業界を知り尽くした希代のCMクリエーター、永井聡と澤本嘉光が戦いの場を映画に移し、それぞれ監督と脚本家として駆け出し広告マンの奮闘を描いたラブコメディー「ジャッジ!」(1月11日公開)。ダブル主演の妻夫木(つまぶき)聡(33)と北川景子(27)には、「自分にとって仕事とは何か?」という原点を見つめ直す契機となる作品となったようだ。
台本読みまくる
広告代理店のCMクリエーター。その字面からは、おしゃれで知的、しかも高給といった、華やかで洗練されたイメージが少しのやっかみとないまぜになって次々と浮かんでくる。ところが妻夫木が本作で扮したのはその対極にあるようなキャラクター。情熱だけは人一倍だが、ダメでドジでのろまといった、その昔どこかのフライトアテンダント養成所で聞いたような愚鈍な男なのだ。一方、北川の役どころは同僚のCMクリエーター。何をやらせてもできる女だが、物おじせず思ったことは何でも口にしてしまうきつい性格が玉にきず。大好きな競馬に興じる様は、もはや「男らしい」と表現してもいいほどの迫力だ。