3月2日に行われた平成27年度埼玉県公立高校入試は46,476人が全日制を受験しました。学力検査の問題形式に大きな変化はなかったようです。埼玉県教育委員会が発表した予想合計平均点は261点。これは昨年の予想平均点より8点低いものです。(もっとも昨年の実際の平均点は249.6点)
入試問題を教科ごとに検討してみたいと思います。本日は数学です。(県の予想平均点・・・50点)
平成27年度の数学の入試問題から、いくつか気になる問題を取り上げて見たいと思います。
大問4には例年難易度の高い問題が出題されますが、今年も定番の「図形の折り曲げ問題」が出題されました。特徴としては、長さの等しい辺、大きさの等しい角を見つけて合同や相似に結びつけていくパターンがよく見受けられます。さらには角の二等分線から比の性質に繋げられた生徒は、(3)の面積も求めやすかったかもしれません。大問2(1)の問題もそうですが、求めにくい面積をどんな風に「切り崩していくか」がポイントでした。
大問1(11)は例年、問題を「読ませる」問題が出題されます。長い文章に怯まず落ち着いて読み切れば、小学生の知識で十分に解けます。今回は「うるう年の規則性(4年に一度)」、「曜日の規則性(7日ごとに月曜日が来る)」が把握できれば、1年で1つ曜日がずれ、うるう年には2つずれ、7つ曜日がずれるのに5年かかることがわかります。説明を言葉で書くのは生徒にとって簡単なことではなかったでしょう。しかし答えが“2020年”になるのは、なんとも粋ですね。
今回は特異な問題は少なく、一度は目にしたことのある問題が多かったように感じます。しかし上で取り上げたような見慣れぬ問題も出題され、「よく読み、よく見る」ことも要求された入試問題でした。
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