2015年3月3日11時48分
福岡県立筑前高校(福岡市西区)に通っていた同市の男性(29)が、高校の体育祭の騎馬戦で転落し首の骨が折れて障害を負ったのは、高校が安全配慮を怠ったのが原因だとして、県を相手に計約2億9千万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が3日、福岡地裁であった。永井裕之裁判長は学校の安全配慮義務違反を認め、県に対し、約2億円の支払いを命じた。
訴状によると、男性は高校3年の2003年9月、体育祭の騎馬戦で転落。病院に搬送されたが、男性は首から下がほとんど動かなくなり、04年7月に身体障害者手帳1級の交付を受けた。リハビリを続けて腕は上がるようになったが、現在も自宅で両親の介護を受けているという。
男性側は「騎馬戦の事前練習がなく、審判役の教員も危険を防げなかった」などとして、安全配慮義務違反があったと主張。県側は「参加生徒や教員を集めてルールや危険性を説明する講習会をした。審判も転落した場合には受け止められる準備をしていた」などとして争っていた。
判決後、男性の代理人の中村亮介弁護士は「判決は安全配慮義務について、学校側に相当高い注意をはらうようにとのメッセージを与えたと思う」と話した。県は「判決の内容を慎重に検討し、今後の対応を考えたい」とコメントした。
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!