インド 女性乱暴の死刑囚の被害者侮辱発言が波紋

3月4日 22時49分

インドで３年前、女性が乱暴され殺害された事件で、死刑判決を受けた男が、近く放送される予定のテレビ番組の中で、被害者を侮辱する発言を繰り返していることが明らかになり、裁判所がテレビ局に対して放送の差し止めを命じるなど波紋が広がっています。

この事件は３年前、首都ニューデリーで２３歳の女性がバスの中で複数の男から乱暴されたうえ、車の外に投げ出されて殺害されたもので、実行犯の４人の男が死刑を言い渡されています。
このうちバスの運転手だった男が、刑務所でイギリスの映画監督のインタビュー取材に応じ、事件の責任は被害者の女性にあり、まともな女性は夜間に出歩かないなどと被害者を侮辱する発言を繰り返していたということです。
監督は、事件のドキュメンタリー番組をインドのテレビ局やイギリスの公共放送ＢＢＣで今月８日の「国際女性の日」に合わせて放送する予定で、実行犯の男の発言も番組の中に盛り込まれているとしています。
インドのメディアはこの監督の話を一斉に報じ、男の発言を強く非難しているほか、インドの裁判所は４日、発言は国民の怒りをかきたて、治安の悪化を招くおそれもあるとして、テレビ局などに対して放送の差し止めを命じました。
さらに議会で答弁したシン内相は、「番組が放送されれば国の恥だ」と述べ、国外の放送についても対応を検討していることを明らかにし、実行犯の男の発言を巡ってインドでは波紋が広がっています。