多分野に渡る研究を行っているアメリカのアーティストでトランスメディア・パフォーマーのRobbie Lynn Hunsingerによって制作されたトランスメディア・インスタレーションBlue-Yellow-Red。2014年のカンディンスキー・エキシビジョンのために制作されたBlue-Yellow-Redは、ある一つの刺激が本来の感覚だけでなく,別の感覚を同時に生じさせる現象の共感覚を基にしたインタラクティブなオーディオビジュアル体験を提供してくれます。
このエキシビジョンで参加者達は、青、黄、赤のビームによる長い光の流れの中に進み入ることで、ユニークなオーディオとビジュアルの体験をすることができます。
出典:vimeo
Hunsingerはこのような体験を可能にするために、カーペットの下に光の流れの中で人が立っている場所を検出するための長いセンサーを使用していました。Blue-Yellow-Redは、音楽と光の相互作用でセンサーのデータをブレンドさせて多くの人々がどこに立ってもユニークな体験を得られるように、ソフトウェアの「Max」を使用しています。
オープンソースハードウェアのArduinoはもともとアーティストのために作られましたが、Blue-Yellow-RedはポピュラーなボードのArduino Megaをベースにこの体験に最適なデザインがなされています。Blue-Yellow-Redは、すべてのカラービームにより活性化されたセンサーが合計されることによりその色の強度が決定します。例えばより多くの人々が青色に立つことで、視覚的により暗い青色が表示されます。
出典:vimeo
異なるカラーはそれぞれ違った視覚効果をトリガーします。青色は最大で8つの水とナチュラルカラーの映像パターンをミックスし、ディープなホーンや存在感のあるベースサウンドを再生します。黄色はアイルランドの笛やアバンギャルドなベースサウンドを再生し、リアルタイムで視覚化をトリガーします。赤色は炎のようなビジュアルとベースサウンドを作り出します。
出典:vimeo
聴覚や視覚などの人間の五感に訴えかけるインスタレーション作品は、人々に新たな体験を与える最も現代的なアートと言えます。今後もテクノロジーの進化とアーティストのアイデアによる新たなインスタレーション作品から目が離せません。
参照:Make