Ｂｅｒｒｙｚ工房　完全燃焼

　ハロー！プロジェクト所属のアイドルグループ「Ｂｅｒｒｙｚ工房」が３日、東京・北の丸の日本武道館でラストコンサートを開催した。この日をもって無期限の活動停止に入る。２００４年３月３日にデビューして丸１１年の誕生日は旅立ちの日。メンバー７人は、７変化の衣装で２４曲を披露して完全燃焼。号泣しながらファン１万人に別れを告げた。

　シンデレラ城をイメージしたセットは、久々に歌った「２１時までのシンデレラ」にちなんだ。時計の針がちょうど２１時を回ったころ、アンコールに突入。Ｂｅｒｒｙｚ工房の魔法が最後に解ける時間がやってきた。

　須藤茉麻（２２）はグループ加入のきっかけについて、これまで口にしていたモー娘。へのあこがれではなく、妹がエントリーしたついでだったことを初告白。その上で、「今はオーディションを受けて良かったと胸を張って言えます。こんなにステキな空間を守ることができなくてごめんなさい。でも自分たちが決めた道なので後悔していません」と声を震わせた。

　デビュー当時、全員が小学生だった「Ｂｅｒｒｙ」（小さな果実）たちは、全員が成人を迎えてすっかり完熟した。話し合いの末、それぞれが新たな道を目指すべく活動停止を決めたのは昨年５月だった。

　１１年間キャプテンとしてグループをけん引した清水佐紀（２３）は、つらいときも支えてくれたファンに感謝を伝えながら「きょう私たちは活動を停止いたしますが、Ｂｅｒｒｙｚ工房は永久に不滅です。この１１年間を皆さん絶対に忘れないでください！！」と巨人の長嶋茂雄・終身名誉監督の名ぜりふになぞらえてグループ愛をにじませた。

　総合プロデューサーつんく♂（４６）や、矢口真里（３２）、吉澤ひとみ（２９）、高橋愛（２８）らモーニング娘。の卒業生、さらにモー娘。’１５や℃−ｕｔｅらハロプロの現役メンバー全員が客席で見守る中、最後の曲は、つんく♂が７人に１１年分の思いを込めて作った「Ｌｏｖｅ　ｔｏｇｅｔｈｅｒ！」。歌詞にある「♪また会えるよね」という言葉を胸に刻むように、メンバーは号泣しながら歌った。

　４日からは、それぞれが新たな道へ。嗣永桃子（２２）は新ユニット「カントリー・ガールズ」の一員に。須藤は舞台女優、熊井友理奈（２１）はファッションモデルを目指す。徳永千奈美（２２）と清水は所属事務所のスタッフとして現役メンバーをサポート。夏焼雅（２２）と菅谷梨沙子（２０）はしばらく休養する。

　「ありがとう！！」「また会おう！！」。ステージに向かって絶叫するファンの声に包まれながら、Ｂｅｒｒｙｚ工房は幕を閉じた。

　総合プロデューサーのつんく♂は終演後、「子供だった時から成人するまで曲とともに成長できたことは類を見ない経験値であり、そんなグループだと思う」と評価。

　「最後まで１００点じゃないのがＢｅｒｒｙｚ工房だってやっぱり思った。いい場面で人間味がめちゃ出る。そういうところがクセになって、味になって個性となってたんだなって思いました。ありがとう！　そしておつかれ！」とコメントを寄せた。

▼２００４年１月　清水佐紀をキャプテンとするメンバー８人でグループを結成。

▼同３月　シングル「あなたなしでは生きてゆけない」でデビュー。

▼０７年４月　さいたまスーパーアリーナで同所での史上最年少（当時平均年齢１３．８歳）公演を開催。

▼同１２月　　　「ハロー！プロジェクト１０周年紅白ス　　　　　　　ペシャル隊」としてＮＨＫ紅白歌合戦　　　　　　　初出場。

▼０９年６月　韓国・延世大で初の海外公演となるミニライブ。

▼１０年３月　タイで単独コンサート。

▼１３年３月　ミャンマーで開かれた音楽イベントで日本の女性アイドル初のコンサート。

▼１４年８月　無期限の活動停止について発表。

▼同１２月　ラストシングル「ロマンスを語って／永久の歌」が「オリコン」自身最高位の２位を獲得。

▼１５年２月　中野サンプラザを聖地に多数のコンサートを開催した功績をたたえ、東京都中野区が感謝状を授与。