アクバル・ガンジさんのインタビュー
イランのジャーナリスト Akbar Ganji さんが、現在アメリカを訪れている。アメリカ東部時間の17日夜に、National Press Club でその勇気ある言論に対する表彰(John Aubuchon Freedom of the Press Award)を受ける。ガンジさんについては、ちょうど一年前、彼が当局によって拘束されていた時にこのブログにも書いた。今回も、帰国すれば、拘束が待ち受けているものと思われる。
ガンジさんは、APとのインタビューで、「イランの体制は望ましいものではないが、それは私たち自身の問題だ」と語り、国外の権力によるいかなる介入も、国内の反体制派がそれらと結託して政権転覆を企んでいるという疑惑の目をもたらし、反体制派弾圧の口実を与えることになると警告している。軍事的な介入によって隣国イラクの政権が転覆されたこともイランの民主勢力にはよい効果を与えなかったと言う。
石油産出国は、課税によって国を支える必要がない、つまり「国民を必要としていない」ので、政権は国民に対して説明責任を果たす必要がない。そのことが民主主義が根付くことの障害になっている、ともガンジさんは述べている。この部分は、読んでいて、正直、かなり気が滅入った。
ニューズウィークのサイトにも、かなり詳しいインタビューが掲載されている。軍事力によってイランに平和と民主主義をもたらすことはできず、軍事攻撃は政権を破壊するのではなく国自体を破壊してしまうだろうと主張している。また、経済制裁も、国民を困窮させるだけで政権を苦しめる事にはならないと述べている。イランの市民は体制の変革を望んではいるが、傀儡政権が取って代わることを望んでいるわけではない、という言葉もある。
ガンジさんの主張には、イランについてだけでなく普遍的な指針として私たちが学ぶべき事柄が多く含まれているように思う。もっと具体的に言えば、北朝鮮をめぐって好戦的な言論を行なう人たちに、ぜひ彼の語る言葉に耳を傾けてほしいと思う。
ガンジさんが続けているハンストによる抗議行動の目的としてイランの当局により不当に拘束されている三人の名前が出ている。一人は、以前このブログでも取り上げた Ramin Jahanbegloo さん。あとの二人は、労働運動の Masoud Ossanloo さんと学生運動の Akbar Moussavi Khoeini さんである。名前を覚えておこう。
2006年 7月 18日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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コメント
記事の最後で名前を挙げた Masoud Ossanloo さん(テヘラン市バス乗務員労働組合議長)が釈放されたそうです。
http://www.fidh.org/article.php3?id_article=3537
http://www.kosoof.com/archive/299.php
投稿: うに | 2006/08/13 17:26:57