福島第1原発:汚染水外洋流出 対策「すぐ必要と思わず」

毎日新聞 2015年03月03日 18時14分(最終更新 03月03日 19時15分)

インタビュー取材に答える東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏・最高責任者=福島市で
インタビュー取材に答える東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏・最高責任者=福島市で

 −−なぜ思いが至らなかったか。

 みなさんの関心が高いリスクと、我々が優先順位が高いと考えるリスクが違っていた。タンクからの高濃度汚染水漏れに対しては監視装置をつけたり対策を取ってきたが、雨水を流す排水路は管理対象外。「雨水だから仕方ないよね」と思ってしまったのはまずかった。みなさんにご心配を与えないよう、情報をしっかり見てもらうとか、放射性物質を除去するなど取れる対策は取るというところまで思いが至れば、もう少し違った。

 −−今回の件で、事態の程度に応じて発表の仕方を定めた公表基準は見直すか。

 公表基準は変えるべきだとは思わない。社会の目線で、何をどう伝えるべきか、「ソーシャル・コミュニケーション室」などの社内組織が機能するよう役割を見直すことが大事だ。

最新写真特集