戦争のない世界を願って 富山で「平和の日」の集い
北日本新聞 3月1日(日)21時10分配信
「『平和の日』富山の集い」が1日、富山市のオーバード・ホールで開かれ、日本ペンクラブの浅田次郎会長ら4組8人の作家らが「平和の日に想(おも)う」をテーマに対談した。高志(こし)の国(くに)文学館長でもある中西進副会長は「戦争のない世界を望んでいれば、起こらないと信じている」と語り、一人一人が平和を希求することの重要性を訴えた。日本ペンクラブや県と富山市でつくる実行委員会主催。
「『平和の日』の集い」は、1985年から日本ペンクラブが毎年開催し、今回は「旅」「愛」「命」「平和への祈り」をテーマに、リレー形式でトークを繰り広げた。
中西副会長と作家の下重暁子副会長は「旅」と開業目前の北陸新幹線を絡めて話した。東京−富山間が近くなることを喜びつつ「便利になるほど五感は衰える」とし、各地を旅した盲目の女性芸能者「瞽女(ごぜ)」の現地での親密な交流ぶりを紹介。心で物事を見る大切さを強調した。
ヒット曲「千の風になって」を訳詞・作曲した新井満さんと太宰治の娘、太田治子さん、作家の志茂田景樹さんと中島京子さんの対談に続いて浅田会長と作家の落合恵子さんは戦後70年を振り返った。浅田会長は自衛隊員時代の経験や戦争を描いた小説執筆時の苦悩を語り、「自分は戦争を知らない世代だが、親たちは体験してきた。語り継ぐのが役目だと思う」と話した。
フィナーレでは、出演者が再び登壇し、石井知事、浅田会長が次の開催地の宮崎県延岡市の代表者に「平和の旗」を手渡した。中西副会長が、日本はたった10年で戦争に突入し、焦土と化したことを挙げ、「判断を誤るとどんな結果になるか分からないということを共通の理解にしましょう」と呼び掛けると、会場から大きな拍手が起こった。
北日本新聞社
最終更新:3月1日(日)21時10分
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