プロゲーマー専門学校の学費と問題点

先月、プロゲーマー専門学校が日本にも誕生し、各メディアの話題になったが、授業料がついに判明したようだ。


参考サイト:日本初プロゲーマーを目指すための専門学校





合計で300万円近くも必要な事が判明したようだ。(仮にも専門学校なのでそのくらいは当然だが)
プロゲーマーとして300万円以上を稼いでいるプレイヤーが格闘ゲーム以外に"存在するのか"すら怪しい現状だが、日本でもe-sports・プローゲーマー文化が興隆し始めているだけに、今後稼げる可能性は無いとは言えないにしても、現状では投資分をPayするのは難しいだろう。



プロゲーマーの学校からプロゲーマーを輩出できるのか?

ズバリ一番気になる部分でもあり、学校の目的でもあるプロゲーマーの輩出について書いてみようかと思う。

結論から言わせて貰うと、プロゲーマーは輩出できる!

まずプロゲーマーの定義だが、韓国では資格が存在しており、以前に韓国のプロゲーマーから直接聞いた話だが、国からプロゲーマーとして認可されると賞金の大幅な減税を受けられる。
それに対して日本は資格も存在せず、極端な話で今日からプロゲーマーと名乗ればプロゲーマーなのである。
そんな状態なために、給料も無い、賞金も獲れない、スポンサーからデバイス提供だけは受けられると言ったプロゲーマーが日本には沢山いるのである。

しかし、稼げないプロは輩出できても、格闘ゲームのウメハラや、海外のプロゲーマーの様に第一線で活躍できるプロを輩出するのは不可能に近いと感じる。


プロゲーマー専門学校の問題点

まだ、外側から憶測でしか語ることはできないが、いくつかの問題点をピックアップして行こう。

講師が確保できない

まずこのニュースを聞いて一番に思ったのが「生徒をプロレベルまで持っていける講師が日本に存在するの?」
海外で日系で活躍しているプロはいるが、日本在住でプロの第一線で活躍しているプレイヤーは格闘ゲームを除くと"0人"だ。第一線から2つ、3つ落ちてようやく日本のプレイヤーが位置している。
実力者が少ない中で、良いプレイヤーで、尚且つ良い指導者を見つけるのは困難を極めるだろう。

「じゃあ、日本がダメなら海外から講師雇えばいいじゃん?」


解決策としては一番手っ取り早い策である。
現在Skypeによるコーチ指導(1時間千円~一万円)という物が海外では流行っており、それで生計を立てているプロも少なくは無い。
海外(特に韓国)では日本語を喋れる実力者がたくさん存在しており、また平均時給が日本よりも低いという事もあり、来日しての指導は難しいだろうが、Skypeを通してならば、多くの講師を確保できる可能性がある。

授業カリキュラムは?

FPS、RTS、格闘ゲームとさまざまなタイトルにチャンレジ!と明記されている。
もう何が何だかわからないが、通常プロを目指すならば、1タイトルか2タイトルに集中すべきだ、広く浅くプレイした所でプロには到底届かない浅い実力しか身につかないからだ。
今の情報では個別指導なのか、クラス単位で指導するのかは不明だが、個別指導で希望タイトルを申告した上で学校側が受け皿として講師を用意するという物ならば可能性を感じるのだが、クラス単位で目指すジャンルがバラバラな状態でやっても、「野球がやりたくて入学したのに、将棋とカバディをやらされた!」って事になりかねない。

生徒のスキルレベルの問題

海外のゲームチームでは集団生活をし、お互いに実力を高めあっている。
連携が取りやすいのも勿論だが、周囲の環境、周囲の実力も、個人の成長に大きく左右するためだ。
そのために、入団するには高い実力が必要である。

しかし、専門学校の場合はどうだろうか?お金を払えば入学できてしまうために、スキルレベルが大から小までバラバラになるのではないだろうか?
才能がある人が入学したとしても、周りが初心者同然ならば、何も得るものがなく、むしろ堕落する可能性まで否定できない。
指導体制がどうなるかわからないにしても、大から小まで幅広く対応することができるのだろうか?





結論

日本のe-sports市場も年々発展しており、昔とは比べ物にならない規模になって来ている。
成長を続けている市場でもあるし、指導体制が整っていて、プロを目指せる環境があるのならば、入学する価値はあるかもしれない。
この学校が、夢を目指す若者の夢を奪って食べる存在にならないように願うばかりである。