中1殺害 酔って「人殺したい」 弱い者いじめで孤立、暴力性深める
産経新聞 3月3日(火)7時55分配信
殺人容疑で逮捕されたグループのリーダー格だった18歳の少年が供述する動機の一部が、明らかになり始めた。「人を殺したい」。飲酒のたびにこう話していたという少年は、弱い者いじめを繰り返し、周囲から疎まれる中で、暴力性をエスカレートさせていた。複数の知人らへの取材からは、「孤独」と「凶暴」という二面性が浮かび上がる。
「小、中学校のころは、よく弱い者いじめをしていた。同級生の弱い子を殴り、他の子から『何やってんだよ』と注意されたこともあった」
18歳の少年と小中学校で同級だった少年(18)は、こう証言する。
中学校は休みがちで、部活動もしていなかった。多くの生徒がいる前ではおとなしく、「どちらかというと目立たない感じ。友人はあまりいなかった」という。
少年を知る女性は、「中学1年のころ、気の弱い男子生徒を理不尽な理由でボコボコにして、そこからだんだんと孤立していった」と話す。
弱い者いじめをする姿が反感を買ったのか、同学年の友人は少なかったという。最近は常に2、3人の中学生を引き連れていた。
孤独を深める一方で、その“牙”はしばしば、周囲に目撃されていた。エアガンや警棒を持ち歩き、ハトを撃ったりしたこともあった。
酒が入ると、その凶暴性は増したようだ。知人女性によると、酒に酔ってバイクに2人乗りし、歩いていた高齢男性の後ろから近づき、いきなり鉄パイプで殴って大けがをさせたこともあった。酒に酔うたびに「人を殺したい」と口にしていたという。
事件の数時間前にも、ともに殺人容疑で逮捕された17歳の少年2人と飲酒していたことが分かっている。
捜査関係者によると、逮捕された17歳の少年の1人は神奈川県警の取り調べに、18歳の少年について「酒を飲むと手が付けられなかった。暴れ回って、止めると暴力の矛先が自分に向かってくることがあった」という趣旨の供述をしているという。
知人女性は、少年の支配の実態をこう明かした。
「自分より弱い子を引き連れ、マインドコントロールのように言うことをきかせていた。中学生らは怖がってうわべだけで付き合っていた」
最終更新:3月3日(火)10時41分
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