韓国:米高官発言に波紋 日韓対立で「日本の肩持つ内容」

毎日新聞 2015年03月04日 21時45分(最終更新 03月04日 22時44分)

 【ソウル澤田克己】日中韓の対立状況に苦言を呈したシャーマン米国務次官の発言が、韓国で「日本の肩を持つ内容」と波紋を呼んでいる。韓国メディアは一斉に「日本の(対米)ロビー活動が大きな影響を与えた」(文化日報)と主張し、政府批判を繰り広げている。

 問題となったのは、シャーマン氏が先月27日にワシントンで北東アジア情勢について講演した際、「どこの政治指導者にとっても、昔の敵を中傷して安っぽい拍手を浴びることは難しくない」などと話したことだ。

 韓国では、日韓の歴史問題では米国が韓国を支持してくれているという感覚が一般的だった。それだけに、「歴史に対する反省と謝罪を日本に求めないまま、3国による協力の必要性だけを強調した」(ハンギョレ新聞)と、衝撃を受けたようだ。

 発言を報じた韓国各紙は、「妄言」(同)などと強く反発。保守系の朝鮮日報も社説で、米国でのロビー活動で日本より優位だという韓国政府の説明とは「正反対の流れになっているようだ」と、外交当局を批判した。

 今月2日の米国務省の記者会見では、韓国人記者が「(発言は)韓国を念頭に置いたものか」と質問した。同省のハーフ副報道官は「特定の指導者を指していると受け取られたことに少し驚いている」と述べるとともに、「発言は、政策の変化を表すものではない」と釈明に追われた。

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