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米国内法根拠に警告看板 京都のレーダー基地、主権侵害恐れ

米軍経ケ岬通信所のフェンスに設置されている警告板。英文では立ち入り禁止の根拠として米国国内治安維持法797号を示している(京丹後市丹後町)
米軍経ケ岬通信所のフェンスに設置されている警告板。英文では立ち入り禁止の根拠として米国国内治安維持法797号を示している(京丹後市丹後町)

 米軍経ケ岬通信所(京都府京丹後市丹後町)のフェンスに設置された看板が、米国の国内治安維持法に基づき基地内への立ち入りを禁じると記していることが3日、分かった。同法を根拠とする警告板は沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場でも2012年に掲示されて日本の主権侵害だと問題になり、外務省が「不適切」と米軍に申し入れ、撤去された前例がある。米軍の姿勢と日本政府の対応が問われそうだ。

■普天間などでは撤去

 警告板は2月下旬に設置されたとみられる。英文と日本文を併記し、1文目は「基地司令官の許可なく、この区域に立入ることは、法律違反である」と記載。英文では米国の1950年制定の国内治安維持法797号が根拠だと明記してあるが、日本文は根拠法については触れていない。最後の文は日英文とも、日本の刑事特別法第2条によって罰せられる旨も書かれている。

 2012年11月、衆院予算委員会で普天間飛行場の警告板が取り上げられ、当時の玄葉光一郎外相が「日本国内でアメリカの国内法によって立ち入りを制限するのは不適切な面がある。撤去を申し入れた」と答弁。1983年にも埼玉県の米軍大和田通信所で米国内法に基づく警告板掲示が衆院予算委で問題になり、米軍が誤って掲示したと遺憾の意を表明し、撤去している。この警告板2例では日本の法令について記載がなかった。

 外務省は今回の表記について「質問に答えられる者が不在」としている。

 <刑事特別法>旧日米安保条約に基づく旧日米行政協定に伴って、1952年に施行された日本の国内法。正当な理由なく、米軍が使用する施設または区域に入り、退去しない者は1年以下の懲役などと定める。

【 2015年03月04日 08時56分 】

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