産経ニュース

群馬大病院で腹腔鏡手術後に8人死亡 40代の男性執刀医が施術 院長「実施体制に問題あったと認識」

ニュース 事件

記事詳細

更新


群馬大病院で腹腔鏡手術後に8人死亡 40代の男性執刀医が施術 院長「実施体制に問題あったと認識」

記者会見で謝罪する群馬大病院の関係者=14日午前、群馬県庁

 群馬大病院(前橋市)は14日、平成22年から今年6月までの間に、40代の男性執刀医によって腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う肝臓手術を受けた約90人のうち、少なくとも8人の患者が、術後短期間に死亡していたと発表した。病院は事態を重く見て、第二外科の肝胆膵=肝臓、胆道、膵臓(すいぞう)=グループの全手術を停止。さらに、外部有識者も含めた院内調査委員会を設置し、原因解明を進めている。

 同病院によると、死亡した8人は60~80代の男女。第二外科の執刀医が、肝臓がんなどの患者に対し、肝臓の切除手術を施した。手術と死亡の因果関係は不明だが、患者は術後4カ月以内に死亡している。

 8人の患者が受けた腹腔鏡手術は、同手術の中でも高度な技術が必要で、保険適用外だった。同病院では同様の手術をする際、事前に院内の審査組織に申請する必要があるが、同科は8人について申請を行っていなかった。

 同病院の野島美久病院長は「術前の評価や高難度手術の実施体制などに問題があったと認識している。患者やご遺族のみなさまにはご心配、ご心痛をおかけしたことを心から深くおわび申し上げる」としている。

 腹腔鏡は腹部を観察するためのカメラ。腹腔鏡手術では、体に数カ所の穴を開けて、このカメラとともに手術器具を差し入れ、テレビモニターで内部の映像を見ながら切除や縫合などを行う。

 腹腔鏡手術をめぐっては、千葉県がんセンターで患者が同手術を受けた後に相次いで死亡していたことが今年4月に明らかになっており、現在までに11人の死亡患者が調査対象となっている。

関連ニュース

カテーテルミスで患者死亡 静脈挿入を誤って動脈付近に 名古屋大病院

「ニュース」のランキング