汚染水:浄化完了は来年5月にずれ込み 当初目標は今月末

毎日新聞 2015年03月03日 07時00分(最終更新 03月03日 08時55分)

 東京電力福島第1原発に保管されている高濃度汚染水の浄化処理完了が、当初目標の今月末から、来年5月ごろにずれ込むことが分かった。廃炉・汚染水対策を統括する東電の福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏・最高責任者が毎日新聞の取材に明らかにした。

 浄化処理をする多核種除去設備「ALPS(アルプス)」のトラブルが相次いで稼働率が上がらないため、今年1月、当初目標達成を断念していた。

 東電によると、敷地内のタンクに保管中の汚染水は現在約20万トン。ストロンチウムなど62種類の放射性物質を除去できるアルプスのほか、ストロンチウムだけを除去する装置を新設し、浄化処理を進めている。

 増田氏は「最も影響が大きい」とするストロンチウムの処理を優先し、今年5月中に完了させるとした。ストロンチウムを除去すれば「放射性物質濃度は1000分の1程度になる」と述べた。複数種類の放射性物質が汚染水に残るため、アルプスでの全量浄化は来年5月ごろになるという。【岡田英】

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