(テーマ音楽)
(江守徹)大自然の営みでさまざまな表情を見せる修道院。
その景観と奇跡の物語が人々をとらえてきました。
フランス北西部20kmにわたる広大な干潟の中にモンサンミシェルが建っています。
周囲1km足らずの島の中心にあるのは修道院。
頑丈な石造りの建物が城塞や監獄として使われた時代もありました。
修道院へとつながる狭い道には巡礼者のための食堂や宿屋が軒を連ねています。
モンサンミシェルの「モン」は山。
「サンミシェル」は大天使ミカエル。
ここはミカエルの奇跡によって生まれたとされているのです。
修道院の塔の先に大天使ミカエルの像があります。
伝説によればミカエルは708年司教オベールの夢枕に3度現れ岩山に礼拝堂を建てよと命じます。
3度目にやっと天使を信じたオベールが小さな礼拝堂を建てたところ山は一夜にして海に沈み島になりました。
オベールが建てた礼拝堂の跡がモンサンミシェルの地下にあります。
それ以来ここは聖地とされ建物の増築が繰り返されました。
16世紀には村もつくられほぼ現在の形になりました。
島に修道院が築かれたのは10世紀ですが14世紀には戦の砦となりました。
その後修道院は復活しましたが19世紀には監獄となり修道士が再び戻ったのは20世紀になってからでした。
モンサンミシェルは巡礼者にとって聖地であり奇跡の島でした。
目の見えない女性がここで祈っていると突然見えるようになったとも伝わっています。
「モンサンミシェルに行けば救われる」と大勢の巡礼者が訪れるようになったのです。
中世巡礼者は干潟を歩いて渡ってきたためここから潮の干満を見張っていました。
潮が満ちてきます。
島の周りの干満の差は激しく潮が押し寄せる速さは秒速1m以上にもなります。
大潮の時はわずか1時間足らずで干潟は深さ15mの海になります。
かつては波にのみ込まれ命を落とす巡礼者もいたのです。
島に簡単に行けるようになったのは19世紀に道路が造られてからです。
引き潮時のモンサンミシェル。
干満の差を利用した昔ながらの漁です。
潮が引くと網に魚が掛かります。
しかし島へ行く道路が出来てからは砂が多くたまり取れる魚も減りました。
そこで今水の流れをよくするため道路を壊して橋を架ける工事が始まっています。
対岸では羊が放牧されています。
栄養のある草が生えこれも大天使ミカエルの贈り物だと土地の人は言います。
不思議な景観を持つモンサンミシェル。
ここでは建物と人と自然とが調和する奇跡の風景を見ることができるのです。
2015/03/02(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「モンサンミシェルとその湾〜フランス〜」[字]
天使の奇跡 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
天使の奇跡 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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