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「吉田調書」の教訓は 報告書まとまる
2月27日 17時44分

「吉田調書」の教訓は 報告書まとまる
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福島第一原発の事故を巡る吉田昌郎元所長の証言記録、いわゆる「吉田調書」から読み解ける教訓について、3年前、事故を独自に調査した民間の事故調査委員会のメンバーが報告書にまとめました。
報告書は、これまで肯定的に評価されていた元所長の行動に潜むリスクなども指摘する内容になっています。
福島第一原発の事故を巡る吉田元所長の証言記録、「吉田調書」およそ400ページは、政府のホームページ上で公開され、今、さまざまな分野の専門家がこれを読み解き、教訓を得ようとしています。
このうち、3年前に原発事故の調査を独自に行った民間の事故調査委員会のメンバーたちが、その結果を報告書にまとめ、27日、記者会見して公表しました。
まず注目しているのが、元所長が東京電力本店の指示に反して原発への海水注入を継続したことについて、「いつ再開できるんだと担保のないような指示には従えない」などと明言していることです。
報告書はこの判断について、「危機において許されるべき独断として受け止めるべきかもしれない」と肯定的な評価を示す一方で、「危機対応で絶対順守すべき指揮命令を外れ、一歩間違えれば災害をさらに拡大させかねない問題のある行動だった」などとして、その行動に潜むリスクも指摘しています。
また、元所長が放射線量の高い現場に向かう部下たちの行動をたたえ、「頭を下げて頼んだら、本当に感動したのは、みんな現場に行こうとするわけです」などと証言しているくだりからは、「命がけの仕事を誰がどういう根拠に基づいて命令するのか、そのような究極の挑戦に日本は正面から臨んでこなかった」ことが読み解けるとして、緊急事態に備えた法や制度の整備を平時のうちに行っておくことの重要性を指摘しています。

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