行動ファイナンス小幡績

なぜ「円高・デフレ」が日本を救うのか

アベノミクスは最初から間違っていた

2012年末、国会で首班指名を受ける安倍首相。筆者によれば、アベノミクスは最初から間違っていた(撮影:尾形文繁)

この2月、日本株は上昇を続けた。世界的な株高もあるが、日本は後半ほぼ一本調子で上げ続けた。これでもう、日本経済は安泰なのだろうか。

「売る人」がいなくなった日本株

なぜ株が上がり続けたのか。

第1に、下がる理由がなかった。売る投資家がいなかったのである。

2014年10月末以降の大幅な円安で、多くの海外投資家はドルベースでしか投資を考えないから、円安傾向を見込んで、日本株を売り時とみて、売った投資家が多かった。

GPIFと日銀が日本株をさらに買い増すというニュースで、日本株自体の需給期待から、日本円ベースでは株価は上昇したから、一時的なピークであり、今後は円安による下落傾向継続だから売り時という判断は、非常に論理的であったのである。

この結果、海外投資家の多くは、日本株のポジションを大きく落とした。誰も日本株を持っていない状態になったのである。だから、売る人はもうほとんどいなかった、あるいは売りたくても売るものがなかったのである。

もちろん、それなら空売り、と思うかもしれない。しかし、空売りをするのは、空売りをすれば、それに引き込まれて投げ売りをする保有者がいるからである。そうなるとスパイラル的に暴落する。

暴落しなければ、空売りを仕掛けても、儲かるほど安い価格で買い戻せない。つまり、追随者、下落スパイラルに怯えて売ってしまい、自ら下落スパイラルを作ってくれる保有者がいないと成り立たないのである。

現在は、売る人がいない。国内投資家は、短期に売買をする投資家は少ない。過去の塩漬けになっていた株式の含み損が解消し、いわゆるヤレヤレ売り(やっと買値に戻って、いままでの含み損を抱え続けたことに疲れ果ててホッとして売る)はすでに一巡しているから、それほど出てこない。

実は、日経平均株価が1万8000円になるとそれが出てきたのであるが、ここも一気に水準を突破してしまったために、大きな売りの流れにはならなかった。

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