韓国政府:産経に記者証出さず 現支局長に半年間

毎日新聞 2015年03月04日 20時04分

 【ソウル澤田克己】韓国政府が、昨秋着任した産経新聞の藤本欣也ソウル支局長への身分証発行に半年近く応じていないことが分かった。通常は数週間で発行されており、同紙の前ソウル支局長が朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する名誉毀損(きそん)で在宅起訴された件と関連している可能性が高い。

 韓国政府で外国メディア向け広報を担当する外信支援センターによると、藤本氏は昨年9月、外国記者の身分証である「外信記者証」の発行を申請した。記者証は毎年1月に更新されており、以前から韓国に駐在している同紙の別の記者たちには既に今年の記者証を発行したという。

 センターは毎日新聞の取材に、「藤本氏に特別な問題があるわけではない。早く発行できるようにしたい」と答えたものの、発行が遅れている理由や発行時期のめどは明らかにしなかった。

 関係者によると、藤本氏は、前ソウル支局長のコラムが問題となった後に取材ビザ(査証)を申請したが、この時は問題なく発給されていた。韓国紙・京郷新聞は4日、「(産経新聞に対する)報復措置ではないかという指摘が出ている」と報じた。

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