ノリにノッている時代の寵児
楽しいことが大好きで楽しませることを仕事にしている
(森下一喜)この天気で良かったね
あの大ヒットゲームは彼が生み出した
「パズドラ」パズル&ドラゴンズ
全世界4000万ダウンロード
世界一の売り上げ記録を持つスマートホンで遊べるゲームアプリだ
パズルをしながら冒険を進めていくゲーム
同じ色がそろうと敵を攻撃できる
画面を指で触って操作する
触る感じ…触感っていうのはすごい大切にするようにしてるんですよぶっちゃけそれだけで言うと0コンマ何秒…もう少し速くしてとか遅くしてとか
ゲームに国境はない
大ヒットを飛ばした森下には海外からも仕事が舞い込む
Hi!NicetomeetyouHi!Maria…NiceideaSowewantyou…そろそろ核心の話をしたいので……したいのでいいっすか?
(スタッフ)じゃあ失礼します
アイデアが黄金を生む世界
森下の頭の中には鉱脈がある
う〜ん…作ってる最中にストーリーが湧くってのがあるんですよね頭の中にこのタイトルがこういうふうにしてヒットしていく軌跡が…自分の中にストーリーがバ〜って思い描くパターンがあるんですよねそういう場合はヒットしますね
取材を始めると難航した
開発中のゲームは極秘事項のオンパレードだからだ
やっぱりやるようになるなっていうのが…
「パズドラ」がどう出来たかも知りたかったが…
「パズドラ」がいいの?でもこれ見せらんねえなぁ
どうすれば森下の頭の中をのぞけるのか
考えたあげくこんな話を持ちかけた
完成した暁には無料で配信してほしい…という希望も付け加えた
1年前森下は提案を受け入れてくれた
だが1つだけ条件が…
できないパターンもありますからね…時もあるんですよ必ずしもできるというふうにみんなが思われてもちょっと困るなとは思うんですけど実は作ってる最中で何本も開発途中でやめるっていうパターンもいっぱいあるので…もうダメだなと思ったらやめます
前代未聞のゲーム作りスタート!
都心の一等地に森下の率いる会社はある
年商1730億円1000人が働く世界的ゲームメーカー
ここがいろいろなアイデアが生まれる森下の部屋
最先端の業界なのに身の回りはアナログなのが意外だった
パソコンはほとんど使わず主にペンと紙で仕事をするという
ものすごい汚いよねここね
壁には何やら貼り紙が…
ゲーム作りの過程で心に浮かびこれだと思った言葉を書き留め目につくようにしているという
100%自分たちで納得いくものを作るっていうことを「おもしろ果汁100%」というねえ〜まぁ…変なワードですねハハハハ
一日の大半はゲーム開発の会議に費やす
目下10件のプロジェクトが同時進行中
(モニター)「ど派手なアクション簡単操作でボコスカ爽快ピコットキングダム」
しかし全てが実を結ぶわけではない
ロッカーには頓挫した企画が眠っていた
その数1000以上
将来日の目を見るかもしれないしこのままボツになるかもしれない
まさかこれほど多いとは…
『情熱大陸』と森下が手を組んだゲーム作りが動きだした
こんにちは
森下の希望で『情熱大陸』のベテランスタッフらが集められこの日初対面
『情熱大陸』をテーマにどんなゲームを目指すのか自分のスタッフたちと一緒に考えたいという
資料やパソコンは使わない
話し合いは気軽な雰囲気で行う
それが森下のやり方で話が弾むとお茶がビールに変わるらしい
「何で今言うんですか?」とかね「だって今思ったんだもん」ってそういうようなことは…
思いつきや脱線した話も大歓迎とのこと
本当はこの時間帯にやるのは…森下さんから原案があるというふうに聞いたんですけど…うんそうですね一応無料のアプリで…実はうちは一度もやったことがない…今までにないようなカジュアルなゲームを作ってみたらどうかなというふうに…
森下はゲームのアイデアを用意していた
取り出したのはホワイトボード
いつもこのスタイルなのだという
企画1これランニングバトルゲームです情熱パネルっていって情熱ポイントをためていくんです敵がいっぱい並んでます姫がいてですね姫を助け出すゲームですもう一つはクロスワードパズルってあると思うんですけどこのクロスワードパズルを解いて捜査の鍵を開いていく重要参考人だったり犯人と思われるものだったりそういったところからヒントを集めてってそのヒントを基にクロスワードを解くという形です
むちゃ振りにも見えるがとっさの思いつきがいい結果を生むことも多いという
速い!えっもう出来たの?わ〜すごい速い!ゲームのゴールは…
プランナーの瀬尾さん
手慣れた様子でアイデアを発表していく
続いてディレクターの荻原さん
基本的には情熱ポイントをひたすら集めるだけのゲームなんですけどスマートホンを傾けるとこのキャラクターはいろんな所に移動します
今度は番組スタッフが提案する
絵が1つだけありますけど
(笑い)最初は1匹みたいなところから追っかけられて大量のものから追っかけられるっていうのがいいなと思ったんです唐揚げとか何か丸っこいもの転がるものに追っかけられるっていうのはね怖いんですよ転がってくるから唐揚げに追いかけられたらそれはすごい怖いですけどねイメージ分かります?
どんな内容も面白がってとにかく一旦受け入れる
否定からは何も生まれないからだ
「コトバノタネ」っていうタイトルを…タイトル名がいいよね
(荻原さん)グッと来ました画面が出るとタネがいっぱいあってこの中で自分で1つ選ぶ選ぶとこういう漢字のマスみたいなのがあったりしますこの中で四字熟語を作ったり「情熱大陸」とかそうすると点数になってそのタネがだんだん育ってくとタネが咲くと『情熱大陸』に今まで出演した方々の名言を教えてくれるっていう…これめちゃくちゃ面白いと思いますよ
みんなの意見を集めて持ち帰る
ここから森下は何を生み出すのか
早速本格的な制作チームを編成した
気心の知れたプログラマーとディレクター
アドバイザーとして「ファイナルファンタジー」シリーズを手がけたベテラン2人
森下の役目は彼らを束ねることだ
最初の会議から2か月
アイデアを集約しようやく見える形になったと連絡をくれた
一応ここまで来てますよという状態の話を…
初期段階の試作機が出来ていた
『情熱大陸』といえば主人公の言葉というイメージが森下にはあり言葉のゲームにしたという
マス目の中の漢字で熟語を作る
番組スタッフのアイデアが採用された
(昇さん)そうですよね
操作画面は確かに随分重々しい
森下は改善するようスタッフに告げた
はいじゃあお疲れです
ここからは週1回会議を行い進めていくという
時にはオフィスを出ての延長戦も
頑張りますもうちょっと勉強しとけばよかったなと思うな本当にね
医者の息子に生まれた
お寿司屋さんに行く時は店から送迎車が来るほどのいわゆるお坊ちゃまだった
だが高校時代全てが一変する
父親が多額の借金を背負い一家離散の危機に
大学に行くこともかなわずモテそうだからと漫才師を志すも鳴かず飛ばずで解散
職を転々としたあと将来性に懸けて大好きなゲームの会社を立ち上げた
運命はそこで変わった
住まいは東京郊外
4LDKの賃貸マンションに家族4人で暮らしている
思ったより豪邸ではなかったが本人はこれで十分に楽しいという
もしかしたら森下には多数派の気持ちを測れる心の物差しがあるのかもしれない
自分で自分を平凡な人間だと思っているそうだ
まだいっぱい入ってるこっちにも入ってる
趣味はスキー
ふるさと・新潟のゲレンデがお気に入りだ
「スポーツをするとインスピレーション湧くんですか?」とかよく言われるんですけどないですね無です
新作ゲームの制作に進展があった
漢字はやめて片仮名にしたらとスタッフから提案があったのだ
これが一応イメージ的には…片仮名のほうが文字的なイメージがかわいらしく見えるのとこういう感じで来るよりはあっ!ていう威圧感が漢字が来るよりかは片仮名のほうがいいんじゃないかって
情熱大陸を探すイメージで舞台は海になったという
泡の形をした文字で単語を作るゲームのようなのだが…
『情熱大陸』のホワンってのが出たと思うんですけどここは少ない…けどまぁ大丈夫うんできる?即行で速いね
スタッフは森下の心の物差しを信じている
だからできることはすぐにやる
プログラマーがパソコンに向かう
6×6で36だった文字数を5×4の20に修正した
変更してきましたお〜なるほどね全然見やすいねすごい見やすい
なるほど
16文字減らして印象が随分変わった
全然違うね疲れないでしょあぁ…楽楽気が楽
スタッフが形にしてきたものにダメ出しをする
それが森下の仕事
注文は細かい
そして多い
納得いくまで何度も繰り返す
完全に無料だからといってこんなもんでいいんじゃないか…っていうのはないのでそういう意味で言うと無料だけど「こんなの無料でいいの?」って言われるぐらいのことをやりたいですね
最初の会議から4か月
試作機が出来上がった
ふだんゲーム開発にはノータッチの女性社員に試してもらう
次22番5個作って…
(恒川さん)えっこれどう…1つの言葉つなげるんですか?ううんじゃなくていいよしりとりみたいな形と…
(恒川さん)じゃあ「お」から始めていいんですか?「お」から始めてもいいし…分かった?分かんない?すっごい困惑した顔してますうん困惑したなぁダメだなぁ
(昇さん)微妙な顔されてますねダメだなぁすいません
これが社員一丸の恒例行事
どんなゲームも毎回100人ほどから意見を聞き修正とテストを繰り返す
そして完成の喜びは全員で分かち合う
ゲームが完成した時にはオリジナルケーキで祝っている
その数とともに一歩一歩成長してきた
ゲームはキャラクターが命
それが森下の持論
デザイナーは主人公に女の子をイメージし提案してきた
すると…
また森下のこだわりが顔を出す
BGMはゲームの世界観を大きく左右する
音楽を任されたのは森下も尊敬するゲーム業界では知る人ぞ知る作曲家
森下の頭の中にあるイメージを克明に書き留めていく
久々にコーラスが入ってるという…
制作を始めて9か月
仕上げに向けてのせめぎ合いが本格化した
この日は画質のチェック
粗い…うん粗いうん粗いはい
(昇さん)劇的に減らすんであればステージセレクトは結構効果的なんですよあそこを減らすと割と助かるというところではあります減らせないね
森下はスタッフとの攻防戦を幾度も繰り返しゲームを仕上げていった
いよいよゲームの顔となるタイトルを決める
スタッフ全員で知恵を絞り50の候補が挙がった
モジテン?ちょっとでもね…あの〜何て言うの…語呂がいいっていうのはありますよね特に「ん」と濁音を使うだから例えばそうですね…濁音も半濁音も「ん」も入れてるでしょ
結局「モジポップン」に決定
「ん」と濁音半濁音三種の神器がそろっている
なるほどね…
1月末
ゲームはほぼ完成していた
だが森下がまたあることに気付いてしまった
オープニングの映像
背景が寂しいという
先週のぎりぎりの段階で入りまして引き付ける印象が弱いっていうところですかね
担当者は急ピッチで島の風景に城や街を追加
去年の3月に動きだした新作ゲーム作りは1年かけてついにその時を迎えた
あとは問題がなく大きなあれがなければそれでいけるねはいOKお疲れさま
(ゲーム制作スタッフたち)お疲れさまです
3日前『情熱大陸』と森下のチームが作った完全無料ゲームがリリースされた
幻の情熱大陸を探すというストーリー
いわば言葉のパズルでしりとりのように文字をつなげてステージをクリアしていく
結局キャラクターは男女2種類に
大手出版社の辞書データ19万語を網羅
100面をクリアすると最後に幻の情熱大陸が現れるという
ゲームが完成すると決まって行う儀式がある
家族に試してもらうのだ
初めてプレーする人の反応を間近で見たい
ちょっと意外だったうんでも私こういうの好きだからあっそう今までやんなかった人やりやすいんじゃないの?そういうことですお〜いいじゃん
ひとつ確かなことがある
ゲームは…
乾杯!
(一同)乾杯!
スタッフの情熱で出来ている
ぶっちゃけ言うともっと手を入れたいなって…思いましたね
また始まった…
笑顔で学ぶ命を救う
新しい発想が防災教育を変える
20万人の親子を夢中にさせた秘けつ
2015/03/01(日) 23:00〜23:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【森下一喜/情熱大陸オリジナルゲームついに完成!制作舞台裏公開】
ゲームクリエイター/森下一喜▽情熱大陸と“パズドラ”のガンホーが業種を超えてまさかのコラボ!オリジナルゲーム制作過程の舞台裏を1年間徹底密着!
詳細情報
番組内容
今回は<人気ゲーム会社とドキュメンタリー番組がコラボしてゲームを制作し、その過程を密着取材する>というかつてない企画を放送する。“ゲーム職人”の森下の「自分が納得いくまではリリースしない」という条件のうえで、異色のコラボが実現。双方スタッフがアイデアを出し合い、果たしてどんなゲームが出来上がったのか——。ゲームクリエイターとしてのこだわりは?その驚きの頭の中を徹底解剖!完成したゲーム内容も紹介!
出演者
【プロフィール】
森下一喜
ゲームクリエイター。1973年新潟県生まれ。
ソフトウェア開発会社を経て、2002年ガンホー・オンライン・エンターテイメント(株)として現事業を開始。
ゲーム開発の製作総指揮をとり、2011年より「ケリ姫クエスト」等のスマートフォンゲームを開発。
2012年には「パズル&ドラゴンズ」が大ヒット。誰よりも気遣いがあり、一方ではものすごく頑固な一面もあるガキ大将的存在。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】ジャンプコーポレーション
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