基地をめぐる日本政府の隠蔽(いんぺい)がまた一つ暴かれた。
米軍普天間飛行場の移設を名目に安倍政権が強権的に建設している名護市辺野古の新基地の護岸の長さは271・8メートルだ。環境影響評価書(アセス)の段階では約200メートルだったが、埋め立て申請の段階になって突然、延長された。
なぜその数字なのか。理由は不明だった。ところが今回、得心のいく答えが見つかった。延長された長さが強襲揚陸艦の接岸基準とほぼ一致することが判明したのだ。
米国防総省の外郭団体が作成した技術書で、強襲揚陸艦ボノム・リシャールの接岸に必要な護岸の長さが271・86メートルだった。
日本政府は、護岸の長さを延長して申請した際、県民への説明なしに提出していた。強襲揚陸艦の接岸が可能ではないかと問われても、「軍港機能を持たせるつもりはない」と述べていた。ところが今回、小数点以下の数字まで一致すると分かったのだ。これでもなお、しらを切るつもりだろうか。
政府は「防波堤がないから軍港ではない」と釈明するかもしれないが、そんな詭弁(きべん)は通用しない。数トンの漁船ではあるまいし、排水量4万トンもの巨大な強襲揚陸艦なら防波堤なしで寄港できるのはホワイトビーチで証明済みなのだ。
辺野古新基地には高速輸送船も配備されるが、政府がそれを知りつつ隠していたことは、内部告発サイト・ウィキリークスの暴露で既に判明している。強襲揚陸艦が接岸し、高速輸送船も配備される基地が、軍港でないはずがない。
新基地について政府はあくまで普天間の代替施設と言い、ヘリ基地の機能に限定していると説明する。だが軍港機能まで持つとなると空海一体の一大軍事拠点ということになり、説明は根本から崩れる。軍港機能を伏せていたのだから政府はアセスを出し直すべきだ。
それにしても政府の隠蔽体質は目に余る。1996年には垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの新基地配備を米国が通告したが、日本の官僚が隠蔽を求めたことが分かっている。米公文書でそれが判明した後もしらを切り続け、15年後にようやく明らかにした。強襲揚陸艦も似た展開になることは想像に難くない。
あまりに不誠実だ。こんなことがまかり通るなら民主主義国とはいえない。暗黒国家のごとき新基地建設はもはや人道にすら反する。
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