「音で視る」ホラーゲームから“組み立て家具シミュレーター”まで、ヤバいインディーゲーム特集【GDC 2015】

GDC初日のラストに、インディーゲームイベント“The MIX”を取材してきた。

●いろいろキてます!

 2015年3月2日~6日(現地時間)、サンフランシスコ・モスコーニセンターにて、ゲームクリエイターを対象とした世界最大規模のカンファレンス、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2015が開催中。
 初日のラストには、米メディアのIGN本社で行われたインディーゲームイベント“The MIX”を取材してきた。60タイトル弱が出ていた中で、特に強烈に印象に残ったタイトルをまとめてご紹介しよう。


mix

▲インディーゲーム開発者はもちろん、プレス関係者、インディーパブリッシャーなど、さまざまな人でごった返していた。正直酸素薄かったレベル。

■『Home Improvisation』(The Stork Burnt Down
 既にロゴが某IK●Aに似ていて危険な香りがする、“組み立て家具シミュレーター”。「組み立てはカンタン!」とか言ってる割に、簡素なマニュアルの罠にハマって「道理で変だと思ったらコレ逆向きじゃねぇか!」という惨事に陥ったりして、「ムキーッ!」となったことはないだろうか? そんなイライラ体験を味わえるのが本作。itch.toで無料公開されており、Unity Web Playerでプレイできるので、イラッと来てせっかくの家具を破壊する前に遊んでおこう。


■『AEROBAT』(Thew
 家具にイライラした後は、無闇矢鱈に燃えるフライトシューティングの『AEROBAT』を。基本的には横スクロールシューティングなのだが、自機は「エンジンか武器かのどっちかしかオンにできない」というアンバランスな機体。よって“まずはエンジンフル回転で飛ばしまくり、上昇してからエンジン切って落下しながら撃ちまくる”という異様な戦闘スタイルを取ることになる。
 しかし動画を観て欲しいのだが、この攻撃時のガスガス撃つアニメーションがメチャクチャかっこいい! Steam Greenlightも無事通過し、PC版リリースへの準備も万端……なのだが、「本業の合間に作ってるんでなかなか仕上げる時間が取れなくてね! 退職して専念するのもちょっとアレだし、夏ぐらいには目処を立てたいけど」とのこと。えーと……頑張ってください!


■『Donut Country』(Ben Esposito
 今年のIGFアワードにもノミネートされているアドベンチャーゲーム。地面にぽっかり空いた謎の穴を操作し、マップ上の物を飲み込ませていく。穴は物を飲み込むたびにどんどん大きくなるので、もっと大きなものを飲み込めるようになるという寸法。そうやって進んでいく「穴でかくするパート」と、その周囲で起こるストーリーパートの二本立てでゲームが進行していく。
 何を言っているかわからないかもしれないが、要は穴に物を落としていく謎の気持ちよさがいい感じのゲーム。PC/Mac/iOSで2015年中のリリースを予定している(ちなみにデモPCではトラックボールで穴を動かしていたのだが、これもまた気持ちいい)。


■『Progress』(Ludosity
 スマートフォンのタッチパネルはもちろん、加速度センサーやジャイロセンサーもフル活用したパズルゲーム。問題はシンプルで、画面に出てくる指示を行えばクリアー。
 しかし最初の内は「画面に触れろ」、「後ろを向け」といったカンタンなものだが、「歩く方法を学べ」(2本の指で歩くマネをする)はともかく、いろんな問題が続いた後で「走れ」と言われてそれが「指歩きを早くやる」だとすぐに気付く人はどれだけいるだろうか。さらに「鳥」と言われたら? まぁそんな感じの頭の体操ゲームで、100問収録。2015年のリリースを予定している。


■『Read Only Memories』(Midboss
 2064年、ネオサンフランシスコ……。「AKIRA」と『スナッチャー』をネオンの下でミックスしたかのような、サイバーパンクアドベンチャーゲーム。とにかく“ネオレトロ”とでも言うべき絶妙なセンスのグラフィックとサウンドがカッコイイ! 2015年夏にPC/Mac/Linux/Ouyaでリリース予定で、公式サイトでは予約受付中。デモをダウンロードして遊ぶこともできる。せっかくロゴに「リードオンリーメモリズ」とカタカナをぶっ込んでいるぐらいなので、どうせなら日本語ローカライズしてくれないですかね……(ロゴはそのままで)。


■『Drift Stage』(Super Systems Softworks
 こちらも“パステルカラーバキバキな色彩感のドット絵に見える3Dレーシング”という、時代感が歪みまくるレースゲーム。出てくる車体は往年のスポーツカーをリスペクトしていて、やることは90年代の『リッジレーサー』、『デイトナUSA』などのとにかくドリフトするスタイルだ。公式サイトからα版デモをダウンロードできるので、なにかにピンと来てしまった人はトライされたし。PC/Macで2015年中のリリースを目指しているほか、コンソール版も検討している模様。


■『Stifled』(Gattai Games
 コウモリが超音波で周囲を認識するように、世界を音で知覚するという異色のホラーゲーム。マイクを使って自分で音を出してソナーのように発信することもできるが、何かあまり見たくないものをわざわざ発見してしまったり、クリーチャーにこちらの存在を察知される可能性もあるという諸刃の剣。今回はパーティー会場だったからいいものの、部屋でひとりでプレイするのは絶対怖すぎる。PC/Mac/コンソールで2015年にリリース予定。


■『Let's Robot』(Aylo Games
 ゲーム動画配信サービスTwitchの視聴者のチャットコメントを入力としてみんなでゲームする「Twitch Plays Pokemon」などの遊びを、リアルなロボットの対戦に置き換えたもの。ayloBotとninaBotの2体それぞれに専用の配信チャンネルがあり、チャットコメントでロボが動いていく。一応「ポータルキューブを3個運べ」といったミッションがあるのだが、もちろんそんな思った通りには動かない。