韓国経済の最大の懸案事項の一つである家計の負債も増え続けている。韓国7大銀行の住宅ローン残高は今年1〜2月で3兆4481億ウォン(約3750億円)増加。昨年1〜2月の増加額4230億ウォン(約460億円)に比べて8倍以上もの急拡大だ。
こうした状況下で、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が、韓国に置いた支店を撤退させるとの観測が広がっている。ブルームバーグによると、RBSは業務展開する国を3分の1に減らす計画を検討しており、アジアでは東京の営業部門を維持する一方、韓国や中国などの事業は売却や段階的閉鎖を計画しているという。
韓国ではリーマン・ショック後、ゴールドマン・サックスの資産運用部門やソシエテジェネラルなど証券業界や、ING生命保険など保険業界では外資が撤退しているが、外資系銀行の撤退は金融危機以降初めてだという。RBSの撤退が、外資系銀行の韓国離脱のシグナルだとの見方もある。
韓国経済の低迷について、聯合ニュースは「四半期ごとの成長率を見ると、さらに危険な姿だ」と報じている。
昨年1〜3月期の0・9%増を経て、旅客船セウォル号の事故の影響が出た4〜6月期は0・5%増に伸び悩んだ。7〜9月期は0・9%増と持ち直したが、10〜12月期は0・4%増と再びセウォル号事故当時を下回っている。
朴政権は「創造経済」を打ち出したり、補正予算を編成するなど経済活性策を打ち出したものの、ほとんど効果をあげていないことが浮き彫りになった。韓銀もこれまで3回利下げを行ったが、景気浮揚には至っていない。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「韓国企業は、財閥制度による国内経済の寡占体制にあぐらをかき、法人税率引き下げにも関わらず、配当増や賃上げなど社会還元に消極姿勢をとってきた。また、アベノミクスを機に復活してきた日本経済の実力を冷静に分析しないツケも回っている。日本企業の堅実な研究開発という正攻法の前に、韓国商法は崩れ去った」と指摘している。