(森山卓)これからは病院業務の全てを僕が決めます。
(相良浩介)全部通しますよ全部。
(田中誠一郎)医療ミスなんじゃないんですか?
(桃井正一)謝ってください院長代理!すいませんでした…。
もう僕の手には負えません。
なんとかしたほうがいいと思います。
嫌だ…もう嫌だ!伯母さん!ああーっ!!あーあ森山先生壊れちゃった。
でもこれでよし。
なんですか?これは。
(田村戸紀子)これが玄関に?貼ってあったんです。
たちの悪いいたずらかとも思ったんですが…。
森山先生ですこれを書いたのは。
ええっ!?
(桃井)シーッ!だって印が押してあるじゃありませんか。
いくら森山先生でもここまでわけのわからない事を?今のあの人なら何をやらかしても不思議じゃない。
じゃあ本人に聞いてみましょう。
(2人)ええっ?だって病院内で起こった事は全て森山院長代理に報告する義務があるんですから。
「シャバドゥバシャバドゥビシュビドゥバ〜」「シャッシャバラバリラリラリバ〜ラッタ…」
(皆川和枝)アハハハ…どうしたんですか?その顔。
僕の顔がなんですか?
(佐々井圭)お顔…。
ああ〜フフフフ…。
顔が輝いてる!フフフフフ…。
そりゃそうでしょう。
今僕は院長代理として重大な宣言をしてきたんですから。
瀬戸先生コーヒープリーズ!
(瀬戸晃)あはい!フフフフフ…。
(段原保)墨だ!
(千住義郎)墨がついてますよ森山先生。
これで病院業務は革命的にスムーズになる。
なぜならもうクレームに悩まされる事はなくなるからだ!ハハハハハハ…!クレーム?あの院長代理…あっ!ここにいらっしゃったんで…。
顔に墨が…。
やっぱり…。
ちょうどいいところに来た事務長。
師長も聞いてくださいよ。
おお相良先生。
君にも聞かせてやろう。
これからの堂上総合病院のビジョンを。
あの院長代理その前にお話が…。
なんだよ?ここじゃ言えません。
院長室に…。
あとでいいよ〜!人が気持ちよく喋ろうとしてるのに!問題が起こったんです。
院長代理に報告しないと。
コーヒーです。
なんなんだよ?もう…。
実はちょっと信じられないような貼り紙が。
(千住)貼り紙?それですか?あっいえいえ…。
(和枝)信じられないようなって?
(高泉賢也)えっ見たい!見たい見たい。
いやここではちょっと…。
(戸紀子)駄目駄目。
いいんじゃないですか?見せちゃっても。
本当にただのいたずらかもしれないし。
そんなわけないでしょ!だって顔にべったり墨つけてるんですよ?うまいなこれ。
見せてくださいよもったいぶらないで。
私も気になるわ。
(佐々井)ねえ!さっさと見せて終わっちゃってよもう。
事務長。
(ため息)もういいわ。
皆さんにも見せましょう。
わかりました。
これです!
(佐々井)「患者様へこの病院に来られても必ず良くなって帰れるとは限りません」?ええっ?
(高泉・段原・千住)はあ!?
(佐々井)「病気が治らないこともあるしそのまま亡くなってしまうこともあります」ってなんだこれ?
(宮部佐知)嘘!?誰がこんな事を…。
どこに貼ってあったんですか?病院の玄関です。
げ玄関?本当にたちの悪いいたずらだよな。
この印鑑もまあ芸が細かいよ!一体誰が?
(高泉)なあ。
俺だよ。
その達筆は俺の字だ!ええっ?森山先生が!?やっぱり…。
ああ…。
あーあ…なんではがすんだよ?せっかくきれいに貼っといたのに。
森山先生が?どうしてこんな事を?
(和枝)非常識にも程があります!どういう神経をしてらっしゃるんですか先生は。
本当の事じゃないか。
俺は本当の事を書いたんだよ。
トラブルが起きるのは嘘をついたり隠したりするからだろ?最初から正直に本当の事を伝えておけばクレームもトラブルもなくなるんだよ。
そうだろ?佐々井先生。
はあ…。
違うか?段原先生。
(段原)いや…。
違います。
それは違う!患者さんは病気や怪我を治したくて病院にいらっしゃるんですよ!そうです!ヘヘヘヘヘ…絶対大丈夫って言ってさ死んじゃったら訴えてくるんだよあいつら。
ああ?人間はいつか絶対死ぬのにそれがたまたまここだったってだけなんだよ。
なあ?千住先生。
まあ…。
違うか?高泉先生。
はい…。
ちょっと待って!なんで病院だけそういう目に遭うんだよ?全員合格って看板出してる予備校が俺は落ちたぞ!どうしてくれんだよー!って訴えられるか?訴えられませんね。
ないない。
お金払って絵馬まで書いたのに願い事叶わなかったじゃないのよ〜!…って神社訴える奴がいるか?いません。
いないいない。
病院だけなんだよこんな理不尽がまかり通ってるのは!そうか…。
予備校と病院は違うでしょ。
大学に落ちたっていくらでもやり直せるわ。
でも亡くなってしまったらもう…。
そんなの当たり前!俺が言いたいのは死んだ責任を全部俺たちに押しつけるなって事だよ!でもドクターには患者さんを助けようと努力する義務があります。
出た出た!相良先生のきれい事。
正論おじさんの建前発言。
フフフフフ…。
確かにその貼り紙を見た人は驚くかもしれませんよ。
そんな事を言う病院は今までどこにもなかった。
日本で初めていや…世界で初めてドクターが本音をさらけ出したんだ。
本音で患者さんと向き合おうとしてるんだ!そうだ…!そのとおり!確かに!
(和枝)いいえ!
(戸紀子)違います!私もおかしいと思います!いや…。
やっぱりそうかも。
えっ?そう言われてみるとほらここに書かれている事は間違ってませんよ。
心の中で同じ事を思っているドクターがたくさんいるかもしれない。
みんな思ってるよ。
そんなわけ…!相良先生。
でもね院長代理やっぱり貼り紙じゃ主張は伝わりませんよ。
現にこうやって反論が出てくるわけだし。
それに先生方も院長代理が誤解されるのは嫌でしょう?誤解は駄目だよ。
世の中は表面的にしか物事をとらえない奴が多いからな。
それを写真に撮られてネットに流されたら…。
炎上しそうだもんな。
うん…。
確かに貼り紙は古いやり方だったかな…。
それはやめます。
患者に直接伝えよう。
ええっ!?直接?診察の前オペの前に告知するんだ。
必ずよくなるとは限りません。
森山先生!そういう事ですよね。
わかりました。
告知します。
患者全員にね。
ビシッと!
(チャイム)おう!ハハハ…。
そろそろ診療の時間だぞみんな。
ハハハ…仕事終わったら1杯飲みに行くか?行きましょう行きましょう…!イエーイ!ドクターには休息が大事!本音で生きようぜ本音でよ!おお〜!来い来い来い来い…!
(佐々井)ゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー!じゃあ僕は病棟回ってきます。
相良先生まで言いくるめられちゃったわ。
これを患者さんに?弁が立ちますね森山先生。
(咳込み)確かにS状結腸というところにがんがあります。
前の病院の診断は間違いありません。
でも手術は無理だと言われたんですね?
(堀口弘和)妻は15年前事故で左の肺を失っているんです。
それにその時の事故の後遺症でのどの奥も変形して全身麻酔が難しいってどの先生も…。
(咳込み)肺が片方だけだと肺活量が少なくなりますから痰が絡んでもそれを咳でうまく出せなくなります。
そういった方に全身麻酔をかけると手術後に麻酔の影響で増えた痰がたまってしまって肺炎を起こす可能性が非常に高くなるんです。
でもこのままだとがんが進行して妻の命が…。
お願いします先生!妻を助けてください!
(咳込み)
(咳込み)わかりました。
検討します。
全身麻酔が使えないとなると局所麻酔でやるしかないのか…。
(和枝)局所麻酔でS状結腸がんがオペ出来ますか?無事に手術が終わったとしても今度は術後管理が大変でしょうね。
相良先生も告知されるんですか?あのご夫婦に。
えっ?他の先生方はみんな伝えてらっしゃいます。
最初に申し上げておきますが治るとは限りませんから。
えっ!?医者は万能じゃありませんからね。
はあ?手術はうまくいかないかもしれないし手術中に亡くなってしまうかもしれません。
ええっ?それでもよければやりましょう。
ねえ…いいの?あれは。
私もわかりません。
僕はまずは堀口さんのオペが出来るかどうかだよ。
先に戻ります。
相良先生まで他の先生と同じになっちゃったら本当にここは終わりだわ。
でも相良先生前ほど森山先生に抵抗されなくなりました。
むしろ従順になっちゃったっていうか…。
私ね相良先生が森山先生に土下座したのは理由があると思ってるの。
理由?
(和枝)絶対何か考えてる。
いつもそうじゃない。
ニコニコしながらしっかり人の事見てるのよあの先生は。
あーあ…そう信じていなきゃやってられないし。
私駄目になったって言われたんです。
えっ?君が西都大学病院に行ってスキルアップしたとは思えないんだよ。
むしろ駄目になったんじゃないかな。
(和枝)どうして?すごくスキルアップしたじゃない宮部さん。
でも何か理由があるんです。
しっかり人の事を見てる人だし…。
うーん…本当に駄目になったところがあればきっと自分で気がつくわよ宮部さんなら。
(桃井)堂上総合病院星5つ!?ねえ事務長。
ネットの口コミサイトでもうちの高評価は変わってませんよ。
(桃井)確かに…。
むしろ上がってるんじゃないですか?正直な病院だって。
森山先生のおっしゃった…。
院長代理。
院長代理のおっしゃったとおり!いや本当に患者のクレーム激減してますからね!俺たちのストレスもなくなったよな。
だろぉ?人間はやっぱり正直が一番なんだよ!ハハハ…。
しかしあの貼り紙と同じ事を面と向かって聞かされて患者さん驚かないんですか?
(佐々井)そりゃ最初は驚きますよ。
でも納得してくれますよねみんな。
先生のおっしゃるとおりですってな。
そのうち全国の病院から視察が来ちゃうぞ事務長。
堂上は理想の病院だって!そうですか!アハハハハ…!
(PHS)
(PHS)どうかしました?確かにこれは全麻は無理ですよ。
僕も全身麻酔でオペをするのは危険だと判断しました。
肺炎を起こしてしまったらその時点でアウトですからね。
そこで…腰椎麻酔でやれないかと。
腰麻で?千住先生が出来るって判断してくださればオペは可能だって相良先生はおっしゃってるんです。
腰椎麻酔は2時間で切れてしまいますよ。
大丈夫。
2時間で終わらせます。
S状結腸がんのオペを?このやり方だと患者さんのバイタルが安定しない事も理解しています。
でもそこは千住先生がうまく管理してくだされば。
うまくって…。
(和枝)オペしなければ堀口さんのがんはどんどん進行していくんです。
千住先生…お願いします。
患者さんにはちゃんと伝えてくださるんですよね?このオペはリスクが高いって。
もちろん。
万が一の事があって訴えられても僕は責任負えませんよ。
全責任を僕が負います。
うーん…じゃあ考えてみますよ。
ありがとうございます。
あとで患者のデータ僕にください。
やっぱり無理だと思ったらすぐ降りますからね。
クレームが減ってみんな喜んでる時に水を差すような事したくありませんから。
はあ…麻酔科医がそんな事言ってたら誰もオペ出来なくなっちゃうじゃない。
フフフ…でもこれで一歩前進です。
さてと…次のハードルは…。
腰椎麻酔でオペが成功してもその後の管理がしっかり出来ないと堀口晴子さんを助ける事は出来ません。
つまり術後管理の完璧なプランが出来なければこのオペは無理だという事ですね?そうです。
僕がこのオペをやるかやらないかの最終決断は皆さんが僕に約束してくださる事です。
堀口さんをケア出来ると。
どのくらいの時間を乗り切れば完治の可能性が見えてくるんですか?術後48時間。
48時間…。
(吉川みずき)もし術後管理に失敗して患者さんに何かあったらそれは私たちのせいになるんですか?
(相原亜美)そういう事ですよね?今相良先生がおっしゃったのは。
(ため息)あなたたちまでそんな事を…。
そうですよ。
オペそのものについては僕が全責任を取ります。
でも術後の患者さんのケアはまあもちろん僕が指示を出すんだけれども…。
でもそれはやっぱり皆さんの仕事です。
(和枝)この患者さんはどこの病院でもオペを断られてきたそうです。
ここでも無理だとなればもう希望はなくなってしまうの。
皆さん今この病院にどういう空気が流れていようとナースの使命は何も変わらないはずです。
術後管理のプランを考えます。
考えようみんな。
はい。
考えます。
オペの準備を進めてください。
はい。
(堀口晴子)えっ?手術してくださるんですか?はい。
奥さんの肺に影響を与えない腰椎麻酔で行います。
この方法だと手術中に意識があるんですがもちろん痛みは全く感じません。
(和枝)手術後は私たちとナースがしっかりケアしますから。
私が中心になって担当させて頂きます。
ありがとうございます!よかったな晴子。
でも…。
(咳込み)難しい手術なんですよね?そのリスクについては今からご説明します。
ただ先に言いますね。
僕は必ず成功させる自信があります。
ですから安心して任せてください。
ほらね。
相良先生は変わってなかったでしょ?はい。
正確に言うと患者さんに対しては変わってなかった…。
ん?つまりどういう事?森山先生たちへのあの態度は。
ですよね。
へえ〜!ナースのみんなが相良先生を決断させたんだ。
ドクターはドクター。
ナースはナース。
私たちはちゃんと仕事をしようって決めたんです。
僕だって…。
森山先生が言ってる事は変だなと思うよ。
でも説得力があるんだよなぁ。
あんなのに共感するなんて!僕だって訴えられるのは嫌だもん。
…っていうかこんなに色々ある病院だと思わなかったよ。
ここを選んで失敗しましたね!えっ?ちょっ…ちょっと!そういう事言うなよ…。
困っちゃうよね。
相良先生!ごめんねうちの病院色々あって。
あんまり若いドクター悩ませたくないんだけどさ。
(瀬戸)そんな…。
ああ…僕やりますから。
瀬戸先生どうしてドクターに?えっ?ドクターになろうと思った理由。
理由は…。
僕小さい頃体が弱くて…。
うん。
ずっと入院してた時期があったんです。
小学校休んで。
へえ〜。
それで大きくなったら自分が病気でつらい人を助けたいって…。
素晴らしい。
えっ?学校の成績がよかったから医学部に進んでみようって奴もいるのに瀬戸先生は素晴らしい。
久しぶりにいい話を聞きました。
うん素晴らしい。
おお〜!伸びる伸びる〜!うまい!最近のデリバリーはポテンシャル高いよ!うん!辛いのかけすぎ!段原先生!好きなんだよ〜。
唇ヒーヒーしちゃうぞ。
ハハハ…。
あっ美味しそうですね。
君も食べるかい?相良先生。
あっありがとうございます。
でも僕は結構です。
そう言うと思ったよ。
はい!ごちそうさま。
いいよ。
あとはみんなで食べちゃって。
おっ!千住先生から聞きましたよ。
えっ?S状結腸がんの手術を腰椎麻酔でやるんですって?ああ…ええ。
全身麻酔が出来ない患者さんなんです。
でも千住先生がいけるとおっしゃってくださったんで大丈夫です。
執刀するのは相良先生ですから。
患者にリスクの説明はしたんでしょうね。
ええ。
しました。
家族にも?もちろん。
万が一の時は全責任を僕が取ると。
病院に迷惑はかけません。
ならいい。
オペやってよし。
ありがとうございます。
そういえば俺オペやってないなここ何日か。
スケジュール真っ白。
(佐々井)本当気が楽だ。
穏やかな毎日をありがとうございますだろ?院長代理!
(4人)ありがとうございます!あっ瀬戸先生。
あはい。
堀口晴子さんのオペ第一助手についてください。
えっ?ぼ…僕がですか?先生もそろそろオペ室入んなきゃ。
相良先生難しいオペなんでしょ?もっとベテランを助手につけてくださいよ。
せめて高泉先生を。
(高泉)ですよね!大丈夫ですよ。
全部指示出しますし大事なところは僕一人でやりますから。
それに堂上総合病院で働いても何も学べなかったって瀬戸先生に言いふらされたら困るでしょ?森山先生。
そんな事しません僕は!オペ入りたいよね?入りたいです。
やってよし。
えっ?その代わり余計な事はするなよ。
(瀬戸)しません!究極のリスク管理は何もしない事。
(森山と相良の笑い声)
(笑い声)
(笑い声)なるほど。
じゃあ何かあったらナースコール押してください。
堀口さんの事はナース全員がわかってますから。
私罰を受けてるんでしょうか?事故に遭って肺が片方なくなって今度はがんになって…。
なんか悪い事したの?私…。
そんな事言っちゃ駄目です。
優しいご主人がいらっしゃるじゃありませんか。
中学生のお嬢さんもいらっしゃるんでしょ?
(ため息)手術も出来る事になったんだし今は病気を治す事だけ考えてください。
失礼します。
(晴子の泣き声)
(亜美)届いてない?何言っても患者さんに届かないような気がするの。
(ため息)何が駄目になったんだろう?私。
ちゃんとやってるつもりなのに。
ちゃんとやってますよ先輩は。
そうよ。
私たちいつも感心してんだから。
さっちゃん昔はさバタバタしたところもあったけど西都大学病院から戻ってきてからはオペはわかる知識は増えた。
もうまるでドクターみたいって。
ドクター?今うちの病院でそれを言われても褒め言葉にはならない。
そうね。
別の例えだと…。
テキパキ無駄のない仕事。
男らしい!そう!男らしい。
それも褒め言葉には…。
褒め言葉よ。
もちろん雰囲気は女らしいけど仕事は男らしい。
最高じゃん。
でも駄目なの。
何が?駄目になったの。
何がですか?う〜ん…それがわからないんだって。
はあ〜。
(桃井)院長代理!ああ…見て…見てください。
騒々しいね事務長。
ネットの口コミサイトが星4つに下がってます。
フッ…ほっとけ。
えっ?そんなの気まぐれで偏った評価です。
踊らされちゃ駄目。
いえでも…。
ゴーイングマイウェイ。
では明日の堀口晴子さんのオペについて最終確認を行います。
オペは開腹手術で行い全ての腫瘍とリンパ節を切除します。
そしてこのオペは全身麻酔ではありません。
千住先生。
(千住)今回は腰椎麻酔を使い患者さんが意識がある状態でオペを行って頂きます。
腰椎麻酔が切れてしまえば手術の続行は不可能となりますので2時間以内に全て終わらせてください。
(千住)それから硬膜外腔にカテーテルを留置し硬膜外麻酔を併用。
術後にはそこから鎮痛薬を投与し術後の疼痛を緩和します。
術後管理については宮部さん。
はい。
術後管理のプランを確認します。
まず術後呼吸器合併症を起こさないようにケアプランを追加していきます。
んん…ん?あれ?千住先生と瀬戸ちゃんがいない。
今気がついたんですか?森山先生。
2人ともほら明日のオペの準備ですよ。
ああ…相良のオペ。
ご苦労さまです。
おかわり。
ああ…はいはいはい。
フフフフ…平和はいいねぇ。
すっかりトラブルもなくなって平和な毎日だ。
(高泉)そうですね。
この国の平和は王様のおかげ。
つまりは俺のおかげ。
(笑い声)そのとおりです。
ありがとうございます王様!よっ王様!王様おしっこ。
(高泉・段原)おお〜!
(佐々井)大丈夫ですか?王様。
お供しましょうか。
ノープロブレム!アイルビーバック!お気をつけて〜。
(3人のため息)
(高泉)あの…大丈夫なんですか?僕たちこんなに暇になっちゃって。
暇すぎる。
俺前いつオペやったか忘れちゃったよ。
患者がみんな断ってくるからな。
あれだけリスクばっかり説明したら他の病院に行っちゃうのは当然だ。
これって本当に平和って事なんですか?トラブルがないのは何もしないからだもんな。
それってなんか違う気がする。
瀬戸ちゃんはいいなオペに入れて。
いいのか?俺たち。
このまま森山先生についてって…いこうぜ!お帰りなさい。
(段原)イエーイ!イエーイ!
(桃井)院長…。
早く帰ってきて!もう〜!
(心電図の音)
(千住)寒くありませんか?
(晴子)大丈夫です。
(千住)じゃあ今から麻酔かけます。
ちょっとチクッとしますよ。
(晴子)はい。
(瀬戸)動静脈を結紮切離。
摘出。
ああ〜緊張する!緊張してるのは患者さんのほうだよ。
えっ?オペの間中ずっと意識があるんだから。
僕たちの会話が全部聞こえてしまう。
瀬戸先生がドキドキしていたら堀口さんの脈や血圧が上がってオペがやりにくくなるだろ。
はい。
これは瀬戸先生のためのオペじゃないんだよ。
患者さんのためのオペです。
チェックメイト!ああ〜!
(佐々井)さすが院長代理!
(高泉)強いなぁ。
うっししししし。
(佐々井)あっそろそろ始まりますね。
(高泉)ああ相良先生の。
(段原)S状結腸がんのオペ。
どうでもいいだろそんなの。
では堀口さん始めますね。
よろしくお願いします。
脈と血圧が上がりましたね。
やっぱり緊張するわよ患者さんは。
今お腹を触ってるのはわかりますか?
(晴子)いいえ。
麻酔はちゃんと効いてますから手術中も全く痛みは感じませんからね。
はい。
じゃあ時間計ってください。
はい。
では始めます。
メス。
(看護師)はい。
チェックメイト!ああー!俺の勝ち。
(拍手)腸ベラください。
(看護師)はい。
(和枝)こんなにひどい癒着が…。
2時間以内に終わるんですか?これ。
さあ腸管の癒着を剥離しましょう。
あ…はい。
あっ…。
(瀬戸)ごめんなさい。
堀口さん大丈夫ですよ。
オペは順調に進んでいます。
…はい。
(心電図の音)クーパー。
(看護師)はい。
(瀬戸)術野の確保。
そうそう。
カウンタートラクションかけてください。
(瀬戸)はい。
はい。
チェックメイト。
やられた!スクワットプリーズ。
(高泉)強すぎですよ森山先生!
(段原)鮮やか!君たちが弱すぎるんだよ。
王様もう飽きちゃった。
下々の世界を眺めてくるかなぁ。
(段原)いってらっしゃーい。
(高泉)お気をつけて。
ほっほっほっほっほっほっ…。
うぉー!医者がなんでチェスやってんだよ!あーっ!あんなに勉強してドクターになったのに。
患者診てクレーム受けてるほうがまだいいです。
電気メスください。
はい。
瀬戸先生もう少し腸間膜にテンションかけてください。
は…はい。
すごい…。
速い…。
時間との戦いよ。
超音波メス。
(看護師)はい。
(晴子)やっぱり私…こういう星の下に生まれてきたんですね。
(千住)えっ?
(瀬戸)えっ?
(晴子)前の病院で言われたんです。
病気は友達だぐらいに思ったほうがいいって。
どうせずっと…一生付き合っていかなきゃいけないんだからって。
瀬戸先生吸引を。
あ…はい。
そうですよね。
片方の肺がなくなってしまったら色々ハンディありますよね。
でもそういうものだと思っていればいいんです。
もしどこか悪くなったらその時はその時。
少なくとも今堀口さんが抱えていらっしゃる病気は僕たちが治します。
千住先生バイタルは?
(千住)安定してます。
よし。
じゃあS状結腸動脈を結紮切離します。
ケリー。
(看護師)はい。
ケリー糸。
(看護師)はい。
堀口さん。
堀口さんの病気を治すために一体どれくらいの人間が関わっているかご存じですか?えっ?このオペ室周りだけで10人近くいますよね。
その他にも内科のドクター呼吸器のドクター病棟看護師薬剤師検査技師事務スタッフ。
それから病院食を作ってくれる人たち…。
クーパー。
この病院だけで100人は超えてます。
ケリー。
(看護師)はい。
それだけの人間が堀口さんの病気が治る事を願ってこの病院で働いているんです。
そんなにたくさんの人が自分の事を思ってくれるなんてなかなかありませんよ。
でもつらい時にはつらいとおっしゃってくださいね。
堀口さんは我慢しなくていいんです。
直ペアン。
(看護師)はい。
大丈夫。
そこにいる誰かが必ず受け止めてくれます。
病院というのはそういうところなんです。
はい…ありがとうございます。
メッツェン。
(看護師)はい。
よし腫瘍を摘出しますよ。
(瀬戸)はい。
腸鉗子。
はい。
メッツェン。
(看護師)はい。
晴子。
(堀口茜)お母さん!大丈夫よ茜。
はぁ…。
あなた…。
よく頑張った。
(晴子)うん…。
手術は無事に終わりました。
完璧なオペだったと思います。
ありがとうございました先生。
ありがとうございます。
こちらこそ。
このあとのケアもしっかりやりますからね。
はい。
じゃあお願いします。
はい。
では術後管理室へ。
(看護師たち)はい。
1時間49分。
お見事でした。
ありがとうございます。
お疲れさまでした相良先生。
まだまだ気が抜けないよ。
これから48時間が勝負なんだ。
はい。
はぁ〜。
合併症が起こりませんように。
あっ千住先生お疲れさまでした。
お疲れ。
(和枝)お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
えっ?頑張ったじゃん。
(瀬戸)ありがとうございます。
ちょっと…あっ…。
(瀬戸)お疲れさまです。
(段原)俺らは関係ないから。
(高泉)向こう行けよ。
(佐々井)自慢しに来るんじゃない。
(瀬戸)すみません。
やっぱり外科医の仕事ってオペですよね。
フフッ…。
褒められた!「テレテテッテアイアムアキング!」「俺は王様だ〜!」
(渋谷翔子)あっ森山先生。
エスアイ製薬の渋谷ちゃん。
営業ご苦労さま。
今日は在庫確認で…。
ああ…あ…。
どうした?顔が引きつってるぞ。
そうですか?そうかも…。
何か心配事でもあるのかい?森山先生いえ森山院長代理。
エスアイ製薬堂上総合病院担当の私と致しましては堂上さんに頑張って頂きたいわけです。
なんの話だよ?こんな事お耳に入れたくはないんですけど…。
だからなんだよ?堂上総合病院の評判がどんどん下がってます。
はっきり言ってボロクソに言われてます。
院長代理になってからあそこは駄目になったって。
終わったって。
評価が下がってるだと!?そんな馬鹿な話が…クレームゼロになったんだぞ!星1つ…。
ああ…んんん…!んんんん…!んんんん…!んんんん…!ん?んんんん…!よくも私の愛する堂上を…!んんんん…!んんんん…!亜美ちゃん吸入お願い。
(亜美)はい。
(晴子の咳)大丈夫ですよ堀口さん。
頑張りましょうね。
(みずき)ゆっくり…ゆっくり。
大丈夫楽になりますよ。
私罰を受けてるんでしょうか?そんな事言っちゃ駄目です。
今は病気を治す事だけ考えてください。
つらい時にはつらいとおっしゃってくださいね。
大丈夫。
そこにいる誰かが必ず受け止めてくれます。
ありがとうございます。
私わかりました。
自分の駄目なところ。
私仕事の効率ばっかり考えて患者さんの声を聞いてませんでした。
ナースはドクターじゃないんだもん。
もっと患者さんに寄り添ってあげなきゃいけないんですよね。
私ね患者さんと一緒に泣く事があるの。
夜勤の時病室をのぞくと患者さんがシクシク泣いてらっしゃる事があるのよ。
でも励ます言葉が見つからなくて結局患者さんと手を取り合って一緒に泣くの。
それしか出来ないの。
でもね患者さんはそれですっきりするみたい。
それからは私の事すごーく信頼してくれるようになったりするのよ。
患者さんと一緒に泣くなんて…考えた事もありませんでした。
(泣き声)うん。
36度8分です。
もう大丈夫ですよ堀口さん。
48時間乗り切りました。
頑張りましたね堀口さん。
先生。
はい。
今日は私の新しい誕生日です。
そうです。
ありがとうございました宮部さん。
こちらこそありがとうございました。
(堂上たまき)愛しの我が家。
マイスイートホーム。
えっ…?
(たまき)どどうして…どうして誰もいないの?伯母さん…。
あっ森山先生。
フフフフ…。
お帰り。
楽しかった?世界一周旅行。
うんあの…これはどういう事なの?今日休診なの?休診じゃないよ。
やってんだよこれでも。
じゃあ患者さんたちは?お見舞いの人たちどこ?
(泣き声)ちょっと…ちょっと何泣いてるの?
(泣き声)ちょっ…ちょっと。
ごめんなさい。
ごめんなさい伯母さん。
何がごめんなさい?ごめんな…。
あっ目ぇむいちゃった!ちょっと卓ちゃん!卓ちゃん!卓ちゃん!しっかりして!卓ちゃん大丈夫?ほら卓ちゃん!
(たまき)ちょっと脈…。
さてと…。
堂上と心中する義理はありません。
(佐々井)やっぱりずれてるって森山先生は。
そうだった…。
独りぼっちってやつか…。
(杉山)評判悪いの知らねえの?
(須田幹生)僕この病院で生まれたんです。
俺と一緒に世界をとろうぜ。
(和枝)共犯者?落ちるところまで落ちればいいんですよ。
(堂上たまき)皆さんわたくしに長い休暇をくださってありがとう。
おかげさまで思い出深い旅をする事が出来ました。
でもわたくしの留守の間にこの病院に来てくださる患者さんが激減してしまった事は本当にゆゆしき事です。
瀬戸先生には恥ずかしいところを見せてしまったわね。
せっかくうちを選んで研修に来てくださったのに。
(瀬戸晃)いえ…!
(皆川和枝)失った信用は一歩ずつ取り戻すしかありません。
(桃井正一)なんとかして患者さんを呼び戻しましょう。
(田村戸紀子)ナースは大丈夫です。
やる気は失っておりません。
よろしくお願いします。
(看護師たち)はい。
先生方もうちに来ても治らないかもしれないなんていう馬鹿げた告知を患者さんにするのはもうやめてください!
(5人)はい…。
森山先生も!相良先生…堂上総合病院の再建に力を貸してくださいね。
(相良浩介)再建ですか…。
長年かけて築き上げたものでも崩れ去るのは一瞬ですね。
信頼を取り戻すのは簡単じゃありませんよ。
わかってます。
でも…なんで僕が頑張らなきゃならないんですか?えっ?僕は一勤務医ですよ。
堂上と心中する義理はありません。
相良先生…。
病院を辞めるおつもりなんですか?
(森山卓)何〜?「何〜?」って僕に辞めるよう迫ったのは森山先生ですよ。
(たまき)相良先生事情は聞きました。
相良先生に土下座なんかさせた事は私が謝ります。
辞めたければ辞めりゃあいいさ。
(桃井)森山先生!うちにはドクターたくさんいるんだよ!なあ!?あなたは黙ってなさい!まあ今すぐどうこうするつもりはありませんよ。
院長も帰ってこられた事だし。
僕の患者さんがいる限り仕事はちゃんとやります。
相良先生が辞めちゃうなんて事があるんですか?
(吉川みずき)うーん…森山先生にいじめられてむかっ腹立ってるだろうしね。
(相原亜美)相良先生ならどこだって仕事出来ますもんね先輩。
(宮部佐知)うん…。
残って頂けるよう僕らが頑張りましょうよ。
いい病院に戻しましょう。
ねっ宮部さん。
…そうね。
(佐々井圭)問題は森山先生だよ。
自分が堂上を駄目にしたっていう現実から完全に目を背けてる。
(千住義郎)このまま患者がゼロになっちゃったら医者がいる意味ないよな。
(段原保)もう森山先生についていく自信ないよ。
(高泉賢也)もう堂上辞めちゃおうかな僕。
辞める?あ〜ららら森山先生どうします?
(たまき)おはようございます。
(桃井)おはようございます。
こんなに患者さんが減っちゃったなんて…。
このままじゃ職員も辞めてっちゃいますよ。
あんなの院長代理にするなんて…院長甥っ子に甘すぎる。
厳しくしてるつもりなのに。
(桃井)いえいえ…。
(ドアが開く音)ようこそいらっしゃいました!「ようこそ」じゃないでしょう!申し訳ありません…。
あっおはようございます。
おはようございます。
(渋谷翔子)何事?エスアイ製薬の渋谷さん。
(たまき)ご苦労さまです。
あの…これは一体?朝の挨拶運動です。
地域の皆さんに堂上を身近に感じて頂きたくて。
じゃああの動画もそういう事ですか?動画?なんだよ?おばさん…。
(たまき)これは何?「堂上総合病院消化器外科ドクター森山卓です」腹腔鏡手術で使うこの…持針器で鶴を折っちゃいます。
アハッハハッ!もう見つけちゃったんだ。
ちゃんと見てくれた?「折り紙を三角にするために半分に折ります」手術器具で折り紙を折るなんて…。
なんで動画投稿してるんですか!?「反対側も同じように折ります」「慌てず確実に…」こんな事やってる暇があったら…。
仕事してください!わかってないなあ。
腹腔鏡の手術器具で小っちゃな鶴を折るのがどれほど難しいか!卓ちゃん!これを見た奴はどう思うと思う?はっ?オー!日本にはこんなスーパーテクニックのドクターがいるのか。
ぜひこの病院で手術を受けたい!そう思うはず…。
つまり世界中から患者がやって来る。
ええ〜?
(桃井)世界中!?思い出してくれよ伯母さん。
うちは4年前の生体肝移植で一躍名を上げたんだろ?一発のホームランで民間最高レベルの病院になったんじゃないか事務長。
ちまちまバントで塁を埋めるより一発場外ホームランをかっ飛ばせばここはまた患者で溢れかえるんだよ!もう…地域医療だの日本だのそんな小さな世界に閉じこもってる時代じゃない!世界を相手にして復活するんだ堂上総合病院は。
ハハハッ…!
(2人のため息)「ここがちょっと難しい」どうしていつもああなの?やっぱり森山先生には自覚と反省が必要です。
お仕置きしてください院長。
お仕置き?「形を整えて…はい出来上がり!」「森山卓でした」へえ〜。
(段原)これはすごい!さすがアメリカ仕込みのテクニック!いやかっこいいなあ!森山先生。
ちょっと…。
何?何?何…?痛い…!感心してる場合じゃないでしょ瀬戸先生。
病院が大変な時にそんな事。
すみません…。
いやいやいや皆川先生大したもんですよこれは本当に。
やっぱり森山先生は腹腔鏡に関してはスペシャリストなんだよな。
参考にした方がいいですよ先生も。
あっ…はい。
確かにあれはすごいけど。
やっぱりずれてるって森山先生は。
そうだった…!森山先生見てるとつい気持ち入っちゃうんだよな。
でも俺たち森山先生と距離置くんだろ?堂上を辞めようっていう事にしたんですもんね。
そうだったんですか?みんなが辞めるんだったらじゃあやっぱり僕も辞めようかな。
いや今のは…。
あっじゃあ僕代わりのドクター探しますよ皆さんの分も。
だってほら堂上には一応お世話になってるわけですから。
後釜ぐらい用意して辞めなきゃ。
大丈夫ですよ!任せてください。
ちょっと…!さてと…。
(和枝)私レモンスパークください。
じゃあ私はカフェオレを。
(店員)はいかしこまりました。
で話って?あっその…大変ですよね病院。
本当に。
どうなっちゃうのかしら?院長もせっかく楽しい旅行だったのに…。
うん…かわいそうよね。
世界一周かあ…。
でも私船に酔っちゃうかもな。
フフフ…。
宮部さん。
話って何?あっあの…辞めるおつもりなんでしょうか?相良先生。
ああ…。
せっかく西都大学病院から戻ってきたのに相良先生いなくなっちゃったら寂しいわよね宮部さんは。
そんなんじゃ…。
まだ好きなの?ウッフフフ…ごめんなさい。
ちょっとからかっただけ。
宮部さんすごく深刻な顔してるんだもん。
相良先生は亡くなった奥様の事をずっと思ってらっしゃるんです。
うん…。
時間が経てば変わってくるものよ。
えっ?相良先生はなかなか本音を見せない人だから。
フフフ…あの人の態度に一喜一憂してたってしょうがない。
仕事しましょう。
今は頑張って。
はい。
(内藤・杉山)こんにちは。
(須田雅子)お見舞いに来てくれたの内藤君。
杉山君も。
(内藤健太)はい。
はいこれ暇だろうから。
(須田幹生)おっサンキュー。
(杉山拓海)幹生大丈夫か?うん。
今日はわりと。
(和枝)須田幹生君17歳の高校生です。
1週間前に下血と腹痛を訴えられて総合診療科を受診され精密検査の結果潰瘍性大腸炎とわかりました。
潰瘍性大腸炎の発症年齢にしては若いですね。
ねえ?高泉先生。
えっ!?ええ…。
CT画像を見ると上行結腸にも炎症が広がっています。
全大腸炎型だな。
重症ですよこれは。
いきなり悪化したってやつか。
炎症もなかなか治まらないようですね。
ええ。
このまま内科的治療を続けるか早々にオペした方がいいのか検討が必要です。
世界で…たった108人…。
森山先生はどう思われます?…え?潰瘍性大腸炎の患者さんです。
オペした方がいいんでしょうか?僕に聞かなくてもやればいいじゃないですか相良先生が。
いや…まだ僕がやるって決まったわけじゃないんで。
だったら佐々井先生でもやりたい先生がやっちゃえよ。
まだオペするかどうか決まってないんです。
まだ決まってない!?じゃあ僕には関係ないじゃないですかもう〜。
(和枝)ええっ?
(内藤)なんでこの病院にしたの?幹生。
そうだよ堂上って評判悪いの知らねえの?
(内藤)ネットでもめちゃめちゃ書かれてんだぞ今。
まあ…いいよ別に。
(宮沢真人)東京医療大学消化器外科の宮沢です。
どうも…。
宮沢君僕の後輩なんです。
(宮沢)ずっと医局にいたんですがそろそろ環境を変えたくて。
彼優秀だから引く手あまたなんですけど転職先の選択肢に堂上も入れてくれないかって今頼んでるところなんです。
堂上に…いらっしゃるんですか?いいんですか?
(千住)今うちは…あれですよ?評判が…。
ねえ?いやいやいや…もちろん今の堂上の評判は話してありますから。
そんなの関係ないんだもんね?むしろ一から始める事にやりがいを感じるかも。
素晴らしい先生でしょう?彼の専門は下部消化管だから堂上に来てくれる事になれば佐々井先生の後釜って事になりますね。
僕の…?前向きに考えさせて頂きます。
相良先生。
頼むよ本当に。
他にもいいドクター探してどんどん声かけていきますから。
皆さんが安心して堂上を卒業出来るように。
そう…。
じゃあ飲み物頼みましょうか。
千住先生以外はビールでいいんですよね?はいはい…。
(たまき)おはようございます。
(桃井)おはようございます。
全然増えませんねえ患者さん。
もう心が折れそう…。
おはようございます。
ああ渋谷さん今日も来てくださったのね。
患者さん減って手のひら返すように来なくなったMRさんもいるっていうのに。
ありがたいわ。
ご覧になりましたか?森山先生の動画。
見ました。
全く腹腔鏡で鶴を折るなんて…。
いえ!新バージョンです。
(たまき)えっ?「今日は亀を折っちゃいます」なんなの?これ。
(桃井)どうしてあなたはもう…。
やっぱり鶴はありきたりだと思うんですよ。
ほらほらほらほら!亀の方が実は難しいんだ…。
そういう事言ってんじゃない!地道に病院立て直そうとは思わないんですか!?ネットの動画見て手術依頼がくるわけないじゃない。
くる…。
(2人)こない!くる!
(2人)こない!くる!!
(ため息)もう限界。
いくらあなたが甥っ子でももう許しません。
お仕置きですか?
(電話)お仕置きですね?
(電話)はい!堂上総合病院でございます。
あなたはもうここに来なくていい。
はあ?自宅で謹慎してなさい。
お…伯母さん…。
旅行代理店?
(たまき)えっ?ネットで動画を見た!?
(たまき)えっ!!きたー!「ひっくり返して…」李羊羊さん。
(李羊羊)私どもは中国のお客さんいわゆる富裕層を相手に旅行を企画している代理店です。
富裕層!はい…。
実は森山先生の動画を見た向こうの医療関係者から問い合わせがありまして。
医療関係者?は〜い。
中国には日本のドクターのレベルの高い腹腔鏡手術を受けたいという患者さんがいらっしゃるんだそうです。
いわゆる富裕層ですね?でまずは森山先生の手術をご覧になりたいと。
喜んで…!うん!うまい。
(和枝)相良先生。
はい。
宮部さんが気にしてましたよ。
先生はここを辞めるのかしら?って。
へえ〜。
私は本気にしてませんけど。
みんなの前で土下座させられたんですよ僕は。
あれも嘘だと思ってます。
何か思惑があってあんな事したんでしょ相良先生。
思惑?土下座して森山先生を調子に乗らせて病院をおかしくさせて患者さんを来なくさせる…。
そういう事ですか?
(和枝)う〜んうん例えば。
アッハハ…。
結果的に今堂上は潰れかかってるんですよ。
僕がそんな無茶を?ハッハハ…。
あのそれは…。
うんやっぱりうまいなこの…。
皆川先生!僕がオペします。
(和枝・相良)えっ!?潰瘍性大腸炎の患者ですよ。
内科的治療は限界なんでしょ?でも森山先生「俺は関係ない!」って…。
言ってない。
「オペしたい人がやればいい」って。
言ってない。
検査ファイルを改めて見せてもらいました。
オペは腹腔鏡手術がベストだ。
だから僕がやる。
でも大腸を全て切除する難易度の高いオペになりますよ。
そんな事わかってるよ。
それに炎症で腸がもろくなってるかもしれませんからやっぱり開腹手術の方が安全なんじゃ…。
俺は腹腔鏡で亀まで折っちゃうスペシャリストだぞ!ヘマなんかしないんだよ!いやでも…。
わかった。
じゃあ患者に決めてもらおう。
会わせてください皆川先生。
腹腔鏡手術はね幹生君お腹を何か所か2センチくらい切ってそこから器具を差し込んで先っぽのハサミで手術していくんだ。
はい。
傷口が小さいから回復が早くすぐに退院出来る。
すごいだろう?一方開腹手術はお腹をガバーッと切り開く昔ながらのやり方だ。
当然治りは遅くて傷痕は大きくなる。
どっちがいい?いやどっちって…。
そりゃあ治りが早い方が…。
(須田克也)そうだよな。
森山先生。
開腹手術のメリットと腹腔鏡手術のデメリットもちゃんと説明してください。
(咳払い)開腹手術は患部が見やすいから手術時間が短い。
腹腔鏡は少し時間はかかるけど…結局やる事はどっちも同じだ。
なんといっても腹腔鏡のいいところは僕が得意だという事。
ネットで「森山腹腔鏡亀」これを打って検索してみてください。
はあ…。
どうする?幹生?やっぱり先生の得意な方が。
よしっ!腹腔鏡で決まりだな。
俺と一緒に世界を獲ろうぜ幹生君。
(和枝)いいんですか?相良先生。
腹腔鏡でも出来る事は間違いないんです。
まあオペっていうのは臨機応変に判断していくものですから。
大丈夫かしら?でもよかったですね森山先生が本職に戻ってくれて。
(李)はい…はい。
ああ手術が決まった?ありがとうございます。
では早速日程を合わせましょう。
まずは中国だ。
そこからネットで広がって俺の技は世界へ!麻酔は頼むよ千住先生。
堂上の人気を一気に取り戻すスーパーオペレーションなんだから。
あっ…はい。
第一助手は佐々井先生だ!ごめんなさい…。
えっ?僕首を寝違えちゃいまして痛てて…。
そうか。
じゃあ…段原先生入ってくれ。
すみません…僕腱鞘炎で。
痛え!じゃあ…。
僕は無理ですよ!外国の人たちの前でオペなんて…。
失礼しまーす。
(段原)失礼します。
(高泉)失礼します。
あの…。
瀬戸先生にはまだ難しいですよ腹腔鏡のオペは。
僕が助手につきますよ森山先生。
ああ。
ずるいよ!みんな。
俺はやってもいいんだよ。
むしろやりたいさ。
でも別れるって決めたんですもんね森山先生と。
一緒にいるとお互い不幸になるからって。
ちきしょう…。
僕の患者さんがいる限り仕事はちゃんとやります。
あの人の態度に一喜一憂してたってしょうがない。
そうよ!
(みずき)師長!お聞きになりました?森山先生のオペの事。
見学者が大勢いらっしゃるんでしょう?見学?中国の人に腹腔鏡手術見せるんだって。
幹生君のご両親は快く承諾してくださいましたけど…。
院長先生は戸惑ってらしたわ。
海外から患者さんを呼ぶなんて考えた事もなかったって。
今はネットの時代ですからね。
実は森山先生には先見の明があったのかしら。
それはそれこれはこれです。
私たちは地道に誠実に頑張るのよ亜美ちゃん。
今は堂上の危機なんだから。
ですよね?師長。
(戸紀子)え?ええ…。
サッちゃん…。
気合入ってる。
あなたたちもはりきって!
(みずき・亜美)はい。
私も頑張る!
(ため息)森山先生患者さんの前でため息は…。
あっ…。
気にしないで。
はい。
どう?幹生君よく眠れてる?眠れてます。
他に誰もいないし…。
それは…嫌みかな?えっ?ねえ幹生君どうしてうちに来てくれたの?最近うちが色々言われてる事は知らなかった?相良先生!知ってます。
知ってて来てくれたんだ。
子供の頃から風邪引いたらここだったし。
中学の部活で怪我した時もずっと通ったし。
じゃあ堂上がかかりつけ医なんだね。
そんなの大勢いるよ。
昔っからあるんだから堂上は。
僕この病院で生まれたんです。
へえ!僕のお父さんも。
ほう!昔はこんな大きい病院じゃなかったけどここに堂上があるからみんな安心してたってお父さん言ってました。
だから評判悪いって言われてもそんなわけないって…。
堂上はいい病院だって思ってるから僕。
ありがとう幹生君。
後釜が揃いましたよ。
佐々井先生の代わりに来てくれるのが先日会って頂いた宮沢君でしょ。
それからこの三宅先生というのが難民キャンプから日本へ帰ってきたばっかりの本当に情熱のあるドクターなんです。
年齢から言うと段原先生の後釜になります。
えっ?へえ…。
でこの小山田先生なんですが彼こんな顔してますけど宇宙飛行士の最終審査まで残った超優秀な奴なんですよ。
彼は麻酔科医なんで千住先生の後釜になります。
そう…。
じゃあ僕の後釜はその人…。
あっ市川先生は僕の後釜です。
相良先生の?はい。
彼女若いんですけどオペの腕が素晴らしいんです。
それに女性らしい気遣いも出来ますから僕と違って森山先生ときっとうまくいくでしょう。
僕の後釜はいないんだ。
じゃあ僕は辞めるのやめようか…。
高泉。
(段原・佐々井)高泉先生。
高泉先生の後釜は瀬戸先生でしょう。
彼は勉強熱心だし性格もいいから大丈夫ですよ。
皆さんも早く決めてくださいね転職先。
こちらのドクターたちはいつでもいいって仰ってくださってるんですから。
わかってるよ…。
ああ…。
お待たせしました〜。
うわあ来た来た!はいすみません。
よし!じゃあ皆さんの新しい門出に乾杯乾杯!すみません。
はいどうぞ。
飲むか!ああ。
(ナナ)はい森山先生。
堂上にはな歴史があるんだよ。
患者なんて俺の腹腔鏡手術ですぐに取り戻してやる。
(ナナ)取り戻すって事は責任感じてるって事?責任?自分が堂上の評判落としちゃったって。
それは俺のせいじゃない。
患者が悪いんだよ。
じゃあなんでそんなにむきになってるの?先生。
手術器具で折り紙折るところをわざわざ撮影してネットに投稿して一生懸命アピール。
誰にも言わない?ナナちゃん。
言わないわよ。
いいとこ見せないとあいつらが離れていっちゃうからだよ。
あいつら?佐々井先生と段原先生と高泉先生と千住先生にがっかりされたくないんだよ。
ああチーム森山。
でもあいつら俺のオペの助手になりたくないって…。
もう俺の事…。
ん…んんん…。
正直に言えばいいじゃないみんなに。
そんな事出来ないよ!俺のプライドは山より高いんだからナナちゃん。
(ため息)お山の大将さん。
んー…んん…。
あら。
ああ!皆川先生が当直だったんですね。
お疲れさまです。
お疲れさま。
僕は帰る前に入院患者さんの様子を見ておこうと思って。
その前にひと息つかせてください。
いい先生だこと。
えっ?「どうして僕が頑張らなきゃいけないんだ」なんて言ってるドクターには…とても見えないわ。
はあ…。
私あれから考えたんですけど…。
やっぱり計算ずくだったんでしょ相良先生。
土下座して森山先生を調子に乗らせた事も評判を落としてこの病院が大変な事になってるのも全部相良先生の思惑どおりなんじゃ?50点。
えっ?半分は当たりで半分はハズレ。
どういう事?僕が森山先生を調子に乗らせるところまでは当たってるんだけどな。
やっぱり!でもここまで患者さんが来なくなるっていうのは想定外でした。
期待以上の成果ですけどね。
期待以上?落ちるところまで落ちればいいんですよ。
うちは民間最高レベルの病院だなんて思い上がってる病院はいつか取り返しのつかない医療事故を起こしてしまうかもしれない。
一度落ちるところまで落ちて自分たちを見直した方がいいんです。
危機感が選手を奮起させチームを強くする。
えっ?僕は堂上を辞めるつもりも見捨てるつもりもありませんよ皆川先生。
ここをいい病院にしたいという気持ちは全く変わっていません。
相良先生。
打ち明けついでにもう一つ。
佐々井先生たちが森山先生から離れようとしています。
はっ?まあこれも想定外だったんですけどね。
あの先生たちにとっては自分たちのいるべき場所を考えるいい機会なんです。
なんの話?僕がやろうとしてる事誰にも言っちゃ駄目ですよ。
院長にも事務長にもナースのみんなにも。
話を聞いてしまった以上皆川先生はもう共犯者なんですから。
共犯者?そう!じゃあいってきます。
お疲れさまです。
お疲れさん。
ツーン。
嫌われた!
(佐々井)いいんだこれで。
森山先生!
(高泉)んー…!寂しくない…!あっお願いします。
(中国語)ようこそ堂上総合病院へ。
いらっしゃいませ。
(桃井)ニーハオニーハオ!ニーハオニーハオ。
ニーハオ。
じゃあ行きましょうか。
お願いします。
大丈夫だからな。
うん。
(指を鳴らす音)イッツショータイム!くれぐれも無理は控えてくださいよ森山先生。
相良先生こそ僕の足を引っ張らないでくれたまえよ。
ハハハッ…。
(中国語)
(李)あのナースが準備しているものはなんですか?
(和枝)あれはソニシジョン。
コードレスタイプの超音波メスです。
(李)えー…ソニシジョン…。
(中国語)森山先生の言うとおりこの人たちにアピール出来れば堂上は復活出来るかも。
かもね。
ニーハオ。
私が堂上総合病院消化器外科ドクター森山卓です。
(拍手)今日は折り紙は折りませんよ。
皆さんにお見せするのは世界最高レベルの腹腔鏡手術です。
(拍手)頑張って!森山先生!患者さんは全大腸炎型潰瘍性大腸炎という病気を患った17歳の男性です。
炎症を起こした大腸を剥離し血管を切離して全て摘出する。
これを腹腔鏡でやるのは非常に難しい。
しかし!技術があれば可能なのです。
体につける傷はわずか2センチ程度のものが数か所。
手術が終われば患者さんは1週間で退院出来るでしょう。
(中国語)
(歓声)千住先生バイタルは?問題ありません。
相良先生もよろしいですか?いつでもどうぞ。
よし。
では始めよう。
メス!
(田口)はい。
電気メス。
はい。
始まりました。
見学室は中国の方でいっぱい!見たいなあ僕も。
瀬戸先生は駄目。
術後の患者さんの回診してください。
はい。
どうしよう…603の小池さんまた泣いてるんだけど。
私行きます。
(みずき)うんお願いね。
オペ始まった。
俺決まりそうだよ転職先。
僕もだよ。
小さな病院だけどね。
やっぱり辞めなきゃいけないんですか?僕ら。
どうして辞めるんだっけ?嫌いになりたくないからだろ…森山先生を。
好きだから…辞めるんだよ。
把持鉗子。
(田口)はい。
把持鉗子。
(田口)はい。
森山先生気腹圧問題ありません。
よし。
ソニシジョン。
(田口)はい。
さあ皆さんここからですよ。
僕のテクニックをよくご覧になっててくださいね。
(和枝)癒着している大腸を後腹膜から剥離していきます。
(中国語)調子に乗っちゃ駄目ですよ森山先生。
慎重によ。
慎重に…!みっくん…。
ケリー鉗子。
はい。
いよっ!よっよっよっ…よっと!炎症で腸がかなりもろくなってますね。
天使のように大胆に…。
悪魔のように細心に…。
すごいじゃないですか!はあ…まだ気ぃ抜けないわ。
森山先生…。
ソニシジョン。
はい。
あんなにわがままな人いないよな。
自分勝手で気分屋でなあ!でも優しかったですよね森山先生。
楽しかったよなチーム森山。
プロースト!
(高泉・段原)プロースト!なんで思い出話?サチュレーションが少し低下してきました。
血圧は?120の80です。
問題ない。
酸素濃度はもう少し上げておいて…。
(たまき)えっ!?あっ!あっ…!どうしたんですか?穿孔です森山先生。
(千住)穿孔!大腸が破れたんです。
クッソー…!腸が破れた?
(和枝)鉗子で引っ張った際にもろくなった腸が破れてしまったんです。
(李)あっえー…。
(李の中国語)ちきしょう…!どうしますか?先生。
ちきしょう!このままだと腸液が漏れて炎症を起こしてしまいます。
ちきしょう…!すぐに処置しないと時間をかけるほど悪化しますよ。
生食をもっと用意しろ!洗浄しながら続行する!いえ開腹しましょう。
開腹しましょう。
(千住)ええっ!?何言ってんだ。
吸引洗浄しながら腹腔鏡で処置出来る!重篤な術後合併症の可能性を考えると開腹手術に切り替えて処置を行うべきです。
馬鹿言うな…。
(どよめき)腹腔鏡を続けてください。
お願いします!いえ私たちに言われても…。
院長。
開腹したらこのオペの意味がないじゃないか。
意味?患者さんを助ける事以外になんの目的があるんですか?幹生…。
お願いします!オペはショーじゃありませんよ。
ギャラリーの期待に応えるためのものじゃない。
我々は幹生君の命を助けるためにこのオペをやっているんです。
ん…んんん…。
(アラーム)血圧低下してきました。
早く処置を!腹腔鏡でも出来る!本当にそう思いますか?森山先生。
(たまき)「森山先生冷静に判断してください」「患者さんのためにベストな方法を選んで」わざわざ中国からいらしゃってるんですよこの方たちは!わかっておりますが…。
んんん…。
幹生君はこの病院を信頼してくれてるんですよ。
僕この病院で生まれたんです。
堂上はいい病院だって思ってるから僕。
森山先生。
かっ…開腹…開腹に切り替える!はあ?千住先生輸液を全開にしろ!わかりました!気腹装置をオフにしろ。
(羽村)はい。
羽村さんご家族に開腹手術に変更になったと伝えてください。
はい。
森山先生…!メス。
(田口)はい。
電気メス!
(田口)はい。
(中国語)冗談じゃないよ!申し訳ございません…!卓ちゃん…。
(千住)みんな行っちゃった。
相良先生そこ圧迫しといて!はい。
あなた!
(克也)幹生。
(雅子)みっくん。
腹腔鏡でやる予定でしたが変更して開腹手術になってしまいました。
炎症で予想以上に腸がもろくなっていたんです。
でももう大丈夫です。
幹生君は元気になります。
ありがとうございます!ありがとうございます森山先生!どういたしまして…。
じゃあお願いします。
はい。
森山先生。
お疲れさまでした。
森山先生よくやったわ。
見学者…みんな帰っちゃったの?あっ…ええ。
1人残らず?1人残らずお帰りになりました。
(たまき)でもいいじゃないの。
患者さん助ける事が出来たんだから。
腹腔鏡じゃなかったら俺じゃなくてもよかったよ。
そんな事ないですよ。
あるんだよ!俺の…俺の友達は戻ってこないじゃないか。
友達?んっんんん…。
卓ちゃん!なんですか?友達って。
わかんない。
全然わかんない。
何?えっ?さあ?でも森山先生がまともなドクターだってわかってよかったじゃないですか。
まあそりゃあそうなんだけどね。
でも患者を取り戻すチャンスは失いました。
ああ…どうしましょう?皆川先生。
院長それは…。
相良先生。
お疲れさまでした。
(たまき)えっ?相良先生。
次は友達の番です。
(和枝)えっ?友達?あっ…。
ああ院長!
(桃井)ちょっとひと休み…。
(和枝)こっち。
あっ先生方。
すみません皆さんに謝らなきゃいけない事が。
あっ?やっぱり堂上には来られないって4人とも。
4人とも?僕が声がけしたドクターたちですよ。
全員が断ってきたんです。
(佐々井)断られた?ですからこれで皆さんの後釜は誰もいなくなっちゃいました。
はあ…。
森山先生は素晴らしいオペをしてくださったのに…。
患者さんを助けるために腹腔鏡を封印したんです。
(ドアの開く音)見学の人たちは怒って帰っちゃったけど「関係ない!」って。
本当に?ねえ?ああ…うん。
次のドクターすぐに探しますから。
もうちょっとだけ待ってもらえますか?ねっ。
相良先生…!ちょっと待った!無理なら別に…。
(高泉)いいですよもう。
大丈夫ですよ。
(段原)大丈夫じゃない!探さないで!お願いします。
探さないで。
これが…。
これが独りぼっちってやつか…。
いた!先生!先生!森山先生!腹腔鏡使わなかったんですか?えっ?
(佐々井)腹腔鏡のテクニックをアピールするためのオペじゃなかったんですか?そ…そんな軽々しく見せられるかよ。
中国からわざわざ来てたのに。
患者のために?当然だろ。
やっぱり…ちゃんとしたドクターだったんだよ森山先生は。
よかった…。
は?僕辞めません!僕もです。
森山先生!僕も堂上に残ります。
森山先生と…一緒にいたいです!一緒にいたい?
(佐々井)ごめんなさい!
(段原)ごめんなさい!ごめんなさい!なんか…よくわからないけどよかった!帰ってきてくれた!中国人は行っちゃったけど…俺は独りぼっちじゃなかったんだよ。
ああ…!ああー!!ああ…とりあえずこれでチーム森山は元通りと。
2015/03/01(日) 15:25〜17:25
ABCテレビ1
DOCTORS3 最強の名医[再][字]
#3「医者の本音が大暴走 勝負をかけた48時間」
#4「一発逆転(秘)手術で、17歳と世界を目指す」
詳細情報
◇番組内容1
【#3「医者の本音が大暴走 勝負をかけた48時間」】医療ミスで患者から責められることを恐れた森山(高嶋政伸)はとんでもない暴挙に出る!一方、相良(沢村一樹)は左肺を失い全身麻酔が不可能な患者の命を救おうとするが…
◇番組内容2
【#4「一発逆転(秘)手術で、17歳と世界を目指す」】
院長のたまき(野際陽子)が戻ってきた!堂上総合病院の現状にがく然とする。だが、当の森山(高嶋政伸)はどこ吹く風で、さらに見当違いの画策を始め…!?
◇出演者
沢村一樹、高嶋政伸、比嘉愛未、黒川智花、宮地雅子、正名僕蔵、滝沢沙織、敦士、斉藤陽一郎、尾崎右宗、阿南敦子、浅利陽介、小野武彦、伊藤蘭、野際陽子 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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