シリーズ世界遺産100「ランス・オ・メドウ国立歴史地区〜カナダ〜」 2015.02.23


(テーマ音楽)はるか遠くヨーロッパから北アメリカまで夢を求めてやって来た人々。
その足跡は歴史の常識を覆すものでした。
カナダの北東ニューファンドランド島。
この島の最北端にカナダの歴史を語る上で重要な遺跡があります。
総面積8万m^2東京ドーム11個分の広さです。
冬には氷点下30℃まで下がる事もある過酷な場所…その一角に土の盛り上がったところがあります。
これらの遺跡は1,000年前にこの地で暮らした人々の住居の跡なのです。
発見したのはノルウェーの冒険家ヘルゲ・イングスタッドさんとその妻で考古学者のアナスティーナさんです。
ヘルゲさんはこの遺跡は自分の祖先であるバイキングのものと考えていました。
コロンブスがアメリカ大陸を発見する500年も前にバイキングがアメリカに来ていたと信じていたのです。
サガと呼ばれるバイキングの活動を伝える古文書に着目。
そこには北欧に住むバイキングが豊かな土地を目指したとあります。
一部の人々は命懸けで大西洋を横断。
はるか4,000km離れた未開の地に到達したのです。
夫妻はバイキングがここランス・オ・メドウに流れ着いたと推測。
発掘を始めます。
しかしそれは困難を極めました。
一人娘のベネディクトさんも当時発掘に加わっていました。
自ら資金を調達しながら8年間発掘を続け決定的なものが出土します。
それがこの鉄のくぎ。
カナダの先住民に製鉄の技術はありません。
イングスタッド夫妻の発見したこのくぎはバイキングがこの地にいた事を裏付ける証拠となったのです。
更にこの住居跡から石で作った指輪のようなものも見つかりました。
これはバイキングの女性が使ったものと考えられています。
毛糸を紡ぐ時におもりとして使っていたとされヨーロッパでも発見されています。
バイキング特有のものなのです。
イングスタッド夫妻の発掘によって分かってきたバイキングの生活。
こうして彼らの住居跡が復元され当時の生活を今に伝えています。
多い時にはおよそ200人のバイキングが暮らしていたと考えられます。
しかし彼らは先住民との軋轢などから2年ほどでこの地を去ってしまったのです。
現在この世界遺産は未開の地を目指したバイキングの偉業を後世に伝える大切な役割を担っています。
遺跡が見渡せる高台にあるイングスタッド夫妻の像。
2人は歴史を変えた世界遺産を今も静かに見守っています。
2015/02/23(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ランス・オ・メドウ国立歴史地区〜カナダ〜」[字]

冒険者の夢の跡 ▽文化遺産 ▽「コロンブス以前にバイキングが北米大陸に渡っていた。」ノルウェーの冒険家とその妻の執念の発掘によって、歴史を変えた世界遺産を紹介。

詳細情報
番組内容
カナダの「ランス・オ・メドウ国立歴史地区」は、1978年に世界文化遺産に登録された。ニューファンドランド島の最北端、酷寒の地にある遺跡だ。1000年前に大西洋を越えてきたバイキングが定住した集落跡とされる。北欧の古文書「サガ」に刺激されたノルウェーの冒険家とその妻が、自ら資金を調達しながら8年間にわたって発掘。ついに、コロンブス以前に北米大陸に渡ってきたヨーロッパ人がいたことを証明した。
出演者
【語り】松平定知
音楽
【音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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