東京大学の田中栄教授と斎藤琢特任准教授らは高齢女性に多く、膝などに痛みが生じる「変形性関節症」を引き起こす遺伝子を、マウスの実験で突き止めた。軟骨の分解を促すとともに炎症を引き起こしていた。根本的な治療法のない変形性関節症の薬の開発などの足がかりになる。成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に3日掲載される。
この病気は骨と骨の間にある軟骨がすり減り、膝や股などの関節に痛みや腫れが起こる。関節の変形ももたらす。研究チームは患者の軟骨細胞で盛んに働く遺伝子「Hes1」に着目した。成長後に遺伝子が働かなくなるマウスを作って変形性膝関節症の状態にすると、病気の進行が遅くなった。
田中栄、変形性関節症、東京大学