【北京=島田学】中国国防省は2日、重大な規律違反や違法行為により、軍制服組トップだった郭伯雄・前中央軍事委員会副主席の息子で、浙江省軍区副政治委員の郭正鋼氏ら計14人を立件・調査していると発表した。いずれも汚職などの容疑とみられる。習近平国家主席は5日開幕の全国人民代表大会(全人代)前に発表し、軍内の腐敗追及の強化をアピールする狙いだ。
郭正鋼氏は1月に少将に昇格したばかりだった。父親の郭伯雄前副主席は江沢民元国家主席に近く、すでに汚職などで失脚した徐才厚氏と共に胡錦濤前政権で軍制服組トップを務めた軍大物の一人だ。軍内の腐敗追及の手は徐氏に続き、郭前副主席自身にも及ぶとの見方が強まっている。
中国の国政助言機関、全国政治協商会議の呂新華報道官は2日、国防省の発表直前まで開いていた記者会見で、習氏の反腐敗運動について「調査の対象者に『特権階級』は存在しない」と強調していた。
習近平、江沢民、胡錦濤