明治:チョコ1カ月食べ血圧低下 市民350人参加し実証
2015年01月23日
カカオポリフェノールを多く含むチョコレートの継続的な摂取が生活習慣病改善にどのような効果があるか調べる実証実験を製菓会社の明治と愛知県蒲郡市、愛知学院大学が市民ら約350人の参加を得て実施したところ、血圧を低下させる効果や、動脈硬化を予防するHDLコレステロールの値を上昇させる効果があったという研究結果を発表した。
実験は14年6〜7月の1カ月間、45〜69歳の同市や同市周辺の住民347人(男性123人、女性224人)を対象に実施。カカオ分72%という高カカオポリフェノールのチョコレート25グラムを毎日摂取し、その前後の血圧や血液成分など体の状態の変化を検証した。
その結果、最高血圧の平均値が125.3ミリHgから122.7ミリHg、最低血圧の平均値が78.8ミリHgから76.9ミリHgとともに低下。さらに、被験者を高血圧群(最高血圧140ミリHg以上か最低血圧90ミリHg以上の被験者82人)と正常血圧群(最高血圧140ミリHg未満で最低血圧90ミリHg未満の被験者265人)の2群に分け、それぞれ摂取前後の最高血圧の変化を見たところ、高血圧群の方が正常血圧群と比べ、より血圧の低下量が大きかったという。
また、血中のHDLコレステロールの平均値は、1デシリットルあたり67.9ミリグラムから69.7ミリグラムに増加。一方、被験者全員の体重、BMI(肥満度を表す体格指数)は、摂取前後で変化が認められなかったという。
同研究結果を受け、同大学の大澤俊彦教授は「カカオポリフェノールが炎症反応を抑え、血管内機能の障害を防ぐことで血圧が下がる。もう一つは、善玉コレステロール(の値)が上昇することで悪玉コレステロールを下げる効果が期待できる」と説明。「血管内機能を改善できるという我々にとって期待以上の結果となった。これからもこのスタディー(研究)を続けていきたい」と語った。