ろーかる直送便 知るしん。信州を知るテレビ「本物の味を伝えたい」 2015.02.23


お願いします!
(拍手)北陸新幹線開業を前に生まれ変わる長野駅。
その一角にオープンしたコーヒー店です。
30席に満たない店内は連日満席が続いています。
世界中の農園を訪ね歩き手に入れた極上の豆。
豆の特徴を最大限に引き出すばい煎。
そして一杯のコーヒーに全てを凝縮する技術。
人生の味がするというコーヒーです。
本物の味を伝えたい。
コーヒーを通じ自らと向き合う人々の挑戦に密着しました。
小諸市郊外。
ここに全国のコーヒー通が集まる店があります。
全国に7つの店を持つコーヒーの名店として知られています。
おいしいよこれ。
コーヒーを入れるのはそれぞれに違う豆の持ち味を引き出す専門家たちです。
その腕前を競う国内大会で過去5年連続優勝者を輩出。
今年は54か国が集う国際大会で世界一にも輝きました。
社長の丸山健太郎さん46歳。
世界有数のコーヒー豆のバイヤーとして知られています。
(取材者)いっぱい積んでありますけどここは?
(丸山)えっとですねここは…広さ200平方メートルの倉庫に保管されていたのは世界20か国から集められたコーヒー豆。
その数300種類。
全て丸山さんが味見をした上で現地を訪れ生産者から直接買い付けたものです。
一つ一つ味も香りも異なる豆。
丸山さんはその魅力を多くの人に知ってほしいと考えています。
この日店では重要な会議が開かれました。
新年から売り出す豆の格付け。
バイヤーやばい煎部門の責任者など8人が出席しました。
10種類の豆を国際品評会と同じ8つの採点基準で評価します。
評価点の合計が88点を超えた豆を最高級と位置づける一方で80点を下回った豆は販売を断念します。
この日丸山さんが特別に期待を寄せる豆がありました。
中米グアテマラ産のサンタイザベル。
すっきりした酸味と湧き立つ花のような香りが特徴です。
しかしこの日の評価は思ったものではありませんでした。
コメントは?評価は売り物になるかどうかのギリギリのラインです。
丸山さんは今回のばい煎が合っていなかったのではないかと指摘。
もう一度別なばい煎方法を試す事にしました。
豆の状態を見極めその持ち味をできる限り引き出したい。
コーヒーと向き合い続ける丸山さんです。
丸山さんが店を立ち上げたのは23年前。
軽井沢で妻の実家が経営していたペンションを引き継いだのが始まりでした。
当時は特にこだわりもなく注文されるままにコーヒーや紅茶を出していました。
きっかけになったのはある豆との出会い。
知り合いから分けてもらったブラジルの豆でした。
この豆をなんとかして手に入れたい。
つてをたどりブラジルの生産者を紹介してもらった丸山さん。
豆への要望を熱く語りました。
しかし返ってきたのは思わぬ言葉。
帰国した丸山さんは喫茶店の店主仲間に声をかけました。
「世界一の豆を一緒に仕入れないか」。
丸山さんの呼びかけに10人が集まりました。
その一人東京の下町で喫茶店を経営する…丸山さんからかかってきた電話に圧倒されたといいます。
狙いを定めたのは一流の豆だけが取り引きされるオークション。
ブラジルの品評会で最優秀賞を獲得した豆が出品されていました。
4時間にわたる激しい競り合いの末丸山さんたちはこの豆を落札。
価格は当時の世界最高額を更新しました。
この日を境に丸山さんたちを取り巻く世界が変わりました。
それから12年。
世界に名を知られるバイヤーとなった丸山さん。
今も世界一のコーヒーを求めて走り続けています。
11月上旬。
丸山さんの姿が工事中の長野駅駅ビルにありました。
おお〜。
この冬出店する新店舗の準備に訪れたのです。
丸山さんはここでこれまでにない試みを打ち出しました。
今では珍しくなった昔ながらの入れ方です。
加熱時間は1分程度。
短い時間で抽出するため雑味のないすっきりとした味わいが特徴です。
味を決めるのは豆とお湯をなじませる攪拌と呼ばれる作業です。
強く混ぜると甘さが引き出され弱く混ぜると酸味が際立ちます。
豆ごとに異なる酸味と甘みのバランスを見極めて調整する高い技術が求められます。
丸山さんは今回の出店に合わせて1年前からプロジェクトチームを結成しました。
メンバーの一人…サイホンコーヒーの話を聞きプロジェクトに加わりたいと名乗り出ました。
この日オープンを前に開店当日のシミュレーションが行われました。
井出さんにもオーダーが入りました。
サイホンチームのリーダーを中心に味を確認します。
原因はどこにあったのか。
もう一度サイホンでコーヒーを入れる事にしました。
指摘を受けたのは攪拌。
コーヒーの味を決める最も重要な工程です。
攪拌が弱いため甘さが足りず酸味が際立ってしまったのです。
井出さんにとってこの店は3つ目の職場です。
大学を病気で中退した井出さん。
体調が回復するのを待って働きだしたものの長続きせず転職を繰り返しました。
再び職を探そうとした時に出会ったのが一杯のコーヒー。
その味と香りに魅了された井出さんはコーヒーの道に進みたいと考えるようになりました。
アルバイトからスタートした井出さん。
自分を変えるきっかけにしたいとプロジェクトに加わりました。
自らを導いてくれたコーヒーと共に新たな一歩を踏み出したいと考えています。
井出さんの希望を聞きプロジェクトのメンバーに加えた社長の丸山さんです。
丸山さんはアルバイトだった井出さんを今回正社員に登用しました。
井出さんの挑戦を後押しする丸山さん。
今回の新店舗は丸山さんにとっても新たな挑戦でした。
これまでの店舗の客はわざわざコーヒーを飲みに来る人が中心でした。
一方駅ビルの新店舗では客はコーヒー好きとは限りません。
これまでとは違う戦略が求められます。
新店舗の開業日。
店では開店の準備が進められていました。
ドキドキはしております。
オープン前の直前なので。
はい頑張ります。
開店1時間前。
丸山さんが店を訪れました。
白樺とあとサンタ・ローサ入れてもらっていいですか?新店舗の看板メニューサイホンコーヒーの最終チェックです。
味のバランスを心配するあまりこれまで思い切ってできなかった攪拌です。
いいっすよね。
(井出)ほっとしました。
ありがとうございます。
丸山さんはコーヒーの味に井出さんの成長を感じていました。
それではお願いします!
(拍手)開店直後から満席になった店内。
多くは丸山さんの店を初めて訪れた人たちです。
嗅いでみる?コーヒーに関心がなかった人に本物の味を知ってほしいと出店を決めた丸山さん。
自らの挑戦に手応えを感じていました。
初日の営業が終わりました。
井出さんは新たな一歩を踏み出す事ができたと感じていました。
コーヒーと出会い人生が変わったという人たち。
彼らが入れる一杯のコーヒー。
香り立つのは苦くて甘い深い人生の味です。
2015/02/23(月) 15:15〜15:41
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 知るしん。信州を知るテレビ「本物の味を伝えたい」[字]

軽井沢に本店がある「丸山珈琲」。豆本来の味を引き出されたコーヒーが評判を呼び、全国にファンを抱えている。丸山珈琲が乗り出した新たな挑戦に密着した。

詳細情報
番組内容
全国各地のコーヒーマニアが集うコーヒー店が信州にある。軽井沢に本店がある丸山珈琲だ。世界各地から買い付けた高品質の豆を一杯一杯丁寧にいれ、豆本来の味を引き出されたコーヒーが評判を呼び、信州のみならず東京にも進出している。その丸山珈琲が、北陸新幹線開業に合わせ改装された長野駅の駅ビルに出店。新たな挑戦に乗り出した丸山珈琲。このプロジェクトの舞台裏に密着した。
出演者
【ナレーション】打越裕樹

ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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