ダウントン・アビー2 華麗なる英国貴族の館(10)(最終回)「雪夜の誓い」 2015.03.01


20世紀初頭イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー。
別々の道を歩もうとしたメアリーとマシューでしたが2人の愛は再び燃え上がります
(ラビニア)幸せになって。
ハァ…私の分も。
突然訪れたラビニアの死
(マシュー)僕らはもう幸せになれない。
メアリーの婚約者リチャードは2人に嫉妬します

(リチャード)私の我慢にも限度がある。
(ナプキンを投げつける音)
マシューはメアリーの結婚を反対しますが…
彼とは結婚するな。
(メアリー)私は彼と結婚するしかないの。
どうして?理由を話せば軽蔑されるわ。
そんなの耐えられない。
(トーマス)いや〜!
全財産を失ったトーマスはダウントンの屋敷に戻ろうともくろみます
(トーマス)どうすりゃいい?
(オブライエン)大事な物を隠して見つけてあげるとか。
(警官1)ベイツか?君を謀殺罪で逮捕する。
そして妻を殺害したという容疑でベイツの裁判が始まりました
(陪審員)有罪です。
(悲鳴)
(裁判長)これよりあなたは処刑場へ行き絞首刑に処されることになる。

(テーマ音楽)
(パットモア)いつお戻りに?
(ヒューズ)分からないわ。
アンナが落ち着くまでしばらく休んでいくって。
(デイジー)どんな顔して会えば?優しくしてあげて。
(使用人3)いつ絞首刑に?
(ざわめき)
(カーソン)奥様が今日の話を聞きたいとおっしゃってる。
(ため息)そうね。
これだけは言わせて。
私は検察側に呼ばれたけどベイツさんの無実を信じているわ。
(ショア)オブライエンさんは?黙ってるけど。
(オブライエン)関わりたくなかったわ。
(トーマス)これで俺も従者かな。
私も大概強欲だけどあんたには負けるわ。
(足音)
(コーラ・クローリー)主人はガッカリしてるでしょうね。
下のみんなも同じ思いです。
分かるわ。
主人たちのためにもいつもどおりを心がけましょう。
ウン。
みんなが戻ってから20分後に夕食にして。
かしこまりました。
ヒューズさん。
今は悲しみの時ね。
心が痛むわ。
また私任せ?何が?20分で夕食の支度をするなんて。
何時に戻ってくるかも分からないのに。
いきなり何を言い出すの?別に。
そりゃ下働きですけど…。
よりによって今日みたいな日によく文句なんて口にできるもんだね。
ベイツさんだってきっとチキンを温めている方がいいって言うよ。
独房で独りぼっちで死を待つよりもね!
(足音)
(メアリー・クローリー)隠れてるの?
(ロバート・クローリー)おしゃべりに疲れた。
マシューとイザベルは?とっくに帰ったわ。
お母様もお部屋に。
(ため息)今日は本当に残念と言うしかないわ。
まったくだ。
アンナは?寝かせたわ。
聞いてもいいか?どうぞ。
カーライルと結婚するのはパムークがお前のベッドで死んだことを暴露されるからか?いつ知ったの?お前が無理してカーライルと一緒にいる理由を聞いたらお母さんが教えてくれた。
さぞ失望なさったでしょうね。
今聞けてよかったよ。
それに誰だって間違いは犯す。
質問に答えるわ。
一部は事実と言える。
でも全てじゃない。
お母様の言葉を借りると私は傷物だそうよ。
にもかかわらずリチャードは私と結婚してくれて私に地位と人生を与えてくれる。
そんなものに価値が?あの男には既に嫌気が差してるんだろう?マシューは?パムークの件を何と言ってるんだ?彼は知らないの。
それが理由で別れたわけではないのか?違うわ。
理由は別にあるのよ。
ラビニアの件が。
そうか。
よほどの理由か?マシューにとってはね。
だから終わりよ。
(せきばらい)提案だ。
カーライルと別れろ。
どうせ我が家はベイツの件もあってスキャンダルまみれだ。
ほとぼりが冷めるまでアメリカのおばあ様の所へ行け。
向こうはお前に合ってるかもしれない。
結婚すればスキャンダルは出ない。
以前ならそれがいいと思っただろう。
だが戦争と裁判を経験してシビルの結婚もあって変わったのだ。
娘を脅すような卑劣な男と結婚させたくない。
お前にふさわしいのは勇敢な男だ。
中西部のカウボーイでも見つけてうちへ連れ帰ってきたらどうだ?アッ…お父様。
1分いいですか?1分だけなら。
今から旦那様の所へ行く。
今回の件で事態は随分変わりましたよね。
何とかベイツさんが減刑されるよう祈っているよ。
旦那様も全力で…。
分かってます。
うまくいけばいいと思いますがベイツさんも週末には戻りませんよね?残念ながら…。
ですから…従者の件をもう一度ご検討いただけませんか?悪いな。
旦那様には話したが今のままがいちばんいいとおっしゃっている。
信用されてないんですね。
盗みのせいで。
やっぱり。
(ため息)今度は何?別に。
「別に」じゃないでしょ。
何なの?私を軽く見すぎです。
パットモアさんは私を人間とも思ってないでしょ。
悪いのは私?もう新人の頃とは違って上達してるのに…。
教えたからさ。
私が覚えたからです。
いくら頑張ってもちっとも認めてもらえない。
文句を言ったらベイツさんに悪いけど人生は短いんです。
だから無駄にはしたくない。
あんた今疲れてるんだよ。
一日休暇を取って思い切ってメイソンさんの農場にでも行ってきたら?新鮮な空気を吸っておいで。
無理です。
ウィリアムが喜びません。
アァ…。
(雨の音)
(マシュー・クローリー)メモを見た?アァ…。
来てくれてうれしいよ。
僕らの道は…複雑に交差し合っていた気がする。
でもそれも終わりね。
(イザベル・クローリー)どうして?マシューも私もここを離れるからです。
ハクスビーへ行くの?どこへ行こうと分かち合った時間は終わった。
ラビニアと共にね。
(イザベル)ラビニアに祈りをささげましょう。
(マシュー)天にまします我らの父よ…。
(泣き声)
(バイオレット・クローリー)まあ。
一体どうしたの?
(雨の音)
(足音)あなたを愛してるのね。
まさか!?悪いけど誰が見ても明らかよ。
彼女を嫌ってませんでしたっけ?それとこれとは話が別よ。
とにかくもう終わったんです。
説明はできないけれど…こうするしかない。
ラビニアに関係あるの?そうかも。
だったら間違ってるわ。
ラビニアは優しい子よ。
あなたの幸せを願っている。
不幸なあなたを見たくないはず。
母さんには分からない。
僕もメアリーも幸せになる資格はないんだ。
その若さで何をバカなことを!?たとえそうでも運命は変えられるはずよ。
戦争で何を学んだの?母さんの意見だろ。
ええ。
そうよ。
(足音)ウィリアムを裏切ったといっても夫婦だったのは僅かな時間よ。
説明が難しくて。
言ってみて。
彼がケガしたとき誤解させたんです。
私が彼を愛していると。
どうして?彼に生きる元気をあげたいと思ったからです。
好きでもないのにそんなことをしたわけ?いいえ。
彼のことはすごく好きでした。
みんなが彼を好きだったんです。
つまり元気づけるために結婚したというのね?そうだと思います。
それなら愛がなかったとは言えないと思うわよ。
私には彼を愛していたように聞こえるけど?お待たせしてすみません母上。
今まで外にいて…。
(足音)彼女は何を?火を足したあと悩みの相談を。
この時間はトーマスの担当のはずなのに。
屋敷が崩壊しているという話なら聞きたくないわ。
ベイツの件で進展は?まだです。
だがマレーが今日内務大臣と会うので何か分かるかも。
ベイツの件が面白おかしく新聞で書きたてられるかと思っていたのに一行も載ってないのよ。
不思議だと思わない?確かに。
今日はその事でいらしたんですか。
いいえ。
今日話したいのはロザムンドとヘップワースの件よ。
ロザムンドならその辺に居ますよ。
だったら手短に。
知りたいのは1つ。
ロザムンドみたいな年齢の女性が財産狙いの男と結婚してもいいと思う?本人は承知で?ええ知ってるわ。
ならいいのでは?ただし金は渡さないことです。
私も賛成よ。
どうかしたの?アイシスがいないんです。
どこへ行ったのか。
(犬の荒い息遣い)アァ…。
(鳥の鳴き声)ハァ…。
ハァ…。
(ライターの着火音)アッ…。

(戸を開ける音)ほ〜らアイシス入れ。
いいぞ。
いい子だ。
(戸を閉める音)
(犬の吠え声)
(ベイツ)屋敷に残るのか?
(アンナ)そんなこと許されない。
許されるよ。
それに金も入る。
ハァ…。
弁護士の話では君が受け取れる。
旦那様にお礼を言ってくれ。
助けようとしてくれた。
でもあの証言が…。
しかたがなかったんだ。
私は恨んではいない。
旦那様によろしく伝えてほしい。
他のみんなにも。
ヒューズさんもオブライエンさんも恨むんじゃないぞ。
許せと言うのなら…。
オブライエンさんのこともだ。
不仲だがこうなるとは思ってなかったはずだ。
許すんだ。
(鼻をすする音)後悔してないわ。
ほんの少しも。
まだ独身だったらもう一度あなたと結婚したい。
ホントよ。
私も後悔してないよ。
すべきなんだろうが君を愛して後悔する男などいないだろう。
ハッ…。
(看守1)接触禁止。
もう私には先がないんだ。
何も危険はないだろう?ハァ…。
このキスを忘れない。

(足音)またかい?宇宙の神秘ってのは無限なんだ。
(パットモア)へぇ〜!そう。
分かったよ。
どいて。
急に何なの?いけない?ああいいだろ。
さて始めようか。
誰がいるかな?さあやってみるよ。
(動く音)「W…」。
ウィリアム?ねえあなたなの?
(動く音)「はい」。
ウソでしょ!?そんな…。
ウィリアム何の用?
(動く音)
(パットモア)「行け」。
(動く音)「頼む」。
(動く音)「農場へ」。
(動く音)「どうか」。
(動く音)
(パットモア)「父を」。
(動く音)「喜ばせて」。
「農場へ行って父を喜ばせて」。
これはもう行くしかないよ。
随分具体的ね。
いつもは違うわ。
(パットモア)ハァ…もうこの辺にしとこうかね。
何だかノドがカラカラ。
皆さん応接間です。
実はメアリーに会いに来たんだよカーソン。
彼女だけ呼び出せないかな?お任せください。
マシュー。
もう少し早ければ夕食に間に合ったのに。
どうかしましたか?犬がいなくなったので捜しに行こうかと。
ならみんなで捜しましょう。
男の使用人たちにも協力を頼んでは?なあカーソン?ええ。
うん。
アイシス!出ておいでアイシス!かわいそうだけどさらわれたのかも。
(イーディス・クローリー)そんなの嫌。
(歩く音)トーマスどうした?別に。
今夜はこれで打ち切りにしよう。
あしたアイシスを見つけ出した者には10ポンドの報酬を与える。
今日はみんなどうもありがとう。
お父様本当に心配ね。
もしかしたら罠にかかったのかも。
必ず見つけ出す。
一足早く戻ってパットモアさんに伝えてくれ。
みんなにスープを温めるように。
トーマス?今行きます。
今夜はどうして屋敷に?父に呼び出されたの?実は君に会いに来たんだ。
この前君がカーライルと結婚する理由を知ったら僕が軽蔑するって言っただろ?ええそうよ。
たとえそうでも無理に結婚することはないだろ?父も同じ事を。
話したのか?ええ。
軽蔑された?というよりとてもガッカリしてた。
だとしても…。
教えてくれ。
(ヒューズ)おつらい時に愛犬までいなくなるなんて旦那様もおかわいそうに。
嘆いてもしかたがないよ。
ベイツさんの件はどうなってるの?新聞沙汰になるのは免れてるけど。
万一のことが起きたらそうもいかないでしょ。
アンナのことを思うともうたまらなくて…。
人殺しの妻か。
気の毒だが悪い評判にも慣れるしかないだろう。
我々もな。
彼女をかくまうんだから。
その点はどうぞご心配なさらないでください。
辞表を出しますから。
(足音)本気じゃないでしょ?本気です。
私が居たらうわさは消えません。
スコットランドかロンドンにでも私が行けば解決します。
大勢のメイドの中に紛れてしまえば…。
一理あるな。
そんなの認められません。
それでも私は本気です。
何か言って。
別れの言葉でも。
パムークを…。
彼の事は…。
愛していたのなら…。
愛じゃないわ。
よく知らなかったし。
ならどうして?ただの欲望だったの。
でなきゃ彼に刺激を求めていたのかも。
どっちみちもう手遅れよ。
私は堕落した女であなたは聖人君子だもの。
私は汚れてる。
やめてくれ。
今必死で理解しようとしてるんだ。
どうもありがとう。
でも全てはあの時に変わってしまったの。
私たちの関係も。
ハァ…。
だとしてもカーライルとは結婚するな。
嵐に踏み出せと?君は強い。
嵐なんかはね返す人だろ?違うわ。
強いのはシビルよ。
あの子は人の目なんか気にしないけど私は気になる。
父からは「ほとぼりが冷めるまでアメリカに行け」と言われたわ。
そこでどこかの大富豪でも捕まえる?アッ…。
イギリスの新聞を読まない人をね。
どっちにしてもカーライルとは別れろ。
ひとつき程度のスキャンダルと引き換えに一生を棒に振ることはないよ。
(ため息)彼はいつ戻る?あしたよ。
ヘップワース卿と彼が使用人の舞踏会に来るの。
開かれるのか?その予定よ。
ベイツに何も起きないかぎり。
父は無事を信じているわ。
(ため息)君は1つ間違ってた。
1つだけ?一体何かしら?僕は決して…君を軽蔑しないよ。
どうして犬を助け出してこなかったの?どうやって?旦那様もいたしカーソンから先に帰れと言われたんだ。
じゃあ一晩中外にほったらかす気?今行ったら俺が疑われるだろ?とにかく早く行くことね。
大ごとになる前に。
それが身のためよ。
さっきのホントにウィリアム?フン。
他に誰がいる?農場のことまで知ってたじゃないか。
ですよね。
フン。
それで行くの?行かないとまずい気が。
ハァ…私もそう思う。
ウン。
ウソも方便だわね。
(ライトのスイッチを切る音)
(歩く音)
(戸を開ける音)
(ノック)アイシス!出ておいで。
アイシス!いい子だ。

(つまずく音)ウッ…。
クソっ!チクショウ!この…。
どこ行きやがった?あのクソ犬め!ウッ!私のためにこんなに?いいのに…。
(メイソン)どうして?君は地球上でたった1人の娘みたいなもんだ。
私はそんなんじゃ…。
ウィリアムとはほんの短い時間しか結婚していなかったのをご存じでしょう?ウン。
初耳かもしれんが実はウィリアムには兄弟がいた。
4人もね。
えっ!?だがみんな生後間もなく死んでしまったんだよ。
だから息子が君と結婚した理由の1つはわしを独りにしないためでもあると思うんだ。
君がいなければわしは誰のために祈ればいい?息子はそれを心配したんだ。
そう…。
どうか娘になってくれ。
君を大切にしたいんだ。
特別な人に。
ご両親が君にもいるだろうが…。
両親はいません。
私には特別に思ってくれる人も。
ウィリアムだけ?そうです。
考えたら特別に思ってくれたのはウィリアムだけでした。
だったらわしにも思わせてくれ。

(犬の吠え声)アイシス。
どこに行ってたんだよ。
ええ?どうした?その格好は?アイシスを捜してて。
村の子が見つけてくれたんだ。
森の番人の小屋に誤って入ってしまったらしい。
助けてくれたお礼に報酬を渡した。
アァ…それはよかった。
そんなになるまで必死に捜してくれたのか?旦那様の愛犬ですから。
感動したよ。
こんな時は人の親切が身にしみるものだ。
ありがとう。
とんでもないです。
無事に戻ってきて何よりです。
うん。

(犬の吠え声)さあ行け!
(デイジー)わざわざ送ってもらわなくても駅まで歩けますから。
(メイソン)もっと話したいんだ。
娘にひとつ助言をしてもいいかな?どうぞ。
それじゃ。
職場での扱いに不満があるならすねたり突っかかったりせずに言うべきだ。
聞いてくれません。
それはきちんと話してないからさ。
パットモアさんに説明するんだ。
君にどれほどの価値があるのかを。
君の言い分をぶつけてみろ。
でもショアさんが…。
デイジーいいかね。
そのショアって人の言うことには耳を貸すな。
どうだ?馬車の上も気持ちのいいもんだろ?ええホント。

(ロザムンド・ペインズウィック)いたのね。
知らなかった。
(ヘップワース)列車が遅れて今着いたんだ。
大急ぎで着替えないと。
せっかく来てもらったのに残念だけど従者の件で進展がなくて舞踏会は中止になったの。
別にいいよ。
ここに呼んでもらえるならね。
脈があると思っていいのかな?侍女のショアがうるさくせっつくのよ。
あなたを招待しろと盛んにね。
チップでもあげたら?急いで着替えてらして。
アメリカでは何を?ここと同じでお呼ばれざんまいでしょ。
祖母の家がニューヨークとニューポートにあるの。
退屈だけど居心地は悪くないわ。
お嬢様。
考えたんですが…万が一のことがあったらご一緒してもいいですか?メイドは辞めないってこと?お屋敷は辞めますがお嬢様のもとに。
もちろんいいに決まってるわ。
一緒に来て。
フム。
でもまだ諦めないでね。
そうですね。
諦めません。
フン。
何か?新しい従者が必要とあらばトーマスを試しに使ってみよう。
本気ですか!?彼を誤解していた。
根は優しい男だ。
信頼できる。
トーマスが?そう思う。
いずれにしてもチャンスをやろう。
一度は与えるべきだ。
トーマスにも。
リチャード様は?まだ見てないけど彼もヘップワース卿も着替えに間に合ったようよ。
心の準備は?できたと思う。
言うことも決めたわ。
潮時よ。
助言に従いメアリーを勝ち取ってほしいけど…従うわけないわね。
母さんには分からないよ。
そうね。
分からないわ。
お願いだから死んだ婚約者のせいにしないでちょうだいね。
(足音)アメリカには行ってみたかったんです。
何も計画がないよりは。
そうでしょうね。
ここを出て行かれるのはつらいけどこれで縁が切れるわけじゃないと分かってよかったわ。
でも行くのは…。
分かってる。
これだけは言わせて。
あなたは掛けがえのない人よ。
ベイツさんも掛けがえのない人。
(泣き声)
(泣き声)
(リチャード・カーライル)どうしてだ?私の何が悪かった?何も。
ただ私たちは合わないだけよ。
不幸になるわ。
私と別れれば間違いなく不幸になる。
あなたには感謝してるの。
当然だ!汚いスキャンダルを買い取って君を世間の目から守った。
ベイツの名前が新聞に載らず伯爵がスキャンダルに巻き込まれないのはなぜだと思う?あなたのおかげよね。
脅しや賄賂を駆使して私が止めたんだ。
父も感謝するはずよ。
暴露してもかまわないんだぞ。
君のことも父上のことももう助けない。
私たちが幸せになれない理由はそれよ!
(ドアを開ける音)
(マシュー)メアリー大丈夫か?ああお出ましか。
ついににこやかな悪人の登場だ。
ご親切に彼女の別れの手伝いまでするつもりか?どなり声が…。
ラビニアは知っていたよ。
君に愛されてないと。
デタラメ言うな。
彼女がそう言ってた。
君とメアリーが部屋の隅で談笑している姿を見て彼女はこう言った。
「彼が本心に気付けばみんなが幸せになれるのに」と。
ウソだ。
ウソじゃない。
あくどい事はしてきたがウソはつかない。
かわいそうに彼女はそう言ってた。
貴様…。
(殴る音)ウッ!
(もみ合う音)
(花瓶の割れる音)ウッ…。
バカなマネはやめろ!
(もみ合う音)朝にはお帰りいただくと思うが車は何時がいいかね?ハァ…。
さすが紳士だな。
礼儀と上品さのお手本だ。
長女のスキャンダルが明るみに出たあともそうやって落ち着いていられるかな?努力しよう。
一体何事?
(リチャード)あしたの朝帰ります。
二度と参りません。
約束する?
(ため息)
(足音)花瓶をすみません。
いいのよ。
気にしないで。
大嫌いな伯母からの結婚祝いで半世紀もの間気に入らなかったの。
(車のエンジン音)
(足音)待って。
あんな事をしたあとだからこっそり帰ろうと思ったのに。
「さよなら」も言わずに別れるなんて。
それじゃさよなら。
利用されたと思ってるでしょう?もしそうならごめんなさい。
ハクスビーの件も何もかも。
それはスキャンダルを暴露されないためのお願いかな?だが暴露することには何のためらいもない。
新聞を売るのが仕事だからね。
ほとぼりが冷めるまでニューヨークへ行くつもりなの。
だから大丈夫。
ただあのままケンカ別れしたくなかっただけ。
君を愛していた。
君が思うより私の方が深く愛していた。
これからきっとあなたにふさわしい人が現れるわ。

(リチャード)ハクスビーの件は心配するな。
高値で売るから。
いつものように。

(ヘップワース)いいのかい?本当に?・
(ショア)もちろん。

(ヘップワース)よかった。
君がいて助かるよ。
(2人の笑い)
(ショア)そう?ウフッ。
(ドアの開閉音)ウフッ。
しつこくて参るわ。
ロザムンド様に取り入れと。
強引な男性ですね。
やっかいよ。
女もやっかいよ。
(足音)
(ドアを開ける音)旦那様。
旦那様!何だ?どうした?電報が届きました。
開けて。
よかった。
死刑じゃないぞ。
終身刑だが死刑は免れた。
アンナを呼んで。
(ため息)どうやら殺人が計画性に欠けると内務大臣が判断したようだ。
極刑は免れた。
でもまだ終身刑です。
とりあえず今は喜びましょう。
命は助かるんだから。
それが一番じゃない。
長い道のりなのは確かだ。
だがベイツの無実を証明してなんとか釈放に持ち込もう。
彼に会いたいんです。
なんとかなりませんか?もちろん大丈夫だ。
ヨークまで車を手配しよう。
ウウウフッ。
フウ。
というわけで朗報だ。
今夜は予定どおり使用人の舞踏会を開くことになったのでよろしく頼む。
今夜?本気で?ヒューズさん準備できるね?ええ。
無実だもん。
死刑になるわけないよ。
よくあるえん罪ね。
よかったわ本当に。
心からそう思う。
だけどまだ刑務所に?無実を証明するまではな。
悪いけど今は心配はあとよ。
やることが山のようにありますからね。
弁護は引き続きマレー氏が。
屋敷には残る?もちろん。
メアリー様には申し訳ないと思うけど。
ここに残って判決を覆す手伝いを。
何ができるか分からないけど力になりたいの。
ありがとう。
必ず釈放させてみせる。
それまでは休まないわ。
だが実現するには何年もかかる。
だからこれだけは約束してほしい。
いつまでも嘆き悲しむのはやめてくれ。
いいね?友達を作り楽しむんだ。
生き生きと。
やってみる。
約束する。
(ドアを閉める音)厳しい試練の前だ。
景気づけに1杯飲むか?いただきます。
それで僕は誰と踊ればいいんでしょう?そうだな。
まずコーラがカーソンと踊る。
バイオレット様は?父が死んでからは母は私の従者と踊るべきなんだがベイツが居ない。
代わりにトーマスが踊るかも。
彼ならやりそうだ。
ああ。
私はヒューズさんと踊るので君はオブライエンとパートナーを組むといい。
大変だ…。
メアリーからスワイヤー氏が亡くなったと聞いたが。
息を引き取る前に許してもらいました。
ラビニアを失望させたのに。
生きていれば彼女と結婚していたはずだ。
自分ではどうにもならない感情もある。
スワイヤー氏も恐らくそのことは分かってくれていたはずだ。
(ドアを開ける音)早くグラスを空けて。
出陣よ。
(2人)ハァ…。
アァ…。
(生演奏の調べ)ベイツの件はほっとしたな。
(ヒューズ)ええホントに。
(マシュー)軽やかだ。
お上手ですね。
今日はホントによかったわね。
(生演奏の調べ)あとはアンナの件だな。
それは私も気になっています。
アンナはアメリカについて行かないの?ええ。
でもこれでよかったのよ。
おっと。
来たわよ。
おばあ様のお相手が。
(生演奏の調べ)バイオレット様。
1曲お手合わせを願えますか?いいわよ。
ワルツならね。
この年ではフォックストロットはとても無理だけど。
ブラックボトムはいかがでしょう?とにかくまっすぐ支えて。
そうすれば大丈夫。
(生演奏の調べ)
(ヘップワース)誰も気付かないさ。
(ショア)ウフフッ。
(生演奏の調べ)
(パットモア)デイジーあんたの言ってる意味がよく分からないよ。
この仕事を辞めたいってことなのかい?いいえ。
クビになるまでは辞めたくありません。
でもキッチン・メイドはもういいかげん卒業したいんです。
私を料理長の助手にしてください。
自信はあります。
予算が出るなら私は別にかまわないよ。
ヒューズさんと奥様に相談してみる。
精いっぱい頑張ります。
なんで初めっから素直にそう言わないのさ?変にすねたりすることないのに。
間違った助言を聞いて。
(ロザムンド)悪い冗談でしょう?ある意味そうかもしれないわね。
(ドアを開ける音)
(ショアとヘップワース)アッアッ。
これはその…誤解しないでくれ。
どう誤解するって言うの?私は決して…。
どうやら私もうまく操られていたようだわ。
こともあろうに侍女にね。
ロザムンド…。
やめて。
終わりよ。
見苦しいだけだわ。
そうね。
彼女と結婚したら?悪知恵であなたの欠点を補ってくれるんじゃない?だからいつも言ってるでしょ。
「私に任せておけ」って。
今夜は列車がないので朝一番でお帰りを。
言われなくてもそうします。
(ドアを閉める音)許してちょうだい。
もう!どうして?早く分かってよかったじゃない。
確かに。
それはそうね。
お母様の言うとおりだったのが悔しいだけ。
(生演奏の調べ)
(男性)わしもまだまだいける。
(生演奏の調べ)旦那様お話が。
いいとも。
ベイツの様子は?安心と驚きと疲れと感謝と。
分かるよ。
旦那様。
実は辞職を取り消したいんです。
その言葉を待っていた。
(生演奏の調べ)踊らない?いいわよ。
(生演奏の調べ)アメリカ行きの手配は?祖母の返事を待ってから船の予約を。
(生演奏の調べ)期間は?分からないわ。
これから決める。
(足音)
(ため息)もう休みます?そうしよう。
務めは果たした。
母上もイザベルも帰ったし。
娘たちは?イーディスは自分の部屋へ。
メアリーはマシューと踊っていた。
邪魔しちゃ駄目ね。
うん。
シビルに手紙を書いておいたわ。
う〜ん。
初孫を放っておくことはできないもの。
別にシビルとはわだかまりはない。
許しも与えたしケンカもしてない。
でも式には出なかった。
ああ。
望んでいた結婚とはほど遠いけどこうなってしまった以上受け入れなきゃ。
シビルをここへ迎え入れたいの。
運転手もか?ええ彼も。
(ため息)今日はおめでたい日でしょ。
最後まで機嫌よく。
(キスの音)フム。
(キスの音)もう疲れたの?少し。
ウィリアムも舞踏会が好きだったなって。
オブライエンさん。
奥様がお休みに。
(足音)ベイツさんが無事でホントによかった。
命は助かったけどまだ無事とは言えないわ。
やる?ウフッ。
(動く音)押してるでしょ?そっちこそ。
(動く音)文章になってない。
そんなことない。
「彼らを幸せに」。
(動く音)「私の愛で」。
どういう意味?分からない。
どこかのカップルの幸せを願う霊?動かしたでしょ?私じゃない。
あなたでしょ?
(マシュー)楽しかった。
あの様子じゃ何人か二日酔いだ。
それもいいんじゃないかしら。
ハッ…。
本当にアメリカへ?うん。
カーライルは容赦してくれないのか?分からないけど多分ね。
たとえ彼が許しても事実は消えないわ。
一生付きまとう。
頼んだら…行かないでくれる?マシューやめてちょうだい。
駅の荷物係より重い荷を背負うことになるわよ。
ハァ…。
亡くなったパムーク氏のこともこの先私たちがケンカするたびに問題になるわ。
ならない。
許してくれたの?いいや許してない。
だったらなぜ?「許してない」と言ったのは…僕の許しなど必要ないからさ。
僕たちはそれぞれ我が道を歩いてきた。
これからは共に歩もう。
今まで何度もこういうことを繰り返してきたでしょ。
本気じゃないならもうやめてちょうだい。
本気だよ。
だけどラビニアに立てた誓いは?間違ってたよ。
彼女は僕らの不幸を喜ばない。
決して誰かを悲しませるような人じゃなかった。
そうね。
返事は?まだちゃんと聞かれてない。
ひざまずいて言ってくれなきゃ答えないわ。
ハァ…。
メアリー・クローリー。
僕の妻になっていただけますか?はい。
ハァ…。

(キスの音)
(2人の笑い声)
(テーマ音楽)2015/03/01(日) 23:00〜23:55
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー2 華麗なる英国貴族の館(10)[終]「雪夜の誓い」[二][字][デ]

20世紀初頭、貴族と使用人が繰り広げる愛憎劇を描いた大ヒット英国ドラマ、第2章。最終回。愛し合いながらもすれ違ってしまうメアリーとマシュー。2人の愛の行方は?

詳細情報
番組内容
ベイツに有罪判決が下り極刑を宣告された。ロバートは減刑を求めて内務大臣に働きかけることに。判決の夜、ロバートはメアリーにリチャードと結婚する理由を問い、亡くなった外交官とのスキャンダルを隠すためなら、望まぬ結婚はするなと告げる。一方、ベイツの判決を受けアンナは辞職するつもりだった。この間に従者の座を獲得しようとたくらむトーマスは、ロバートの信頼を得るため主人の愛犬アイシスを利用する。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,ダン・スティーヴンス…佐藤拓也ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】ブライアン・パーシバル
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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