が撃ったトカレフの弾道は…。
発砲時の3人の位置関係はこれで決まりね。
マリコさんこんな事して何がわかるんです?おそらく角田警部は逃げてきた薬師寺をこの通路まで追いかけてきた…。
(角田)待てー!!さらに角田警部を追って久崎刑事も来た。
(銃声)ダメね…どちらが先に発砲したかは断定できない…。
確かに。
弾道はわかっても発砲の順番まではわかりませんもんね。
でも何かがあったのは間違いない。
何かって?あの夜ここで何かが起きた。
そのせいで角田警部は亡くなった。
何が起きたのか明らかにしないわけにはいかない…!それができるのは私たちしかいないの。
(乾のお腹の音)そういえばお腹空いたわね。
あ〜何かいい匂いがするし。
美味しい!でしょ?前に彼女と来たんですけどすっかり気に入っちゃって結婚式するならここで!なんて。
彼女!えぇ。
たまにはこういうところで食事しないといつもひとりで食べてたんじゃ寂しい…。
何でやめるのかなぁ?あ…ちょっと気を使いました…。
ふ〜ん結婚式ね…。
「結婚披露宴パーティー承ります」「写真・ビデオ撮影おまかせ下さい」…。
ひょっとして…。
すいません!
(店員)はい?
(拍手)そろそろね。
(拍手)何も聞こえませんね。
ううんそんな事はないわ。
あっ!余分な音を取り除いて。
はい。
まずは人の声…。
(拍手)音楽…。
(拍手)
(乾)拍手…。
(乾)で…雑音っと…。
いきます…!
(2発の銃声)やった!喜ぶのはまだ早いわ。
問題はここからよ。
ここにスミス&ウエッソンとトカレフの発射音のサンプルが入ってるわ。
今の2発の銃声と比べて。
わかりました。
(銃声)こちらが最初の銃声…スミス&ウエッソンの波形と一致しました。
2発目の発射音はトカレフとみて間違いありません。
一斉摘発の時何があったんだ?薬師寺を追って角田警部が奥の通路に向かったのを見たあなたはおそらく…。
(角田)待てー!もう逃げられんぞ!薬師寺が角田警部に拳銃を向けたのを見たあなたはとっさに援護しようと…。
(銃声)
(銃声)誤って先に発砲してしまいそれが角田警部に命中してしまった。
…違いますか?全ては佐久間刑事部長に報告済みです。
えっ…?刑事部長はお前が先に撃った事を知った上であんな記者会見をしたって言うのか?えぇ…。
一斉摘発の失敗でただでさえ府警の立場は悪くなっていました。
そんな時警察官同士の誤射と発表すればマスコミの格好の餌食になる…。
当然の判断だと思います。
ですが事実はここにこうして…。
誤解しないで下さい。
私には自分の身を守ろうなんて意識はカケラもありません。
こんな事を起こしてしまった以上どんな罰を受ける覚悟もあります。
だったらホントの事を明らかにするべきなんじゃ…!警察組織の人間として警察の威信を守るためと言われればそれに従うまでです。
つまり組織のためには真実を隠してもかまわないって言うんですか?そんなに…真実って大事なんだ…。
え…?真実より大事なものはたくさんあるわ…。
人には…命にかえても隠しておきたい事だってある。
もういい…。
これ以上訊く事はないだろう。
何か引っかかってるみたいね?彼女に関して何か隠してるんじゃない?だから言ったろただの後輩だって。
だったらあの時何であんな真似をしたの?ん…?一度も勝てなかった…。
四条署にいた5年間俺は久崎に一度も勝てなかった…。
射撃訓練で。
え…?ブレーカーは落ちていたが非常灯はついていた。
あの距離で狙いを外すとは到底考えられない。
誤射じゃなかったって事!?でも久崎刑事には角田警部を撃つ理由なんかないんじゃない?あいつが後輩であろうがなかろうが疑わしければ徹底的に調べる。
…それが俺のやり方だ。
薬師寺さんの隠れ家なんて知りませんよ…!だってただのお客さんなんですから…。
だったらどうして逃げたんだ?ガサ入れと同時に電気を消したからじゃないのか?だから…その…。
薬師寺さんにイザっていう時には頼むって頼まれて…。
けどあんな事になるなんて俺ホントに知らなかっ…!ちょっと待て…!イザって時ってのはどういう意味だ?だからサツ…刑事さんが踏み込むとかそういう…。
薬師寺は摘発の事を知ってたのか…?金がいる…あぁ…場所は…ん〜…。
麻薬の常習者ではなかった…!?あぁ。
毛髪にも覚醒剤の成分の沈殿はなかったし尿中の含有量が血液に比べてこりゃ少なすぎたんや。
だから常習しとったとは考えにくいなぁ。
でも最初の所見では川添は覚醒剤を服用した幻覚症状の中で飛び降りたって…。
あぁ血中のアルコール濃度もかなり高かったから酔いつぶれてる間に服用させられた可能性も否定できんかなぁ。
川添の死が他殺だったとすると…。
川添公太はウチの署が麻薬売買の容疑でずっと内偵中だったの。
まさか…。
酔いつぶれた被害者に覚醒剤を注射して…。
ほ〜それなら揉みおうた形跡も防御創がなかった事も説明つくがな!でもどうして…。
(ウェイトレス)いってらっしゃいませ!
(今井ユリヤ)はっきし言って営業妨害なんですけど。
薬師寺は事実上のオーナーだったんだろ?どっかに何か隠してたんじゃないのか?そんなの知ってるわけないでしょ。
あんたと付き合ってた事も調べはついてるんだぞ。
あんなヤバい男と付き合うわけないじゃん。
ほ〜あいつがヤバい事してたのも知ってるわけだ。
うん俺はどんなヤバい事をしても絶対捕まらないとか言っちゃってイザって時には天の声が味方してくれるんだとさ。
天の声…?バカだねぇ…。
結局指名手配くらって逃げ回ってやんの。
あいつに最後に会ったのは?…今週の火曜だったかな?17日?…一斉摘発の日か。
どこで?ここで!
(マシンをガタガタさせる音)すみません。
はい!あの…これ出ないんですけど。
ごめんなさい。
これこの間から調子悪くて…。
オイ!その日薬師寺その辺にいなかったか?覚えてな〜い。
ちょっと失礼。
どけどけどけどけどけ。
(ユリヤ)ちょっと何すんのよ!あ〜これじゃ出て来ないわ。
ホントに出向してきちゃったのね。
うん!
(宮前)あれ?榊君は?
(乾)洛北医大行ってきますって。
あ〜そうか…。
まぁいいか!実は重大な発表があってねえ〜君たちも心して聞いて欲しいんだけど…。
あ〜お兄ちゃん!大至急こいつの鑑定をお願いします。
(宮前)これは…。
薬師寺の出入りしてる店から見つかりました。
って事は覚醒剤!?…榊はいないのか?だからマリコさんなら…。
榊!!薬師寺が隠していた覚醒剤が見つかった!今所長に分析を頼んでる。
そっちは何か…?川添に他殺の可能性が出たわ。
何だって?もう一度久崎刑事に話を訊く必要が…。
久崎さん!
(荻野)彼女は今後24時間府警本部内で監視下に置かれます。
その間誰とも接触は禁じられます。
大事な話があるんです!5分でいいですから。
やめとけ。
え…?失礼。
警務部監察官室の連中だ。
…監察官?警官の不正を取り締まるいわば警察の警察だ。
じゃあ彼女が先に発砲した事をあの人たちも…?いや…奴らの狙いはもっと大きなヤマだ。
えっ…?捜査の情報が薬師寺にもれていた可能性がある。
だからサツ…刑事さんが踏み込むとか…。
イザって時には天の声が味方してくれるんだってさ。
じゃあ一斉摘発の情報も…?薬師寺は取り引きだっていうのに覚醒剤を持ち込んでなかったしトカレフまで用意していた。
摘発を知っていたと考えれば辻褄が合う。
それを教えたのが久崎刑事だって言うの?監察官の連中もその可能性をにらんだからこそあいつの身柄を押さえたんだろう。
でもどうして久崎刑事が薬師寺と…?麻薬捜査は情報が命だ。
情報を手に入れるために売人と接触するうちにミイラ取りがミイラになっちまうケースだってある。
でも…。
どうした?科学的には何一つ証明されていないわ。
あぁちょうど良かった。
今鑑定が終わったところなんだよ。
どうでした?主成分はメタンフェタミン。
間違いなく覚醒剤でした。
純度は99.65パーセント。
これがプロファイリングの結果ですね?プロファイリング…?覚醒剤のように合成して作る麻薬には原材料に含まれる不純物の違いから原産地や時には精製場所まで特定する事ができるんです。
つまり薬物にも指紋があるって事。
ふ〜ん…。
この覚醒剤と全く同じ指紋の覚醒剤がデータベースにあった。
…え?府警本部が以前に摘発で押収し保管していた覚醒剤のと一致したんだ。
…何?保管庫に保管されていたのは塩でした。
麻薬指紋もその量も薬師寺が隠し持っていた物と一致しました。
何者かが保管庫から盗み出し薬師寺に横流ししたと思われます。
薬師寺には摘発の情報も流れていました。
出所は久崎刑事の可能性が高い。
刑事部長もそうお考えなのでは?
(ため息)私の考えは今が警察内部の腐敗を根こそぎ刈り取るチャンスだという事だ。
だからこそ角田警部の件はあえて真実を伏せた。
つまり久崎を泳がせていたというわけですか!?そうだ…。
監察室がこんなに早く動くとは思わなかったな…。
おかげで久崎は奴らに囚われの身です。
これ以上調べたくてもこっちは手も足も出ない!諦めるのか!?え!?らしくないな。
え…?連中だって確固たる証拠があるわけじゃない。
久崎が疑わしいと思うんだったらこっちで先に証拠を見つければいい。
自分たちのウミは自分たちで見つけ排除する!私はまだこの組織を信じとるんだ!
(荻野)いい加減話して貰えませんか?何があったのか…?北嵯峨署が川添の部屋から押収したのはこれだけだ。
何を探す気だ?薬師寺と川添に情報を流していた人間の手掛かり。
全部ダメ…。
北嵯峨署の鑑識記録でも「不審な指紋は一切検出されなかった」とあるわ。
あとはこれだけか…。
ひょっとして…。
この方法なら粉末法で見逃した指紋も判別できるしたとえ拭き取っていても…潜在指紋を見つけられるわ。
…出たわ。
川添の部屋にあったマッチから見つかった指紋はあなたのものと一致しました。
押収品でしょ?調べてるうちについたとしてもおかしくないんじゃない?あなたは現場では手袋をしていました。
(英子)Pはパケ。
袋に小分けした覚醒剤の単位。
それに優秀な刑事なら証拠に自分の指紋をつけるようなミスはしません。
そうとも限らないわ。
そもそも何で川添がこんなマッチを隠していたのか気になりませんか?何でって取り引き場所の店のだからでしょ?店の電話番号ならメモに写してありました。
わざわざマッチを残しておいたのには別の理由があるはずです。
それがこの指紋だったんです。
…どういう意味?薬師寺と川添は捜査関係者の誰かから捜査の情報や押収した覚醒剤の横流しを受けていた。
そんな危険な真似そうそう続けられるわけがない。
いつ相手に裏切られてもおかしくない。
だからこそ自分たちと癒着してた刑事が誰かを示す証拠を保険として持っていたんです。
イザとなればそれをネタに脅迫する事まで見越して…。
違う…!そう考えればあなたの指紋の残ったマッチを大事に隠していた説明がつきます。
(荻野)待ってくれ…!捜査情報が漏れていたのならどうして薬師寺は一斉摘発の現場に現れたんだ?一斉摘発の現場に薬師寺が現れなければさすがに情報の漏洩が疑われます。
おそらく必ず逃がしてやると約束した上で薬師寺をあの店に来させたんでしょう。
薬師寺を逃がす…?えぇ。
潜入班で店内にいたあなたならそれも可能です。
そしてそれを実行した。
(角田)待てー!もう逃げられんぞ!薬師寺が捕まれば自分が情報を流していた事もバレる…そう思ったあなたは誤射ではなく明らかに角田警部を狙って…。
(銃声)
(銃声)…違いますか?どうなんだ?ホントなのか?えぇ…それが真実です。
一同敬礼!彼女は自供したんでしょ?どうして真実が公表されないわけ?真実を明らかにする事とそれを公表する事はまるで違いますから。
このままうやむやにするのか?彼女には感謝しないとなりません。
黙秘を貫いてくれたおかげで警察組織の名誉は守られたんですから。
一斉摘発のビデオテープを持ち去ったのもあなたたちだったんでしょ?お答えする義務はありません。
…失礼。
まるでブラックホールだ。
入ったら二度と何も出てこない。
久崎の事やっぱり気になるのか?あいつはあんたと似てるのかもしれないな…。
似てる…?うん。
悪く言えば潤いがない。
…良く言えば?心が強い…とてつもなく。
…え?一緒に組んでいた頃男の俺がビビるような現場でさえ久崎は顔色ひとつ変えなかった。
肝が据わっているのか何があっても決して取り乱さない。
ひとりでも生きていける…そういう強さを持っている。
俺にはそう思えた。
そんな人いるわけない…。
そうかな…。
あの時見たの…。
銃声の直後奥の通路に駆け込んだ時…。
か…角田警部が撃たれました!大至急救急車を!!…涙?あの涙の意味が解けない以上まだ何も終わってない気がするの…。
(伊知郎)2人で食べても…寂しいもんは寂しいな…。
おあいにくさま!料理なんかできませんから。
う〜ん…確かにお前の言うとおりだ。
何?いきなり。
ひとりでも生きていけるそんな人はいない。
…だから?父さんが一緒に暮らしてやる。
もしもし母さん?あたし。
も〜早く父さん迎えに…ううん引き取りに…!
(電話の切れる音)
(不通音)もぅ…。
まぁ仲良くやろう親子なんだから。
今まで親らしい事何もしてくれなかったくせに。
何言ってんだ!?お前が科学の道に進んだのはこの父の広〜い背中を見て育ったからだろう。
反面教師って言葉知ってる?そこでだ。
先輩科学者としてお前に有益なアドバイスをあげよう。
メンマあげる。
うんありがとう。
確かに人はひとりでは生きていけない。
言い換えれば誰かがいれば生きていける。
誰にだってそんな存在はひとりはいる。
その女刑事さんにだってな。
…え?科学に最も必要なのはあらゆる視点から物事を見ようとする意思だ!懐かしいその口癖…。
そして科学は…嘘をつかない!
(携帯電話)はい榊。
え…?久崎刑事が脱走…!?立ち寄った痕跡はないな…。
ねぇ彼女に身寄りはなかったの?両親はすでに他界して兄弟はいない。
そう…ひとりだったんだ…。
どうして全く同じ写真が久崎と川添の部屋に…?久崎刑事は30歳…川添は31歳…18年前ならちょうどこの女の子と男の子ぐらいだったはずよね…?ん…そして薬師寺が33歳…。
日野さんどう?基本的に頭骨の骨格は変わらないとはいえ18年だからねぇ…正確に当人かは言い当てられないけどこの3人が久崎刑事薬師寺川添である確率は…80パーセントってとこかなぁ…。
久崎刑事は売人の薬師寺や川添と子供の頃からの付き合いがあったのね…。
しかし薬師寺と川添の出身は同じ京都だが久崎は神奈川だ…中学も高校もまるで違う。
日野さんもう1つ調べて貰える?あぁいいけど?
(日野)一致しちゃった…。
角田警部も33歳…18年前なら15歳…年齢的にも合ってるわね。
…角田警部の出身は?島根だ。
久崎とも薬師寺たちとも接点はない…しかしこいつが角田警部だとしたら…。
どうやら少しだけ裏が見えてきたわね…。
この4人のうち2人が死んで2人が逃げた…。
久崎刑事が薬師寺と接触するかもしれないって事…?とにかく写真からわかる事何でもいい調べてくれ。
わかったわ…!
(宮前)久崎刑事の方の写真と封筒にこれが付着してた。
…土ですか?あぁ…。
それからここ…。
血痕じゃないかな?こっち私がやります!土の分析の方所長お願いします!うん。
(日野)印画紙は両方とも同じメーカーだね。
同じ時に焼き増しされたとみて間違いないね。
その他に何かわかりませんか?うんまぁ調べてみるけど…何せ18年前だからね…。
やってください。
…よろこんで。
(乾)ここ。
影ですね…。
かなり短いですから正午に近い時刻だと。
7月の頭だから夏至にも近いわね。
その角度から緯度を絞れないかな?そっか…やってみます。
府警本部に転属願…?えぇ…。
北嵯峨署の人が言ってました。
久崎刑事はずっと府警本部に行きたがってたって。
本部のしかも組織犯罪対策部!女性は普通行きたがらないのに。
それって…角田警部のいた部署?冗談でいい男でもいるんじゃないかって言われてたみたいなんですけど。
そう…。
ねぇこの写真の背景の山の稜線を全国の山のデータベースと照らし合わせて貰える?はい!あの染みはやっぱり血痕でした。
人血で血液型はO型。
封筒に残っていたのはやっぱり土だった…それも粘土。
粘土?あぁ。
石英より長石が多めだし金属酸化物の割合からみてテラコッタ向きの土だね。
全国の分布は…。
プリントの裏に印字された現像屋のシリアルナンバーから辿ってみたんだけどね…近畿地区でプリントされたってとこまでしかわかんなかった。
関西…。
影から太陽の角度が割り出せました。
正午前後だとして緯度は北緯35度より南でしょうか。
(乾)おっ…大分絞れてきましたね。
うん。
植生から何かわからねぇかな?背景の山はありふれた広葉樹林だから難しいわね。
おしいな…もうちょいなんだけどな…。
(美貴)あの〜…。
山の稜線を調べて1つには絞れなかったんですが形が近い山をピックアップしたのがこれです。
(美貴)この中で今絞ったエリアにあるのは…。
(一同)あった!!
(乾)うん間違いない。
ここです。
でもどうしてこの4人が…?
(職員)7月7日という事はサマーキャンプの時期ですな。
サマーキャンプ?えぇウチの名物ですわ。
いや毎年全国から児童や生徒さんを集めてね言うても最近は少子化で数減りましたけどな!全国からって事は違う学校の子供が一緒になる事もあるんですね?えぇ。
班単位で共同生活を体験して貰うために地域や学年もわざとバラバラに組みますから。
あの…この子たちの名前とかわかりませんか?これねぇ…そう言われてもこれ87年って事は…18年も前でしょう?名簿とかないんですか?いやそんな古いのは残ってないと思いますけど…あ!そうや!
(職員)どうぞこちらですわ。
キャンプに来た子どもらみんなに陶芸体験をやって貰う事になってましてな。
この辺りの山では素焼き向きのええ土が採れるんですわ!ああの人がここの管理をしている加藤さん…。
加藤さん!ちょっと中見せてもろてええかな?
(加藤桂一郎)あぁどうぞ…。
ありましたありました!昭和62年!間違いないこれですわ〜!
(乾)あった!!あ…あ…4人とも!繋がったわね…。
角田道弘と久崎英子はこのキャンプで薬師寺と川添と出会った…。
そして18年後…2人は刑事になり2人は麻薬の売人になった。
この4人の間に一体何があったのかしら…?
(警官)昭和62年の7月ですか…。
確か加藤さんとこのバカ息子がいなくなった年ですね。
いなくなったって…?えぇこれが札付きのワルで。
家のお金を何十万も持ち出して東京か大阪へでも行ったんではなかろうかと。
あありました。
これが捜索願。
加藤尊則失踪当時22歳。
ん…?ここ…!血液型…。
動きがあったってホントか!?はい!
(谷口)これです!車で移動してるようですね。
よし…行くぞ!はい!この辺りは粘土が採掘されたりしてないんですね?
(職員)えぇ砂利が多いとかでずっと前から手付かずですわ。
すいませんこの辺りの探索をお願いします。
(作業員)はい。
これ…地雷でも探さはるんですか?いいえ地雷というよりも不発弾に近いかもしれません。
(パトカーのサイレン)
(無線の声)「薬師寺は福知山方面に向かっています」マリコさん…いつまで続けるんですか?見つかるまで。
(警官)高速道路を降ります!
(谷口)どこへ向かう気でしょう?
(警官)薬師寺停まりました!丹波のドライブインだ。
急げ。
(谷口)はい!
(乾)これ…!掘削お願いします!はい!薬師寺はここにいる。
捜すんだ。
はい!
(スコップが何かにあたる音)待って!あった…!ちょっと…。
すいません。
ちょっとすいません。
出ちゃいましたね…。
これで全ての謎が解けるかもしれない…。
オイ…!どうして見つからないんだ?もう1時間経ってます…。
逃げようとしてるならのん気に休憩なんてしてるはずないですよ!ひょっとして…。
どうかしました?オイ…薬師寺の携帯の番号!あ…はい。
これです!
(電話のプッシュ音)あの一体…?
(携帯の着信音)どういう事です!?薬師寺にハメられた。
こいつが18年前の夏キャンプ場の陶芸工房から失踪したバカ息子ってわけか…。
歯科医のカルテにあった治療痕と歯型が一致したわ。
間違いないわね。
…死因は?古いから難しいわね…。
頭蓋骨の頭頂部に骨折の痕跡があるし頚部の骨にも損傷が見られるけどもう少し細かく分析しないとわからないわ。
そうか…。
ただ…この頭蓋骨の骨折…角度から見て左利きの人間に殴られた可能性が高いの。
左利き…?角田警部は左利きだったわ。
という事は角田が殺したという事か?断定はできないわ。
今言えるのは18年前中学生だった角田警部薬師寺川添そして小学生の久崎刑事は西信楽高原のサマーキャンプに参加した…。
そこで地元の不良だった加藤尊則と出会いそして理由は不明だけど4人は加藤という男の死にかかわりその事を秘密にして18年の時を過ごした…。
久崎が川添を殺し誤射に見せかけて角田を殺したんだとすれば薬師寺を殺すために脱走したのかもしれないな…。
何とかしてあいつらの居場所を見つけないと…!
(ドアの開く音)
(宮前)見つかった!これ…!亜酸化銅にアクリル樹脂…?うん。
ごく微量だけど携帯のボタンのすき間から検出できた。
亜酸化銅とかっていうのは…?まぁいわゆる防汚剤…つまりフジツボとか海洋生物の付着を防ぐ効果のある塗料の成分で主に船なんかに使われてますね。
ひょっとして…。
薬師寺の経歴調べてくれ。
え〜?でもそんなのとっくに…。
いいからもう一度徹底的に洗い直すんだ!手伝うって何を?あらゆる視点から事件を見直す事。
あらゆる視点?18年前加藤という青年を殺したのが久崎刑事だったとしたら全ての説明がつくと思ってたの。
(乾)そっか…薬師寺たちはその事で久崎刑事を脅して捜査情報や覚醒剤を横流しさせてたんですね?角田警部もその殺人を知っていたとすれば久崎刑事が口封じのために射殺したとも考えられるな!確かに。
でも18年前の殺人が左利きの人間…つまり角田警部の手で行われていたとすると状況はまるで違ってくる…。
(乾)薬師寺たちに脅されてたのは角田警部…?情報をもらし覚醒剤を横流ししていたのも…。
そうなると久崎刑事に角田警部を撃つ理由がなくなる。
でもマッチの指紋はどうなるんです?これはこちらで預からせていただくわ。
彼女ならマッチをすり替える事もできた…。
え…?いやしかし何のために?角田警部を狙って撃ったんじゃないとすると…。
ないなぁ…。
(日野)船とは全く無縁のようだね。
あった…!ねぇこれ!!川添の経歴か…。
うん。
平成4年大阪北河造船ドック入社。
5年倒産のため解雇!潰れたドックなら潜伏先にはもってこいだね。
詳しい住所!ねぇ久崎刑事の撃った弾が角田警部に当たらなかったとしたら…?
(乾)久崎刑事が狙ったのは薬師寺の拳銃…?やっぱり…!
(電話)はい科捜研…え?信楽の白骨体の件…?…自首!?ここ。
大変な事がわかったの!こっちもだ!薬師寺の潜伏場所がわかった。
オイ…!私も行く!勝手にしろ。
(パトカーのサイレン)相手は手配中の逃亡犯だぞ。
あんたが行って何の役に立つ?私が用があるのは久崎刑事の方。
あの時彼女言ったでしょ?真実より大事なものはたくさんあるわ…。
人には…命にかえても隠しておきたい事だってある。
隠しておきたいって言ったのは一斉摘発の時彼女が先に撃った事だってずっとそう思ってた…。
でも彼女が言ったのは…18年前の事だとわかったわ。
封印したい過去か…。
そしておそらく彼女はその事で今も苦しんでいるはず。
私がしているのは隠しておきたい過去を暴く残酷な行為かもしれない…。
科学にできるのは原因や理由を突き止め真実を明らかにする事だけだから…。
でも私は彼女を救いたいの。
私にしかできない私のやり方で。
わかった。
まだそんなものを…?捨てたくても捨てられなかったよ…。
あんただってそうじゃないのか?…金は?もう…全部終わらせる。
待って!薬師寺!
(谷口)待てコラ!大人しくしろ!久崎!やめろ!待って。
良かった…間に合って。
私はずっとどうしてあなたが角田警部を撃ったのか納得できる理由を探していました。
でもそれは間違っていたとやっとわかりました。
あなたは…角田さんを守ろうとしたんですね…?西信楽高原で白骨遺体が発見されました。
当時失踪届の出ていた男性だと身元も判明しています。
18年前何があったのか話して貰えますね?あの夏は…ホントに楽しかった…。
(英子)待ってよ道兄!
(角田)早く来いよ。
(英子の声)今思えば…初恋だったのかもしれない…。
なのに…そこにあの男が現れて…。
(加藤尊則)はいじゃあ行くよ!はいもっと笑って!ハイチーズ!
(英子の声)焼き増しした写真をくれる…そんな言葉に誘われてあそこまで行かなければ…。
(英子)やめて!!
(尊則)ハハハ…!
(英子)道兄!キャンプからそれぞれの家に戻った私たちはその夜の事は忘れる事にした。
離れた街で互いに二度と会わなければ思い出す事もない…そう心に決めたの…。
でも…人を殺し隠したまま生きていく事はこの世界から自分の居場所を失う事だった…。
周りのみんなは…自分とは違う…。
違うのは私…私だけが…。
誰とも交わる事なく目的も持てないまま大学に進んだ頃…道兄から手紙が届いたの。
道兄も私と同じだった…。
同じくらい孤独で…同じくらい傷ついてた…。
それでも道兄は私を励まそうとしてくれた…。
その手紙で角田警部が京都府警に入ったのを知ったんですね?だから私も…。
あの夏の話をする事も2人で会う事もなかった…。
でも…私にはわかってた。
道兄がそこにいれば私は生きていけるって。
同じ街に道兄がいる。
ひとりじゃない。
自分と同じ思いの人がいてくれさえすれば…生きていける…!でも運命は私たちを助けてはくれなかった…。
そうですね…。
そうですか。
(川添公太)久しぶり。
(英子の声)皮肉だった…。
刑事にならなければ再び出会う事なんかなかったのに…。
そして角田は薬師寺たちに麻薬捜査の情報を流し始めた。
間違った事だというのは当然わかってた。
でも隠し続けた18年前の事が明らかになる方が道兄にとっては何より恐ろしかった…。
川添を殺したのも角田警部だったんですね?保管庫の覚醒剤に手を出してしまった事で道兄は自分を追い詰めて…壊れていった…。
…道兄!?川添を…殺した…。
えっ…!?
(英子)その事を私に告白した道兄は一斉摘発で薬師寺を殺し自分も死ぬ…そう私に言った。
君の手で…俺を撃って欲しい。
でも…あなたにはそんな事できなかった…。
(角田)待て。
オイ…。
やめて!あなたは薬師寺の拳銃を狙って撃った…なのに角田警部はあえて自分からその弾道に飛び込んだ…。
(銃声)
(銃声)角田さんは自ら死の道を選んだ…。
それでもあなたはマッチをすり替え薬師寺たちと癒着していたのが自分だと見せかける事までして角田さんを守り通した。
私は…この世でたったひとりの…かけがえのない人を…。
もうひとりの私を…この手で撃ってしまった…。
違うの!!あなたたちが殺したと思い込んでいた加藤尊則という人は…。
(尊則)あのクソガキ…!ナメやがって…!被害者の父親が自首してきたそうです。
私にできるのはこれで精一杯でした。
あなたを助ける事ができたらって思ったのに…。
良かった…!えっ…?早く…道兄に知らせてあげなきゃ。
(英子)待ってよ道兄〜!しょうがねぇな…。
(角田)大丈夫?
(テレビ)「京都府警は警察官射殺事件について前回の記者発表の内容を訂正し新たな事実を公表するもようです」真相を全て発表…。
君たちに心配して貰う義理はない。
意外ね。
ありのままに公表するとは思わなかった。
あれだけ大口を叩いたんだ。
当然だろ。
とか言って少しは見直したんじゃない?あんたの言うとおりだったな。
え…?ひとりでも生きていける…そんな人間いるわけがない。
あぁ…。
久崎もそうだった…。
うん…。
異動!?所長が!?
(日野)どうして言ってくれなかったんです!?いや言おうとしてたんだけど…随所で!異動先どこなんです?実は兵庫にある大型放射光施設でね…。
えっ…!?それってあのスプリング8ですか!?うわっ!めちゃくちゃ栄転!前々から希望は出してたんだけどでもほら科学捜査に携わる人間としては生涯で一度は行ってみたい施設だしただ君たちを残して行く事は私としても断腸の思いというかいやだからその何て言うかなぁ…あの…。
所長が異動しちゃうって事は…。
次の所長は私とか〜!?所長!おめでとうございます!向こうでもぜひ頑張ってくださいね!
(拍手)ありがとう!ありがとう!…それにしても遅いなぁ。
何がです?いや私の後任の所長が引き継ぎに来る事になってるんだけどね…。
私じゃなかったんだ…。
…本気だったんですか!?
(伊知郎)い〜やいやいや遅くなっちゃって…申し訳ない!はじめまして。
こちらでお世話になります榊伊知郎と申します。
…え?よぅ。
え…?え〜!榊さん…榊…。
2015/03/02(月) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
新・科捜研の女2 #1SP[再][字]
舞台は京都府警科学捜査研究所・・・通称”科捜研” 沢口靖子演じる榊マリコが、科学を武器に難事件を解決します!微細証拠から始まるキレの良い科学捜査をお楽しみに!
詳細情報
◇番組内容
謎の男の転落死体が発見される!腕には注射痕。科捜研の榊マリコ(沢口靖子)が、その男の部屋に飾られた18年前の写真の裏に怪しいビニール袋を見つけるのだが・・・それを突然、生活安全課の刑事・久崎英子(鈴木杏樹)が奪い取る!そのわけとは・・・。
◇出演者
沢口靖子・内藤剛志・加藤貴子・小野武彦・田中健 鈴木杏樹 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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