１８歳少年「カッターを使い、殺害した」工業用カッター使い逆恨みか

　川崎市川崎区の多摩川河川敷で中学１年上村遼太君（１３）が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された１８歳の少年が「カッターを使い、殺害した」と容疑を認める供述を始めたことが２日、捜査関係者への取材で分かった。２月２７日の逮捕時は「当時のことは、今は話さない」としていたが、翌２８日夜から関与をほのめかし始めたという。

　捜査関係者によると、少年は殺害の動機について、以前の暴行を「チクられた（告げ口された）のでやった」と説明。殺害の直前に「被害者を川で泳がせた」とも供述している。遺体は河川敷で、裸で見つかった。

　傷口の状態から、川崎署捜査本部は、工業用のカッターナイフ１種類とほぼ特定。現場に落ちていた折れたカッターの刃とも矛盾しないという。

　上村君の首の前部に、横一線の切り傷があったことも捜査関係者への取材で分かった。捜査本部は、傷口の形状から顔を上げさせて切った可能性が高いとみている。首の後部にも２カ所の目立った切り傷があった。

　殺人容疑で一緒に逮捕された１７歳の少年２人は「やったのは１８歳の少年」と既に供述。１８歳少年は「カッターナイフは１７歳少年が持っていた」と話し、「一緒に逮捕された１７歳の２人もカッターナイフで（上村君を）切った」と供述している。３人の話に食い違う点もあるという。捜査本部は、供述を突き合わせながら、１８歳少年が主犯格とみて実態解明を進める。

　捜査本部によると、１８歳の少年は「カミソン（上村君のあだ名）には、取り返しのつかないことをしました」と反省の弁を述べた。

　捜査関係者によると、１７歳の少年２人のうち、中学校の同級生だった少年がカッターを所持していたと説明している。

　この１７歳少年は調べに「何もしていないと思う」「今は思い出せない」と話していたが、捜査本部によると、事件への関与をほのめかす供述を始めた。

　上村君の友人らによると、１８歳の少年は１月中旬に上村君を激しく暴行。同下旬、上村君の友人らが少年に抗議し、謝罪させた。

　また、捜査本部は、暴行したことについて謝罪を求めるグループが２月１２日には少年の自宅に行き、少年の家族が１１０番、警察官が駆けつけたと明らかにした。事情を聴く中で、警察官が上村君に電話したという。捜査本部は少年が逆恨みしたとみている。