GDP10─12月下方修正か、設備投資据え置きでも在庫など下押し
[東京 2日 ロイター] - 財務省が2日発表した2014年10─12月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、設備投資額は全産業で前年比2.8%増となり、7期連続の増加となった。
製造業では円安効果で過去最高益となったことを背景に、能力増強投資がけん引した。ただ前期比ではわずか0.6%の増加と勢いは弱く、特に非製造業の設備投資は停滞感がある。国内総生産(GDP)2次速報で設備投資に修正はない見通しだが、在庫投資や公共投資の下押しから全体の成長率は下方修正となりそうだ。
設備投資額は、製造業で前年比8.0%増。7─9月の前年比10.8%増に続き、力い強い伸びとなっている。前期比(ソフトウエアを除く)でみても、7─9月の2ケタ増の後も伸びは鈍化しつつも増勢は維持した。前期比では1.8%増。
医薬品関連の研究開発や生産能力増強、電機の生産自動化投資、情報通信機械のスマートフォン向け生産能力増強など、能力増強投資がけん引している。
背景には、円安効果による需要増や収益増などがある。製造業の10─12月経常利益は1954年の統計開始以来の過去最高益となった。
一方で、非製造業の設備投資は7期連続の増加ながら、前年比0.3%増と微増にとどまった。テーマパーク施設や飲食店新規店舗での投資、鉄道新型車両などの投資はあったが、電力関連投資や情報通信用基地局投資などで前年の反動が出た。前期比では0.1%減とわずかながらも2期連続の減少となり、さえない。
経常利益は好調で、前年比8.3%増と7期連続の増益。前期比でも7.7%増と前の期の減益から転じて増益となった。
規模別にみると、10─12月期は資本金10億円以上の大企業に比べ、資本金1億円以下の中小企業で売上や経常利益の伸びが高かった。売上高経常利益率も、中小企業では昨年4─6月期以降3%未満が続いたが、10─12月期は4.1%まで改善した。
10─12月期国内総生産への影響について調査機関の間では、1次速報値の前期比0.6%・年率2.2%から、2次速報でやや下方修正されるとの見方が目立つ。設備投資の伸びは1次速報値とほぼ変わらないものの、在庫投資や公共投資が下方修正され、成長率全体としては下方修正されるとの見通し。
2次速報値について、農林中金では前期比0.5%、年率2.2%と下方修正を予測。設備投資は上方修正ながら、在庫投資と公的固定資本投資が下方修正されることによるものという。
みずほ証券でも前期比0.5%、年率1.9%と下方修正を予測。設備投資がマイナス0%に下方修正、民間在庫品投資、公的固定資本投資も下方修正されるとみている。
三井住友アセットマネジメントでは、前期比0.5%、年率1.9%と予測。設備投資は変わらないものの、在庫投資や公的資本形成が下方修正されるとみている。
法人企業統計は四半期ごとに調査が行われ、資本金1000万円以上の法人企業が対象。
*内容を追加します。
((ロイターニュース 中川泉 編集:佐々木美和))
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