米司法省:黒人青年射殺の警察署「公民権侵害、日常的」
毎日新聞 2015年03月04日 12時04分
【ニューヨーク草野和彦】米中西部ミズーリ州ファーガソンで昨年8月、丸腰の黒人青年が白人警官(事件後に辞職)に射殺された事件で、警官が所属するファーガソン警察署では、人種的偏見に基づき黒人を逮捕するなど、公民権の侵害が日常的に行われていたことが司法省の調査で分かった。米メディアが3日、一斉に報じた。同省が報告書にまとめ近く発表する。
ファーガソンでは事件後、黒人住民らが抗議行動を起こし、全米に広がった。住民らは事件に限らず「不公平な司法システムが横行している」と主張していたが、それが裏付けられた形となった。
司法省は2012〜14年の同署の活動を調査。ファーガソンは人口の67%を黒人が占めるが▽不審視し、車を停車させるケースの85%▽逮捕するケースの93%▽実力行使するケースの88%−−は黒人が対象になっていた。また、住民が警察犬にかまれた14件のすべてが黒人だった。
車を止められた後、黒人の運転手が所持品検査をされる割合は白人の2倍近いが、実際に薬物などの違法所持が見つかるのは逆に26%も低かった。また、軽微な違反行為を問われる割合も黒人が圧倒的に多かった。
警官や裁判所職員が、人種的偏見に満ちた電子メールをやりとりしていたことも判明。黒人のオバマ大統領をばかにするものや、黒人女性が中絶すれば犯罪減少につながるという内容まであったという。