[PR]

 千葉県北西部のつくばエクスプレス(TX)沿線自治体の人口増加が堅調だ。なかでも流山市は2014年の転入超過数(転入者から転出者を引いた数)が2387人となり県内1位、全国10位になった。目を引くのが子育て世代の増加だ。TX開通から10年。交通の利便性に加え、保育サービスなど暮らしやすい環境が選ばれているようだ。

 平日夕、TXと東武野田線(アーバンパークライン)が交わる流山市の「流山おおたかの森駅」に隣接するビル。1階の駐車場に幼児たちを乗せたバス5台が順々に到着する。市内の保育所が終わり、ビル内にある「送迎保育ステーション」に戻ってきたのだ。

 ステーションは朝7時から子どもたちを一時預かり、バスで市内の保育施設に送迎する。夕方保護者が迎えにくるまで再び預かる施設だ。料金は幼児一人につき一日100円。午後9時まで延長も可能だ。

 都心に勤める竹谷絢子さん(37)は午後6時前、ステーションで5歳の長男と2歳の長女を引き取った。「2人は別々の園に通っているけど、それができるのもここが全部引き受けてくれるおかげ」

 ステーションは市が社会福祉法人に委託して2008年に本格的に始まり、同駅とTX南流山駅の2カ所にある。市内26カ所の保育所(園)で1日約160人、13年度は約5万6千人が利用する。県内では同市だけの取り組みだ。

 竹谷さんは共働きで4年前、同駅前のマンションを購入した。「便利で住みやすい」と話す。転入者が多い理由に同市のマーケティング力を上げた。「フェイスブックで市職員がPRしたり、よくイベントが開かれたりするんですよ」