はじめに
最近やり始めたことの一つに、紙の日記を書くというものがある。とはいえ、一月から続けているもので、その理由としては、紙の日記を付けてみるのも面白いんじゃないかと思って、正月初めに買ったのがきっかけだった。で、はじめてみたのだけれど、意外や意外にも、これが結構長続きするものだった。
出来るだけダサい表紙のものを使いたかったので、下のような日記帳を使っている。
ポイントとしては、半ページか未開き。そして横書きというのにこだわっていた。普段違うことをやるんだから、縦書きでもよかったのだけれど、縦書きだと違和感を覚えるという、デジタル育ちの悲しい性なのか、横書きのものを選んでしまった。
紙の日記のいいところ
承認欲求が満たされない
まず最初に、紙の日記は基本的に公開されない。自分のためだけのものである。読者は自分一人だ。自分一人なものだから好き勝手書ける。普段なら躊躇うようなことでもスラスラ書ける。例えば、ある日記には「はてな匿名ダイアリーにたくさんのブックマークがついて嬉しかった」と書いてある。つまり、自由に嫌なことや、自分に不都合なことが書ける。それはとても都合がいいことである。
そして、紙の日記のいいところはどうでもいいことが書けることだ。自分なんか、こういうブログを書いているときには、どうしても「残すべきこと」を考えがちになってしまう。そうすると、「こんなつまらないことを書いても仕方ないんじゃないか」と思ってしまう。例えば、二月一日はこういうことが書かれてある:
良くも悪くも、本人にとっては退屈なことではあるのだが、しかし読み返してみれば本人にとっては重要な出来事の一つなわけである。読み返してみると、だいたいどうしようもないことが結構起きていて、「意外と一日っていろんなことが起きているんだな」と思う。つまらないなりに、つまらないことがたくさん起きていることがわかって、良い。
持ち運びに便利
なんだ、だったら秘密.txt
でも作ってそこに書いてればいいじゃないか、と思うかもしれないけれど、ただノートパソコンは思った時に思ったことを書くのには不便だ。もちろん、テキストエディタをカスタマイズしてそういう設定にすることができるけれども、やはりパソコンを立ち上げて、開いて、そして書くという作業は、意外に長く感じる。紙の日記なら、書きたいと思ったら開いてすぐである。アプリケーションも、使うアクションが長ければ長いほど、ユーザーが離れるというわけだかだ。そして面倒臭がり屋の自分ならなおさらそうである。
日記は開けば書ける。シンプルだ。
インターネットにつながっていない
ノートパソコンが悪いのは、インターネットにつながっていることである。ノートパソコンがあればインターネットに繋ぎたがるのは人の常であるが、紙の日記には、無線LANもBluetoothもない。これによって、日記を書くという作業に集中できる。確か、ポメラを使っていた人も、同じ理由で書くのがスムーズになるという話をしていたような気がしている。
日記しか書けない
Unix哲学には「一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け」というのがある。紙の日記は、日記というただ一つのことを上手くやっている。それは冗談にしても、パソコンだと他にやりたいことに目移りしてしまうけれど、紙の日記だと、日記しか書けないので、日記以外のことにとらわれることがない。
手書き特有の考えるリズムが身につく
例えば、とある文学雑誌では「手書き派vsワープロ派(当時はまだワープロだったのだ!)」という特集が組まれていたことがある。もちろん、そんなもの読者からすれば面白けりゃなんでもいいんだけれど、手書きのスピードでものを考えてみると、意外とこれはこれでリズムよく書けていいことが判明したりした。よくタイプの速さを競ったり、思考の速度で書くとか煽られるけど、別に手書きのスピードで考えることも悪くない、と感じさせるのであった。
デメリット: 字が汚いと落ち込む
デメリットとしては、紙の日記だと、字が汚いと落ち込むことだろう。よくも悪くも、コンピューターの文字というのは均一化されている。しかし、手書きになると、人の個性が出てしまう。自分の顔を鏡でみるのが嫌な人がいるように、自分の文字をみるのが嫌だという人もいると思う。とはいえ、実は字が綺麗に書けるという「文字力アップノート」という謎のノートも発売されているので、気になる人は試してみるといいかもしれない。
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まとめ
ということで、最近のマイブームである紙の日記について書いてみた。一時期はライフログだなんだというのが流行ったりしていたけれども、実際のところ、こういう紙の利便性には適わないという側面は否定できない。
とにかく最近中だるみしているな、一日が何もないように感じる、というときには、紙の日記でも書いてみて、思ったことを書きなぐってみるといいかもしれない。
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