韓国の経済指標がリーマン・ショック級の低迷にあえいでいる。景気動向を反映する鉱工業生産指数や輸出と輸入額などの重要指標が金融危機以来の落ち込みを見せ、欧州系銀行も韓国から脱出する方針を固めたと報じられた。先進各国が金融緩和などの経済対策で景気を下支えするなか、韓国が“独り負け”状態となっている理由は、朴槿恵(パク・クネ)政権の失政を抜きに語れない。
2015年の韓国経済の実態を示すショッキングな数字が相次いだ。
韓国の統計庁が2日発表した1月の鉱工業生産指数が、前月から3・7%減と3カ月ぶりに下落に転じた。韓国の各メディアは、リーマン・ショック直後の08年12月(10・5%減)以来の大きな落ち込みだと報じた。
設備投資が自動車や一般機械などで減少し、前月比7・1%低下したのが目立った。
韓国経済を支えてきた輸出にも異常事態が生じている。韓国銀行(中央銀行)が2日発表した1月の国際収支によると、輸出額が前年同月から10・0%も減少したのだ。この落ち込み幅もリーマン・ショック後の09年9月以来の大きさだ。
石油製品が約41%減、家電が約16%減、化学工業製品が約10%減と低迷している。
一方で1月の韓国の経常収支は35カ月連続の黒字となったが、それは1月の輸入額が原油価格下落の影響もあって16・9%減と、輸出額以上に減ったことによるものだ。手放しで喜べるような結果では決してない。「不況型黒字」の様相を呈している。
産業通商資源部が1日に発表した2月の輸出額(速報値)は前年同月比3・4%減、輸入は同19・6%と低迷が続いている。
主力産業の一つである自動車生産も失速している。現代(ヒュンダイ)自動車や傘下の起亜自動車など大手5社の2月の国内外の販売台数は前年同月比6・5%減となった。現代自は国内販売が8・8%減、海外販売も5・0%減と厳しく、起亜も国内では1・2%増と微増したが、海外は10・2%減と2ケタの落ち込みを見せた。