(テーマ音楽)
(又吉)あ〜!タイムマシンに乗ったらこんな所来てしまった。
腹減ったなぁ!あっすいません!それ僕にも分けてください。
おなかすいて死にそうなんですよ。
お願いします。
あっそやそやそや。
はい。
これでお願いします。
あっちょっとお金。
あ〜!お金!今回の「オイコノミア」テーマはずばり「お金」。
ふだん当たり前のように使っているお金。
でもその正体を知らずに使っていませんか?ん?あっちょっと待った!そもそもお金に正体があるの!?何?お札とコインの正体は違う?驚くことばかり。
お金の正体をじっくりと掘り下げます。
先生すごく不思議な空間ですね。
(大竹)そうですね。
これはねオシャレということで話題になっている銀行なんですよ。
銀行なんですね。
皆さんまだ作業中なんですね。
そうですね。
又吉さんずばり聞きますけどお金の正体って何だと思います?物を買ったり売ったりするときに必要なものですよね。
そうですね。
詳しく見るといろいろあるんですよ。
はい。
現在物の支払いに使われているのは大きく3つ。
一つ目は日常よく使う「現金通貨」。
二つ目は銀行に預けているお金を示す「預金通貨」。
三つ目はデータでお金をやりとりする「電子マネー」です。
今日はこういうお金いろいろあるんですが現金通貨ですね。
このお金について考えてみたいと思います。
はい。
実はね皆さんにとってお金の正体っていうのは意外なものなんですよ。
はい。
一万円札と500円玉があります。
こういう紙幣ですね。
それから硬貨。
法律的にはこっちが貨幣なんですけれども。
ご存じのとおり現金通貨には2種類。
「紙幣」そして硬貨は法律では「貨幣」と呼びます。
同じお金でも実はかなり違うもんなんですよ。
いや同じお金だと思ってましたね。
調べてみてください。
虫眼鏡で見るんですか。
500円玉と一万円札。
「日本国五百円」って書いてありますね。
よ〜く見ると500円玉に刻まれている文字は「日本国」。
一万円札には…。
あっ「日本銀行券」って書いてありますね。
そうですね。
一万円札に書かれているのは「日本銀行券」。
「日本国」と「日本銀行券」。
これが貨幣と紙幣の違いに関係しているんです。
一体どう違うのか潜入取材!まずは貨幣から。
消費税が8%になって釣り銭不足で増産されている1円玉の誕生を探ります。
東京都練馬区にあるアルミ工場。
国内で唯一1円玉の素材をつくっている工場です。
(中尾)いらっしゃいませ。
よろしくお願いいたします。
1円玉をつくるところを見せていただきたいんですが。
こんにちは。
これから1円玉が…。
始まるという形です。
なるほど。
もともとはこうなんですね。
はい。
これが原材料のアルミニウムの地金。
全て輸入品でオーストラリアやニュージーランドなどからやってきます。
地金を加工するため1,000℃の熱で溶かします。
かなり熱いですね!溶かしたアルミニウムは均一に延ばすためにまず四角い柱の形に固めます。
これを…
(中尾)はいこちらです。
へぇ〜!あの四角い柱をどうやって薄くするのでしょうか?お〜!500℃の温度で熱しながらローラーで薄く延ばすそうですが…。
何度も繰り返すうちに…。
だいぶ細くなってきましたね。
(中尾)はい。
巻いていってますね。
1円玉と同じ厚さ1ミリになるまで巻き取りながら延ばしていきます。
薄〜くなってようやく1円玉に近づいてきました。
しかしここから先の工程は極秘なので撮影禁止!その代わり出荷直前の状態を見せてもらえることになりました。
テレビ初公開です。
なるほど。
私どもは…あ〜!ホントですね。
おっ?あらららっ?あっちょっと何か変?
(中尾)はい。
のっぺらぼうのものです。
なんとこの工場でつくられるのは1円玉になる直前のここまで。
ちなみにまだお金ではなく円の形と書いて「円形」と呼ぶそうです。
そっくりですがお金ではありません。
消費税が8%になり釣り銭が不足しないように今年は年間1億6,000枚つくります。
ちなみに製造コストはどれぐらいなのでしょうか?
(中尾)私どもの社長の赤尾です。
赤尾です。
よろしくお願いします。
1枚つくるのにどれぐらいかかるんですかね?そのあとですね造幣局の方で刻印して検査すると多分もちろん1円以上コストは掛かるのかなと思いますけれども。
アルミ工場でつくられた円形が運ばれていくのは造幣局。
ここで仕上げが行われます。
円形の行き先は?刻印を打つ機械。
1秒間に12枚を打つ早業で…。
次々と1円玉に。
こうして造幣局で鋳造された貨幣は日本銀行へと運ばれて金属から貨幣となるのです。
一方紙幣をつくっているのは…。
国立印刷局。
一万円札が次々と印刷されています。
今年度はおよそ10億枚。
10兆円分がつくられます。
裁断されて…。
1億円ごとに梱包されます。
印刷局でつくられたあと向かう先は?日本の中央銀行である日本銀行です。
一万円札がこんなに〜!世の中に発行されるのを待っているのです。
うずうずうずうず。
それではおさらいをしましょう。
日本では貨幣は造幣局で完成し国が発行します。
紙幣は印刷局でつくられ日本銀行が発行します。
お金の誕生を見ると金属とか紙だったものがいつからお金になるのかっていう問題疑問に思いませんでした?思いますね。
まず貨幣の流れについて考えましょう。
今日はですね又吉さんにこの札を渡します。
どうぞ。
これ何でしょうか?これは「わからない札」。
話の内容がちょっとわからない。
さっぱりわからないときに又吉さんにそれぞれの札を上げてもらいます。
金属だったものがどうやって貨幣になるのか?ここに500円玉20枚1万円分あるわけです。
この20枚の500円玉をつくるのにいくらぐらい費用がかかると思いますか?ちょっとわかんないですね。
出ましたか。
でも答えてくださいよ。
大体いくらぐらいか。
500円玉1個つくるのに。
はい。
じゃあ300円。
実は…50円なんです。
あっ意外と安いですね。
50円×20枚いくらでしたっけ?1000円ですね。
1000円ですね。
だからこれ原価1000円でしょ。
これがいつから1万円になるか考えてみましょう。
はい。
貨幣の発行に関係するのは政府造幣局そして日本銀行です。
まず500円玉は政府が発注をし造幣局でつくられます。
出来上がった500円玉20枚は日本銀行に渡りここで初めて貨幣となります。
500円玉20枚分の金額1万円は日本銀行から政府に支払われます。
でも思い出してください。
500円玉20枚の製造コストは1000円。
つまり政府は日本銀行から1万円を受け取って9000円の利益を得るのです。
実は政府は貨幣を発行する事でもうかってるんですよ。
うんなるほど。
この貨幣の額面と製造コストの差額のことを「貨幣鋳造収入」って呼ぶんですよ。
政府は貨幣をつくる事で額面から製造コストを差し引いた分だけ利益を得ることができるのです。
初めて知りましたよね!はい!では今度は紙幣について考えてみましょう。
はい。
又吉さん紙幣の正体っていうのは何ですか?ちょっとわからないですね。
はい。
一応さっき読んだら「日本銀行券」。
でもね実はこれだけでは話終わらないんですよ。
はい。
この日本銀行券っていう紙幣の正体っていうのは実は「○×△□」ってことなんです。
「○×△□」。
はい。
さっぱりですね。
さっぱりでしょ。
又吉さんがさっぱりわからなかった意外な紙幣の正体。
どれだけの人がわかるのか?街の皆さんにも聞いてみました。
紙幣の正体は「なになに」の「なに」?
(取材者)紙幣の正体って実は「なになに」の「なになに」だ。
ウフフッ。
それではヒントを。
「日本銀行の…」。
え〜っ?あ〜!
(取材者)証券。
あ〜!
(取材者)「何とか書」なんです。
ああ!いい線いってます!ぬお〜!大竹先生!正解をお願いします。
借用書!?はい。
意味までわかって正解した人は…ところでどうして紙幣が借用書なのでしょうか?借金をしてるってことですか?借用書というのを考えてみると昔の紙幣は金と換えられたんですよ。
話は紙幣が誕生した中世に遡ります。
当時人々がお金として使っていたのは「金」。
しかし持ち歩くのが不便で盗難に遭う危険もあったので人々は自分の金を立派な金庫を持つ金細工師などに預けるようになりました。
これが銀行の始まりです。
このとき金を預かる代わりに発行されたのが借用書です。
やがて借用書で物を売買する方が便利になりそれが紙幣となりました。
つまり紙幣とはもともと銀行が発行する借用書なのです。
紙幣の正体は「日本銀行の借用書」とわかったところで。
では私たちは日本銀行とどんな取引をしているのでしょうか?でもね又吉さん。
又吉さんはふだん日本銀行と何か取引してるんですか?してないですね。
私たち日本銀行と直接取引してないのにどうして日本銀行券を使ってるんでしょうかね?いやちょっとさっぱりというか考えたこともなかったですね。
それもそのはず。
個人は直接日本銀行とは取引できません。
取引しているのは…民間の銀行や証券会社などの金融機関。
日本銀行は民間の金融機関からあるものを買い入れて借用書である紙幣を渡しているのです。
このあるものとは一体何?何を日本銀行は買っているんだと思います?それは国の…何かなんでしょうね。
日本銀行が紙幣で買っているのは?国債って一体何なんですか?国債は借金というふうに。
そうですね。
まあ国の借金ですよね。
「国の借金」と言われます。
この国債が紙幣と密接に関係しているんです。
それでは紙幣と国債の関係を整理してみましょう。
まず国の借金である国債は政府が発行します。
発行された国債を民間の金融機関が買い取るとお金は政府に渡ります。
政府はそのお金を公共事業などに使います。
続いて紙幣の流れを見てみます。
紙幣は印刷局でつくられて日本銀行へと運ばれます。
日本銀行は紙幣を民間の金融機関に渡して代わりに国債を買います。
つまり紙幣は国債と同じ価値を持つのです。
このとき民間の金融機関に渡った紙幣が初めてお金として世の中に発行されます。
これが私たちの手にする紙幣です。
つまり日本銀行の借用書である紙幣とは国債と同じ価値を持つものなのです。
又吉さんが持っている1万円というのは日本銀行が国債を買うときに発行した1万円ですからちょうど又吉さんの1万円は国債の1万円と同じ価値があると。
なるほど。
結局紙幣の正体というのは国債であると。
なるほど。
紙幣を発行すると政府がもうかるかどうか?たくさん発行した方が政府ももうかりますし国が豊かになるってことはないんですか?紙幣をたくさん発行することの裏には日銀が国債をどんどん買っていると。
はい。
どんどん借金増えそうな…。
そうですね。
可能性がありますよね。
はい。
紙幣をたくさん発行するとどんな事が起こるのでしょうか?紙幣を発行するときまずは政府が国債を発行し民間の金融機関が買い取ります。
日本銀行は国債を買い取って紙幣を世の中に送り出します。
紙幣を増やすということはこれの繰り返し。
政府は財源を日本銀行が買ってくれる国債に頼るかもしれません。
すると国債が増え結局それだけ国の借金が増える事になるのです。
もしそうなると今度「この借金本当に返してもらえるの?」っていうことが心配になると円の信用がなくなるわけです。
なるほど。
ではね国の借金を支えているものって何ですか?税金もそうですか?税金ですね。
ということは私たちがきちっと国債を返すということが全員に信じられないとお金の価値がなくなってしまう。
なるほど。
紙幣を発行した日本銀行が抱えている国債。
私たちは税金を国に払い国はその税金で国債を返済。
つまり借金を返していきます。
しかしもし国がたくさんの国債を発行して借金が膨らみ私たちが税金で国債を返せないとしたら紙幣はその価値を失ってしまうのです。
逆に言うとお金を使ってるということは「ちゃんと将来税金でこの国債を返しますよ」ということを信じてるという事なんですよね。
う〜ん。
なるほど。
皆さんふだんこんなこと考えて紙幣を使っていますか?全然…お金の正体を知ると税金や将来に対する考え方が変わりますよね。
これ見てくださいよ。
何ですか?これは。
これ。
はい。
よく見てくださいよ。
この模様もしかして…。
お金ですか?そうなんですよ。
古くなった紙幣っていうのはこんなふうに裁断されて紙に戻るんですね。
もともと300万円の紙幣だったそうですよ。
えっ!?これで300万円だった?はい。
へぇ〜!他にもねほら!こういうグッズになってるんですか!そうなんですよ。
面白いですねこれ。
そう。
いろいろあるんですよ。
先生ちょっと行ってきます。
はい。
使い道考えたんですか?使い道思いつきました。
はい。
あっ!すいません。
これとそれ交換してください。
あっいいですか?やった!アハハッ。
(カラスの鳴き声)突然ですが皆さん…2015/02/24(火) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「“お金”の正体って…?」(前編)[字][再]
普段使っている紙幣や硬貨、その正体をあなたは見たことがある?実はこの二つ、発行元が違う。しかも紙幣の正体は「日本銀行の借用書」。それってどういうこと?
詳細情報
番組内容
そもそもお金はどう作られる?1円玉の源流を求めて又吉さんが訪れたのは都内のアルミ工場。ここでノッペラボウの円形アルミが量産されていた!これらは造幣局で1円と刻印され、日本銀行に運ばれてお金として世に出回る。お札の場合は印刷局が作り日銀が発行する。ではこのお札、どのようにして発行されるのか。なんと民間銀行が持っている国債と引き換えに発行されている。これが「日本銀行の借用書」といわれるゆえんだ。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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